ゲスト
(ka0000)
孤児院を守れ!
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/06/16 12:00
- リプレイ完成予定
- 2014/06/25 12:00
オープニング
●おじいちゃんのおはなしかい
村の小さな孤児院が定期的に村の大人を招くお話会、今日は元猟師の老人が招かれた。
私がまだ現役で、猟銃を提げて山に入っていた頃の話をしよう。実りの秋には肥えた鹿を追って狼たちも村の近くまで下りてきたものだ。
その狼の中の、若い、その年大人になったばかりの狼に、私は襲われそうになった。
さて、君たちは、驚くかも知れないが……この裏の山には狼の群が棲んでいる。何十匹の大きな群だ。しかしね、私はその時まで彼らに襲われたことは無かったんだよ。
狼が人を襲うなんて事は、それこそ、御伽噺の中だけの嘘だとさえ、思っていた。
私は、その若い狼に飛びかかられて……当然、銃を向けたよ。
その時だったね。
その狼よりずっと年嵩で大柄な、青みの強い灰色の毛をした目の鋭い狼が割って入ってきたんだ。
青い狼に体当たりを食らった若い狼は、子犬みたいに鳴いて山の奥に逃げていった。青い狼は私の方を向いて……私の顔をじぃっと見上げながら座って、私が銃を下ろすまでそうしていた。
銃を下ろして、ほんの少し気が逸れた途端、そいつの姿は無くなっていた。
それからも何度かあの若い狼を見かけたが……彼らの群があのときよりも麓に近づくことは無かったよ。え? また会えるかって?
まあ、彼らと最後に会ってから、もう何年も経つからなぁ……私も、もうこんな年だし、目も良くない。もう、山には入れないさ。
いや、こちらこそありがとう、大勢の子供達に話す機会なんて、滅多に無いからね。楽しませて貰ったよ。孫がいっぺんに出来たみたいでな。また来たいものだ。それじゃあ。
「はい、皆さん、猟師のお爺さんを拍手でお見送りしましょう、リズちゃん、お花をプレゼントして」
●ある番人の災難
豊かな里山の麓を開いた村がある。南に拓けたその村は明るく、秋の麦畑は黄金に染まり、果物に野菜に、何でも大きく甘く育つと評判だった。山は春に山菜、秋に木の実をもたらし、生き物たちはみな穏やかに生きていると言われていた。
そんな村だが一応は山に番人を置いている。高く組んだ物見の上で、日がな一日山を眺め、たまにパンくずをせがむ鳥と遊ぶ楽な仕事だった。生涯勤めれば、一度くらいは山火事を見つけることも有るかも知れない。この日も番人は欠伸をしながら山を見ていた。
「なんだ?……狼?」
番人は年季の入ってくすんだ遠眼鏡を覗いた。
それは、村に向かって奔り下りてくる、黒い獣の濁流、狼の群だった。
番人は慌てて鐘を鳴らした。
村中に響くその音が効いたのか、村がざわめく頃にはその群は山の奥へ散っていった。
「――って、事があってな」
日が落ちて見張りを後退するときに、その話をすると夜の番人は信じられないと笑い飛ばした。見間違えだろう、夢でも見ていたんだろう、と。しかし、彼も、その群を見た。
群を見ては、鐘を鳴らして追い払う。気の休まらない夜だったという。
村人達も、数日経たず訝しみ始め、番人を問い詰めた。最初、村人を不安にさせまいと黙りを決め込んだ番人も、そのただ中に鐘が鳴れば喋らざるを得なかった。
「今まで、何も無かったんだから……」
「今年は温かくって、狼たちがボケちゃったのよ」
「心配ないんでしょ?」
「薪を取りに行きたいんだけど」
「何とかしてくれるんだろうな」
村人達が口々に言い、番人はこの現象をハンターに相談しようと決めた。
「と、いうのが、今回届いた依頼ですね。今まで大人しかった狼が、どうもこのところおかしいから、ちょっと様子を見てきてくれ、とのことです」
ハンターへ依頼を届けた街の案内人に連れられて、君たちは村へ向かった。
「豊かな村ってだけ有って、依頼料は狼退治にしてはなかなか弾んで貰えるみたいですねー。んー、天気も良いですし、ちゃちゃっと狼を追っ払って、街にも遊びに来てみませんか?」
馬車の幌から顔を出して、案内人は朗らかに笑う。馬が鳴いて、馬車は村に到着した。
迎えに来た番人は、酷く、青ざめた、顔で君たちを、出迎えた。
●孤児院を守れ!
「話と違うじゃ無いですか――っ、鐘を鳴らしたらっ、逃げてたんじゃっ、無かったんですかー!」
案内人はハンター達を連れ、喚きながら村の中を山に向かって走る。
狼の群は、ハンター達の到着を待たずに下りてきてしまった。そして、山の麓の孤児院を取り囲んでいる。
群に襲われたのは孤児院を訪れ、子ども達に若い頃の話をしていた元猟師の老人一人。お話会が終わって、孤児院から出たところ、飛び掛かってきた一匹に噛み付かれた。
老人は見送りに来ていた少女を、玄関から屋内へ突き飛ばす。ドアの前に立ち塞がって進入しようと迫る狼へ石を投げつけながら、
「早くドアを閉めろ! 助けを呼んでくる。助けが来るまで開けるなよ。先生と一緒に待っているんだ。いいな」
声を張り上げた。花束を抱えて見送りに来た少女がおじいちゃんと呼んで泣き出し、先生が震えながらにお願いしますと叫んでドアを閉めた。
老人は、狼たちに噛まれ、引っかかれ、傷だらけで群を抜け、助けを求めるべく村へと走り、番人に行き会った。
老人が言う狼はとても大きな群で、見えただけでも30匹には上る。そして、群を先導しているのは痩せた黒い狼で、群はこの狼に従っている。
群は孤児院の建物を囲んでいたが、老人が外へ出ると集って襲ってきた。建物の中へも入ってきそうだったので、急いでドアを閉めさせたので、子ども達は建物内に閉じ込められている。
まだ孤児院は囲まれており、狼たちを何とかしなければ、子ども達を外へ逃がすことは不可能だろう。
番人と案内人に先導されてハンター達は孤児院の庭に辿り着いた。
青々とした芝も初夏の花も踏み荒らされた庭、低い柵で囲まれた敷地には古い木造の可愛らしい家。そのドアには狼が飛び掛かったらしい爪と泥の跡が付いている。
狼たちの徘徊する庭は均されており、ブランコを吊った大きな木が一本だけ、建物に向かって右端の中程に生えている。
閉められた窓から子どもの頭が覗いた。背伸びをして外を覗う。狼に震えて、その向こうに駆けつけた番人の、そして、連れられてきたハンター達を見つけて、円らな目が見開いた。子どもが奥へと戻っていく。助けが来たことを伝えているのだろう。
群を率いる黒い狼が、その漆黒の体躯を踊らせて耳を劈く咆哮を上る。
群れの狼が数匹ハンター達の到着に気づき、牙を剥いて睨む…………
村の小さな孤児院が定期的に村の大人を招くお話会、今日は元猟師の老人が招かれた。
私がまだ現役で、猟銃を提げて山に入っていた頃の話をしよう。実りの秋には肥えた鹿を追って狼たちも村の近くまで下りてきたものだ。
その狼の中の、若い、その年大人になったばかりの狼に、私は襲われそうになった。
さて、君たちは、驚くかも知れないが……この裏の山には狼の群が棲んでいる。何十匹の大きな群だ。しかしね、私はその時まで彼らに襲われたことは無かったんだよ。
狼が人を襲うなんて事は、それこそ、御伽噺の中だけの嘘だとさえ、思っていた。
私は、その若い狼に飛びかかられて……当然、銃を向けたよ。
その時だったね。
その狼よりずっと年嵩で大柄な、青みの強い灰色の毛をした目の鋭い狼が割って入ってきたんだ。
青い狼に体当たりを食らった若い狼は、子犬みたいに鳴いて山の奥に逃げていった。青い狼は私の方を向いて……私の顔をじぃっと見上げながら座って、私が銃を下ろすまでそうしていた。
銃を下ろして、ほんの少し気が逸れた途端、そいつの姿は無くなっていた。
それからも何度かあの若い狼を見かけたが……彼らの群があのときよりも麓に近づくことは無かったよ。え? また会えるかって?
まあ、彼らと最後に会ってから、もう何年も経つからなぁ……私も、もうこんな年だし、目も良くない。もう、山には入れないさ。
いや、こちらこそありがとう、大勢の子供達に話す機会なんて、滅多に無いからね。楽しませて貰ったよ。孫がいっぺんに出来たみたいでな。また来たいものだ。それじゃあ。
「はい、皆さん、猟師のお爺さんを拍手でお見送りしましょう、リズちゃん、お花をプレゼントして」
●ある番人の災難
豊かな里山の麓を開いた村がある。南に拓けたその村は明るく、秋の麦畑は黄金に染まり、果物に野菜に、何でも大きく甘く育つと評判だった。山は春に山菜、秋に木の実をもたらし、生き物たちはみな穏やかに生きていると言われていた。
そんな村だが一応は山に番人を置いている。高く組んだ物見の上で、日がな一日山を眺め、たまにパンくずをせがむ鳥と遊ぶ楽な仕事だった。生涯勤めれば、一度くらいは山火事を見つけることも有るかも知れない。この日も番人は欠伸をしながら山を見ていた。
「なんだ?……狼?」
番人は年季の入ってくすんだ遠眼鏡を覗いた。
それは、村に向かって奔り下りてくる、黒い獣の濁流、狼の群だった。
番人は慌てて鐘を鳴らした。
村中に響くその音が効いたのか、村がざわめく頃にはその群は山の奥へ散っていった。
「――って、事があってな」
日が落ちて見張りを後退するときに、その話をすると夜の番人は信じられないと笑い飛ばした。見間違えだろう、夢でも見ていたんだろう、と。しかし、彼も、その群を見た。
群を見ては、鐘を鳴らして追い払う。気の休まらない夜だったという。
村人達も、数日経たず訝しみ始め、番人を問い詰めた。最初、村人を不安にさせまいと黙りを決め込んだ番人も、そのただ中に鐘が鳴れば喋らざるを得なかった。
「今まで、何も無かったんだから……」
「今年は温かくって、狼たちがボケちゃったのよ」
「心配ないんでしょ?」
「薪を取りに行きたいんだけど」
「何とかしてくれるんだろうな」
村人達が口々に言い、番人はこの現象をハンターに相談しようと決めた。
「と、いうのが、今回届いた依頼ですね。今まで大人しかった狼が、どうもこのところおかしいから、ちょっと様子を見てきてくれ、とのことです」
ハンターへ依頼を届けた街の案内人に連れられて、君たちは村へ向かった。
「豊かな村ってだけ有って、依頼料は狼退治にしてはなかなか弾んで貰えるみたいですねー。んー、天気も良いですし、ちゃちゃっと狼を追っ払って、街にも遊びに来てみませんか?」
馬車の幌から顔を出して、案内人は朗らかに笑う。馬が鳴いて、馬車は村に到着した。
迎えに来た番人は、酷く、青ざめた、顔で君たちを、出迎えた。
●孤児院を守れ!
「話と違うじゃ無いですか――っ、鐘を鳴らしたらっ、逃げてたんじゃっ、無かったんですかー!」
案内人はハンター達を連れ、喚きながら村の中を山に向かって走る。
狼の群は、ハンター達の到着を待たずに下りてきてしまった。そして、山の麓の孤児院を取り囲んでいる。
群に襲われたのは孤児院を訪れ、子ども達に若い頃の話をしていた元猟師の老人一人。お話会が終わって、孤児院から出たところ、飛び掛かってきた一匹に噛み付かれた。
老人は見送りに来ていた少女を、玄関から屋内へ突き飛ばす。ドアの前に立ち塞がって進入しようと迫る狼へ石を投げつけながら、
「早くドアを閉めろ! 助けを呼んでくる。助けが来るまで開けるなよ。先生と一緒に待っているんだ。いいな」
声を張り上げた。花束を抱えて見送りに来た少女がおじいちゃんと呼んで泣き出し、先生が震えながらにお願いしますと叫んでドアを閉めた。
老人は、狼たちに噛まれ、引っかかれ、傷だらけで群を抜け、助けを求めるべく村へと走り、番人に行き会った。
老人が言う狼はとても大きな群で、見えただけでも30匹には上る。そして、群を先導しているのは痩せた黒い狼で、群はこの狼に従っている。
群は孤児院の建物を囲んでいたが、老人が外へ出ると集って襲ってきた。建物の中へも入ってきそうだったので、急いでドアを閉めさせたので、子ども達は建物内に閉じ込められている。
まだ孤児院は囲まれており、狼たちを何とかしなければ、子ども達を外へ逃がすことは不可能だろう。
番人と案内人に先導されてハンター達は孤児院の庭に辿り着いた。
青々とした芝も初夏の花も踏み荒らされた庭、低い柵で囲まれた敷地には古い木造の可愛らしい家。そのドアには狼が飛び掛かったらしい爪と泥の跡が付いている。
狼たちの徘徊する庭は均されており、ブランコを吊った大きな木が一本だけ、建物に向かって右端の中程に生えている。
閉められた窓から子どもの頭が覗いた。背伸びをして外を覗う。狼に震えて、その向こうに駆けつけた番人の、そして、連れられてきたハンター達を見つけて、円らな目が見開いた。子どもが奥へと戻っていく。助けが来たことを伝えているのだろう。
群を率いる黒い狼が、その漆黒の体躯を踊らせて耳を劈く咆哮を上る。
群れの狼が数匹ハンター達の到着に気づき、牙を剥いて睨む…………
解説
・エネミー
黒い狼 狼の群を従えて攻撃させたり、自分を守らせたりします。黒い狼自身も噛み付いたり引っ掻いたりの攻撃手段を持っています。
群れの狼たち 沢山いますが、無数ではありません。小さな子供は噛まれただけで死んでしまいます。ハンターが近づくと取り囲んで襲ってきます。
・地形(孤児院の庭)
一番奥(建物側)に黒い狼、群の狼たちがハンターの皆さんを取り囲んでいます。
囲まれた空間は、横に8人、縦に4人並べる程度の広さがあります。
黒い狼からドアまで5メートルほど離れていますが、狼が飛びかかれば一瞬です。
・その他
おじいちゃん 病院で意識不明の重体となっていますが生きています。
子ども達(含、リズ) 先生と一緒にドアから離れて待機しています。
孤児院 余り高くない柵で囲まれており、中央の奥に建物、右の中程にブランコの木があります。
柵 正面中央のみ出入りの為に切れています。柵の中に入ると
建物 古い木造の家で出入りは正面玄関のみです。家の中にいれば一応の安全は確保されます。窓は閉められています。
番人 到着後に退避し、村人を避難させた後、物見櫓で山を見張っています。
案内人 物陰に隠れています。非武装ですが、引っ張り出さなければ狼の攻撃対象には含まれません。
黒い狼 狼の群を従えて攻撃させたり、自分を守らせたりします。黒い狼自身も噛み付いたり引っ掻いたりの攻撃手段を持っています。
群れの狼たち 沢山いますが、無数ではありません。小さな子供は噛まれただけで死んでしまいます。ハンターが近づくと取り囲んで襲ってきます。
・地形(孤児院の庭)
一番奥(建物側)に黒い狼、群の狼たちがハンターの皆さんを取り囲んでいます。
囲まれた空間は、横に8人、縦に4人並べる程度の広さがあります。
黒い狼からドアまで5メートルほど離れていますが、狼が飛びかかれば一瞬です。
・その他
おじいちゃん 病院で意識不明の重体となっていますが生きています。
子ども達(含、リズ) 先生と一緒にドアから離れて待機しています。
孤児院 余り高くない柵で囲まれており、中央の奥に建物、右の中程にブランコの木があります。
柵 正面中央のみ出入りの為に切れています。柵の中に入ると
建物 古い木造の家で出入りは正面玄関のみです。家の中にいれば一応の安全は確保されます。窓は閉められています。
番人 到着後に退避し、村人を避難させた後、物見櫓で山を見張っています。
案内人 物陰に隠れています。非武装ですが、引っ張り出さなければ狼の攻撃対象には含まれません。
マスターより
こんにちは、初めまして。
狼の群に襲われた孤児院とお爺さん……
狼を倒して、子ども達を助け出し、お爺さんを安心させてあげて下さい。
狼の群に襲われた孤児院とお爺さん……
狼を倒して、子ども達を助け出し、お爺さんを安心させてあげて下さい。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/06/21 19:13
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/06/11 20:03:02 |
|
![]() |
作戦相談卓 クロード・エクルストン(ka1683) 人間(クリムゾンウェスト)|22才|男性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/06/16 01:02:06 |