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【王戦】海に響く慟哭

マスター:赤山優牙

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート

関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―

難易度
普通
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加人数
現在5人 / 3~5人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2019/04/07 09:00
リプレイ完成予定
2019/04/21 09:00

オープニング

 ――歴不明のある日
 そこは海に面した村だった。
 漁を行い、得られた海産物を加工し、遠くの街で売る。
 得られる財貨とはそういう程度のものだ。
 質素ながらも、村人達は海と共にあった……“文明”がやってくるまでの間は。
「大いなる海の精霊よ。我らに豊かなる恵を、お与えくださいますようお願い申し上げます」
 美しい巫女が海に向かって突き出すように作られた神廊で祈る。
 村には古くから、海を祀っていた。巫女は、神事を行う者であると同時に、海を守る者でもあった。
「…………」
 巫女は祈りの姿勢のまま微動だにしなかった。
 いつもは聞こえる海の精霊の声が、いつまで経っても聞こえてこない。
 海の精霊に嫌われてしまったのだろうかと思う。
 でも、海の精霊は“私達”を祝福してくれたのだ。
 人は人として生きる事を推してくれたのは、他の誰でもない。心優しき海の精霊だった。
「ここに居たのか……精霊様の声は聞こえたかい?」
 愛する人の声が巫女に届き、振り返った。
 そこには青髪青瞳の好青年の姿があった。青く、長い髪が潮風に揺れている。
「ティオリオス……私にはなにも……精霊様は、私の事が……」
「何を言っているんだ。精霊様が“俺達”を繋いでくれたんだ。君の事を嫌う事はあり得ない」
「では、なぜ、精霊様の声が聞こえないのでしょうか?」
 巫女は涙を浮かべる。
 青年は険しい視線を海原に向けた。穏やかでありそうで――何か辛そうにも見える。
「きっと、何か原因があるに違いないよ」
「でも、私達ではどうしようも……調べたりできるの?」
「分からない。けど、異変があるとすれば、向こう山じゃないかと思うんだ」
 村長の息子である青年の耳には“文明”の到来が入っていた。
 向こう山に、異人達が住みだしたらしいのだ。村にも時折、異人達がやってくる――もっとも、良い印象はない。
 彼奴らはゴミや異物を投げ捨て、奴隷を虐め、常に横柄な態度だからだ。
「漁師が言っていたんだ。最近、海の汚れが酷いって。どうやら、川から汚れが入ってきてると」
「村はずれの川から?」
 その川は向こう山が上流になっていた。
 となると、青年の予感というものは正しいのかもしれない。
「あぁ。だから、俺は調べてこようと思う。そして、川を汚す原因が分かれば、止めてくるよ」
「大丈夫?」
「任せて。だから、君はここで精霊様からのお告げを待ってて欲しい。きっと、精霊様もこの事態を良くないと思っているはずだから」
 青年は愛する人に心配かけないようにと爽やかな笑顔を浮かべた。


 神霊樹の記録によると、この後、村には悲劇が訪れる。
 野盗か何かの集団により、村人らは虐殺され、その血で海が真っ赤に染まった。
「古い記録であり、パルムもずっと見ていたようではないので、断片的なんですよね」
 そう言ったのは騎士ノセヤだった。
 テーブルの上にずらりと並ぶ資料の山。莫大な神霊樹のライブラリの中から、この記録を引き出すのに多大な労力を費やしたのだろう。
 依頼を受ける為に集まったハンター達をノセヤは順に見渡す。
「歪虚ティオリオスは倒さなければならない敵である事は確かです。ですが、その正体を知らなくて良いという事でもないはずです」
 傲慢――アイテルカイト――ではなく、強欲――ドラッケン――に属しているという事は分かっている。
 しかし、それ以外の情報は分からないままだ。人間体の姿に意味があるのか、海となにか関係があるのか。
 薄っすらと見えたという大型龍種の輪郭というのも気になる。
「ライブラリの中に入っての行動はお任せします。悲劇を防ぐ為に行動しても、何があったのか知る為、傍観に徹していても構いません」」
 当然の事ながら、他にも出来る事はあるかもしれない。
 例えば、海が汚れた原因を調べに行く――という事も。
 巫女に出会って、海の精霊について聞くという事も。
「それでは、皆さん、よろしくお願いします」

 ライブラリにアクセスしたハンター達は海に面した村を見下ろす小高い丘に降り立った。
 村を眺めながら周囲を見渡すと、少し大きめの川が流れていた。幾度も蛇行しながら、その川は山へと向かっている。
「あれま。珍しい旅人かい? それとも、向こう山の異人かい?」
 話し掛けてきたのは村人のようだった。
 どうやら、山菜を取っていたようだ。籠には見たこともない野草が沢山摘まれていた。
「泊まる場所を探しているなら、村に寄ったらいい。今は漁の時期じゃねぇから、空いている所もあるだ」
 そう言って村人は、よいしょと掛け声と共に籠を背負う。
 そのまま、フラフラと村に向かって歩き出したのだ。
 さて、どうしたものだろうか。このまま村に行ってもいいだろうし、向こう山に行ってもいい。
 ハンター達はお互いの顔を見合わせたのであった。

解説

●目的
歪虚ティオリオスの手掛かりを得る。

●内容
神霊樹ネットワークにアクセスし、とある過去を調べる。

●とある村
年代不明&場所不明の村。
建物の雰囲気から西方世界のいずこかと思われる。人口150人程度。
漁の最盛期時の出稼ぎ労働者向けの宿は幾つかある様子。
酒場は1店舗あり、村人も普段から集まっている。
海に面しており、小さいながらも港になっている。
港はそのまま広場と繋がっており、食料品などの売買や物々交換が行われている。
海に張り出されるように精霊を祀る神殿がある。
旅人は度々、訪れるようで、ハンター達が村にやってきても違和感なく受け入れる。
(わざわざ村長に滞在許可を貰う必要はない)
村を警備する為に雇われた傭兵なら数名いる。
向こう山の街に行く場合、現地で夜を迎えます(村に戻れないままライブラリから帰還します)。
街は村よりも数段発展しているようです。

他の情報は出発前には不明。
現地で調査する必要がある。

●PL情報
夜が更けた頃、村は野盗か何かの集団によって焼き討ちにあいます。
村に留まっていれば、襲撃に巻き込まれます。
敵はハンターにも襲い掛かってきます。ハンターという概念は彼らの中には無い様子です。
野盗は非覚醒者でありますが、優れた鉄器の武器を装備しています。
野盗を撃退する事も可能ですが、規模や人数、襲撃方向は不明です。

●その他
希は同行しませんが質問卓には顔を出します。

マスターより

●挨拶
おはようございます。AdivMSの赤山です。再びやってきました神霊樹ダイブ。
今度はティオリオスの過去を追うシナリオとなります。ただし、ティオリオスに関してアクセスできるのは今回の依頼のみとなります。

●攻略のヒント
誰が何を、どんな情報を求める為に行動するのか――というのは相互で確認が必要となるでしょう。
得られた『歪虚ティオリオスに関する情報』が達成度に大きな影響を与えます。

関連NPC

  • 新進気鋭の受付嬢
    紡伎 希(kz0174
    人間(クリムゾンウェスト)|14才|女性|機導師(アルケミスト)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2019/04/11 21:14

参加者一覧

  • 白き流星
    鬼塚 陸(ka0038
    人間(蒼)|22才|男性|機導師
  • 緑龍の巫女
    Uisca=S=Amhran(ka0754
    エルフ|17才|女性|聖導士
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 嵐影海光
    レベッカ・アマデーオ(ka1963
    人間(紅)|20才|女性|機導師
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェスト(ka2419
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/04/03 22:48:17
アイコン 【相談卓】慟哭の由縁を探して
Uisca=S=Amhran(ka0754
エルフ|17才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2019/04/05 01:02:10