ゲスト
(ka0000)
キッチン・チョコレート
マスター:DoLLer

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/02/01 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/02/10 09:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
ごっ、ごっ、ごすっ、ごむ、ごきゃ!
壮絶な音を響かせて、ミネアは怜悧な顔で業務用のチョコレートの塊をノミとハンマーで砕いていた。余りに凄絶な音と、眉ひとつ動かさない氷の悪魔のような表情に、市場を通りかかっていた人々は視線を奪われるが、見てはいけないような気がしてほとんどの人はそのまま足早に去っていく。
「随分、派手にやるんだね」
「ふへ?」
一抱えはありそうだったチョコ塊を軒並み粉々にし終わったのを見届けて、一人のエルフの青年がミネアに話しかけた。ミネアはチョコを砕くことに執心してた為、この青年エルフがいったいいつからそこにいたのかさっぱり気づかず、思わず気の抜けた声を上げてしまっていた。
「チョコに恨みでもあるのかと思ったよ。ピースホライズンはみんなの快活な心で存在している都市だよ。そんな顔してちゃいけないな。何があったか教えてくれるかい?」
「あ、あはは。ごめんなさい。考え事してたらつい!」
顔をマジマジと見られていたのだろうかと思うと、ミネアは急に恥ずかしくなり空いていたボウルで顔を隠した後、少しだけ下にずらして頭と目だけを覗かせる。
「もうすぐバレンタインですからねっ、たくさん準備しないとなーとか、誰にどんなの渡そうかなって考えてただけです」
「そうかな? チョコがまるで生涯の障碍であるかのように振る舞っていたよ」
線の細い青年は細い白魚のような指で勢いで飛んでいったチョコの破片をつまむとぽいと口に放り込んだ。その仕草からどんな話でも聞くよ? という意志表示なのだろうと思ったが、力任せの恥ずかしい結果を口に入れられるというのは赤面を禁じ得ない。顔を隠していたボウルをそのまますっぽりと頭にかぶって彼女はことの次第を説明した。
「いや、あのほら。バレンタインには義理チョコってつきものじゃないですか。私、本業は商人なんですけど、先輩の商人のおじさんから『いやぁ、おじさんくらいになるとチョコもらえなくてね』とか『ミネアちゃんのチョコ美味しいんだろうね。もらえる人は幸せだろうな』とかもう散々言われちゃって。ははは、それでどうしようか考えていたんですよ。顔、そんなに怖かったですかね?」
「うん。誰かに復讐でもしてるのかと思ったくらい」
青年の言葉にいよいよ恥じ入ったミネアはまるで防災訓練でもするかのようにボウルを被ったままテーブルの下にしゃがみこんだ後、ぶつぶつと本心を漏らした。
「だってぇ、毎日野菜を積んで売ってヘトヘトなのはあたしも同じだし、チョコの準備だってけっこう色々大変なんですよ! なのにおっさん共ときたらチョコくれチョコくれって……ううう。チョコはあたしが欲しいくらいなのにぃ。もう女の子に生まれて損したなって本気で思います」
「ホワイトデーがあるじゃないか」
「あんなおっさんからハンカチ一枚もらいたいと思いません。換金アイテムだとしてもお断りです」
ズバッとした本音に青年も思わず苦笑いを漏らす声が聞こえてきた。
「でもこのチョコがすべて義理チョコ用ってわけでもないんだろう?」
「まあそうですけど……。販売用もつくらなきゃだし、あたし、基本行商ですから、向かう先で子供たちとかにも上げたいなって。最低1000個くらい作らないといけないんですよ。まだこれでも1/10くらいですよ」
立ち上がってそう言ったミネアが述べた千という数に青年は驚いた顔をしていた。1000程度の数で驚くところを見るとこの青年は商人や職人ではないようだ。とするとハンターか何かだろうか。
青年は頬を膨らませるミネアの顔をしばらく何かを考えるかのように指をくるくると回していた。青年にとってはおおよそ関係のない愚痴のはずだが、彼は親身になって聞いてくれるし、何かしらの答えを考えている。
不思議な人。ミネアはそう思いつつ、彼の導き出す答えを待った。
「それなら友達と一緒に作ったらどうかな。千もの数のチョコを作るというなら君はそれなりに料理の腕もあるんだろう? 素材もあるようだしみんなで楽しく作れば早くできるだろうし、それで友達同士でプレゼントしたらどうだい?」
!
ミネアはぽんと手を打った。
「それいい!」
ピースホライズンには一人でやってきたし、行商が基本のミネアにはまだ知り合いは少ないのに加え、こういう商戦時期は誰もが大忙しだけど。彼女にはチョコレートを渡したい相手がいるのだ。ハンターだ。何回かハンターに依頼した経験のある彼女としてはお礼をしたいと考えていた。同じ人には出会えないとしても。そんな彼らと一緒にチョコを作れるならどんなに楽しいことだろう。
リアルブルーの文化によく触れているハンターたちならきっとチョコに興味のある人もいるだろう。素材は提供できるし、作り方も教えるくらいのことはできる。ついでに販売用やプレゼント用の分も一緒に作ってもらえたら、ハンターさんには練習になるし、こちらは嬉しい!
「ありがとうございます! それやってみます」
「ふふ、良かった。君はその明るい顔の方がよく似合ってる」
その言葉を聞いて、ミネアはぽむっと顔を真っ赤にした。彼は天然で歯の浮く台詞を放つらしい。再びボウルで顔を隠しつつもミネアは深々と青年に頭を下げた。その様子を見て、青年はとても朗らかな声でつづけた。
「本命チョコ、忘れないようにね」
「余計なお世話ですっ!!」
悪気はない、と気づいたのは、ミネアは持っているボウルではたき倒した後だった。
「あわわわわっ、ご、ごめんなさい、大丈夫ですか??」
ともあれ、青年の提案通りミネアはさっそくハンターオフィスに相談に行ったのであった。
ごっ、ごっ、ごすっ、ごむ、ごきゃ!
壮絶な音を響かせて、ミネアは怜悧な顔で業務用のチョコレートの塊をノミとハンマーで砕いていた。余りに凄絶な音と、眉ひとつ動かさない氷の悪魔のような表情に、市場を通りかかっていた人々は視線を奪われるが、見てはいけないような気がしてほとんどの人はそのまま足早に去っていく。
「随分、派手にやるんだね」
「ふへ?」
一抱えはありそうだったチョコ塊を軒並み粉々にし終わったのを見届けて、一人のエルフの青年がミネアに話しかけた。ミネアはチョコを砕くことに執心してた為、この青年エルフがいったいいつからそこにいたのかさっぱり気づかず、思わず気の抜けた声を上げてしまっていた。
「チョコに恨みでもあるのかと思ったよ。ピースホライズンはみんなの快活な心で存在している都市だよ。そんな顔してちゃいけないな。何があったか教えてくれるかい?」
「あ、あはは。ごめんなさい。考え事してたらつい!」
顔をマジマジと見られていたのだろうかと思うと、ミネアは急に恥ずかしくなり空いていたボウルで顔を隠した後、少しだけ下にずらして頭と目だけを覗かせる。
「もうすぐバレンタインですからねっ、たくさん準備しないとなーとか、誰にどんなの渡そうかなって考えてただけです」
「そうかな? チョコがまるで生涯の障碍であるかのように振る舞っていたよ」
線の細い青年は細い白魚のような指で勢いで飛んでいったチョコの破片をつまむとぽいと口に放り込んだ。その仕草からどんな話でも聞くよ? という意志表示なのだろうと思ったが、力任せの恥ずかしい結果を口に入れられるというのは赤面を禁じ得ない。顔を隠していたボウルをそのまますっぽりと頭にかぶって彼女はことの次第を説明した。
「いや、あのほら。バレンタインには義理チョコってつきものじゃないですか。私、本業は商人なんですけど、先輩の商人のおじさんから『いやぁ、おじさんくらいになるとチョコもらえなくてね』とか『ミネアちゃんのチョコ美味しいんだろうね。もらえる人は幸せだろうな』とかもう散々言われちゃって。ははは、それでどうしようか考えていたんですよ。顔、そんなに怖かったですかね?」
「うん。誰かに復讐でもしてるのかと思ったくらい」
青年の言葉にいよいよ恥じ入ったミネアはまるで防災訓練でもするかのようにボウルを被ったままテーブルの下にしゃがみこんだ後、ぶつぶつと本心を漏らした。
「だってぇ、毎日野菜を積んで売ってヘトヘトなのはあたしも同じだし、チョコの準備だってけっこう色々大変なんですよ! なのにおっさん共ときたらチョコくれチョコくれって……ううう。チョコはあたしが欲しいくらいなのにぃ。もう女の子に生まれて損したなって本気で思います」
「ホワイトデーがあるじゃないか」
「あんなおっさんからハンカチ一枚もらいたいと思いません。換金アイテムだとしてもお断りです」
ズバッとした本音に青年も思わず苦笑いを漏らす声が聞こえてきた。
「でもこのチョコがすべて義理チョコ用ってわけでもないんだろう?」
「まあそうですけど……。販売用もつくらなきゃだし、あたし、基本行商ですから、向かう先で子供たちとかにも上げたいなって。最低1000個くらい作らないといけないんですよ。まだこれでも1/10くらいですよ」
立ち上がってそう言ったミネアが述べた千という数に青年は驚いた顔をしていた。1000程度の数で驚くところを見るとこの青年は商人や職人ではないようだ。とするとハンターか何かだろうか。
青年は頬を膨らませるミネアの顔をしばらく何かを考えるかのように指をくるくると回していた。青年にとってはおおよそ関係のない愚痴のはずだが、彼は親身になって聞いてくれるし、何かしらの答えを考えている。
不思議な人。ミネアはそう思いつつ、彼の導き出す答えを待った。
「それなら友達と一緒に作ったらどうかな。千もの数のチョコを作るというなら君はそれなりに料理の腕もあるんだろう? 素材もあるようだしみんなで楽しく作れば早くできるだろうし、それで友達同士でプレゼントしたらどうだい?」
!
ミネアはぽんと手を打った。
「それいい!」
ピースホライズンには一人でやってきたし、行商が基本のミネアにはまだ知り合いは少ないのに加え、こういう商戦時期は誰もが大忙しだけど。彼女にはチョコレートを渡したい相手がいるのだ。ハンターだ。何回かハンターに依頼した経験のある彼女としてはお礼をしたいと考えていた。同じ人には出会えないとしても。そんな彼らと一緒にチョコを作れるならどんなに楽しいことだろう。
リアルブルーの文化によく触れているハンターたちならきっとチョコに興味のある人もいるだろう。素材は提供できるし、作り方も教えるくらいのことはできる。ついでに販売用やプレゼント用の分も一緒に作ってもらえたら、ハンターさんには練習になるし、こちらは嬉しい!
「ありがとうございます! それやってみます」
「ふふ、良かった。君はその明るい顔の方がよく似合ってる」
その言葉を聞いて、ミネアはぽむっと顔を真っ赤にした。彼は天然で歯の浮く台詞を放つらしい。再びボウルで顔を隠しつつもミネアは深々と青年に頭を下げた。その様子を見て、青年はとても朗らかな声でつづけた。
「本命チョコ、忘れないようにね」
「余計なお世話ですっ!!」
悪気はない、と気づいたのは、ミネアは持っているボウルではたき倒した後だった。
「あわわわわっ、ご、ごめんなさい、大丈夫ですか??」
ともあれ、青年の提案通りミネアはさっそくハンターオフィスに相談に行ったのであった。
解説
ミネアと一緒にチョコを作ります。目標は1000個です。
料理経験のない人には、ミネアが指導してくれます。
製作品に指定がない限りはミネアが作ろうとしているガナッシュになります。作りたいものがある場合は自由に作ってもらって構いません。ミネアもバリエーションがある方が楽しいからいいよ、と言ってくれます。
●素材や調理器具、スタジオ(キッチン)など
基本、全部ミネアが用意してくれます。
オリジナリティ溢れるものについては自前でご用意ください。
●その他
ミネアは料理の指導のほかにも食材の準備から、袋詰め、包装、検品、POP広告(商品を紹介し販売する広告のこと)の作成などで実はけっこう仕事抱えています。
そちらもお手伝いをしたりしてもらえると喜びます。
●チョコレートについて
製作した後、お気に入りのチョコは持って帰っていただいて構いません(ただしアイテムとしては配布されません。フレーバーとしてお楽しみください)
参加者同士でプレゼントしあうことは可能です。その場合はリプレイに描写できるかもしれません。
食材は多めに準備しているのでブレイクタイムや完成後にちょっとお茶しつつつまむくらいもできます。それらをするかどうかは参加者でご相談ください。
料理経験のない人には、ミネアが指導してくれます。
製作品に指定がない限りはミネアが作ろうとしているガナッシュになります。作りたいものがある場合は自由に作ってもらって構いません。ミネアもバリエーションがある方が楽しいからいいよ、と言ってくれます。
●素材や調理器具、スタジオ(キッチン)など
基本、全部ミネアが用意してくれます。
オリジナリティ溢れるものについては自前でご用意ください。
●その他
ミネアは料理の指導のほかにも食材の準備から、袋詰め、包装、検品、POP広告(商品を紹介し販売する広告のこと)の作成などで実はけっこう仕事抱えています。
そちらもお手伝いをしたりしてもらえると喜びます。
●チョコレートについて
製作した後、お気に入りのチョコは持って帰っていただいて構いません(ただしアイテムとしては配布されません。フレーバーとしてお楽しみください)
参加者同士でプレゼントしあうことは可能です。その場合はリプレイに描写できるかもしれません。
食材は多めに準備しているのでブレイクタイムや完成後にちょっとお茶しつつつまむくらいもできます。それらをするかどうかは参加者でご相談ください。
マスターより
バレンタインにむけて、商戦としてのバレンタインはもう始まっております。
それにかこつけて、ですが、一緒にチョコレートを作りませんか? 素材も時間もありますので、色々試してみることもできますし、他の人のお料理をみて参考にしたり、また交流の促進になればと考えています。作るのがメインなのか、わいわい試食会するのがメインになるか、それともがっちり商戦にむけてのバトルになるかはプレイング次第です。皆さんでどんな場面を中心にしたいか話し合ってみてくださいね。
もちろん男性でも大歓迎です。バレンタインは外国では男性から(チョコとは限りませんが)贈ることも珍しくないですし。
楽しいひと時を共に過ごしましょう。
それにかこつけて、ですが、一緒にチョコレートを作りませんか? 素材も時間もありますので、色々試してみることもできますし、他の人のお料理をみて参考にしたり、また交流の促進になればと考えています。作るのがメインなのか、わいわい試食会するのがメインになるか、それともがっちり商戦にむけてのバトルになるかはプレイング次第です。皆さんでどんな場面を中心にしたいか話し合ってみてくださいね。
もちろん男性でも大歓迎です。バレンタインは外国では男性から(チョコとは限りませんが)贈ることも珍しくないですし。
楽しいひと時を共に過ごしましょう。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/02/09 07:55
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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チョコ食べたい。【相談卓】 ナツキ(ka2481) 人間(クリムゾンウェスト)|17才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/01/30 00:59:45 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/01/28 00:42:45 |