ゲスト
(ka0000)
老人の宝物
マスター:トロバドル

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/01/28 07:30
- リプレイ完成予定
- 2015/02/06 07:30
オープニング
●とある山村
「くっ……。ワシはまだ動けるわっ!!」
高齢を思わせる皺にまみれた顔を苦悶に歪ませながら、老人は痛む体に鞭を打つようにして立ち上がろうとする。
「ま、待てって爺さん! そんな体でどうしようってんだ!?」
「うるさい! あれは……あれだけはどうしても取り返さねばならんのだ!」
「そ、それは分かるけどな……。だからってそんな体で行ったってどうにもならないだろ?」
「ぐっ……」
老人を幾分か若くしたような屈強な体付きをした男性に窘められ、苦虫を噛み潰すような声を漏らした。
「爺さんが婆さんから貰ったあれを大事にしているのは分かる。だけどな、それの為に爺さんが大怪我……いや、死んじまうかもしれねぇ場所に行く事を婆さんが喜ぶと思うか?」
男性の更なる言葉に老人は喉元まで出かかっていた言葉を飲み込んだ。
反論したい言葉はあった。若造が何を偉そうにと。
そう言いかけ、老人はふと思い出した。生涯を共にすると誓い合った伴侶の姿を。
老人と同じように、歳を重ねるごとに増えていく皺。それは他人から見れば老いに見える。だが、二人にとっては、その皺こそが互いの絆の深さだと思っていた。
その伴侶がほほ笑む姿が見えたのだ。死ぬ直前まで自らにだけ向けられていた笑みを。
もう幾年もすれば老人も彼女が旅立った場所へと赴くことになるだろう。それは構わないと老人は思っている。彼女の下へ行けるのなら、恐怖など何一つない。
しかし、もしそこへ訪れる理由が彼女から送られたある物を取り戻しに行った結果だったとしたらどんな顔をされるだろうか。
その事を考えた老人は言葉を飲み込んだ。
「婆さんの形見だ。爺さんがどうしてもって気持ちは判る。でもな、あれだけの数を相手に、爺さん一人じゃどうもしようがないぞ?」
老夫婦の中の良さは男性にも分かっていた。それは村中の皆が知っている事実だ。
気難しく頑固ながらも生真面目な夫と、そんな夫を常に柔らかな笑みで見守る妻。
喧嘩は数あれど、それは互いに信頼し合っているからこそ。
そんな老夫婦を見て、村の者達は理想的な夫婦だと思っていた。
だからこそ、老人の気持ちが分かるのだ。何がなんでもあれを取り返しに行きたいと逸る老人の気持ちが。
「……だったら、依頼を出してみたらどうだ?」
老人の肩を抱き留めていた少し若い男性がそう言葉を発した。
なるほど、と回りの村人達が妙案だと頷いた。
「よし、それなら早速俺が行って来る。爺さん、それでいいな?」
老人は自身の手を見る。太く、皺くちゃで土がこびり付いて汚れた手を。
いつもは気にせず、無視してきた。多少の事で村の若い衆に負けるものかと息巻いていた部分もある。
それがほんの少しの障害で何もできなくなる程に自分は老いていたのかと思うと、老人は静かに目を伏せた。
「……頼む」
漸く絞り出した声を聴き、男性は太い眉を吊り上げて立ち上がった。
●ハンターオフィス
翌日、ハンターオフィスにとある山村からやってきたという男性から依頼が入った。
依頼の内容はこうだ。
村から半日ほど森の中に入ったことろに、半年ほど前に遺跡が発見されたらしい。
その遺跡はいつの頃に作られたかは判らないのだが、かなりの間放置されていた為に今にも崩壊しそうなほどに老朽化しているそうだ。
一目で危険な場所と分かるそこに村人達は決して近づかなかった。その為か、いつからか雑魔が住み着くようになったらしい。
そんな折、一匹の雑魔が村へと侵入し、とある老人宅からネックレスを奪って逃走したそうだ。
逃げた先は当然その遺跡。追いかけた老人も遺跡に入ったのだが、そこに住み着いていた雑魔に襲われて怪我をしてしまったらしい。
老人は騒ぎを聞きつけ、駆け付けた村の若い衆に助けられたので軽い怪我だけで済んだようだ
直ぐに雑魔討伐の為に男手が集められたのだが、雑魔の数が多く、数人の怪我人が出てしまって諦めたとの事。
雑魔一体自体は大したことはないのだが、どうにも村人だけでは対処のしようがないらしい。
依頼はそんな雑魔から、盗まれた老人の宝物、生涯の伴侶と決めた奥さんから送られた大切なネックレスを奪い返してきてほしい、というものだ。
ついでに、可能ならば出来るだけ雑魔を排除してほしいらしい。
雑魔は小猿のような小型の生き物なのでさして脅威にはならないが、問題なのは雑魔の数と遺跡だ。
遺跡の中には至る所に小さな穴や、崩れて繋がった道などがあり、雑魔はそこを使って襲い掛かって来るとの事。
数が多いうえに、あまり派手に戦うと遺跡自体の倒壊もあり得る。その事には十分注意してほしいと締めくくった。
「くっ……。ワシはまだ動けるわっ!!」
高齢を思わせる皺にまみれた顔を苦悶に歪ませながら、老人は痛む体に鞭を打つようにして立ち上がろうとする。
「ま、待てって爺さん! そんな体でどうしようってんだ!?」
「うるさい! あれは……あれだけはどうしても取り返さねばならんのだ!」
「そ、それは分かるけどな……。だからってそんな体で行ったってどうにもならないだろ?」
「ぐっ……」
老人を幾分か若くしたような屈強な体付きをした男性に窘められ、苦虫を噛み潰すような声を漏らした。
「爺さんが婆さんから貰ったあれを大事にしているのは分かる。だけどな、それの為に爺さんが大怪我……いや、死んじまうかもしれねぇ場所に行く事を婆さんが喜ぶと思うか?」
男性の更なる言葉に老人は喉元まで出かかっていた言葉を飲み込んだ。
反論したい言葉はあった。若造が何を偉そうにと。
そう言いかけ、老人はふと思い出した。生涯を共にすると誓い合った伴侶の姿を。
老人と同じように、歳を重ねるごとに増えていく皺。それは他人から見れば老いに見える。だが、二人にとっては、その皺こそが互いの絆の深さだと思っていた。
その伴侶がほほ笑む姿が見えたのだ。死ぬ直前まで自らにだけ向けられていた笑みを。
もう幾年もすれば老人も彼女が旅立った場所へと赴くことになるだろう。それは構わないと老人は思っている。彼女の下へ行けるのなら、恐怖など何一つない。
しかし、もしそこへ訪れる理由が彼女から送られたある物を取り戻しに行った結果だったとしたらどんな顔をされるだろうか。
その事を考えた老人は言葉を飲み込んだ。
「婆さんの形見だ。爺さんがどうしてもって気持ちは判る。でもな、あれだけの数を相手に、爺さん一人じゃどうもしようがないぞ?」
老夫婦の中の良さは男性にも分かっていた。それは村中の皆が知っている事実だ。
気難しく頑固ながらも生真面目な夫と、そんな夫を常に柔らかな笑みで見守る妻。
喧嘩は数あれど、それは互いに信頼し合っているからこそ。
そんな老夫婦を見て、村の者達は理想的な夫婦だと思っていた。
だからこそ、老人の気持ちが分かるのだ。何がなんでもあれを取り返しに行きたいと逸る老人の気持ちが。
「……だったら、依頼を出してみたらどうだ?」
老人の肩を抱き留めていた少し若い男性がそう言葉を発した。
なるほど、と回りの村人達が妙案だと頷いた。
「よし、それなら早速俺が行って来る。爺さん、それでいいな?」
老人は自身の手を見る。太く、皺くちゃで土がこびり付いて汚れた手を。
いつもは気にせず、無視してきた。多少の事で村の若い衆に負けるものかと息巻いていた部分もある。
それがほんの少しの障害で何もできなくなる程に自分は老いていたのかと思うと、老人は静かに目を伏せた。
「……頼む」
漸く絞り出した声を聴き、男性は太い眉を吊り上げて立ち上がった。
●ハンターオフィス
翌日、ハンターオフィスにとある山村からやってきたという男性から依頼が入った。
依頼の内容はこうだ。
村から半日ほど森の中に入ったことろに、半年ほど前に遺跡が発見されたらしい。
その遺跡はいつの頃に作られたかは判らないのだが、かなりの間放置されていた為に今にも崩壊しそうなほどに老朽化しているそうだ。
一目で危険な場所と分かるそこに村人達は決して近づかなかった。その為か、いつからか雑魔が住み着くようになったらしい。
そんな折、一匹の雑魔が村へと侵入し、とある老人宅からネックレスを奪って逃走したそうだ。
逃げた先は当然その遺跡。追いかけた老人も遺跡に入ったのだが、そこに住み着いていた雑魔に襲われて怪我をしてしまったらしい。
老人は騒ぎを聞きつけ、駆け付けた村の若い衆に助けられたので軽い怪我だけで済んだようだ
直ぐに雑魔討伐の為に男手が集められたのだが、雑魔の数が多く、数人の怪我人が出てしまって諦めたとの事。
雑魔一体自体は大したことはないのだが、どうにも村人だけでは対処のしようがないらしい。
依頼はそんな雑魔から、盗まれた老人の宝物、生涯の伴侶と決めた奥さんから送られた大切なネックレスを奪い返してきてほしい、というものだ。
ついでに、可能ならば出来るだけ雑魔を排除してほしいらしい。
雑魔は小猿のような小型の生き物なのでさして脅威にはならないが、問題なのは雑魔の数と遺跡だ。
遺跡の中には至る所に小さな穴や、崩れて繋がった道などがあり、雑魔はそこを使って襲い掛かって来るとの事。
数が多いうえに、あまり派手に戦うと遺跡自体の倒壊もあり得る。その事には十分注意してほしいと締めくくった。
解説
●成功条件
遺跡内に住み着く雑魔から老人のネックレスを取り返す。
●失敗条件
ネックレスを持った雑魔の逃走。
ネックレスが遺跡内にあるまま、遺跡が倒壊してしまう。
●サブ依頼
遺跡を住処にする雑魔の全討伐。
●目的地
山間にある小さな村、その背後に広がる森林地帯の奥にある朽ちた遺跡。
森の中は村人達の間引きにより太陽の光が届くようになっているので少し薄暗い程度。
遺跡までの道は村人が道標を置いてくれているので迷う事はない。
●依頼詳細
老人のネックレスを取り返す。その事を最優先してください。
サブ依頼に関しては可能であれば、という程度です。
遺跡は依頼を出した男性が言った通り、非常に脆くなっています。とは言え、今すぐに崩れると言う訳でもありません。
ですが、強い振動が発生する攻撃は出来るだけ控えた方がいいかもしれません。
ネックレス奪取さえ叶えば、雑魔と遺跡に関してはどんな状態であっても構いません。
●討伐対象詳細
子猿に似た姿をしている雑魔です。
機動性に優れ、両手足の裏に付いた吸盤によって壁や天井を自由に移動できます。
一匹一匹は大したことはなく、成人した男性が簡単にあしらえるほどの弱さです。
しっかりと対処していけば、三、四匹ほど同時に襲ってきても問題はないでしょう。
ただし、遺跡内は薄暗く、狭い場所や雑魔が通れるくらいの小さな穴が多数存在します。
村人が手を焼いた理由はどこからともなく襲ってくる、その一点のみです。
逆に言えば、遺跡の外でならば彼らは脅威足りえません。
彼らの好物はバナナになります。
遺跡内に住み着く雑魔から老人のネックレスを取り返す。
●失敗条件
ネックレスを持った雑魔の逃走。
ネックレスが遺跡内にあるまま、遺跡が倒壊してしまう。
●サブ依頼
遺跡を住処にする雑魔の全討伐。
●目的地
山間にある小さな村、その背後に広がる森林地帯の奥にある朽ちた遺跡。
森の中は村人達の間引きにより太陽の光が届くようになっているので少し薄暗い程度。
遺跡までの道は村人が道標を置いてくれているので迷う事はない。
●依頼詳細
老人のネックレスを取り返す。その事を最優先してください。
サブ依頼に関しては可能であれば、という程度です。
遺跡は依頼を出した男性が言った通り、非常に脆くなっています。とは言え、今すぐに崩れると言う訳でもありません。
ですが、強い振動が発生する攻撃は出来るだけ控えた方がいいかもしれません。
ネックレス奪取さえ叶えば、雑魔と遺跡に関してはどんな状態であっても構いません。
●討伐対象詳細
子猿に似た姿をしている雑魔です。
機動性に優れ、両手足の裏に付いた吸盤によって壁や天井を自由に移動できます。
一匹一匹は大したことはなく、成人した男性が簡単にあしらえるほどの弱さです。
しっかりと対処していけば、三、四匹ほど同時に襲ってきても問題はないでしょう。
ただし、遺跡内は薄暗く、狭い場所や雑魔が通れるくらいの小さな穴が多数存在します。
村人が手を焼いた理由はどこからともなく襲ってくる、その一点のみです。
逆に言えば、遺跡の外でならば彼らは脅威足りえません。
彼らの好物はバナナになります。
マスターより
はじめまして、トロバドルです。
遺跡内部で戦闘する場合、閉所空間での戦闘になるため、互いの連携や状況に合わせた対処が必要になるかと思います。
雑魔は遺跡を住処にし、その中での戦闘を得意としています。ですが、一歩も外に出ないという事はありません。
また、遺跡内の雑魔の数は結構なレベルですが、強さは大したことがないので同時に倒してしまう事は可能です。
遺跡内部で戦闘する場合、閉所空間での戦闘になるため、互いの連携や状況に合わせた対処が必要になるかと思います。
雑魔は遺跡を住処にし、その中での戦闘を得意としています。ですが、一歩も外に出ないという事はありません。
また、遺跡内の雑魔の数は結構なレベルですが、強さは大したことがないので同時に倒してしまう事は可能です。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/02/04 18:52
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/01/24 00:16:45 |
|
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相談卓 佐倉 桜(ka0386) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/01/27 21:44:24 |