ゲスト
(ka0000)
プレゼントのかわりに目覚めのキス?
マスター:紺堂 カヤ

このシナリオは2日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 易しい
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在13人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/06/22 12:00
- リプレイ完成予定
- 2019/07/03 12:00
オープニング
王都の上空を塞いでいた、浮遊大陸が、消えた。平和が訪れた、とまで言うことはできないだろうが、身を縮め、息をひそめていた王国民は、少し、肩の力を抜くことができた。
それは、宝石商モンド氏の一人娘・ダイヤもであった。
彼女は王国の有事に際し、行き場のない避難民を集めた「ダイヤモンド・ホール」を父と共に必死に切り盛りしていたのである。
避難していた人々をひとまずはそれぞれの家に帰すことができるようになったとわかり、ダイヤは大きく、大きく、安堵の息をついた。
場を取り仕切った経験などほとんどなかったというのに、必死に背筋を伸ばして先頭に立ち続けたのである。内心は避難してくる人々と同じように不安だったに違いなく、どんなに無理をしてきたか想像にあまりある。
「よく、頑張りました」
いつもは決して、褒めてくれることなどない辛辣冷淡な使用人・クロスが、このときばかりは、素直な言葉でダイヤをねぎらった。
「ほんとう……? 私、頑張れていた……?」
ダイヤは目を見開いた。そこにはクロスに褒められた、という驚きと共に、色濃い疲労が見て取れた。
「はい」
クロスは、はっきりと頷いた。ダイヤは、本当によく頑張っていた。いつもの、揶揄するような辛辣な言葉で、頑張って疲れ切っている彼女を傷つけることは、クロスにはできなかった。クロスは厳しい人物ではあるが、決して無情であるわけではないのだ。
「そっか……、よかった……、私、役に立ってたんだね……」
ダイヤはそう言って、とてもとても嬉しそうに笑った。嬉しそうに笑って。
「お嬢さま!?」
バタッと、倒れてしまった。
モンド邸へ運び込まれたダイヤは、すぐさま医者の診察を受けた。命に別状はなく、単なる疲労……もっと端的に言えば寝不足が原因であるという。数日安静にしていればすぐに元気を取り戻せるという。
その診察を聞いて、クロスは胸を撫で下ろした。
「よかった……」
すこやかな寝息をたてるダイヤの、栗色の髪に、おそるおそる触れる。その髪に縁どられた白い頬。そこにはもう、『少女』の面影はほとんどなく、ひとりの『女性』としての光を宿していた。
眠るダイヤを見守るクロスの様子を、さらに見守っている者たちがいた。
モンド邸の、メイドたちである。
「も~~~、もどかしいわねえ」
「さっさとキスしちゃえばいいのに! 折角眠ってるんだから!」
「まったくだわ!!」
隣の部屋から覗き見しつつ、ひそひそ声で交わされる、いわゆる「余計なお世話」なセリフの数々。ダイヤとクロスのもどかしい関係性を長年見てきたメイドの皆さんである、致し方ないといえば致し方ないのであるが。
しばらくののちに、クロスはダイヤの部屋を出て行った。あーあ、というあからさまにガッカリした声が、メイドたちから上がる。
「あ! そうだわ!」
メイドのひとりが声を上げた。なにか「いいこと」を思いついたらしい。
その後、数日たって今もダイヤは眠り続けている。
……と、いうことになっている。クロスに対してだけは。実際は、倒れて二日目にダイヤは目を覚ましている。
メイドたちは思いついた「いいこと」を、ダイヤに怖いほどの真剣さで語り、提案した……、というか、押し通した。
「いいですか、お嬢さま。これからお嬢さまには眠り続けているふりをしていただきます」
「眠り続けているとどうなると思います?」
「クロスさんがとてもとても心配します。そこでですね、ダイヤお嬢さまを目覚めさせるためにあらゆる方法を試そうということになるはずです」
「ハンターの皆さんを集めて、お見舞いに来てもらったりアドバイスをしてもらおう、みたいなふうに。そこでですね、こうなるわけです」
「「「万策尽きた。ここはひとつ、愛する者のキスを試そう」」」
「そして皆が見守る中で、クロスさんがお嬢さまにキスをして、お嬢さまはそのキスでめでたく目覚めるんです!」
「集まっていただいたハンターの皆さんとは、そのあとパーティをいたしましょう!」
「お嬢さま、もうすぐお誕生日ですし!」
「そうですよ、お誕生日パーティにいたしましょう!」
「世界情勢はまだまだ予断を許さないと言いますけれど、お嬢さまもこれまでとても頑張ってこられたんですもの、ちょっとくらいお祝いしたって罰は当たらないはずです!」
「大丈夫、ちょっと眠り姫になった気分でいてくださればいいんですよ」
「いいですね、お嬢さま」
冷静に考えなくとも無茶苦茶な話で、いいですね、ではないのだが、なにせ、寝起きの状態でまくしたてられたダイヤである。よく判断できないままに、返事をしてしまった。
「わ、わかったわ……」
こうして、モンド邸のメイドたちによる『眠り姫のバースデーパーティ』という奇妙な催しの火蓋が、切って落とされることになったのであった。
それは、宝石商モンド氏の一人娘・ダイヤもであった。
彼女は王国の有事に際し、行き場のない避難民を集めた「ダイヤモンド・ホール」を父と共に必死に切り盛りしていたのである。
避難していた人々をひとまずはそれぞれの家に帰すことができるようになったとわかり、ダイヤは大きく、大きく、安堵の息をついた。
場を取り仕切った経験などほとんどなかったというのに、必死に背筋を伸ばして先頭に立ち続けたのである。内心は避難してくる人々と同じように不安だったに違いなく、どんなに無理をしてきたか想像にあまりある。
「よく、頑張りました」
いつもは決して、褒めてくれることなどない辛辣冷淡な使用人・クロスが、このときばかりは、素直な言葉でダイヤをねぎらった。
「ほんとう……? 私、頑張れていた……?」
ダイヤは目を見開いた。そこにはクロスに褒められた、という驚きと共に、色濃い疲労が見て取れた。
「はい」
クロスは、はっきりと頷いた。ダイヤは、本当によく頑張っていた。いつもの、揶揄するような辛辣な言葉で、頑張って疲れ切っている彼女を傷つけることは、クロスにはできなかった。クロスは厳しい人物ではあるが、決して無情であるわけではないのだ。
「そっか……、よかった……、私、役に立ってたんだね……」
ダイヤはそう言って、とてもとても嬉しそうに笑った。嬉しそうに笑って。
「お嬢さま!?」
バタッと、倒れてしまった。
モンド邸へ運び込まれたダイヤは、すぐさま医者の診察を受けた。命に別状はなく、単なる疲労……もっと端的に言えば寝不足が原因であるという。数日安静にしていればすぐに元気を取り戻せるという。
その診察を聞いて、クロスは胸を撫で下ろした。
「よかった……」
すこやかな寝息をたてるダイヤの、栗色の髪に、おそるおそる触れる。その髪に縁どられた白い頬。そこにはもう、『少女』の面影はほとんどなく、ひとりの『女性』としての光を宿していた。
眠るダイヤを見守るクロスの様子を、さらに見守っている者たちがいた。
モンド邸の、メイドたちである。
「も~~~、もどかしいわねえ」
「さっさとキスしちゃえばいいのに! 折角眠ってるんだから!」
「まったくだわ!!」
隣の部屋から覗き見しつつ、ひそひそ声で交わされる、いわゆる「余計なお世話」なセリフの数々。ダイヤとクロスのもどかしい関係性を長年見てきたメイドの皆さんである、致し方ないといえば致し方ないのであるが。
しばらくののちに、クロスはダイヤの部屋を出て行った。あーあ、というあからさまにガッカリした声が、メイドたちから上がる。
「あ! そうだわ!」
メイドのひとりが声を上げた。なにか「いいこと」を思いついたらしい。
その後、数日たって今もダイヤは眠り続けている。
……と、いうことになっている。クロスに対してだけは。実際は、倒れて二日目にダイヤは目を覚ましている。
メイドたちは思いついた「いいこと」を、ダイヤに怖いほどの真剣さで語り、提案した……、というか、押し通した。
「いいですか、お嬢さま。これからお嬢さまには眠り続けているふりをしていただきます」
「眠り続けているとどうなると思います?」
「クロスさんがとてもとても心配します。そこでですね、ダイヤお嬢さまを目覚めさせるためにあらゆる方法を試そうということになるはずです」
「ハンターの皆さんを集めて、お見舞いに来てもらったりアドバイスをしてもらおう、みたいなふうに。そこでですね、こうなるわけです」
「「「万策尽きた。ここはひとつ、愛する者のキスを試そう」」」
「そして皆が見守る中で、クロスさんがお嬢さまにキスをして、お嬢さまはそのキスでめでたく目覚めるんです!」
「集まっていただいたハンターの皆さんとは、そのあとパーティをいたしましょう!」
「お嬢さま、もうすぐお誕生日ですし!」
「そうですよ、お誕生日パーティにいたしましょう!」
「世界情勢はまだまだ予断を許さないと言いますけれど、お嬢さまもこれまでとても頑張ってこられたんですもの、ちょっとくらいお祝いしたって罰は当たらないはずです!」
「大丈夫、ちょっと眠り姫になった気分でいてくださればいいんですよ」
「いいですね、お嬢さま」
冷静に考えなくとも無茶苦茶な話で、いいですね、ではないのだが、なにせ、寝起きの状態でまくしたてられたダイヤである。よく判断できないままに、返事をしてしまった。
「わ、わかったわ……」
こうして、モンド邸のメイドたちによる『眠り姫のバースデーパーティ』という奇妙な催しの火蓋が、切って落とされることになったのであった。
解説
■成功条件
思い思いの一日を、モンド邸で過ごす。
■状況説明
本シナリオは、フリーアタックとなります。
制限は「モンド邸内にいること」「戦闘行為を行わないこと」の二点のみです。
ダイヤやクロスに絡んでもいいですし、絡まなくてもいいです。
誕生日パーティにも、参加してもしなくてもいいです。(料理だけいただいてあとは自由に過ごす、とかでも問題ありません)
パーティは大広間で行います。
モンド邸には他に、大きな芝生広場、図書室、音楽室、多目的ルーム、ビリヤード場などがあり、どこも自由にお使いいただけます。
思い思いの一日を、モンド邸で過ごす。
■状況説明
本シナリオは、フリーアタックとなります。
制限は「モンド邸内にいること」「戦闘行為を行わないこと」の二点のみです。
ダイヤやクロスに絡んでもいいですし、絡まなくてもいいです。
誕生日パーティにも、参加してもしなくてもいいです。(料理だけいただいてあとは自由に過ごす、とかでも問題ありません)
パーティは大広間で行います。
モンド邸には他に、大きな芝生広場、図書室、音楽室、多目的ルーム、ビリヤード場などがあり、どこも自由にお使いいただけます。
マスターより
皆さまごきげんいかがでしょうか。紺堂でございます。
今月は、ダイヤお嬢さまのお誕生日月でございます。
ダイヤ嬢をご存じの方もそうでない方もどなたさまもお気軽に、そしてめいっぱい、思い思いに楽しんでいただけたらと存じます。
よろしくお願い致します。
今月は、ダイヤお嬢さまのお誕生日月でございます。
ダイヤ嬢をご存じの方もそうでない方もどなたさまもお気軽に、そしてめいっぱい、思い思いに楽しんでいただけたらと存じます。
よろしくお願い致します。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/06/30 18:00