ゲスト
(ka0000)
監獄の暴君
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/06/06 22:00
- リプレイ完成予定
- 2019/06/15 22:00
オープニング
辺境監獄デッドウェスト・ジェイル。
その地下で発見された秘密闘技場『MC』――正式名称Mad Creatorと呼ばれた場所が古代文明時代の訓練用シミュレーターであると判明したのはハンター達が調査した後であった。
監獄の、それも地下で隠れて闘技場を運営していたと知ったノアーラ・クンタウ管理者のヴェルナー・ブロスフェルト()はMCを接収。管理下に置く事を決定した。戦闘で囚人が死亡したりすれば大事だ。
しかし――。
「やはりあそこは閉鎖すべきです!」
審問部隊『ベヨネッテ・シュナイダー(銃剣の仕立て屋)』のメイ・リー・スーはヴェルナーへ再び食い下がる。
監獄からの道を封鎖する事は決定したが、訓練用シミュレーターを利用した闘技場はヴェルナーの監視下で運用される事となった。別のルートを構築してノアーラ・クンタウから直接到達できるように辺境ドワーフへルート構築を打診しているのだ。
「おや。監獄から切り離したのですから問題はないでしょう?」
「ヴェルナー様、そういう問題ではありません。あのシミュレーターはプログラム次第で様々な環境を再現する事が可能だそうです。これは連合軍の新兵へ解放して少しでも訓練に役立てるべきです」
メイの提案は当然だ。それが有用な利用法というものだ。
しかし、ヴェルナーは敢えてその利用方法を選ばなかった。
「時間があればその方法がベストです。ですが、我々に残された時間は少ない。そう感じています」
ヴェルナーは歪虚との間で和平交渉中である今が一番平穏だと考えていた。
王国は大変な時期であるが、歪虚の大規模侵攻は発生していない。だが、ヴェルナーはこの状況は単なる凪と見なしていた。ハンターが投票した後で必ず何かしら大きな戦いがある。そのシミュレーターを用いても新兵の練度を急激に引き上げる事はできない。
ならば――。
「あのシミュレーターを闘技場で戦っていた囚人に開放して彼らを戦力として扱うおつもりですか?」
「過去にも囚人部隊はあったでしょう。それと同じです。新兵が間に合わないなら、彼らにその代わりを務めていただきます」
ヴェルナーの決断は合理的だが、かなり無謀でもある。
しかし、その無謀を押し通さなければ危険な戦いが待っている。その可能性を感じ取っているのかもしれない。
●
「これで大見得切って戦えるでぇ~!」
ベヨネッテ・シュナイダー隊員の大門新太郎は、一人で歓喜の声を上げていた。
その声を聞いていた元闘技場オーナーのミネルバはゆっくりと新太郎へ近づいていく。 闘技場のルールを策定して管理運営していたミネルバは、この闘技場のオーナーではなくなったが、継続して闘技場の管理を行う事になっていた。
「へぇ。随分と上機嫌じゃない?」
豊満な胸を揺らすように歩くミネルバ。
ヒールの高い靴が、石畳の床をコツコツと鳴らす。
「当たり前や! これで強ぇ奴らが山ほど集まってくる。そしたら、ゴッツい戦いが山ほどお目にかかれるで」
新太郎の息は荒い。
闘技場の話は他のハンターにも知れ渡るはずだ。そうなれば、この闘技場に腕試しをする為に現れるハンターが必ず現れる。
「あたしはMCが盛り上がってくれるならそれで良いのだけれど」
「それよりあの舞台はどうや?」
「あれね。あたしはリアルブルーの世界なんて知らないのだけれど……これでいいの?」
ミネルバが古代文明のコンソールを操作する。
すると新太郎の目の前に一枚の画像が表示される。
そこはリアルブルーにおける東京、新宿の街並みであった。
「おお、ええ出来やないか。わしんトコのシマ、新宿は光南町。懐かしいなぁ」
光太郎は覚醒者であるが、元は新宿青楼会の若頭を務めていた。
そのスジでは強引かつ無茶な暴れぶりから『監獄の暴君』という通り名まで付いた程だ。
「あの頃は関西から近畿同盟会の連中が乗り込んで来て、わしは手下連れて派手に暴れたもんや」
「良く分からないけれど、敵として強面で背広を来た男達を多数出すのね? ……それにしてもリアルブルーでは紫や赤のスーツが流行しているの?」
ミネルバは新太郎から指示通りに舞台を設定するだけ。戦いが始まれば観客に向けて拡声器で選手紹介などを行っているが、今回は新太郎からの依頼で舞台設定を行っていた。この為、舞台の意図はまったく理解していなかった。
「闘技場の噂を聞いて腕に自信のある奴がやってくるなら、大暴れできる舞台がええ。敵も分かりやすい方がええやろ」
「でもいいの? ハンターってこの世界の行く末を決める投票をするのでしょう? そんな暇はあるのかしら」
「……だからや」
新太郎は大きくため息をつくと、ミネルバに向かって振り返った。
「これから覚悟決めて選ばなあかん。エラい思い悩んどるはずや。せやから、決める前に何も考えんと思いっきり暴れる。そしたら、ええ案も浮かぶっちゅうもんや」
その意図の為だろうか。
ルールも一風変わっている。ただ覚醒者同士が戦うのではなく、怖いお兄さんが参加者に向かって多数襲撃。そのお兄さんを一番倒したチームが勝利だという。3チーム4名が参加するが、ただお兄さん達を倒すだけではなく、他チームを攻撃して妨害する事も許可されている。
「思い切りぶん殴り合えば、悩みなんか吹っ飛ぶってもんや。悩めば悩むだけ深みにハマるからのう」
「……それ、悩みを一時だけ忘れるだけなんじゃないの? 何も解決になってないじゃない」
新太郎は新太郎なりに考えて戦いの舞台を用意したようだが、ミネルバは話半分で聞き流しながら舞台設定を継続する。
その地下で発見された秘密闘技場『MC』――正式名称Mad Creatorと呼ばれた場所が古代文明時代の訓練用シミュレーターであると判明したのはハンター達が調査した後であった。
監獄の、それも地下で隠れて闘技場を運営していたと知ったノアーラ・クンタウ管理者のヴェルナー・ブロスフェルト()はMCを接収。管理下に置く事を決定した。戦闘で囚人が死亡したりすれば大事だ。
しかし――。
「やはりあそこは閉鎖すべきです!」
審問部隊『ベヨネッテ・シュナイダー(銃剣の仕立て屋)』のメイ・リー・スーはヴェルナーへ再び食い下がる。
監獄からの道を封鎖する事は決定したが、訓練用シミュレーターを利用した闘技場はヴェルナーの監視下で運用される事となった。別のルートを構築してノアーラ・クンタウから直接到達できるように辺境ドワーフへルート構築を打診しているのだ。
「おや。監獄から切り離したのですから問題はないでしょう?」
「ヴェルナー様、そういう問題ではありません。あのシミュレーターはプログラム次第で様々な環境を再現する事が可能だそうです。これは連合軍の新兵へ解放して少しでも訓練に役立てるべきです」
メイの提案は当然だ。それが有用な利用法というものだ。
しかし、ヴェルナーは敢えてその利用方法を選ばなかった。
「時間があればその方法がベストです。ですが、我々に残された時間は少ない。そう感じています」
ヴェルナーは歪虚との間で和平交渉中である今が一番平穏だと考えていた。
王国は大変な時期であるが、歪虚の大規模侵攻は発生していない。だが、ヴェルナーはこの状況は単なる凪と見なしていた。ハンターが投票した後で必ず何かしら大きな戦いがある。そのシミュレーターを用いても新兵の練度を急激に引き上げる事はできない。
ならば――。
「あのシミュレーターを闘技場で戦っていた囚人に開放して彼らを戦力として扱うおつもりですか?」
「過去にも囚人部隊はあったでしょう。それと同じです。新兵が間に合わないなら、彼らにその代わりを務めていただきます」
ヴェルナーの決断は合理的だが、かなり無謀でもある。
しかし、その無謀を押し通さなければ危険な戦いが待っている。その可能性を感じ取っているのかもしれない。
●
「これで大見得切って戦えるでぇ~!」
ベヨネッテ・シュナイダー隊員の大門新太郎は、一人で歓喜の声を上げていた。
その声を聞いていた元闘技場オーナーのミネルバはゆっくりと新太郎へ近づいていく。 闘技場のルールを策定して管理運営していたミネルバは、この闘技場のオーナーではなくなったが、継続して闘技場の管理を行う事になっていた。
「へぇ。随分と上機嫌じゃない?」
豊満な胸を揺らすように歩くミネルバ。
ヒールの高い靴が、石畳の床をコツコツと鳴らす。
「当たり前や! これで強ぇ奴らが山ほど集まってくる。そしたら、ゴッツい戦いが山ほどお目にかかれるで」
新太郎の息は荒い。
闘技場の話は他のハンターにも知れ渡るはずだ。そうなれば、この闘技場に腕試しをする為に現れるハンターが必ず現れる。
「あたしはMCが盛り上がってくれるならそれで良いのだけれど」
「それよりあの舞台はどうや?」
「あれね。あたしはリアルブルーの世界なんて知らないのだけれど……これでいいの?」
ミネルバが古代文明のコンソールを操作する。
すると新太郎の目の前に一枚の画像が表示される。
そこはリアルブルーにおける東京、新宿の街並みであった。
「おお、ええ出来やないか。わしんトコのシマ、新宿は光南町。懐かしいなぁ」
光太郎は覚醒者であるが、元は新宿青楼会の若頭を務めていた。
そのスジでは強引かつ無茶な暴れぶりから『監獄の暴君』という通り名まで付いた程だ。
「あの頃は関西から近畿同盟会の連中が乗り込んで来て、わしは手下連れて派手に暴れたもんや」
「良く分からないけれど、敵として強面で背広を来た男達を多数出すのね? ……それにしてもリアルブルーでは紫や赤のスーツが流行しているの?」
ミネルバは新太郎から指示通りに舞台を設定するだけ。戦いが始まれば観客に向けて拡声器で選手紹介などを行っているが、今回は新太郎からの依頼で舞台設定を行っていた。この為、舞台の意図はまったく理解していなかった。
「闘技場の噂を聞いて腕に自信のある奴がやってくるなら、大暴れできる舞台がええ。敵も分かりやすい方がええやろ」
「でもいいの? ハンターってこの世界の行く末を決める投票をするのでしょう? そんな暇はあるのかしら」
「……だからや」
新太郎は大きくため息をつくと、ミネルバに向かって振り返った。
「これから覚悟決めて選ばなあかん。エラい思い悩んどるはずや。せやから、決める前に何も考えんと思いっきり暴れる。そしたら、ええ案も浮かぶっちゅうもんや」
その意図の為だろうか。
ルールも一風変わっている。ただ覚醒者同士が戦うのではなく、怖いお兄さんが参加者に向かって多数襲撃。そのお兄さんを一番倒したチームが勝利だという。3チーム4名が参加するが、ただお兄さん達を倒すだけではなく、他チームを攻撃して妨害する事も許可されている。
「思い切りぶん殴り合えば、悩みなんか吹っ飛ぶってもんや。悩めば悩むだけ深みにハマるからのう」
「……それ、悩みを一時だけ忘れるだけなんじゃないの? 何も解決になってないじゃない」
新太郎は新太郎なりに考えて戦いの舞台を用意したようだが、ミネルバは話半分で聞き流しながら舞台設定を継続する。
解説
目的:MCで再現された新宿光南町で大暴れする。
概要:闘技場MCはヴェルナーの管理下で継続的に運営される事になった。その裏には囚人を戦力として用いる意図があった。その話を知っているかは不明だが、MCチャンプである大門新太郎は新たに闘技場へやってくるであろう強者の為に舞台を用意していた。場所は新太郎がリアルブルーで過ごしていたシマ、新宿光南町。リアルブルーの街並みを舞台にして怖いお兄さんを倒し続ける企画が進められていた。チーム戦である為、別チームからも狙われる可能性があるのだが、新太郎は敢えて乱戦を望んでいた。何も考えず暴れるだけ暴れれば素直に『選択』できるだろうから、と。
舞台:
リアルブルーの新宿に似た街並みです。シミュレーターですが、モブの通行人も再現されており、そこへ近畿同盟会のお兄さんがハンターを狙って襲ってきます。街並みは大まかに三ブロックに分かれています。
・ショッピング街
オシャレなブティックや百貨店が並ぶ大通り。車両が行き交っており、治安は比較的安全そうに見えるが……。
・飲食街
夜は居酒屋やキャバレーなどで賑わうブロック。現在は昼である為、開店している店は少ない。隠れる場所は多数。
・オフィス街
大きなビルが建ち並ぶオフィス街。新宿青楼会や近畿同盟会の拠点もここにあります。
敵:
近畿同盟会 ×多数
パンチパーマや角刈りをした強面のお兄さん達。ドスや拳銃で攻撃してきます。
覚醒者チーム × 2
覚醒者として他のチームが参加します。1チーム4人。クラスや装備は不明ですが、お兄さん達を多く倒す為に他チームを妨害します。
ルール:
・近畿同盟会の者が無数に現れます。攻撃されて重傷を負う事はありませんが、多少の怪我はあり。
・勝敗は近畿同盟会のお兄さんを多く倒した方が勝ちです。
※注意
街にはトラップも仕掛けられています。また熱い戦いを繰り広げれば新太郎が乱入します。
概要:闘技場MCはヴェルナーの管理下で継続的に運営される事になった。その裏には囚人を戦力として用いる意図があった。その話を知っているかは不明だが、MCチャンプである大門新太郎は新たに闘技場へやってくるであろう強者の為に舞台を用意していた。場所は新太郎がリアルブルーで過ごしていたシマ、新宿光南町。リアルブルーの街並みを舞台にして怖いお兄さんを倒し続ける企画が進められていた。チーム戦である為、別チームからも狙われる可能性があるのだが、新太郎は敢えて乱戦を望んでいた。何も考えず暴れるだけ暴れれば素直に『選択』できるだろうから、と。
舞台:
リアルブルーの新宿に似た街並みです。シミュレーターですが、モブの通行人も再現されており、そこへ近畿同盟会のお兄さんがハンターを狙って襲ってきます。街並みは大まかに三ブロックに分かれています。
・ショッピング街
オシャレなブティックや百貨店が並ぶ大通り。車両が行き交っており、治安は比較的安全そうに見えるが……。
・飲食街
夜は居酒屋やキャバレーなどで賑わうブロック。現在は昼である為、開店している店は少ない。隠れる場所は多数。
・オフィス街
大きなビルが建ち並ぶオフィス街。新宿青楼会や近畿同盟会の拠点もここにあります。
敵:
近畿同盟会 ×多数
パンチパーマや角刈りをした強面のお兄さん達。ドスや拳銃で攻撃してきます。
覚醒者チーム × 2
覚醒者として他のチームが参加します。1チーム4人。クラスや装備は不明ですが、お兄さん達を多く倒す為に他チームを妨害します。
ルール:
・近畿同盟会の者が無数に現れます。攻撃されて重傷を負う事はありませんが、多少の怪我はあり。
・勝敗は近畿同盟会のお兄さんを多く倒した方が勝ちです。
※注意
街にはトラップも仕掛けられています。また熱い戦いを繰り広げれば新太郎が乱入します。
マスターより
<追加ルール>
・戦いはチーム戦で、他チームを攻撃して妨害する事も可能です。シミュレーターで製作されたお兄さんと違って重傷を負う可能性もあります。
・制限時間は20分。
・アイテムの持ち込みは可。
近藤豊です。
ちょっと変わった依頼ですが、早い話町中で暴れるだけ暴れてみませんか? という依頼です。不明点があればキュジィまでご相談下さい。前作「暗闇の監獄」を参照していただけると新太郎の事が少し分かります。
それでは、ぼんじりを肴にお待ちしています。
・戦いはチーム戦で、他チームを攻撃して妨害する事も可能です。シミュレーターで製作されたお兄さんと違って重傷を負う可能性もあります。
・制限時間は20分。
・アイテムの持ち込みは可。
近藤豊です。
ちょっと変わった依頼ですが、早い話町中で暴れるだけ暴れてみませんか? という依頼です。不明点があればキュジィまでご相談下さい。前作「暗闇の監獄」を参照していただけると新太郎の事が少し分かります。
それでは、ぼんじりを肴にお待ちしています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/06/09 22:38