ゲスト
(ka0000)
うちにおいでよ(旧物置部屋)
マスター:ことね桃

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/04/28 22:00
- リプレイ完成予定
- 2019/05/12 22:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●色があふれ始めた部屋
フリーデリーケ・カレンベルク(kz0254)はコロッセオ・シングスピラの旧物置部屋を自室にしている。
それはとっても狭くて、ほんの少し開く換気用窓が2つあるだけの部屋。
当初はそこに大きな鉄製のパイプベッドと酒を置くためのサイドテーブルさえあれば十分だった。
毎日が戦いで、帰ってきたら安酒を喇叭呑みして眠るだけ——それで十分だったから。
だから物はいらない。
打ちっぱなしの石床に黒いベッドというモノトーンの部屋だけれど眠れるならそれでいいとフリーデは満足していた。
何よりそれは罪人フリーデが住処としていた牢獄によく似ていたから。
それなのに最近は……なんでだろう。昨年末に盟友から護符をもらったのをきっかけに、
恋人からもらった鮮やかな花束やアクセサリーが部屋を彩るようになって。
しまいには友人となった精霊に言われるがまま恋人の外套と同じ色のラグマットを買って、
朝にそれを眺めては「ふふっ」と微笑む始末。
最近は家具店に行って白地に青い小花が散っている壁紙を見ては(……いいなぁ)と思い始めている。
それを思い出した瞬間(とんでもない少女趣味だ! 私に似合うわけがなかろう!?)と赤面する。
(……なんなんだ、最近の自分は。どうかしている!)
そう思いながらも、やはり護符は小綺麗な額に入れて壁に飾っているし。
花だって専門店で加工してもらい、今もサイドテーブルを彩っている。そしてアクセサリーは……自分の首元に。
(おかしいおかしいおかしい。自分は所謂罪人で、今も友の墓の再建のために戦っているはず。
そんな自分が満たされて良いはずなどないのに……)
それでもやはり満たされる瞬間はかけがえのないものばかりで。
『……っ』
この気持ちをどうすればいいのかフリーデはわからず……ベッドに伏せると枕をぎゅうっと抱きしめた。
●その頃、コロッセオの事務室では
「最近、ちょっと困ってるんですよね」
事務室でのちょっとした休憩時間に職員がぽろっと愚痴をこぼした。
上官がコーヒーカップを手に椅子にどっかりと大きな尻を落とす。
「何だ、何かあったのか?」
「いやぁ、精霊の皆さんが公園住まいになったり故郷に帰ったりでコロッセオに空き部屋が増えたじゃないですか。
それで訓練棟を使えるようにしたり、資料室に歴史書や新しく編纂した史書を並べたりしているんですけど」
「ああ、それは知っている。自然精霊さんの殆どは皆無事に故郷に帰ったそうだし何よりじゃないか。
こっちもいざという時、軍人として本来の責務に専念できるしな」
ぐび、と甘ったるいコーヒーを啜る上官。その熊のような姿に職員は(何をのんびりとしたことを)を苦く思いつつ続ける。
「でも……物置に困ってるんですよ。ほら、フリーデリーケ様が掃除用具を放り出してあそこを占拠したから。
他の部屋だと日当たりが良くてモップやブラシが乾きやすいのはいいんですけど、薬剤の日持ちが悪くなったんですよね」
「む、それは困るな。余計に予算を使えば御上に顔向けできなくなろう」
ただでさえ邪神との戦に向けて軍事予算がかさみ続けている帝国だ。
1Gでも無駄にしてはならないと上官は砂糖たっぷりのコーヒーを反省するように苦々しく見つめた。
「それに他の部屋をコロッセオ本来の機能に戻そうとした際、あの掃除用具をどこに置くべきかと。
そんなに大量にあるものではないですが、どうしても臭いが出るのです。
できればフリーデリーケ様には別の部屋に移っていただいて、あそこを元の物置部屋にしたいのですよ」
ささやかながらも切実な部下の訴え。上官は逡巡すると、突然晴れやかな顔で部下の両肩に手を置いた。
「なるほど、それに英霊といえば元は帝国の英雄、あの部屋では失礼にあたるだろう。
もし陛下がお出でになった際に案じられることのないよう、相応のお部屋を用意せねばな。
よし、お前をフリーデリーケ様の説得役に命ずる!」
「え、えええええっ!!?」
無理だ、絶対無理だ。フリーデリーケ様はあのお部屋を心底気に入っておられる。
だってこの前も引っ越しを提案したら明らかに迷惑そうな顔で酒臭い息を吐いて。
『狭いから掃除の手間が少なくて良い。余計な気遣いは不要だ』と言ってベッドで幸せそうに寝転んでいたもの!
あの青いラグマットを眺めて!!
職員は財布を開き、手持ちの金を数えるとハンターオフィスに向かうことにした。
●結局はハンターに頼むのね?
「……で、それでフリーデリーケが引っ越すようにしてほしいと」
只埜 良人(kz0235)は職員から話を聞くと困ったように禿頭を掻いた。
「ええ、とりあえずフリーデリーケ様がお気に召される部屋に移られれば、と。
物件を用意するのは予算の都合上難しいですが、
家具は精霊様方に購入した物の中で未使用品がありますのでお好みのものを用意できるかと思います」
「しかし精霊の精神は自由で頑固ですからね。
その部屋から離れることがフリーデの苦しみに繋がるとしたら良くはないでしょう?
ハンターは派遣しますが……もし結果が厳しくとも彼女のことを否定しないでやってください」
フリーデの過去を知る良人はそう言って書類に依頼内容を纏め、職員に確認させた。
「はい、それで結構です。どうかよろしくお願いします……」
気の弱そうな職員はぺこ、と頭を下げるとオフィスから心持ち背を丸めて出て行った。
その時、白いドレスの女が調子はずれの鼻歌を歌いながら現れる。曙光の精霊ローザリンデ(kz0269)だ。
『聞いたよ、フリーデリーケをあの辛気臭い部屋からついに叩きだすんだって? アタシもあの子の部屋のことは気にしてたんだよ。あれじゃ友達どころか彼氏も呼べやしないってね。第一女の子の部屋なのに化粧台どころか鏡のひとつもないというのも色気のない話だよ、まったく……ああ、そうだ! あの子の部屋でパーティーをするってのはどうだろうね。あの狭い部屋なら何かと不便だろうし、楽しいことをするならある程度の間取りがないとキツいってわかりゃ自然と広い部屋に行きたいって思うんじゃないかい? そしたらさぁ、他人の目も気にするようになってもっと綺麗な部屋にすると思うんだよ。ねえ、アンタそうは思わないかい!?』
お節介なローザがカウンターに両肘を乗せて身を乗り出し、早口でまくし立てる。その様は親戚のお節介なおばさんのようだ。
「は、はぁ……まぁ、そこら辺はハンターにお任せしますけど……」
『よし、準備はアタシに任せときな。アンタは人員の募集を頼んだよ!』
椅子から勢いよく立ち上がり、意気込んでどこかに走っていくローザ。
そこでぽつんと取り残された良人は依頼書の下に「楽しくパーティーしましょう」と書き加えた。
●色があふれ始めた部屋
フリーデリーケ・カレンベルク(kz0254)はコロッセオ・シングスピラの旧物置部屋を自室にしている。
それはとっても狭くて、ほんの少し開く換気用窓が2つあるだけの部屋。
当初はそこに大きな鉄製のパイプベッドと酒を置くためのサイドテーブルさえあれば十分だった。
毎日が戦いで、帰ってきたら安酒を喇叭呑みして眠るだけ——それで十分だったから。
だから物はいらない。
打ちっぱなしの石床に黒いベッドというモノトーンの部屋だけれど眠れるならそれでいいとフリーデは満足していた。
何よりそれは罪人フリーデが住処としていた牢獄によく似ていたから。
それなのに最近は……なんでだろう。昨年末に盟友から護符をもらったのをきっかけに、
恋人からもらった鮮やかな花束やアクセサリーが部屋を彩るようになって。
しまいには友人となった精霊に言われるがまま恋人の外套と同じ色のラグマットを買って、
朝にそれを眺めては「ふふっ」と微笑む始末。
最近は家具店に行って白地に青い小花が散っている壁紙を見ては(……いいなぁ)と思い始めている。
それを思い出した瞬間(とんでもない少女趣味だ! 私に似合うわけがなかろう!?)と赤面する。
(……なんなんだ、最近の自分は。どうかしている!)
そう思いながらも、やはり護符は小綺麗な額に入れて壁に飾っているし。
花だって専門店で加工してもらい、今もサイドテーブルを彩っている。そしてアクセサリーは……自分の首元に。
(おかしいおかしいおかしい。自分は所謂罪人で、今も友の墓の再建のために戦っているはず。
そんな自分が満たされて良いはずなどないのに……)
それでもやはり満たされる瞬間はかけがえのないものばかりで。
『……っ』
この気持ちをどうすればいいのかフリーデはわからず……ベッドに伏せると枕をぎゅうっと抱きしめた。
●その頃、コロッセオの事務室では
「最近、ちょっと困ってるんですよね」
事務室でのちょっとした休憩時間に職員がぽろっと愚痴をこぼした。
上官がコーヒーカップを手に椅子にどっかりと大きな尻を落とす。
「何だ、何かあったのか?」
「いやぁ、精霊の皆さんが公園住まいになったり故郷に帰ったりでコロッセオに空き部屋が増えたじゃないですか。
それで訓練棟を使えるようにしたり、資料室に歴史書や新しく編纂した史書を並べたりしているんですけど」
「ああ、それは知っている。自然精霊さんの殆どは皆無事に故郷に帰ったそうだし何よりじゃないか。
こっちもいざという時、軍人として本来の責務に専念できるしな」
ぐび、と甘ったるいコーヒーを啜る上官。その熊のような姿に職員は(何をのんびりとしたことを)を苦く思いつつ続ける。
「でも……物置に困ってるんですよ。ほら、フリーデリーケ様が掃除用具を放り出してあそこを占拠したから。
他の部屋だと日当たりが良くてモップやブラシが乾きやすいのはいいんですけど、薬剤の日持ちが悪くなったんですよね」
「む、それは困るな。余計に予算を使えば御上に顔向けできなくなろう」
ただでさえ邪神との戦に向けて軍事予算がかさみ続けている帝国だ。
1Gでも無駄にしてはならないと上官は砂糖たっぷりのコーヒーを反省するように苦々しく見つめた。
「それに他の部屋をコロッセオ本来の機能に戻そうとした際、あの掃除用具をどこに置くべきかと。
そんなに大量にあるものではないですが、どうしても臭いが出るのです。
できればフリーデリーケ様には別の部屋に移っていただいて、あそこを元の物置部屋にしたいのですよ」
ささやかながらも切実な部下の訴え。上官は逡巡すると、突然晴れやかな顔で部下の両肩に手を置いた。
「なるほど、それに英霊といえば元は帝国の英雄、あの部屋では失礼にあたるだろう。
もし陛下がお出でになった際に案じられることのないよう、相応のお部屋を用意せねばな。
よし、お前をフリーデリーケ様の説得役に命ずる!」
「え、えええええっ!!?」
無理だ、絶対無理だ。フリーデリーケ様はあのお部屋を心底気に入っておられる。
だってこの前も引っ越しを提案したら明らかに迷惑そうな顔で酒臭い息を吐いて。
『狭いから掃除の手間が少なくて良い。余計な気遣いは不要だ』と言ってベッドで幸せそうに寝転んでいたもの!
あの青いラグマットを眺めて!!
職員は財布を開き、手持ちの金を数えるとハンターオフィスに向かうことにした。
●結局はハンターに頼むのね?
「……で、それでフリーデリーケが引っ越すようにしてほしいと」
只埜 良人(kz0235)は職員から話を聞くと困ったように禿頭を掻いた。
「ええ、とりあえずフリーデリーケ様がお気に召される部屋に移られれば、と。
物件を用意するのは予算の都合上難しいですが、
家具は精霊様方に購入した物の中で未使用品がありますのでお好みのものを用意できるかと思います」
「しかし精霊の精神は自由で頑固ですからね。
その部屋から離れることがフリーデの苦しみに繋がるとしたら良くはないでしょう?
ハンターは派遣しますが……もし結果が厳しくとも彼女のことを否定しないでやってください」
フリーデの過去を知る良人はそう言って書類に依頼内容を纏め、職員に確認させた。
「はい、それで結構です。どうかよろしくお願いします……」
気の弱そうな職員はぺこ、と頭を下げるとオフィスから心持ち背を丸めて出て行った。
その時、白いドレスの女が調子はずれの鼻歌を歌いながら現れる。曙光の精霊ローザリンデ(kz0269)だ。
『聞いたよ、フリーデリーケをあの辛気臭い部屋からついに叩きだすんだって? アタシもあの子の部屋のことは気にしてたんだよ。あれじゃ友達どころか彼氏も呼べやしないってね。第一女の子の部屋なのに化粧台どころか鏡のひとつもないというのも色気のない話だよ、まったく……ああ、そうだ! あの子の部屋でパーティーをするってのはどうだろうね。あの狭い部屋なら何かと不便だろうし、楽しいことをするならある程度の間取りがないとキツいってわかりゃ自然と広い部屋に行きたいって思うんじゃないかい? そしたらさぁ、他人の目も気にするようになってもっと綺麗な部屋にすると思うんだよ。ねえ、アンタそうは思わないかい!?』
お節介なローザがカウンターに両肘を乗せて身を乗り出し、早口でまくし立てる。その様は親戚のお節介なおばさんのようだ。
「は、はぁ……まぁ、そこら辺はハンターにお任せしますけど……」
『よし、準備はアタシに任せときな。アンタは人員の募集を頼んだよ!』
椅子から勢いよく立ち上がり、意気込んでどこかに走っていくローザ。
そこでぽつんと取り残された良人は依頼書の下に「楽しくパーティーしましょう」と書き加えた。
解説
●目標
フリーデにサプライズパーティーを仕掛け、楽しませた上で引っ越しを決断させる
●場所
コロッセオ・シングスピラの旧物置小屋。ぶっちゃけ狭いです。
起きて半畳寝て一畳ではないですが、4畳サイズの部屋にデカいベッドがドカンと置いてるので圧迫感が凄い凄い。
なのでベッドに横並びで座ったりする必要があるかもしれません。
●時間
昼下がりの14:00から開始。
夜になったらローザはおねむの時間なので帰ります。
夜については希望すれば残ることもできますが、おそらく成人はフリーデの絡み酒に付き合わされることになるでしょう。
フリーデにサプライズパーティーを仕掛け、楽しませた上で引っ越しを決断させる
●場所
コロッセオ・シングスピラの旧物置小屋。ぶっちゃけ狭いです。
起きて半畳寝て一畳ではないですが、4畳サイズの部屋にデカいベッドがドカンと置いてるので圧迫感が凄い凄い。
なのでベッドに横並びで座ったりする必要があるかもしれません。
●時間
昼下がりの14:00から開始。
夜になったらローザはおねむの時間なので帰ります。
夜については希望すれば残ることもできますが、おそらく成人はフリーデの絡み酒に付き合わされることになるでしょう。
マスターより
こんにちは、ことねです。
春は引っ越しのシーズンですね……って、一般の方は既に終えられている時期ですが(汗)
フリーデもそろそろお引越しして心の空気の入れ替えも必要な時期になりました。
彼女も薄々気づいています、過去の鎖に縛られずに今の仲間を大切にして幸せになりたいと。
その想いをはっきり自覚させるべく、皆さまのお力をお借りしたく存じます。
どうぞよろしくお願いします!
春は引っ越しのシーズンですね……って、一般の方は既に終えられている時期ですが(汗)
フリーデもそろそろお引越しして心の空気の入れ替えも必要な時期になりました。
彼女も薄々気づいています、過去の鎖に縛られずに今の仲間を大切にして幸せになりたいと。
その想いをはっきり自覚させるべく、皆さまのお力をお借りしたく存じます。
どうぞよろしくお願いします!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/05/02 10:06
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/04/25 21:25:37 |
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相談卓 濡羽 香墨(ka6760) 鬼|16才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2019/04/28 21:43:33 |