ゲスト
(ka0000)
頑固オヤジの料理店をプロデュース!
マスター:青木川舟

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/01/28 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/02/06 19:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●小料理屋『ひげ』
とあるソサエティ職員には、休日の楽しみがあった。それは近所の大通りから細い裏路地を抜けて行った先にある、こじんまりとした小料理屋『ひげ』でランチを楽しむことだった。この『ひげ』、外見は小汚く、看板も剥げかけなので、何も知らない通行人が見てもまさか営業中だなんて思わないようなオンボロ店舗だが、彼はこの店のジューシーなステーキの味が好きだった。彼はいつものように大ぶりなステーキを注文。その美味さに思わず笑みを零しながらぺろりと平らげ、食後のワインを楽しんでいたのだが、何故か注文した覚えの無い料理が運ばれてきた。
「なんですかコレ? 私頼んでませんけど」
「ええ、実はこれ、試作品なんです」
店主の娘で、配膳係をしているマヌエラの話によると、最近店の客足が伸び悩んでおり、このままでは商売を続けていけないとのこと。なんとか立て直しを図る為に、色々と新メニューを試作しているのだそうだ。確かに、職員が来店したとき、お昼時にも関わらずいつも店はガラガラだった。そこが気に入ってもいたのだが、休日の楽しみが無くなってしまうのは困る。
「まあ、このご時世にメニューがステーキだけじゃ苦しいですよね。私はここのステーキが好きだから良いですけど、最近じゃ豊富なメニューを売りにしてる店も多いですし」
そう、なんとこの店、メニューは『ステーキ』しかないのだ。とはいえ、店主がその日の最もコンディションの良い肉を厳選し、豊富な経験に裏打ちされた最適な焼き加減と味付けで仕上げてくれるステーキは絶品であり、しかも値段もお手頃プライス。まさに隠れた名店なのだ。
「それで新作の試作品を私に食べてみてほしいってわけですか。どれどれ……」
職員はさっそく試作品にナイフを入れる。外見は普通のステーキと変わらないが、一体どんな秘密が隠されているというのか――
「――――――――んー……? 美味しいけど……これ普通のステーキと何が違うんですか?」
「……さ、さあ……」
「なんだ、お前さん。数少ない常連のくせにそんなことも分からんのか」
職員とマヌエラが2人で首を捻っていると、調理場からいかにも頑固オヤジという風貌の店主が姿を現した。店名の通り、立派な口髭を蓄えている。
「いつもは『塩、胡椒』の順番で味付けするところを『胡椒、塩』にしたんだよ」
「さすがにそれを別メニューと言い張るのは無理があるんじゃないですか店主」
「なんだ、マヌエラと同じこと言いやがって」
「いやだって味同じですもん。新メニューと言うからには、ガラッとパターン変えていかないと。例えばホラ、最近流行ってるじゃないですか、挽き肉を丸めて焼いたハンバーグとかいうやつ。あと肉をたっぷりコトコト煮込んだシチューみたいな料理とか」
「馬鹿野郎!」
店主が一喝し、職員を黙らせた。
「ウチはひい爺さんの代からステーキ一本でやってんだ! 肉をミンチにしたり柔らかく煮込んだり、そんな軟弱な料理なんぞ出せんわ! 男ならステーキ食わんかい! 男は皆、硬い肉を噛み締めて大人になっていくんだ!」
「もう新メニュー考える気無いじゃないですか……」
店主は鼻息荒く、店の裏手に引っ込んでしまった。マヌエラが申し訳なさそうにお辞儀をする。
「申し訳ありません……父が相変わらずで……」
「いえいえ、ああいう方なのは存じてますし……でも実際問題、なんとかしないと経営は苦しいんですよね。新メニュー以外には何かやられてるんですか?」
「大したことは……父はステーキ以外には無頓着な人ですし、私1人ではいろいろと限界が……」
肩を落とすマヌエラ。職員は、なんとか彼女ら親子と『ひげ』を救う良い方法は無いかと頭を捻ってみるが、ここであれこれ言ったところで店主があの調子ではどうしようもない。
ふと、職員の頭に光明が差した。彼自身には方法は浮かばないが、彼の職場には様々な技に長けた者達が跋扈しているではないか。こういうときこそ職権をフル活用せずにどうするというのだ。
彼はマヌエラに、この店の再生をハンターズソサエティに依頼してはどうかと提案した。藁にも縋る思いの彼女は、これに了承した。後から父の許可も得ておくとのことだった。
「あ、そういえばお客さん、まだお腹に余裕がおありなら、これどうぞ」
そう思い出したようにマヌエラが奥から運んできたのは、数種類のベリーをふんだんに使ったタルトだった。
「私が焼いたんです。後で父と食べようと思っていたんですが、2人では食べきれないので、1切れどうぞ」
「え、いいんですか? 悪いなぁ」
●ハンターズソサエティ
「いや~、そのタルトの美味しいのなんのって――ああそんな話は置いといて」
依頼内容の説明に来た職員は、話をまとめる。
「というわけで、今回の依頼は、小料理屋『ひげ』の経営の立て直しです。具体的には、ランチタイムに満席状態が続くくらい繁盛できれば万々歳という感じですね。マヌエラさんの話によると、一応店主の許可は得られたそうですが、あまり歓迎はされていないようで……まあその辺も考慮に入れておいてください。経費はソサエティから出すように話を通してあるので、何卒、『ひげ』の親子と、私の休日の楽しみの為に、どうかよろしくお願いします!」
職員は集まったハンターたちに、ぺこりと頭を下げた。
●小料理屋『ひげ』
とあるソサエティ職員には、休日の楽しみがあった。それは近所の大通りから細い裏路地を抜けて行った先にある、こじんまりとした小料理屋『ひげ』でランチを楽しむことだった。この『ひげ』、外見は小汚く、看板も剥げかけなので、何も知らない通行人が見てもまさか営業中だなんて思わないようなオンボロ店舗だが、彼はこの店のジューシーなステーキの味が好きだった。彼はいつものように大ぶりなステーキを注文。その美味さに思わず笑みを零しながらぺろりと平らげ、食後のワインを楽しんでいたのだが、何故か注文した覚えの無い料理が運ばれてきた。
「なんですかコレ? 私頼んでませんけど」
「ええ、実はこれ、試作品なんです」
店主の娘で、配膳係をしているマヌエラの話によると、最近店の客足が伸び悩んでおり、このままでは商売を続けていけないとのこと。なんとか立て直しを図る為に、色々と新メニューを試作しているのだそうだ。確かに、職員が来店したとき、お昼時にも関わらずいつも店はガラガラだった。そこが気に入ってもいたのだが、休日の楽しみが無くなってしまうのは困る。
「まあ、このご時世にメニューがステーキだけじゃ苦しいですよね。私はここのステーキが好きだから良いですけど、最近じゃ豊富なメニューを売りにしてる店も多いですし」
そう、なんとこの店、メニューは『ステーキ』しかないのだ。とはいえ、店主がその日の最もコンディションの良い肉を厳選し、豊富な経験に裏打ちされた最適な焼き加減と味付けで仕上げてくれるステーキは絶品であり、しかも値段もお手頃プライス。まさに隠れた名店なのだ。
「それで新作の試作品を私に食べてみてほしいってわけですか。どれどれ……」
職員はさっそく試作品にナイフを入れる。外見は普通のステーキと変わらないが、一体どんな秘密が隠されているというのか――
「――――――――んー……? 美味しいけど……これ普通のステーキと何が違うんですか?」
「……さ、さあ……」
「なんだ、お前さん。数少ない常連のくせにそんなことも分からんのか」
職員とマヌエラが2人で首を捻っていると、調理場からいかにも頑固オヤジという風貌の店主が姿を現した。店名の通り、立派な口髭を蓄えている。
「いつもは『塩、胡椒』の順番で味付けするところを『胡椒、塩』にしたんだよ」
「さすがにそれを別メニューと言い張るのは無理があるんじゃないですか店主」
「なんだ、マヌエラと同じこと言いやがって」
「いやだって味同じですもん。新メニューと言うからには、ガラッとパターン変えていかないと。例えばホラ、最近流行ってるじゃないですか、挽き肉を丸めて焼いたハンバーグとかいうやつ。あと肉をたっぷりコトコト煮込んだシチューみたいな料理とか」
「馬鹿野郎!」
店主が一喝し、職員を黙らせた。
「ウチはひい爺さんの代からステーキ一本でやってんだ! 肉をミンチにしたり柔らかく煮込んだり、そんな軟弱な料理なんぞ出せんわ! 男ならステーキ食わんかい! 男は皆、硬い肉を噛み締めて大人になっていくんだ!」
「もう新メニュー考える気無いじゃないですか……」
店主は鼻息荒く、店の裏手に引っ込んでしまった。マヌエラが申し訳なさそうにお辞儀をする。
「申し訳ありません……父が相変わらずで……」
「いえいえ、ああいう方なのは存じてますし……でも実際問題、なんとかしないと経営は苦しいんですよね。新メニュー以外には何かやられてるんですか?」
「大したことは……父はステーキ以外には無頓着な人ですし、私1人ではいろいろと限界が……」
肩を落とすマヌエラ。職員は、なんとか彼女ら親子と『ひげ』を救う良い方法は無いかと頭を捻ってみるが、ここであれこれ言ったところで店主があの調子ではどうしようもない。
ふと、職員の頭に光明が差した。彼自身には方法は浮かばないが、彼の職場には様々な技に長けた者達が跋扈しているではないか。こういうときこそ職権をフル活用せずにどうするというのだ。
彼はマヌエラに、この店の再生をハンターズソサエティに依頼してはどうかと提案した。藁にも縋る思いの彼女は、これに了承した。後から父の許可も得ておくとのことだった。
「あ、そういえばお客さん、まだお腹に余裕がおありなら、これどうぞ」
そう思い出したようにマヌエラが奥から運んできたのは、数種類のベリーをふんだんに使ったタルトだった。
「私が焼いたんです。後で父と食べようと思っていたんですが、2人では食べきれないので、1切れどうぞ」
「え、いいんですか? 悪いなぁ」
●ハンターズソサエティ
「いや~、そのタルトの美味しいのなんのって――ああそんな話は置いといて」
依頼内容の説明に来た職員は、話をまとめる。
「というわけで、今回の依頼は、小料理屋『ひげ』の経営の立て直しです。具体的には、ランチタイムに満席状態が続くくらい繁盛できれば万々歳という感じですね。マヌエラさんの話によると、一応店主の許可は得られたそうですが、あまり歓迎はされていないようで……まあその辺も考慮に入れておいてください。経費はソサエティから出すように話を通してあるので、何卒、『ひげ』の親子と、私の休日の楽しみの為に、どうかよろしくお願いします!」
職員は集まったハンターたちに、ぺこりと頭を下げた。
解説
●『ひげ』
街の人通りの多いメインストリートから、狭い裏道を抜けて行った先にあるので、ふらりと通りかかる人は少ない。仮にいたとしても、建物は古く汚れており、看板も劣化が激しく、そこが営業中の料理屋だと言われなければ分からない状態。店内は30人程で満員になる。ステーキには牛肉を使用し、肉の部位・焼き加減・味付けは店主にお任せするシステム。皿に、大きなステーキと、たっぷりの茹でジャガイモ、申し訳程度の茹で野菜が載って出てくる。お値段は庶民な職員でも週1で通える程度には懐に優しい。
●店主
50代。髭を蓄えた、「最近の若者は~」とかよく言うタイプの頑固オヤジ。代々受け継がれてきたステーキの味に自信を持っており、実際美味である。頑固で気が短いが、店を立て直そうというやる気はちゃんとある。客には出さないが、ステーキ以外の料理も普通に作れる。妻はマヌエラ出産時に他界。
●マヌエラ
20歳になったばかりの看板娘で店主の娘。小さい頃から店を手伝っている。気立てが良く、彼女目当ての常連も少数ながら存在する。お菓子作りが趣味で、季節のベリーを使ったタルトは頑固者の父親すら思わず笑顔にさせてしまう出来。不器用な父親のことが心配で、まだまだ嫁に行く気は無い様子。
街の人通りの多いメインストリートから、狭い裏道を抜けて行った先にあるので、ふらりと通りかかる人は少ない。仮にいたとしても、建物は古く汚れており、看板も劣化が激しく、そこが営業中の料理屋だと言われなければ分からない状態。店内は30人程で満員になる。ステーキには牛肉を使用し、肉の部位・焼き加減・味付けは店主にお任せするシステム。皿に、大きなステーキと、たっぷりの茹でジャガイモ、申し訳程度の茹で野菜が載って出てくる。お値段は庶民な職員でも週1で通える程度には懐に優しい。
●店主
50代。髭を蓄えた、「最近の若者は~」とかよく言うタイプの頑固オヤジ。代々受け継がれてきたステーキの味に自信を持っており、実際美味である。頑固で気が短いが、店を立て直そうというやる気はちゃんとある。客には出さないが、ステーキ以外の料理も普通に作れる。妻はマヌエラ出産時に他界。
●マヌエラ
20歳になったばかりの看板娘で店主の娘。小さい頃から店を手伝っている。気立てが良く、彼女目当ての常連も少数ながら存在する。お菓子作りが趣味で、季節のベリーを使ったタルトは頑固者の父親すら思わず笑顔にさせてしまう出来。不器用な父親のことが心配で、まだまだ嫁に行く気は無い様子。
マスターより
どうもこんにちは、青木川舟です。
今回は潰れかけの料理店を立て直すということですが、料理は十分美味しいので、もうちょっとバリエーションが豊かになって、知名度が上がれば、自然とリピーターは増えるんじゃないかなぁ、なんて思います。あとは店主をどう説得するかですかね。
食費も経費で落ちるので、この際皆さんも頑固オヤジのステーキを味わってみては。
今回は潰れかけの料理店を立て直すということですが、料理は十分美味しいので、もうちょっとバリエーションが豊かになって、知名度が上がれば、自然とリピーターは増えるんじゃないかなぁ、なんて思います。あとは店主をどう説得するかですかね。
食費も経費で落ちるので、この際皆さんも頑固オヤジのステーキを味わってみては。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/02/08 15:16
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
隠れた名店を立て直しましょう ヴァルナ=エリゴス(ka2651) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/01/28 15:46:47 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/01/23 22:08:02 |