ゲスト
(ka0000)
【血断】落ちる砂時計
マスター:猫又ものと

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/04/11 12:00
- リプレイ完成予定
- 2019/04/25 12:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●アスガルドの子供達
「全くもう……! ランディもマルコスも、飛び出して行ったと思ったらまた騒ぎ起こして……! 戻って来たらお説教しなきゃ」
「……杏。2人をあまり怒らないであげて。『あなたの命はあと数年です』って言われてびっくりしない子なんていないもの」
「それはそれ、これはこれでしょ! もう私達ハンターなんだから甘やかしちゃダメ!」
ぷりぷり怒る杏に困ったような笑みを浮かべるユニス。
ユニスは杏の短い黒い髪をそっと撫でる。
「なーに? ユニス。ゴミでもついてた?」
「……ううん。杏はやさしいね。残り時間のこと聞かされて、怒ったり泣いたり落ち込んだりする子が沢山いるのに、杏は皆のお姉さんとして頑張ってるでしょう」
「わ、私は別に。そういうつもりじゃなくて……ほら、うじうじするの嫌いだから!」
「そうかもしれないけど……わたしの前でくらい、弱音吐いたっていいんだからね」
「何言ってるのよ、私は平気。さ、もう遅いわ。今日はもう寝ましょ」
「……うん。また明日ね」
「また明日」
ユニスにひらひらと手を振って、自室へ戻る杏。
……また明日。
明日も、明後日も、その次の日も。
当たり前のように訪れると信じていた。
――信じていたのに。
眠るのが怖い。
目が覚めなかったらどうしよう。
明日が来なかったらどうしよう。
強化人間になったのは、故郷を救いたいと思ったから。
その為の力だと教わって――。
自分達が手にしたのはVOIDの力だった、と。
後になってから聞かされた。
VOIDの力を使ったから、残された命は僅かだとも。
――どうして?
ただ故郷を救いたかっただけなのに。
戦いの末に死んで行った仲間達を沢山知っている。
戦場は死が隣り合わせだと習っていた。
私だって、ああなっていたかもしれなかった。
いつ死んでも大丈夫だと思っていたのに……。
……死ぬというのはこんなにも怖いものだったのだ。
今になって分かるなんて――。
……ああ。先生たちみたいな素敵な大人になりたかったな。
ベッドに潜り込んだ杏は、頭まで布団をかぶって――声を殺して泣いた。
●贖罪
ムーンリーフ財団総帥、トモネ・ムーンリーフは書類から顔を上げると深くため息をついた。
レギ(kz0229)から、アスガルドの子供達の報告を受けた為だ。
職員達から余命について聞かされた子供達は、様々な反応を見せた。
怒るもの、泣くもの、健気に受け入れようとするもの……。
職員達が繰り返し子供達のケアに当たり、落ち着いて来たと思っていた矢先に、ランディ達がああいう行動に出たのだ。
「……落ち着いていたのは表面上だったということか。私ももう少しこまめに声をかけてやるべきだったな」
「いえ。トモネ様もお忙しかったですし。仕方ありませんよ」
「忙しいのが言い訳になるか。私には子供達への責任があるのだぞ。……あの子達を、強化人間にしてしまった」
「トモネ様のせいじゃありませんよ。僕達は自分で選んで……」
「一部の強化人間達はそうだろう。だがアスガルドの子供達は違う! 行く宛のないあの子達に選択の余地などなかった……! 大人たちに良いように言いくるめられて強化人間にさせられたのだ!」
「……その点で言いますと、強化人間計画の全容を知った上で実行していた私が一番の罪人ということになりますね」
不意に聞こえた声に振り返るトモネとレギ。
そこには、ユーキ・ソリアーノが立っていた。
「ユーキさん、お久しぶりです! 戻って来られたんですね」
「お久しぶりです。……執行猶予中の身ではありますが、お陰様で拘束は解かれました」
「そうですか。良かったです。それじゃまた一緒にお仕事出来ますね」
驚きすぎて声が出ないトモネの代わりに話すレギ。ユーキは薄く笑って頭を下げる。
「はい。私のこれからの人生は、トモネ様の御為と贖罪の為に使わせて戴く所存でございます」
「……うむ。頼りにしておるぞ」
「Yes. My Lord」
久しぶりに聞いたユーキの決まり文句。
それが懐かしくて、嬉しくて……目頭が熱くなって、トモネはぷるぷると頭を振る。
「さて、こうしてはおられぬ。アスガルドの子供達に会いに行くぞ。レギ、おぬしも一緒に来い」
「あ、ハイ! でも、僕で役に立ちますかね」
「……同じ立場だからこそ分かることもあろう。それから……ユーキ。ハンター達にも声をかけてくれ」
「承りました。すぐに手配を致しましょう。……突然行って話をすると子供達に身構えられるかもしれません。お茶会ということにした方が良いかと思いますが、如何ですか?」
「そうだな。そうしよう。お茶菓子の用意も頼む」
「分かりました!」
「かしこまりました」
トモネに頷き返すレギとユーキ。
彼女が2人と依頼に応じたハンターを伴い、アスガルドの子供達を訪ねたのはそれからまもなくのことだった。
●アスガルドの子供達
「全くもう……! ランディもマルコスも、飛び出して行ったと思ったらまた騒ぎ起こして……! 戻って来たらお説教しなきゃ」
「……杏。2人をあまり怒らないであげて。『あなたの命はあと数年です』って言われてびっくりしない子なんていないもの」
「それはそれ、これはこれでしょ! もう私達ハンターなんだから甘やかしちゃダメ!」
ぷりぷり怒る杏に困ったような笑みを浮かべるユニス。
ユニスは杏の短い黒い髪をそっと撫でる。
「なーに? ユニス。ゴミでもついてた?」
「……ううん。杏はやさしいね。残り時間のこと聞かされて、怒ったり泣いたり落ち込んだりする子が沢山いるのに、杏は皆のお姉さんとして頑張ってるでしょう」
「わ、私は別に。そういうつもりじゃなくて……ほら、うじうじするの嫌いだから!」
「そうかもしれないけど……わたしの前でくらい、弱音吐いたっていいんだからね」
「何言ってるのよ、私は平気。さ、もう遅いわ。今日はもう寝ましょ」
「……うん。また明日ね」
「また明日」
ユニスにひらひらと手を振って、自室へ戻る杏。
……また明日。
明日も、明後日も、その次の日も。
当たり前のように訪れると信じていた。
――信じていたのに。
眠るのが怖い。
目が覚めなかったらどうしよう。
明日が来なかったらどうしよう。
強化人間になったのは、故郷を救いたいと思ったから。
その為の力だと教わって――。
自分達が手にしたのはVOIDの力だった、と。
後になってから聞かされた。
VOIDの力を使ったから、残された命は僅かだとも。
――どうして?
ただ故郷を救いたかっただけなのに。
戦いの末に死んで行った仲間達を沢山知っている。
戦場は死が隣り合わせだと習っていた。
私だって、ああなっていたかもしれなかった。
いつ死んでも大丈夫だと思っていたのに……。
……死ぬというのはこんなにも怖いものだったのだ。
今になって分かるなんて――。
……ああ。先生たちみたいな素敵な大人になりたかったな。
ベッドに潜り込んだ杏は、頭まで布団をかぶって――声を殺して泣いた。
●贖罪
ムーンリーフ財団総帥、トモネ・ムーンリーフは書類から顔を上げると深くため息をついた。
レギ(kz0229)から、アスガルドの子供達の報告を受けた為だ。
職員達から余命について聞かされた子供達は、様々な反応を見せた。
怒るもの、泣くもの、健気に受け入れようとするもの……。
職員達が繰り返し子供達のケアに当たり、落ち着いて来たと思っていた矢先に、ランディ達がああいう行動に出たのだ。
「……落ち着いていたのは表面上だったということか。私ももう少しこまめに声をかけてやるべきだったな」
「いえ。トモネ様もお忙しかったですし。仕方ありませんよ」
「忙しいのが言い訳になるか。私には子供達への責任があるのだぞ。……あの子達を、強化人間にしてしまった」
「トモネ様のせいじゃありませんよ。僕達は自分で選んで……」
「一部の強化人間達はそうだろう。だがアスガルドの子供達は違う! 行く宛のないあの子達に選択の余地などなかった……! 大人たちに良いように言いくるめられて強化人間にさせられたのだ!」
「……その点で言いますと、強化人間計画の全容を知った上で実行していた私が一番の罪人ということになりますね」
不意に聞こえた声に振り返るトモネとレギ。
そこには、ユーキ・ソリアーノが立っていた。
「ユーキさん、お久しぶりです! 戻って来られたんですね」
「お久しぶりです。……執行猶予中の身ではありますが、お陰様で拘束は解かれました」
「そうですか。良かったです。それじゃまた一緒にお仕事出来ますね」
驚きすぎて声が出ないトモネの代わりに話すレギ。ユーキは薄く笑って頭を下げる。
「はい。私のこれからの人生は、トモネ様の御為と贖罪の為に使わせて戴く所存でございます」
「……うむ。頼りにしておるぞ」
「Yes. My Lord」
久しぶりに聞いたユーキの決まり文句。
それが懐かしくて、嬉しくて……目頭が熱くなって、トモネはぷるぷると頭を振る。
「さて、こうしてはおられぬ。アスガルドの子供達に会いに行くぞ。レギ、おぬしも一緒に来い」
「あ、ハイ! でも、僕で役に立ちますかね」
「……同じ立場だからこそ分かることもあろう。それから……ユーキ。ハンター達にも声をかけてくれ」
「承りました。すぐに手配を致しましょう。……突然行って話をすると子供達に身構えられるかもしれません。お茶会ということにした方が良いかと思いますが、如何ですか?」
「そうだな。そうしよう。お茶菓子の用意も頼む」
「分かりました!」
「かしこまりました」
トモネに頷き返すレギとユーキ。
彼女が2人と依頼に応じたハンターを伴い、アスガルドの子供達を訪ねたのはそれからまもなくのことだった。
解説
目的:アスガルドの子供達とお茶会をする。
リアルブルーから昏睡状態のまま崑崙へと避難し、月面基地で覚醒したアスガルドの子供達。
その後、回復し、ハンターとしての契約を済ませ……そして、自分達の余命を知らされることとなりました。
強化人間として故郷の為に働いた末に待っていた結末。
怒るもの、悲しむもの、混乱するもの――子供達の反応は様々です。
受け入れているように見える子供もいますが、内心はとても傷ついて怯えています。
そんな子供達に人生の先輩として話をしてあげてください。
彼らの余命はどうすることもできません。その上で、何を伝え、何を成すのか……。
それは、ハンターさんにお任せしたいと思います。
今回はお茶会ということになっていますので、差し入れも歓迎します。
基本自由に過ごして戴いて構いませんが、今回は心理描写が多めになる予定です。
■同行者の指定
同行する人がいる場合【同行者のフルネームと番号】を冒頭に記載してください。
例:【同行者】レギ(kz0229)
複数いらっしゃる場合は【チーム名】でご指定戴いても大丈夫です。
同行者がいらっしゃらない場合は、お一人でいらっしゃっている方と一緒に書かせて戴くことがあります。
希望されない方は【単身希望】とお書き添え下さい。
■NPCの同行
今回はレギとトモネ、ユーキが同行しています。
ランディとマルコスは出奔して騒ぎを起こしている最中の為、この依頼では会えません。
■その他
白紙は描写できませんのでご注意ください。
リアルブルーから昏睡状態のまま崑崙へと避難し、月面基地で覚醒したアスガルドの子供達。
その後、回復し、ハンターとしての契約を済ませ……そして、自分達の余命を知らされることとなりました。
強化人間として故郷の為に働いた末に待っていた結末。
怒るもの、悲しむもの、混乱するもの――子供達の反応は様々です。
受け入れているように見える子供もいますが、内心はとても傷ついて怯えています。
そんな子供達に人生の先輩として話をしてあげてください。
彼らの余命はどうすることもできません。その上で、何を伝え、何を成すのか……。
それは、ハンターさんにお任せしたいと思います。
今回はお茶会ということになっていますので、差し入れも歓迎します。
基本自由に過ごして戴いて構いませんが、今回は心理描写が多めになる予定です。
■同行者の指定
同行する人がいる場合【同行者のフルネームと番号】を冒頭に記載してください。
例:【同行者】レギ(kz0229)
複数いらっしゃる場合は【チーム名】でご指定戴いても大丈夫です。
同行者がいらっしゃらない場合は、お一人でいらっしゃっている方と一緒に書かせて戴くことがあります。
希望されない方は【単身希望】とお書き添え下さい。
■NPCの同行
今回はレギとトモネ、ユーキが同行しています。
ランディとマルコスは出奔して騒ぎを起こしている最中の為、この依頼では会えません。
■その他
白紙は描写できませんのでご注意ください。
マスターより
お世話になっております。猫又です。
お久しぶりとなります、アスガルドの子供達の依頼をお届けします。
故郷の為に戦い続けていた子供達を待ち受けていた試練。
突きつけられた現実はとても厳しいものでした。
そんな中、皆様は子供達にどんな想いを伝えるのでしょうか。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
お久しぶりとなります、アスガルドの子供達の依頼をお届けします。
故郷の為に戦い続けていた子供達を待ち受けていた試練。
突きつけられた現実はとても厳しいものでした。
そんな中、皆様は子供達にどんな想いを伝えるのでしょうか。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/04/25 07:42