ゲスト
(ka0000)
タラクサクムのつぼみ
マスター:のどか

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 不明
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/04/19 09:00
- リプレイ完成予定
- 2019/04/28 09:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●
ひとつ、落ち葉を踏みしめるたびに、ひとつ、乾いた呼吸がはずむ。
まだ冬の名残が色濃い裸の雑木林を歩む女性は、まるで着の身着のまま家出してきたかのような姿であった。
身につけた空色のベビードールは朝露に濡れて肌に張り付き、その煽情的な身体のラインを浮かび上がらせる。
フリルの先からのぞく、陽の光など知らずに育ったのであろう御足は、裸足であることもあいまってあちこち泥に濡れ、生傷が絶えない様子であった。
彼女――ジャンヌ・ポワソン(kz0154)は見えない怪物に怯えるように、時折後ろを振り返って肩を震わせながら、先へ先へと歩みを進める。
行く当てが決まっているわけではない。
ただひたすらに、本能的に、恐ろしい「目」からできるだけ遠い場所を目指して逃げ続ける。
外の世界に触れるまで、彼女は自分がどれほど「有名人」であるかを理解していなかった。
災厄の十三魔と彼女らをひとくくりに纏めて呼ぶのは人間たちの所業。
とうの本人たちにとってははなはだ興味の外であり、彼女にいたってはそのような状況にあることすらも知らなかった。
ここまで、どこへ向かっても、どこへ逃げても、人間は自分のことを知っている。
ただの一度も足を踏み入れたことがない異国の地なのに。
見知らぬ者に「知られている」恐怖。
どこへ向かっても、見つかればあっという間に覚醒者の捜索隊に追い回される日々。
肉体の方はどれだけ元気でも、精神は徐々に追い詰められつつある。
「私が、“あい”を取り零してしまったから――」
ひとりぼっちになって、はじめて後悔というものを知る。
それはこれまで足りぬことを知らない生活を送って来たツケでもあった。
「ルチア、フランカ……アルバート……誰でもいい、私を見つけて」
それが叶わぬことを知っている。
しかし願うことを止める権利は誰にもない。
後戻りのできない道であろうとも、歩んできてしまった。
とっくに引き返すことなどできないところまで。
やがて雑木林を抜けると、小高い丘の上で視界が開けた。
連なる美しい山岳地帯。
そこには、まるで叶わぬ願いが燃え尽きる寸前の星の瞬きとなったかのように、朽ち果てた故郷の光景が広がっていた。
●
オフィスに寄せられた通報資料の束とにらめっこしながら、ルミ・ヘヴンズドア(kz0060)は控えめに唸った。
デスクの上に広げているのは簡素なクリムゾンウェスト全図。
そこにいくつかの赤い丸がぐりぐりと書き込まれ、それらをひと繋ぎにするようにうねうねと蛇のように長い矢印が描かれていた。
「計画性ないにもほどがあることこの上ないったらありゃしないよねぇ」
記されているのは通報と、それを元にしたいくつかの捜索依頼の結果に基づいた十三魔ジャンヌ・ポワソンの足取りだ。
矢印を追うだけでもあっちへこっちへ。
とてもじゃないが、どこか目的があって逃避行を続けているようには思えない。
これまでの事を鑑みれば、足取りだけは掴んでおきたいというのがソサエティ側の本音ではあるが――こうも一貫性がないと、掴む尻尾がそもそも存在しないというものだ。
「パトロンも失ったし、ナイト様も失ったし、身よりはないでしょ。一体、どこへ向かうってのよ――」
ぐるりぐるりと矢印を追って、やがて先端、直近最後の目撃ポイントへ。
この地点以降、彼女を見失ってしまってから1週間。
どこかへ潜伏していると考えるのが妥当ではあるが――
地図を睨んでいた時、ふと、ルミの頭に過る光景があった。
それから弾かれたように棚を引っ張り出して、過去の資料をひっくり返す。
やがて目的のものを見つけて、彼女はその紙を、穴が開くほどに見つめた。
「計画性がないのなら偶然……? それともホームシック的な帰巣本能とか言わないわよね……」
山肌から突き出た、巨大な廃城――夢幻城。
ルミはすぐに上司宛ての報告書をまとめると、同時に提出する依頼の提案書を書き上げた。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
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ひとつ、落ち葉を踏みしめるたびに、ひとつ、乾いた呼吸がはずむ。
まだ冬の名残が色濃い裸の雑木林を歩む女性は、まるで着の身着のまま家出してきたかのような姿であった。
身につけた空色のベビードールは朝露に濡れて肌に張り付き、その煽情的な身体のラインを浮かび上がらせる。
フリルの先からのぞく、陽の光など知らずに育ったのであろう御足は、裸足であることもあいまってあちこち泥に濡れ、生傷が絶えない様子であった。
彼女――ジャンヌ・ポワソン(kz0154)は見えない怪物に怯えるように、時折後ろを振り返って肩を震わせながら、先へ先へと歩みを進める。
行く当てが決まっているわけではない。
ただひたすらに、本能的に、恐ろしい「目」からできるだけ遠い場所を目指して逃げ続ける。
外の世界に触れるまで、彼女は自分がどれほど「有名人」であるかを理解していなかった。
災厄の十三魔と彼女らをひとくくりに纏めて呼ぶのは人間たちの所業。
とうの本人たちにとってははなはだ興味の外であり、彼女にいたってはそのような状況にあることすらも知らなかった。
ここまで、どこへ向かっても、どこへ逃げても、人間は自分のことを知っている。
ただの一度も足を踏み入れたことがない異国の地なのに。
見知らぬ者に「知られている」恐怖。
どこへ向かっても、見つかればあっという間に覚醒者の捜索隊に追い回される日々。
肉体の方はどれだけ元気でも、精神は徐々に追い詰められつつある。
「私が、“あい”を取り零してしまったから――」
ひとりぼっちになって、はじめて後悔というものを知る。
それはこれまで足りぬことを知らない生活を送って来たツケでもあった。
「ルチア、フランカ……アルバート……誰でもいい、私を見つけて」
それが叶わぬことを知っている。
しかし願うことを止める権利は誰にもない。
後戻りのできない道であろうとも、歩んできてしまった。
とっくに引き返すことなどできないところまで。
やがて雑木林を抜けると、小高い丘の上で視界が開けた。
連なる美しい山岳地帯。
そこには、まるで叶わぬ願いが燃え尽きる寸前の星の瞬きとなったかのように、朽ち果てた故郷の光景が広がっていた。
●
オフィスに寄せられた通報資料の束とにらめっこしながら、ルミ・ヘヴンズドア(kz0060)は控えめに唸った。
デスクの上に広げているのは簡素なクリムゾンウェスト全図。
そこにいくつかの赤い丸がぐりぐりと書き込まれ、それらをひと繋ぎにするようにうねうねと蛇のように長い矢印が描かれていた。
「計画性ないにもほどがあることこの上ないったらありゃしないよねぇ」
記されているのは通報と、それを元にしたいくつかの捜索依頼の結果に基づいた十三魔ジャンヌ・ポワソンの足取りだ。
矢印を追うだけでもあっちへこっちへ。
とてもじゃないが、どこか目的があって逃避行を続けているようには思えない。
これまでの事を鑑みれば、足取りだけは掴んでおきたいというのがソサエティ側の本音ではあるが――こうも一貫性がないと、掴む尻尾がそもそも存在しないというものだ。
「パトロンも失ったし、ナイト様も失ったし、身よりはないでしょ。一体、どこへ向かうってのよ――」
ぐるりぐるりと矢印を追って、やがて先端、直近最後の目撃ポイントへ。
この地点以降、彼女を見失ってしまってから1週間。
どこかへ潜伏していると考えるのが妥当ではあるが――
地図を睨んでいた時、ふと、ルミの頭に過る光景があった。
それから弾かれたように棚を引っ張り出して、過去の資料をひっくり返す。
やがて目的のものを見つけて、彼女はその紙を、穴が開くほどに見つめた。
「計画性がないのなら偶然……? それともホームシック的な帰巣本能とか言わないわよね……」
山肌から突き出た、巨大な廃城――夢幻城。
ルミはすぐに上司宛ての報告書をまとめると、同時に提出する依頼の提案書を書き上げた。
解説
▼目的
夢幻城跡の探索
▼戦場
夢幻城。かつてのジャンヌ・ポワソンの居城。
同盟の北部国境からさらに半月ほどリグ・サンガマ方面へ歩いた山岳地帯にある。
かつて浮遊要塞として猛威を奮っていたが、ハンターの活躍によりこの地で撃墜した。
大半が石造り。
数年分の劣化が見られ、墜落の衝撃による崩壊箇所も多数。
山肌に墜落したせいで城自体が傾いていることもあり、足場はとても悪い。
▼概要
夢幻城跡にて、ジャンヌの真新しい痕跡を探索する。
本人が確認できれば最良だが、この場所に潜伏していると仮定した場合の、それを決定づける証拠を手に入れる事でも依頼達成とする。
敷地は庭園も含めればとてつもなく広く、かつて25名のハンターが動員された作戦でも人数としては少なすぎるくらいであった。
しかし隠密性もある程度求められるため、今回は少人数での探索チームが組まれている。
最寄りの転移門までかなりの日数を要するため、実際に城内の捜索を行える時間は到着したその日の日中のみとなる。
存在が気づかれる危険が高まるため、夜を跨いでの捜索は推奨されていない。
人数の少ない中で、できるかぎり効率良く調べあげる事が求められる。
▼エネミー
内部で雑魔の類は確認されないが、何がおこるか分からないため備えは推奨する。
とは言え、今回は彼女の動向をマークする目的が強いため、発見しても接触や交戦を行う必要はない。
もちろん接触により何らかの情報が得られたり、状況の進展が望めるのであればその限りではない。
虎児を得るため巣穴に飛び込むかどうかはハンターの判断に任されている。
夢幻城跡の探索
▼戦場
夢幻城。かつてのジャンヌ・ポワソンの居城。
同盟の北部国境からさらに半月ほどリグ・サンガマ方面へ歩いた山岳地帯にある。
かつて浮遊要塞として猛威を奮っていたが、ハンターの活躍によりこの地で撃墜した。
大半が石造り。
数年分の劣化が見られ、墜落の衝撃による崩壊箇所も多数。
山肌に墜落したせいで城自体が傾いていることもあり、足場はとても悪い。
▼概要
夢幻城跡にて、ジャンヌの真新しい痕跡を探索する。
本人が確認できれば最良だが、この場所に潜伏していると仮定した場合の、それを決定づける証拠を手に入れる事でも依頼達成とする。
敷地は庭園も含めればとてつもなく広く、かつて25名のハンターが動員された作戦でも人数としては少なすぎるくらいであった。
しかし隠密性もある程度求められるため、今回は少人数での探索チームが組まれている。
最寄りの転移門までかなりの日数を要するため、実際に城内の捜索を行える時間は到着したその日の日中のみとなる。
存在が気づかれる危険が高まるため、夜を跨いでの捜索は推奨されていない。
人数の少ない中で、できるかぎり効率良く調べあげる事が求められる。
▼エネミー
内部で雑魔の類は確認されないが、何がおこるか分からないため備えは推奨する。
とは言え、今回は彼女の動向をマークする目的が強いため、発見しても接触や交戦を行う必要はない。
もちろん接触により何らかの情報が得られたり、状況の進展が望めるのであればその限りではない。
虎児を得るため巣穴に飛び込むかどうかはハンターの判断に任されている。
マスターより
おはようございます、のどかです。
最近激しい戦闘続きだったため、今回は廃墟スニーキングミッションです。
居るかもしれない彼女に気づかれることなく、その痕跡を手に入れてください。
「悪魔の証明」の最も簡単な解答は、悪魔を見つけることなのですからね。
質問がありましたら、別途卓を立ててご用命ください。
みな様のご参加をお待ちしております。
最近激しい戦闘続きだったため、今回は廃墟スニーキングミッションです。
居るかもしれない彼女に気づかれることなく、その痕跡を手に入れてください。
「悪魔の証明」の最も簡単な解答は、悪魔を見つけることなのですからね。
質問がありましたら、別途卓を立ててご用命ください。
みな様のご参加をお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/05/03 02:10
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 鬼塚 陸(ka0038) 人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2019/04/19 06:34:32 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/04/15 12:29:44 |