ゲスト
(ka0000)
豆でたおせりゃ苦労なし
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/01/28 15:00
- リプレイ完成予定
- 2015/02/06 15:00
オープニング
●冷や汗とめまいの狭間で
とある地方のとある村。林に囲まれて立地は不便そうだが、ハンターズソサエティーの支部がある街まで馬を使えば実は二時間くらいで着く程度の距離。
小さな教会のマーク司祭は二つの問題を抱えている。
一つは歪虚がらみ、もう一つは隣の家の子の問題だった。
歪虚がらみは、先月くらいから村の人間が雑魔らしい影を見ているということ。それに関してはマークが調査を行い、本日、助祭にオフィスへ依頼を出しに行ってもらったので早々に解決するだろう。
雑魔は村はずれの墓に現われ、林の中にいるようだった。人が暮らすところには出てきていないが、林に行く用も村人にはある。解決は早ければ早い方がいい。
隣家の子の問題は、夕方には解決するかもしれない。夕方になって帰ってくるか、村人にこっぴどく叱られ連れてこられるか。
隣の家は友人の魔術師が住んでいる。その魔術師が弟子として、共通の友人の子を預かっている。
ここまでは非常に問題がない出来事で、才能を伸ばすのにうってつけであるとマークはうなずく。
この魔術師がふらっと一人旅に出るという性質をもっている、マークに弟子を預けて。
その魔術師の弟子は素直でいい子であるが、リアルブルーに関して非常に関心を持ち、清濁併せた知識を頭に詰め込むのだ。
今、まさにその子は近所の子たちと村中を走り回って知識を実践中だ。そして止める師匠は旅に出て不在、たとえ村にいても止めない気がする。
「家から豆持ってきて何をし始めるかと思ったら……」
足りないというので、保存していた豆を小さいカップ一杯あげた。何するかは聞かないでおいたが、聞いておけばよかったのかもしれない。
今はどこにいるのだろうか?
教会を空っぽにするわけにもいかず、ため息交じりにマークはいる。
近所の婦人たちが日課の立ち話のためにやってきた。今欲しい情報が入ってくるかもしれないとマークは期待した。
「司祭さまのところのルゥルちゃん、鳥に餌をやっているみたいだけれど?」
「何か呪文を唱えてはしゃいでいるわ、うちの子も一緒なのよ」
ルゥルは隣の子と突っ込みを入れるのを控え、いつもの笑顔でマークは応じる。
「ええ、リアルブルーに節分という行事があって、それを耳にしたようで」
「あらぁ」
婦人たちは詳しく聞きたがる。
「季節の変わり目に行う行事で、春夏秋冬が変わる前日に邪なモノを退けて、良き精霊の加護を招くといった行事らしいです」
「豆撒くのもその一環なんですの?」
「ええ。後年残ったのは春を迎える準備の節分だそうです。いろんな変遷があったらしいですが、私もさすがに知りません。豆を撒くのは、リアルブルーの邪なモノ、オニと言うらしいですがそれが嫌いなものらしいんです」
「あら、雑魔もそれでやっつけられるならいいのに」
婦人たちは楽しそうにしゃべる。
「それであの子たち豆を撒きながらあちこち出ているのね」
おばちゃんたちは納得。食べ物を粗末にしているというのはちょっと怒りたいことだったが、ほほえましいということで許されることになった。それに鳥や犬が通りがかって食べているから無駄になってはいない。
「人にぶつけるのはでもねぇ?」
一番の問題点はこれであろう。
「すみません。ルゥルを見つけ次第、それは止めます」
「人にぶつけるモノじゃないの?」
「ぶつけなくてもいいと思います」
他人様に迷惑をかけることはいけない。助祭の帰宅を待ってルゥルを探しに行かねばならない。
婦人たちは日課の雑談を十五分ほどして帰宅した。
●走り回る子供たち
「オニはそとー、フクはうちー」
ルゥルと似たような年齢の子供たちが辻で豆をぶつけて走り去っていく。
ぶつけられた方は怒るが、子供たちはきゃーと言いながら走りさる。痛くはないが、びっくりするので苦情はルゥルの保護者と認識されているマークに向かうこととなる。
走り去った子供たちは角で息を整える。
「驚いた顔見た?」
「駄目ですよ、そういうことをするわけじゃないんですよ。いい年を迎えられますようにっていうだけです」
などと諭しているルゥルも笑顔で楽しそうだ。
「リアルブルーの行事って面白い」
「これで悪い精霊とかいなくなって、いいことが来るんだったら楽だよね」
子供たちもその母親たちと似たことを言う。ルゥルもうなずく。
「あれ?」
ルゥルは辻を見て首をかしげる。
「ポルム、何かいませんでした?」
ルゥルの頭の上に載っているパルムに尋ねる。
「そろそろお昼だろう? あっちに行くと人通るんじゃね?」
「行くですぅ」
ルゥルと子ども二人は走ろうとして足を止めた。
後方に肌が闇色の人間が立っている。いや、服を着ているところ以外が闇色なのである。手にしているのは刀だが、手がなく手が刀になっている。
「ウ、ウルサイ、ウルサイ……ウ、ウウウウウ」
「みぎゃっ……! みんな逃げるんです」
ルゥルは号令をかけると、豆が入った木の箱を雑魔に投げつけてから走り出した。
妖魔に追われ、家と違う方向に走るルゥルは村はずれまで来ていた。
林の中の秘密基地に行くか、手前の元貴族の別荘に行くかルゥルは悩む。
悩んでいる場合ではない。
雑魔はしつこくルゥルを追いかけてきていた。
豆がいけなかったのか?
ルゥルがエルフなのがいけなかったのか?
パルムを連れているのがいけなかったのか?
ルゥルは知識をかき集め打開策を考えようとするが、混乱するだけだった。
「どうしたらいいんでしょうか。ルゥル、いい子にしていたのに……ひっく……いい子なのに……先生でも……ひっく……母上でも、マークさんでもいいから助けてですぅ」
ルゥルは声を出さないように両手で口をふさぎ、ポルムはルゥルの頭を撫でて慰める。
カタリ、ガシャン……。
ルゥルは狭い所に入り込み、息を殺し雑魔がいなくなってくれることを祈った。
とある地方のとある村。林に囲まれて立地は不便そうだが、ハンターズソサエティーの支部がある街まで馬を使えば実は二時間くらいで着く程度の距離。
小さな教会のマーク司祭は二つの問題を抱えている。
一つは歪虚がらみ、もう一つは隣の家の子の問題だった。
歪虚がらみは、先月くらいから村の人間が雑魔らしい影を見ているということ。それに関してはマークが調査を行い、本日、助祭にオフィスへ依頼を出しに行ってもらったので早々に解決するだろう。
雑魔は村はずれの墓に現われ、林の中にいるようだった。人が暮らすところには出てきていないが、林に行く用も村人にはある。解決は早ければ早い方がいい。
隣家の子の問題は、夕方には解決するかもしれない。夕方になって帰ってくるか、村人にこっぴどく叱られ連れてこられるか。
隣の家は友人の魔術師が住んでいる。その魔術師が弟子として、共通の友人の子を預かっている。
ここまでは非常に問題がない出来事で、才能を伸ばすのにうってつけであるとマークはうなずく。
この魔術師がふらっと一人旅に出るという性質をもっている、マークに弟子を預けて。
その魔術師の弟子は素直でいい子であるが、リアルブルーに関して非常に関心を持ち、清濁併せた知識を頭に詰め込むのだ。
今、まさにその子は近所の子たちと村中を走り回って知識を実践中だ。そして止める師匠は旅に出て不在、たとえ村にいても止めない気がする。
「家から豆持ってきて何をし始めるかと思ったら……」
足りないというので、保存していた豆を小さいカップ一杯あげた。何するかは聞かないでおいたが、聞いておけばよかったのかもしれない。
今はどこにいるのだろうか?
教会を空っぽにするわけにもいかず、ため息交じりにマークはいる。
近所の婦人たちが日課の立ち話のためにやってきた。今欲しい情報が入ってくるかもしれないとマークは期待した。
「司祭さまのところのルゥルちゃん、鳥に餌をやっているみたいだけれど?」
「何か呪文を唱えてはしゃいでいるわ、うちの子も一緒なのよ」
ルゥルは隣の子と突っ込みを入れるのを控え、いつもの笑顔でマークは応じる。
「ええ、リアルブルーに節分という行事があって、それを耳にしたようで」
「あらぁ」
婦人たちは詳しく聞きたがる。
「季節の変わり目に行う行事で、春夏秋冬が変わる前日に邪なモノを退けて、良き精霊の加護を招くといった行事らしいです」
「豆撒くのもその一環なんですの?」
「ええ。後年残ったのは春を迎える準備の節分だそうです。いろんな変遷があったらしいですが、私もさすがに知りません。豆を撒くのは、リアルブルーの邪なモノ、オニと言うらしいですがそれが嫌いなものらしいんです」
「あら、雑魔もそれでやっつけられるならいいのに」
婦人たちは楽しそうにしゃべる。
「それであの子たち豆を撒きながらあちこち出ているのね」
おばちゃんたちは納得。食べ物を粗末にしているというのはちょっと怒りたいことだったが、ほほえましいということで許されることになった。それに鳥や犬が通りがかって食べているから無駄になってはいない。
「人にぶつけるのはでもねぇ?」
一番の問題点はこれであろう。
「すみません。ルゥルを見つけ次第、それは止めます」
「人にぶつけるモノじゃないの?」
「ぶつけなくてもいいと思います」
他人様に迷惑をかけることはいけない。助祭の帰宅を待ってルゥルを探しに行かねばならない。
婦人たちは日課の雑談を十五分ほどして帰宅した。
●走り回る子供たち
「オニはそとー、フクはうちー」
ルゥルと似たような年齢の子供たちが辻で豆をぶつけて走り去っていく。
ぶつけられた方は怒るが、子供たちはきゃーと言いながら走りさる。痛くはないが、びっくりするので苦情はルゥルの保護者と認識されているマークに向かうこととなる。
走り去った子供たちは角で息を整える。
「驚いた顔見た?」
「駄目ですよ、そういうことをするわけじゃないんですよ。いい年を迎えられますようにっていうだけです」
などと諭しているルゥルも笑顔で楽しそうだ。
「リアルブルーの行事って面白い」
「これで悪い精霊とかいなくなって、いいことが来るんだったら楽だよね」
子供たちもその母親たちと似たことを言う。ルゥルもうなずく。
「あれ?」
ルゥルは辻を見て首をかしげる。
「ポルム、何かいませんでした?」
ルゥルの頭の上に載っているパルムに尋ねる。
「そろそろお昼だろう? あっちに行くと人通るんじゃね?」
「行くですぅ」
ルゥルと子ども二人は走ろうとして足を止めた。
後方に肌が闇色の人間が立っている。いや、服を着ているところ以外が闇色なのである。手にしているのは刀だが、手がなく手が刀になっている。
「ウ、ウルサイ、ウルサイ……ウ、ウウウウウ」
「みぎゃっ……! みんな逃げるんです」
ルゥルは号令をかけると、豆が入った木の箱を雑魔に投げつけてから走り出した。
妖魔に追われ、家と違う方向に走るルゥルは村はずれまで来ていた。
林の中の秘密基地に行くか、手前の元貴族の別荘に行くかルゥルは悩む。
悩んでいる場合ではない。
雑魔はしつこくルゥルを追いかけてきていた。
豆がいけなかったのか?
ルゥルがエルフなのがいけなかったのか?
パルムを連れているのがいけなかったのか?
ルゥルは知識をかき集め打開策を考えようとするが、混乱するだけだった。
「どうしたらいいんでしょうか。ルゥル、いい子にしていたのに……ひっく……いい子なのに……先生でも……ひっく……母上でも、マークさんでもいいから助けてですぅ」
ルゥルは声を出さないように両手で口をふさぎ、ポルムはルゥルの頭を撫でて慰める。
カタリ、ガシャン……。
ルゥルは狭い所に入り込み、息を殺し雑魔がいなくなってくれることを祈った。
解説
●目的
雑魔の撃破、ルゥルの安全確保
●捜索対象
魔術師の弟子なので魔法は一応使えなくはないですが、一般人とお考えください。
パルムの幼生を連れており、名前はポルムです。誤字ではありません。
●雑魔
闇色の人間の姿で鎧を着ており、右手が刀になっています。どこか戦場で傷を負ったかで林の奥にいて雑魔化したと思われます。
この村の近辺で最近大きな戦はなかったので、どこからか流れてきた傭兵のようです。
●村はずれの貴族の別荘
人がいなくなって結構時間が経っており、どんな人が住んでいたか忘れられています。
捨てられたのは別に事件があったわけではなく、「あきたし、いらない」と言う程度です。
共有林の手前なので道具置き場や集会場替わりに使われています。
石塀は半分壊れ、門もないです。
子どもたちが入り込んで遊んでいるのは黙認されています。
家具は残っているものもあります。備え付けの箪笥や使い勝手の悪いベッドなど大型の家具です。これらは二階にまとめてあります。
ルゥルが隠れている二階の部屋は雨戸が閉まっており真っ暗です。下記参考マップ、□は空間で誰もいなければ入れるところ。
扉がある場所
↓
□□□□
□□□□
□□□□
□□■□
↑ルゥルが隠れているところ
雑魔の撃破、ルゥルの安全確保
●捜索対象
魔術師の弟子なので魔法は一応使えなくはないですが、一般人とお考えください。
パルムの幼生を連れており、名前はポルムです。誤字ではありません。
●雑魔
闇色の人間の姿で鎧を着ており、右手が刀になっています。どこか戦場で傷を負ったかで林の奥にいて雑魔化したと思われます。
この村の近辺で最近大きな戦はなかったので、どこからか流れてきた傭兵のようです。
●村はずれの貴族の別荘
人がいなくなって結構時間が経っており、どんな人が住んでいたか忘れられています。
捨てられたのは別に事件があったわけではなく、「あきたし、いらない」と言う程度です。
共有林の手前なので道具置き場や集会場替わりに使われています。
石塀は半分壊れ、門もないです。
子どもたちが入り込んで遊んでいるのは黙認されています。
家具は残っているものもあります。備え付けの箪笥や使い勝手の悪いベッドなど大型の家具です。これらは二階にまとめてあります。
ルゥルが隠れている二階の部屋は雨戸が閉まっており真っ暗です。下記参考マップ、□は空間で誰もいなければ入れるところ。
扉がある場所
↓
□□□□
□□□□
□□□□
□□■□
↑ルゥルが隠れているところ
マスターより
こんにちは、節分近いですね。大豆炒ったの好きなので何袋か買いました。
さて、豆撒きどころか、ゲリラ豆ぶつけをしている子供たち。残念ながら、雑魔は豆では倒せません。豆まき指導者ルゥルが追われる羽目に。
乱戦になるかなと思って戦闘予定マップを解説に上げてみました。雑魔は室内にいますよ、もちろん。
一般的な豆まき……したい……。
では、鬼退治……もとい、雑魔退治、ルゥル救出宜しくお願いします。
さて、豆撒きどころか、ゲリラ豆ぶつけをしている子供たち。残念ながら、雑魔は豆では倒せません。豆まき指導者ルゥルが追われる羽目に。
乱戦になるかなと思って戦闘予定マップを解説に上げてみました。雑魔は室内にいますよ、もちろん。
一般的な豆まき……したい……。
では、鬼退治……もとい、雑魔退治、ルゥル救出宜しくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/02/02 21:49
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/01/24 19:50:14 |
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ルゥル救出大作戦 鎌原 猛明(ka3958) 人間(リアルブルー)|20才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/01/28 09:30:38 |