ゲスト
(ka0000)
埋蔵金なんてありませんから
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2019/05/03 22:00
- リプレイ完成予定
- 2019/05/12 22:00
オープニング
●4月某日のことだった。
リゼリオ近郊。
田畑を耕していた農夫が昼にすべえと鍬をおいたとき、ふっと大きな影が差した。
はて何だろうかと見上げた彼は目をこする。土で出来た巨大なモグラがそこにいたのだ。
モグラは流暢に話し始めた。
『始めましてだべ。おらは大地の精霊のもぐやんだべ。ちっくら聞きてえことがあるだども、ええべか?』
どうやら精霊らしいと知った農夫は止まっていた呼吸を再開させた。そして尋ねた。
「ええですけど、なんですか?」
『ハンターオフィスはここを真っすぐ行ったらええべか?』
「ええ、そうでがす。この道を真っすぐ行きなさったらリゼリオにつきますで、そこでまた誰かに聞いておくんなせえ」
『おお、そうだべか。教えてくれてあんがとなあ』
モグラは頭に咲いたアイリスを農夫に渡し、スルスル大地に潜って行った。
●精霊様に頼まれた。
リゼリオの町角に突如大きなモグラが、ぬっと地面からわいて出た。
驚いて逃げる人々もいたが、害意のある相手ではなさそうだと感じ取り、その場に止まる人もいる。
そんな相手にモグラは尋ねた。
『始めましてだべ。おらは大地の精霊のもぐやんだべ。ちっくら聞きてえことがあるだども、ええべか?』
「ああ、はい、なんでしょうか」
『ハンターオフィスちゅうのは、どこだべか?』
「もぐやん様じゃありませんか。どうなさったんですか?」
と聞いたハンターにもぐやんは建物の外から(体が大きすぎて中に入れないのだ)言った。
『うん、どしても頼みてえことがあってなあ』
「何ですか?」
『大地の裂け目知ってるべ?』
「ええ、それはもちろん」
『もう倒されちまっただが、とあるでっかい歪虚があの近くから方々に向け、長くてでっかい穴掘ってたんだべ。それを今、おらと仲間が埋めて回ってるだ』
「それはご苦労様です」
『なんもなんも。でな、その途中でな、穴の中でうろうろしてる人間を見つけたべよ』
「人間……ですか? 間違いなく?」
『間違いねえべ。ラルヴァがおらんようになっても、眷属の歪虚は残っとるで。そういうのがそのあたりにまだ隠れとるか知れん。危ねえで帰らせようとおら思ってな、その人間に話しかけただよ。そしたら逃げちまったんだべ』
「……逃げた? また」
『それがのう、どうもおらのこと、歪虚と思ったらしいんだべ。化け物ちうて叫んで逃げちまったべ……』
化け物呼ばわりされたのがちょっとショックだったのか、もぐやんはしょんぼり肩を落とす。
『……ちうわけでのう、ちょっと来て助け出してやってくんねえべか。おらが行くと、また怖がらせてしまいそうだべ』
●というわけで現場に来ました。
穴はなかなか広かった。幅は5、6メートル、天井までの高さは大体8メートル。
その中を照明器具を持ったハンターたちが進む。
トンネル内部の地理や人間の居場所は、前もってもぐやんが教えてくれた。このまま歩いて行けば、必ず出会える計算となる。
「……なあ、疑問なんだけど、一体何の用があってそいつらこんなところをうろうろしてたんだ?」
「穴の入り口を偶然見つけてつい好奇心で、とかいうのじゃないよなあ」
「ないない。絶対途中で気味悪くなって、引き返してる。こんな奥まで入ってこない」
「歪虚が作った穴だったことは、周知されてるはずだしね」
「入り口に非常線張られてましたしね。注意書きもつけて」
「もぐやん様の話では、照明器具と荷物を持ってたとかいうしなあ」
「どーもあやしいですね」
「うん、あやしい」
あまり疑いたくはないがもしや良からぬ連中では、とハンターたちは考える。
もぐやんが言うように、たとえラルヴァが倒されたとしても眷属が丸ごと消え去るわけではない。主だった首領格は討伐されているが、それ以下の奴はまだまだ残っている。
嫉妬眷属は人間の欲や弱みをついて来るのが非常に上手い。人間にも、自分の目的のために歪虚と組むことを憚らないものが、一定の割合で必ず存在している……。
「とにかくその人達を見つけたら、まず話を聞いてみなくちゃ。一体こんなところで何やってたのかって」
そこでハンターたちは足を止めた。行く手に何かが落ちているのを見つけたのだ。
近づいて確かめてみれば、下着姿の女性が表紙となった雑誌であった。
「……『週間・噂の本当』?」
「あー、知ってます。スキャンダル暴露雑誌ですよこれ。九割が作り話とか言われるくらい信用性がないですけど売れてるみたいで」
トップにはこんな見出しが載っていた。
『大地の裂け目に眠る嫉妬王の遺産!!? ――自分も突入作戦に参加したという(自称)ハンター・A氏は語る――嫉妬王の遺跡の中には各地から盗み出した宝石が足の踏み場もないほど散らばっていた。総額は恐らく千億を越えるに違いない。そのほとんどは極秘理にハンターオフィスが回収したが、その一部は極秘理に掘られた地下トンネルの中にまだ残っている――』
……誰だこんなデタラメ書いたの。
いや、というか、それよりも、まさかこれを本気にして入ってきたとか?
いやいやそんなまさか。いくらなんでもそんな馬鹿……いないよね?
●そんな馬鹿がいた。
「もう帰ろう。財宝見つからないし。さっきは化け物が出たし」
「馬鹿、諦めるのが早すぎるぞ」
「見つけたら一気に大金持ちになれるんだよ! 道は一本だから迷うこともないんだし、もう少し頑張ろう!」
「第一歪虚はハンターが全部倒したはずだから、危険はないよ」
「じゃあさっき見たあれはなんなんだよ……」
そんな彼らの行く手に、キラキラ光る目。
歪虚か? いや違う。総勢5匹のコボルドたち。
「ウウウウ」
「ウー、バウ!」
「ワウアウワウ!」
コボルドたちはつい先日このでかい穴を発見し、一目ぼれ。是非新しい巣にしようと、家財道具(骨とか棒とか)を古い巣から持ち込んできたばかりの所。
そこにいきなり人間が現れたのだ。
当然彼らには縄張りへの侵入と映る。
侵入者は、全力を挙げて追い出すべし。
「ウワワワワワ!」
「バウバウバウバウ!」
リゼリオ近郊。
田畑を耕していた農夫が昼にすべえと鍬をおいたとき、ふっと大きな影が差した。
はて何だろうかと見上げた彼は目をこする。土で出来た巨大なモグラがそこにいたのだ。
モグラは流暢に話し始めた。
『始めましてだべ。おらは大地の精霊のもぐやんだべ。ちっくら聞きてえことがあるだども、ええべか?』
どうやら精霊らしいと知った農夫は止まっていた呼吸を再開させた。そして尋ねた。
「ええですけど、なんですか?」
『ハンターオフィスはここを真っすぐ行ったらええべか?』
「ええ、そうでがす。この道を真っすぐ行きなさったらリゼリオにつきますで、そこでまた誰かに聞いておくんなせえ」
『おお、そうだべか。教えてくれてあんがとなあ』
モグラは頭に咲いたアイリスを農夫に渡し、スルスル大地に潜って行った。
●精霊様に頼まれた。
リゼリオの町角に突如大きなモグラが、ぬっと地面からわいて出た。
驚いて逃げる人々もいたが、害意のある相手ではなさそうだと感じ取り、その場に止まる人もいる。
そんな相手にモグラは尋ねた。
『始めましてだべ。おらは大地の精霊のもぐやんだべ。ちっくら聞きてえことがあるだども、ええべか?』
「ああ、はい、なんでしょうか」
『ハンターオフィスちゅうのは、どこだべか?』
「もぐやん様じゃありませんか。どうなさったんですか?」
と聞いたハンターにもぐやんは建物の外から(体が大きすぎて中に入れないのだ)言った。
『うん、どしても頼みてえことがあってなあ』
「何ですか?」
『大地の裂け目知ってるべ?』
「ええ、それはもちろん」
『もう倒されちまっただが、とあるでっかい歪虚があの近くから方々に向け、長くてでっかい穴掘ってたんだべ。それを今、おらと仲間が埋めて回ってるだ』
「それはご苦労様です」
『なんもなんも。でな、その途中でな、穴の中でうろうろしてる人間を見つけたべよ』
「人間……ですか? 間違いなく?」
『間違いねえべ。ラルヴァがおらんようになっても、眷属の歪虚は残っとるで。そういうのがそのあたりにまだ隠れとるか知れん。危ねえで帰らせようとおら思ってな、その人間に話しかけただよ。そしたら逃げちまったんだべ』
「……逃げた? また」
『それがのう、どうもおらのこと、歪虚と思ったらしいんだべ。化け物ちうて叫んで逃げちまったべ……』
化け物呼ばわりされたのがちょっとショックだったのか、もぐやんはしょんぼり肩を落とす。
『……ちうわけでのう、ちょっと来て助け出してやってくんねえべか。おらが行くと、また怖がらせてしまいそうだべ』
●というわけで現場に来ました。
穴はなかなか広かった。幅は5、6メートル、天井までの高さは大体8メートル。
その中を照明器具を持ったハンターたちが進む。
トンネル内部の地理や人間の居場所は、前もってもぐやんが教えてくれた。このまま歩いて行けば、必ず出会える計算となる。
「……なあ、疑問なんだけど、一体何の用があってそいつらこんなところをうろうろしてたんだ?」
「穴の入り口を偶然見つけてつい好奇心で、とかいうのじゃないよなあ」
「ないない。絶対途中で気味悪くなって、引き返してる。こんな奥まで入ってこない」
「歪虚が作った穴だったことは、周知されてるはずだしね」
「入り口に非常線張られてましたしね。注意書きもつけて」
「もぐやん様の話では、照明器具と荷物を持ってたとかいうしなあ」
「どーもあやしいですね」
「うん、あやしい」
あまり疑いたくはないがもしや良からぬ連中では、とハンターたちは考える。
もぐやんが言うように、たとえラルヴァが倒されたとしても眷属が丸ごと消え去るわけではない。主だった首領格は討伐されているが、それ以下の奴はまだまだ残っている。
嫉妬眷属は人間の欲や弱みをついて来るのが非常に上手い。人間にも、自分の目的のために歪虚と組むことを憚らないものが、一定の割合で必ず存在している……。
「とにかくその人達を見つけたら、まず話を聞いてみなくちゃ。一体こんなところで何やってたのかって」
そこでハンターたちは足を止めた。行く手に何かが落ちているのを見つけたのだ。
近づいて確かめてみれば、下着姿の女性が表紙となった雑誌であった。
「……『週間・噂の本当』?」
「あー、知ってます。スキャンダル暴露雑誌ですよこれ。九割が作り話とか言われるくらい信用性がないですけど売れてるみたいで」
トップにはこんな見出しが載っていた。
『大地の裂け目に眠る嫉妬王の遺産!!? ――自分も突入作戦に参加したという(自称)ハンター・A氏は語る――嫉妬王の遺跡の中には各地から盗み出した宝石が足の踏み場もないほど散らばっていた。総額は恐らく千億を越えるに違いない。そのほとんどは極秘理にハンターオフィスが回収したが、その一部は極秘理に掘られた地下トンネルの中にまだ残っている――』
……誰だこんなデタラメ書いたの。
いや、というか、それよりも、まさかこれを本気にして入ってきたとか?
いやいやそんなまさか。いくらなんでもそんな馬鹿……いないよね?
●そんな馬鹿がいた。
「もう帰ろう。財宝見つからないし。さっきは化け物が出たし」
「馬鹿、諦めるのが早すぎるぞ」
「見つけたら一気に大金持ちになれるんだよ! 道は一本だから迷うこともないんだし、もう少し頑張ろう!」
「第一歪虚はハンターが全部倒したはずだから、危険はないよ」
「じゃあさっき見たあれはなんなんだよ……」
そんな彼らの行く手に、キラキラ光る目。
歪虚か? いや違う。総勢5匹のコボルドたち。
「ウウウウ」
「ウー、バウ!」
「ワウアウワウ!」
コボルドたちはつい先日このでかい穴を発見し、一目ぼれ。是非新しい巣にしようと、家財道具(骨とか棒とか)を古い巣から持ち込んできたばかりの所。
そこにいきなり人間が現れたのだ。
当然彼らには縄張りへの侵入と映る。
侵入者は、全力を挙げて追い出すべし。
「ウワワワワワ!」
「バウバウバウバウ!」
解説
補足説明。
これは地下トンネルに迷いこんだ困ったさんを回収することを目的とするシナリオです。
そのついでにコボルドを退散させることはもちろんですが、降ってわいた財宝伝説の打ち消しについてもまたご尽力をお願いしたいところであります。
以下、『そんな馬鹿』についてのデータ
種族:人間
人数:4人
構成:男2女2
年齢:20代前半。
目的:冒険心をくすぐられて&安易な金儲けをしてみたくて。
補足:若さに任せて無茶するタイプが揃ってる。ワンダーフォーゲル級の体力とサバイバル能力は全員持っている。ナイフ等軽目の武器も所持。ただし全員能力者ではない。
以下コボルド一家データ。
種族:コボルド
人数:5匹
構成:大人2+子供3。もしかすると親子かもしれない。
年齢?
目的:立派な新しい巣を手に入れたい。
一般人に対する戦闘力:凶暴な日本猿程度にはある。
補足:コボルドなので臆病。、こいつは強い、手ごわいと思わせることが出来れば、勝手に尻尾を巻いて逃げていく。
よろしくお願い致します。
依頼報酬についてですが、残念ながらもぐやん様はお金をお持ちではありません。捜索費の名目で、迷子当事者たちから徴収してください。
これは地下トンネルに迷いこんだ困ったさんを回収することを目的とするシナリオです。
そのついでにコボルドを退散させることはもちろんですが、降ってわいた財宝伝説の打ち消しについてもまたご尽力をお願いしたいところであります。
以下、『そんな馬鹿』についてのデータ
種族:人間
人数:4人
構成:男2女2
年齢:20代前半。
目的:冒険心をくすぐられて&安易な金儲けをしてみたくて。
補足:若さに任せて無茶するタイプが揃ってる。ワンダーフォーゲル級の体力とサバイバル能力は全員持っている。ナイフ等軽目の武器も所持。ただし全員能力者ではない。
以下コボルド一家データ。
種族:コボルド
人数:5匹
構成:大人2+子供3。もしかすると親子かもしれない。
年齢?
目的:立派な新しい巣を手に入れたい。
一般人に対する戦闘力:凶暴な日本猿程度にはある。
補足:コボルドなので臆病。、こいつは強い、手ごわいと思わせることが出来れば、勝手に尻尾を巻いて逃げていく。
よろしくお願い致します。
依頼報酬についてですが、残念ながらもぐやん様はお金をお持ちではありません。捜索費の名目で、迷子当事者たちから徴収してください。
マスターより
KINUTAです。
陶曲依頼の後始末、という感じでしょうか。
もう本筋の話はひと段落したので、陶曲のタグはつけません。
難易度も低め、骨休め的な依頼となります。
陶曲依頼の後始末、という感じでしょうか。
もう本筋の話はひと段落したので、陶曲のタグはつけません。
難易度も低め、骨休め的な依頼となります。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/05/09 00:00
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/05/02 18:02:02 |
|
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相談卓だよ 天竜寺 舞(ka0377) 人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2019/05/04 07:30:36 |