ゲスト
(ka0000)
外部意見を求めます
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2019/05/13 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/05/22 19:00
オープニング
●英霊、南方大陸に行く。
茫々と広がる砂浜。
そこでは近隣のリザードマン集落で生まれた子供たちが、よちよち駆けている。
リザードマンは人間ほど外見に個体差が出ない。皆とてもよく似ている。
しかし行動はバラバラだ。波打ち際でじいと波の動きを見つめてみたり、砂を掘って潜ってみたり、カニに尻尾を挟まれてみたり。
世話役の大人たちは、見失わないように大忙し。
「オイ、1人イナイゾ。ドコ行ッタ」
「オオ、アソコダ」
1匹の子供がてこてこ砂丘を上っている。
頂上までたどり着いたところで、丸い頭を上に向ける。
そこにあるのは見慣れた同種族の顔とは違う顔。
子供は首をかしげ、ピイと鳴く。
見慣れぬ顔がさも喜ばしげに言う。
『……幼児期の適度な集団屋外運動は……発育にたいへんよい……』
何を言っているのか子供にはさっぱり分からなかったが、声の響きが心地よいので目を細める。
大人たちが駆けよってきた。
「オオ、白イ精霊」
「白イ精霊ガ現レタゾ」
●調査許可申請。
リザードマンの族長『大きな山』はマゴイに尋ねた。
「今日ハマタ、何用デアラレルカナ?」
マゴイはゆったりした口調で、一から説明し始める。
『……この間ここでは……虫の形をした大型歪虚が現れたわね……?』
「シカリ」
『それを倒しに行った際……あなたがたのソルジャーと……もう一つの部族のソルジャーと……そしてハンターが……奥地の砂漠に……柱のようなものが立っているのを見つけたわね……?』
「シカリ」
『……私はそれが一体なんなのか……ちゃんと調べておこうと思って……ここに来たの……この界隈はあなたがたの主権が及ぶ範囲であるようなので……まずは事前通告をと……』
「オオ、ソウデアッタカ。アレニツイテハ我ラモ気掛カリデアッタ。アナタガ調ベニ行カレルトイウナラ、マコトニ有リガタキコト。早速戦士ヲ同行サセマショウ」
『……え……いえ……それは別に……同行してもらわなくとも大丈夫……』
「ゴ遠慮メサレルナ。アナタハ我ラノ部族ニ幸ヲモタラシテクレタ精霊、粗略ニスレバ我ラノ名折レ。コノ話ハ奥地ノ部族ニモイタサネバナリマスマイナ。アノ者タチモ、アノ柱ノコトヲイタク気ニカケテオルノデス。歪虚ヲ呼ビ寄セテイルノデハナイカト……」
族長の懸念をマゴイは、ゆったりと否定した。
『……あれは多分……そういうものではない……だからそういう心配はいらない……大丈夫……』
●確認作業。
近づいてみれば傾いた柱は、優に100メートルほどの高さがあった。
形は長方形。表面はつやけしされた黒色。つるつるしていて手掛かりがなく、上れそうもない。あちこちに欠けが見られる。
白い精霊はしきりに柱の周囲を巡りなで回していたかと思うと、柱の中へ吸い込まれるように入って行った。
よく分からないがきっと大事なことをしているのだろう。
そう思いながらリザードマンたちは、周囲への警戒を怠らない。
そこに、ヒイーっと引き付けるような鳴き声。
2メートルほどある影が頭上をかすめる。
それは歪虚だった。形は破れかぶれの羽が生えたガラガラ蛇。
リザードマンの戦士たちは迎撃のため槍や剣を構え、身構える。
その時柱の表面から杭のようなものが打ち出された。
それは歪虚の体に突き刺さる。歪虚は叫び声を上げきりきり舞いをし、落ちてきた。躍り上がりもんどり打ち、びくびく痙攣して動かなくなる。
その体が黒い上気となって消滅して行くと同時に、杭もまた消えていく。
リザードマンたちはおお、と声を上げた。
柱から出てきたマゴイに聞く。
「今ノハ、アナタガナサレタコトカ?」。
マゴイは首を振った。
『……いいえ……今のはこの装置がやったことよ……これは境界防護網……の一部……負のマテリアルを強く帯びたものが近づくと……自動的に攻撃するように……なっている……』
●さて、どうしよう。
ユニゾン島。
「――結局あの柱は、ユニオンの遺物だったわけなんですか?」
カチャの質問にマゴイは、そう、と答えた。
『……間違いない……あれと同じものを私は……ユニオンで度々見たことがある……でも……だいぶ痛んでしまっている……』
この間彼の地に現れた大型の虫歪虚に刺さっていた杭も、あれから打ち出されたもので間違いないだろうとマゴイは続ける。本来の力が出せなかったため、歪虚を即座に消滅へと導くことが出来ず、いたずらに興奮させるだけに終わってしまったのだろうとも。
「なんでそんなものがあんなところにあったんですか?」
『……簡易宿泊所と同様……この星のガイアエレメントが……エバーグリーンを取り込もうとしたときに……巻き込まれたものと思われる……ユニゾンが計画的に向こうから……転送したものではない……それならあんなに痛んではいない……もっと完全な形で残っているはず……』
カチャ以外のハンターも口を出す。
「そういえば、急にあれが現れたとか言っていたな。あそこのリザードマンたちは」
『……そう……最近取り込まれたものならば……その話とも符合する……とにかくあれはユニオンの遺物なので……本来ならこちらで回収するべきもの……』
話は分かった。しかしそういうことなら、マゴイはなぜ自分たちを呼んだのだろう。回収する際の手伝いをしてくれと言うのだろうか。
そんな事を思っていたハンターたちにマゴイは、意外な言葉を続けてきた。
『……なのだけど……そうするべきなのかどうなのか……今私は判断が下せないでいるの……会議をしてみても……ちょうど意見が拮抗してしまっていて……』
その会議というのは一人会議であり、要するに自問自答しているだけなのであるが――それはともかく意見は、以下の2つに集約されるのだという。
その1:装置は解体し、再利用資材として回収する。劣化が進んでおり、小型や中型の歪虚にしか対処出来なくなっている。後50年は今の状態を維持することが出来るだろうが、そこから先はもう使えなくなる。直すことは出来ない。放置しておけば以前のように、大型の歪虚を刺激することにもなりかねず、現地のためにはかえって危険ではないかと思われる。
その2:装置は完全に停止するまで、現状維持のままにしておく。解体は使えなくなってから行うことにする。劣化が進んでいるが、後50年は今の状態を維持することが出来る。その間は小型や中型の歪虚に対して有効だ。たとえ大型歪虚を倒すことが出来なくても、現地の危険を軽減させているのではないかと思われる。
茫々と広がる砂浜。
そこでは近隣のリザードマン集落で生まれた子供たちが、よちよち駆けている。
リザードマンは人間ほど外見に個体差が出ない。皆とてもよく似ている。
しかし行動はバラバラだ。波打ち際でじいと波の動きを見つめてみたり、砂を掘って潜ってみたり、カニに尻尾を挟まれてみたり。
世話役の大人たちは、見失わないように大忙し。
「オイ、1人イナイゾ。ドコ行ッタ」
「オオ、アソコダ」
1匹の子供がてこてこ砂丘を上っている。
頂上までたどり着いたところで、丸い頭を上に向ける。
そこにあるのは見慣れた同種族の顔とは違う顔。
子供は首をかしげ、ピイと鳴く。
見慣れぬ顔がさも喜ばしげに言う。
『……幼児期の適度な集団屋外運動は……発育にたいへんよい……』
何を言っているのか子供にはさっぱり分からなかったが、声の響きが心地よいので目を細める。
大人たちが駆けよってきた。
「オオ、白イ精霊」
「白イ精霊ガ現レタゾ」
●調査許可申請。
リザードマンの族長『大きな山』はマゴイに尋ねた。
「今日ハマタ、何用デアラレルカナ?」
マゴイはゆったりした口調で、一から説明し始める。
『……この間ここでは……虫の形をした大型歪虚が現れたわね……?』
「シカリ」
『それを倒しに行った際……あなたがたのソルジャーと……もう一つの部族のソルジャーと……そしてハンターが……奥地の砂漠に……柱のようなものが立っているのを見つけたわね……?』
「シカリ」
『……私はそれが一体なんなのか……ちゃんと調べておこうと思って……ここに来たの……この界隈はあなたがたの主権が及ぶ範囲であるようなので……まずは事前通告をと……』
「オオ、ソウデアッタカ。アレニツイテハ我ラモ気掛カリデアッタ。アナタガ調ベニ行カレルトイウナラ、マコトニ有リガタキコト。早速戦士ヲ同行サセマショウ」
『……え……いえ……それは別に……同行してもらわなくとも大丈夫……』
「ゴ遠慮メサレルナ。アナタハ我ラノ部族ニ幸ヲモタラシテクレタ精霊、粗略ニスレバ我ラノ名折レ。コノ話ハ奥地ノ部族ニモイタサネバナリマスマイナ。アノ者タチモ、アノ柱ノコトヲイタク気ニカケテオルノデス。歪虚ヲ呼ビ寄セテイルノデハナイカト……」
族長の懸念をマゴイは、ゆったりと否定した。
『……あれは多分……そういうものではない……だからそういう心配はいらない……大丈夫……』
●確認作業。
近づいてみれば傾いた柱は、優に100メートルほどの高さがあった。
形は長方形。表面はつやけしされた黒色。つるつるしていて手掛かりがなく、上れそうもない。あちこちに欠けが見られる。
白い精霊はしきりに柱の周囲を巡りなで回していたかと思うと、柱の中へ吸い込まれるように入って行った。
よく分からないがきっと大事なことをしているのだろう。
そう思いながらリザードマンたちは、周囲への警戒を怠らない。
そこに、ヒイーっと引き付けるような鳴き声。
2メートルほどある影が頭上をかすめる。
それは歪虚だった。形は破れかぶれの羽が生えたガラガラ蛇。
リザードマンの戦士たちは迎撃のため槍や剣を構え、身構える。
その時柱の表面から杭のようなものが打ち出された。
それは歪虚の体に突き刺さる。歪虚は叫び声を上げきりきり舞いをし、落ちてきた。躍り上がりもんどり打ち、びくびく痙攣して動かなくなる。
その体が黒い上気となって消滅して行くと同時に、杭もまた消えていく。
リザードマンたちはおお、と声を上げた。
柱から出てきたマゴイに聞く。
「今ノハ、アナタガナサレタコトカ?」。
マゴイは首を振った。
『……いいえ……今のはこの装置がやったことよ……これは境界防護網……の一部……負のマテリアルを強く帯びたものが近づくと……自動的に攻撃するように……なっている……』
●さて、どうしよう。
ユニゾン島。
「――結局あの柱は、ユニオンの遺物だったわけなんですか?」
カチャの質問にマゴイは、そう、と答えた。
『……間違いない……あれと同じものを私は……ユニオンで度々見たことがある……でも……だいぶ痛んでしまっている……』
この間彼の地に現れた大型の虫歪虚に刺さっていた杭も、あれから打ち出されたもので間違いないだろうとマゴイは続ける。本来の力が出せなかったため、歪虚を即座に消滅へと導くことが出来ず、いたずらに興奮させるだけに終わってしまったのだろうとも。
「なんでそんなものがあんなところにあったんですか?」
『……簡易宿泊所と同様……この星のガイアエレメントが……エバーグリーンを取り込もうとしたときに……巻き込まれたものと思われる……ユニゾンが計画的に向こうから……転送したものではない……それならあんなに痛んではいない……もっと完全な形で残っているはず……』
カチャ以外のハンターも口を出す。
「そういえば、急にあれが現れたとか言っていたな。あそこのリザードマンたちは」
『……そう……最近取り込まれたものならば……その話とも符合する……とにかくあれはユニオンの遺物なので……本来ならこちらで回収するべきもの……』
話は分かった。しかしそういうことなら、マゴイはなぜ自分たちを呼んだのだろう。回収する際の手伝いをしてくれと言うのだろうか。
そんな事を思っていたハンターたちにマゴイは、意外な言葉を続けてきた。
『……なのだけど……そうするべきなのかどうなのか……今私は判断が下せないでいるの……会議をしてみても……ちょうど意見が拮抗してしまっていて……』
その会議というのは一人会議であり、要するに自問自答しているだけなのであるが――それはともかく意見は、以下の2つに集約されるのだという。
その1:装置は解体し、再利用資材として回収する。劣化が進んでおり、小型や中型の歪虚にしか対処出来なくなっている。後50年は今の状態を維持することが出来るだろうが、そこから先はもう使えなくなる。直すことは出来ない。放置しておけば以前のように、大型の歪虚を刺激することにもなりかねず、現地のためにはかえって危険ではないかと思われる。
その2:装置は完全に停止するまで、現状維持のままにしておく。解体は使えなくなってから行うことにする。劣化が進んでいるが、後50年は今の状態を維持することが出来る。その間は小型や中型の歪虚に対して有効だ。たとえ大型歪虚を倒すことが出来なくても、現地の危険を軽減させているのではないかと思われる。
解説
補足説明。
これは南方大陸に落ちてきたユニオンの遺産を、今すぐ解体するか、それともしばらく現状維持を続けた後に解体するかの意見を問うためのシナリオです。
プレイングにはどちらの立場を選ぶか、明記してください。
PCの意見を参考にしてマゴイさんは、決を下すことになります。
彼女はリザードマンたちに親近感を抱いています。その社会形態がユニオンにやや近い(共同孵化、共同保育)ものなので。ですので、なるべく彼らにいいようにしてやりたいと思っています。
リザードマンたち自身は、塔の処理について意見は言いません。それは精霊の専権事項だと思っているので。
解体か現状維持かの決が下った後、ハンターたちは彼女と一緒にその旨を伝えるため、南方大陸へ行くことになります。
リザードマンのチビちゃんたちにも会えますよ。
このOPは、シナリオ『荒野を走るダンゴムシ』の続編であり、解決編です。
いつまでも謎の塔のままにはしておけませんので。
これは南方大陸に落ちてきたユニオンの遺産を、今すぐ解体するか、それともしばらく現状維持を続けた後に解体するかの意見を問うためのシナリオです。
プレイングにはどちらの立場を選ぶか、明記してください。
PCの意見を参考にしてマゴイさんは、決を下すことになります。
彼女はリザードマンたちに親近感を抱いています。その社会形態がユニオンにやや近い(共同孵化、共同保育)ものなので。ですので、なるべく彼らにいいようにしてやりたいと思っています。
リザードマンたち自身は、塔の処理について意見は言いません。それは精霊の専権事項だと思っているので。
解体か現状維持かの決が下った後、ハンターたちは彼女と一緒にその旨を伝えるため、南方大陸へ行くことになります。
リザードマンのチビちゃんたちにも会えますよ。
このOPは、シナリオ『荒野を走るダンゴムシ』の続編であり、解決編です。
いつまでも謎の塔のままにはしておけませんので。
マスターより
KINUTAです。
各方面からの協力を得、ユニゾン市民生産の体制も着々と整いつつある昨今、色々散らばったものを整理しておきたいところのマゴイさんであります。
各方面からの協力を得、ユニゾン市民生産の体制も着々と整いつつある昨今、色々散らばったものを整理しておきたいところのマゴイさんであります。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/05/19 02:10
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/05/12 22:46:18 |
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質問卓だよ 天竜寺 舞(ka0377) 人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2019/05/11 20:38:02 |
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相談卓だよ 天竜寺 舞(ka0377) 人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2019/05/12 22:56:03 |