ゲスト
(ka0000)
荒野にこそ咲く花は
マスター:のどか

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 不明
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/05/12 07:30
- リプレイ完成予定
- 2019/05/26 07:30
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●
穴の開いた天井から差し込む陽の光をうけながら、ジャンヌ・ポワソン(kz0154)は虚ろな瞳で虚空を見つめていた。
もう疲れた。
存在していることも面倒。
でも、この身体はただ朽ちるということを知らない。
望んだわけじゃない。
だが、拒否したわけでもない。
“何も選ばなかった”——その結果というだけだ。
「もう少し意識してマテリアルを吸っていただきませんと、いくらなんでもお体に障りますよ」
傍に控える赤い燕尾服の男——コレクターの言葉に、彼女はピクリとも反応せず「何もしない」をする。
「……あなたはどうしてここにいるの?」
尋ねるジャンヌに、コレクターはクツリと笑みを浮かべる。
「貴方と同じです。行く宛てがないのですよ。王も倒れたそうですし」
「……そう」
自分で聞いておきながら、どうでもいいことのように話を打ち切る。
実際どうでもよいのだが、多少でも見知った人物がそこにいるというだけで、この椅子は存外心地がよかった。
「いかがでしたか、初めてのお一人旅は」
「……最悪ね。まるで終わりが見えない」
「そうですか」
コレクターは相槌を打つと、右目にはまったモノクルを正しながら添える。
「ここが、旅の終着点ですか?」
ジャンヌは一瞬息を飲んでから、深く、深くそれを吐き出す。
「……わからないわ」
彼女の答えに、コレクターがその口角を僅かに上げる。
「これから、何をなさりますか?」
「……わからないわ」
「まだ、行きたい場所がありますか?」
「……わからないわ」
問答を繰り返す中で、ジャンヌの双眸がふと彼を見上げる。
「あなたは、まだ私の使用人なの?」
コレクターは視線を合わせずに、開かれることのない謁見室の扉を見つめて答えた。
「それを決めるのは私ではありません。使用人とは、屋敷にある家具のようなものですから。家具は使われる相手を選ばず、また自ら働くこともしないのです」
理解したのか、興味を失ったのか、ジャンヌの視線はまた下を向く。
何も言わなくなった彼女に、コレクターはもう1つだけ問いかけた。
「今、欲しいものはありますか?」
ジャンヌは熱い吐息と共に答える。
やや湿り気を帯びたそれは、向ける相手のいない口づけのようにも思えた。
「――思いつかないわ」
●
「——それじゃ、依頼内容を説明するよ」
集まったハンター達を前にして、ルミ・ヘヴンズドア(kz0060)が大量の資料を応接間の机に並べる。
それはこれまで得たありったけのジャンヌおよびコレクターに関する報告書と、前回の潜入依頼でハンターから提出された写真資料の束だった。
「現在、ジャンヌは廃墟となった夢幻城の謁見室で過ごしています。既に別に依頼を受けたストライダーチームがバックアップのために現地に滞在してるけれど、彼らは今回の作戦に直接参加はしません。あくまで監視と敵が逃げた場合の追跡が依頼内容だからね。だから……」
そう言って、ルミは集まった数人のハンターの顔ぶれを見渡す。
「討伐のために侵入するのは、みなさんだけとなります」
どんよりと、緊張で空気が重さと湿り気を帯びる。
集められたのは両の手で数えられるだけの人数。
本来なら数十人単位で攻めてもいいはずだ。
しかし崩れた城の中という十分な足場を確保しにくい立地と、大人数で押し掛けた場合の敵の戦前逃亡のリスクを考えると、これが限界ぎりぎりの数だと判断された。
「えっと、報告の通り現地にはジャンヌの他にコレクターと呼ばれる嫉妬の歪虚が存在します。戦闘例は霧の山の屋敷での1回きりだけれど、全力で圧せば時間はかかっても倒せない相手じゃないと思う。全力で圧せば」
念を押すように、ルミは繰り返した。
「だけど……うーん、真意は定かじゃないけど、潜入したハンターさんが遭遇した時に『自分から手を出さない』っていう契約を交わしてるみたい。守ってくれるなら無視して良い相手かもしれないけど——あっ、契約内容はかいつまんだがら詳細な文面は報告書を読んでね。で、その場合の問題はジャンヌ。なんでかは分からないけれど、たぶん、今までと力の性質が変わってるみたいなの。潜入した時も、今まであったような怠惰の強制共有を感じなかったって報告が上がってるし……雪原で見せた負のマテリアルの霧が新しい力ってことなのかな。うーん、ごめん。憶測だから、あんまりアテにしないでね」
アルバートと呼ばれる強欲の歪虚と出会って以降、ジャンヌの中の何かが変化をもたらしたのは確かだ。
内面的にも、歪虚としても。
だからこそ、今までの彼女の情報がどこまで有用なものであるか想像の範囲を出ない。
もしかしたら自分たちは、触れてはいけないものに近づこうとしているのかもしれない。
しかしコレクターという嫉妬の歪虚が接触した今、放っておくという判断は不可能であった。
「あんまり不安にさせたくないんだけど……ホンネで言えば、見込みの薄い依頼だと思う。分かってないことが多すぎるし。だから無理はしないで。それだけ約束して欲しいの」
ルミは視線を落として、唇をぐっと固く結ぶ。
不安しかない。
そんな依頼に送り出すことしかできない自分が、ひどく悔しかった。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●
穴の開いた天井から差し込む陽の光をうけながら、ジャンヌ・ポワソン(kz0154)は虚ろな瞳で虚空を見つめていた。
もう疲れた。
存在していることも面倒。
でも、この身体はただ朽ちるということを知らない。
望んだわけじゃない。
だが、拒否したわけでもない。
“何も選ばなかった”——その結果というだけだ。
「もう少し意識してマテリアルを吸っていただきませんと、いくらなんでもお体に障りますよ」
傍に控える赤い燕尾服の男——コレクターの言葉に、彼女はピクリとも反応せず「何もしない」をする。
「……あなたはどうしてここにいるの?」
尋ねるジャンヌに、コレクターはクツリと笑みを浮かべる。
「貴方と同じです。行く宛てがないのですよ。王も倒れたそうですし」
「……そう」
自分で聞いておきながら、どうでもいいことのように話を打ち切る。
実際どうでもよいのだが、多少でも見知った人物がそこにいるというだけで、この椅子は存外心地がよかった。
「いかがでしたか、初めてのお一人旅は」
「……最悪ね。まるで終わりが見えない」
「そうですか」
コレクターは相槌を打つと、右目にはまったモノクルを正しながら添える。
「ここが、旅の終着点ですか?」
ジャンヌは一瞬息を飲んでから、深く、深くそれを吐き出す。
「……わからないわ」
彼女の答えに、コレクターがその口角を僅かに上げる。
「これから、何をなさりますか?」
「……わからないわ」
「まだ、行きたい場所がありますか?」
「……わからないわ」
問答を繰り返す中で、ジャンヌの双眸がふと彼を見上げる。
「あなたは、まだ私の使用人なの?」
コレクターは視線を合わせずに、開かれることのない謁見室の扉を見つめて答えた。
「それを決めるのは私ではありません。使用人とは、屋敷にある家具のようなものですから。家具は使われる相手を選ばず、また自ら働くこともしないのです」
理解したのか、興味を失ったのか、ジャンヌの視線はまた下を向く。
何も言わなくなった彼女に、コレクターはもう1つだけ問いかけた。
「今、欲しいものはありますか?」
ジャンヌは熱い吐息と共に答える。
やや湿り気を帯びたそれは、向ける相手のいない口づけのようにも思えた。
「――思いつかないわ」
●
「——それじゃ、依頼内容を説明するよ」
集まったハンター達を前にして、ルミ・ヘヴンズドア(kz0060)が大量の資料を応接間の机に並べる。
それはこれまで得たありったけのジャンヌおよびコレクターに関する報告書と、前回の潜入依頼でハンターから提出された写真資料の束だった。
「現在、ジャンヌは廃墟となった夢幻城の謁見室で過ごしています。既に別に依頼を受けたストライダーチームがバックアップのために現地に滞在してるけれど、彼らは今回の作戦に直接参加はしません。あくまで監視と敵が逃げた場合の追跡が依頼内容だからね。だから……」
そう言って、ルミは集まった数人のハンターの顔ぶれを見渡す。
「討伐のために侵入するのは、みなさんだけとなります」
どんよりと、緊張で空気が重さと湿り気を帯びる。
集められたのは両の手で数えられるだけの人数。
本来なら数十人単位で攻めてもいいはずだ。
しかし崩れた城の中という十分な足場を確保しにくい立地と、大人数で押し掛けた場合の敵の戦前逃亡のリスクを考えると、これが限界ぎりぎりの数だと判断された。
「えっと、報告の通り現地にはジャンヌの他にコレクターと呼ばれる嫉妬の歪虚が存在します。戦闘例は霧の山の屋敷での1回きりだけれど、全力で圧せば時間はかかっても倒せない相手じゃないと思う。全力で圧せば」
念を押すように、ルミは繰り返した。
「だけど……うーん、真意は定かじゃないけど、潜入したハンターさんが遭遇した時に『自分から手を出さない』っていう契約を交わしてるみたい。守ってくれるなら無視して良い相手かもしれないけど——あっ、契約内容はかいつまんだがら詳細な文面は報告書を読んでね。で、その場合の問題はジャンヌ。なんでかは分からないけれど、たぶん、今までと力の性質が変わってるみたいなの。潜入した時も、今まであったような怠惰の強制共有を感じなかったって報告が上がってるし……雪原で見せた負のマテリアルの霧が新しい力ってことなのかな。うーん、ごめん。憶測だから、あんまりアテにしないでね」
アルバートと呼ばれる強欲の歪虚と出会って以降、ジャンヌの中の何かが変化をもたらしたのは確かだ。
内面的にも、歪虚としても。
だからこそ、今までの彼女の情報がどこまで有用なものであるか想像の範囲を出ない。
もしかしたら自分たちは、触れてはいけないものに近づこうとしているのかもしれない。
しかしコレクターという嫉妬の歪虚が接触した今、放っておくという判断は不可能であった。
「あんまり不安にさせたくないんだけど……ホンネで言えば、見込みの薄い依頼だと思う。分かってないことが多すぎるし。だから無理はしないで。それだけ約束して欲しいの」
ルミは視線を落として、唇をぐっと固く結ぶ。
不安しかない。
そんな依頼に送り出すことしかできない自分が、ひどく悔しかった。
解説
▼目的
A:ジャンヌ・ポワソンの討伐
B:能力情報の獲得
▼概要
夢幻城で発見されたジャンヌを討伐してください。
傍にはコレクターが控えており、必要に応じて彼への対応も依頼内容に含まれます。
討伐不可能と判断した場合は、B目標達成からの生還でもシナリオはクリアとなります。
はじめからこちらのみを狙っても構いませんが、Bのみ達成の成功度は普通で頭打ちとなります。
▼戦場
夢幻城の謁見室。
サッカーコートよりちょっと狭いくらいの広さがあるが、崩れた瓦礫で足場は悪く、しゃがめば人が隠れる大きさの遮蔽物もある。
侵入は部屋の側面中央に出る使用人通路から。
ジャンヌは王座に座り、コレクターがその傍に控える。
▼敵勢力
『ジャンヌ・ポワソン』
災厄の十三魔である怠惰の歪虚。
かつては周囲の存在に自らの怠惰を強制的に共有する力を持っていた。
理由は分からないが今では別の力に変わっており、不可解な現象が確認されている。
戦場を覆う「赤霧」は視界を覆うことで命中・回避を半減させる(戦場ギミックであり非BS)。
「結晶の剣」による連続攻撃も留意。
作戦開始時、霧は発生しておらず目立った抵抗も見られない。
『コレクター』
蒐集家を名乗る、枯れ木が赤い燕尾服を着たような長身の男。
懐から銃器をはじめとしたさまざまな現代兵器を取り出して戦う。
大量の火器をどうやって所持しているのかは分からないが、おそらくは彼の力の一端である。
先の偵察で遭遇した際に「自らの意志では人類に手を加えない」という契約をハンターと結んでいる。
何もしないわけではないので、防御行動は普通に行う。
その他、雑魔の類は確認されていない。
▼友軍
城の外には、敵逃亡時に追跡を行うためのストライダーチームが待機しています。
追跡が任務であり、追撃は行いません。
また城内のハンターが危機に陥っても駆けつけることはしたいため、戦力として含むことはできません。
A:ジャンヌ・ポワソンの討伐
B:能力情報の獲得
▼概要
夢幻城で発見されたジャンヌを討伐してください。
傍にはコレクターが控えており、必要に応じて彼への対応も依頼内容に含まれます。
討伐不可能と判断した場合は、B目標達成からの生還でもシナリオはクリアとなります。
はじめからこちらのみを狙っても構いませんが、Bのみ達成の成功度は普通で頭打ちとなります。
▼戦場
夢幻城の謁見室。
サッカーコートよりちょっと狭いくらいの広さがあるが、崩れた瓦礫で足場は悪く、しゃがめば人が隠れる大きさの遮蔽物もある。
侵入は部屋の側面中央に出る使用人通路から。
ジャンヌは王座に座り、コレクターがその傍に控える。
▼敵勢力
『ジャンヌ・ポワソン』
災厄の十三魔である怠惰の歪虚。
かつては周囲の存在に自らの怠惰を強制的に共有する力を持っていた。
理由は分からないが今では別の力に変わっており、不可解な現象が確認されている。
戦場を覆う「赤霧」は視界を覆うことで命中・回避を半減させる(戦場ギミックであり非BS)。
「結晶の剣」による連続攻撃も留意。
作戦開始時、霧は発生しておらず目立った抵抗も見られない。
『コレクター』
蒐集家を名乗る、枯れ木が赤い燕尾服を着たような長身の男。
懐から銃器をはじめとしたさまざまな現代兵器を取り出して戦う。
大量の火器をどうやって所持しているのかは分からないが、おそらくは彼の力の一端である。
先の偵察で遭遇した際に「自らの意志では人類に手を加えない」という契約をハンターと結んでいる。
何もしないわけではないので、防御行動は普通に行う。
その他、雑魔の類は確認されていない。
▼友軍
城の外には、敵逃亡時に追跡を行うためのストライダーチームが待機しています。
追跡が任務であり、追撃は行いません。
また城内のハンターが危機に陥っても駆けつけることはしたいため、戦力として含むことはできません。
マスターより
おはようございます、のどかです。
ジャンヌ討伐戦です——が、討伐に至るルートは分岐があります。
どれに進むかはプレイング次第ですが、結果として討伐難易度が変わるとお考えください。
なお簡単なルートほど至るための難易度が爆アゲです。
どちらにせよ、ここが終わりとなるのか、ここから始まりとなるのか。
正念場であることに間違いはありません。
質問は別途卓を立ててご用命ください。
ご参加をお待ちしております。
ジャンヌ討伐戦です——が、討伐に至るルートは分岐があります。
どれに進むかはプレイング次第ですが、結果として討伐難易度が変わるとお考えください。
なお簡単なルートほど至るための難易度が爆アゲです。
どちらにせよ、ここが終わりとなるのか、ここから始まりとなるのか。
正念場であることに間違いはありません。
質問は別途卓を立ててご用命ください。
ご参加をお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/05/28 02:17
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 ジャック・エルギン(ka1522) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2019/05/12 07:21:24 |
|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/05/09 21:01:02 |