ゲスト
(ka0000)
【血断】世界を見る意味
マスター:猫又ものと

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
- 現在10人 / 3~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/06/24 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/07/08 19:00
オープニング
●戸惑い
「彼らは邪神の討伐を選んだの」
黙示騎士の居城たるサルヴァトーレ・ネロの展望室でバニティーが発した言葉に、テセウスは目を見開いた。
「どう、して……?」
隣に立つクリュティエ(kz0280)の震えた声。いつも冷静な妹が、動揺しているのが分かる。
「それはハンターにしかわからないよ」
バニティーは窓の向こうの星々を眺めながら、クリュティエと目を合わせずに言う。
「もし、気になるのなら……ハンターと直接話して答えを聞く以外ないんじゃないかな」
淡々と、バニティーは言う。
「ハンターズソサエティはリゼリオにある。そこに行けば確実にハンターと話せると思うよ」
「でも……、負のマテリアルの影響はどうする? リゼリオは都市だ。無用な混乱を我は招きたくない」
「そこはわたしの虚飾の能力でどうにかしてあげる。2時間くらいは持続するはずだから、その間に話せばいいでしょ? 転移はテセウスに頼めばいい」
「……すまない。我は行ってくる」
「謝ることないよ。きっと、戦いが本格的になってしまえば──挨拶をする時間もないから」
「……分かった。リゼリオまで送るよ。クリュティエ、おいで」
頷き、震える妹の手を取るテセウス。彼はバニティに呼び止められて振り返る。
「……何? バニティー」
「テセウスも、今のうちに話してきた方がいいんじゃないかな」
「何でそう思うの?」
「テセウスは、何度もハンター達と交流してるって聞いたよ。何か思うことがあるなら、話しておいた方がいいよ。後悔、しない為にも」
それに無言を返すテセウス。
――彼は、ハンター達と話していたからこそ、彼らに恭順の意思がないことを理解していた。
クリュティエにもそれは伝えたけれど、それでも彼女は……願いが叶うことを祈り続けていた。
クリュティエの気持ちも分かるし、ハンターの気持ちも何となく分かる。
それでも……。あの人の声が頭から離れない。
――いいかい? テセウス。もう一度言うから覚えておいて。黙示騎士の誰か1人が倒れたその時は、君が代わりにその座に就いて……黙示騎士として邪神ファナティックブラッドを守り、神の意思を遂行するんだよ。
――もう十分、黙示騎士としてやっていける。……あとは、頼んだよ。
そう。俺は、シュレディンガー様の遺志を継がないといけない。
だから……。
「……バニティーの気持ちは嬉しいけど。これ以上話したって、きっといいことはない。このまま別れた方がいいんだよ」
呟くテセウス。
……今自分がどんな顔をしているか、テセウスは解っているのだろうか。
バニティ―はそう思いつつも、無言で新米黙示騎士を見送った。
●世界を見る意味
――その日のリゼリオは雨だった。
「2時間経ったら迎えに来るよ」
青い顔で頷くクリュティエ。彼女をソサエティの前まで送ると、妹の頭を撫でて背を向ける。
このまま帰ろうかと思ったけれど……テセウスは、ふらりとリゼリオの街を歩く。
バニティ―が虚飾の能力で覆ってくれたし、自分自身も負のマテリアルを抑える方法を覚えた。
……少しくらいなら、大丈夫かな。
……きっとここを見るのも最後になるだろうから。
そう考えると、胸に微かな痛みが宿る。
それが、どうしてなのかはよく分からない。
でも、痛いのは嫌いだ。
足早に道を行く人々。市場から聞こえる声。雨に濡れる街。
今日もこんなにも、世界に生きる命は『暖かくて』『キレイ』だ。
――こんなこと知りたくなかった。知らない方が良かった。
命の営みが、こんなにキレイであることも。
お友達と話すことは楽しいことも。
皆で食べる食事が美味しいということも。
決別する運命が変えられないのなら、辛いだけじゃないか。
だったら何も知らないまま、世界を壊すことに心酔できていた方が幸せだった。
……分からない。
知ったら痛い思いをするだけなのに。
シュレディンガー様は何を思って俺に『世界を見ろ』と言ったのか。
世界を濡らす雨すらキレイで、テセウスはぼんやりと空を見上げた。
●雨の日のリゼリオ
「……あの、すみませんハンターさん。ちょっとお願いしてもいいですか?」
人が多く集まるハンターズソサエティ。傘を複数持って歩み寄って来たソサエティ職員、イソラがに首を傾げる。
「……どうかしたのか?」
「はい。先ほどクリュティエさんがこちらにいらしたんですけど、その時テセウスさんも一緒だったんです。ハンターさんに会って行かれますか? って聞いたんですけど、『俺はいいよ』と言って、そのまま傘も持たずに行ってしまって……」
「……テセウスが? その後どこに行ったか分かってるの?」
ハンターの問いに首を振るイソラ。
そのまままっすぐ帰っていればいいが、リゼリオの街を1人でフラフラしている可能性もある。
「それ、放っておいたらマズいんじゃないのか? あいつあれでも黙示騎士だし」
「そうなんです。申し訳ないんですが、テセウスさんを探して、もしリゼリオ内にいらっしゃるようなら監視をお願いできますか? もし見つからないようでしたらそれはそれで構いませんので」
「分かったわ」
「あと、これ……もしテセウスさんがいらしたら渡してあげてください。私の私物なので、返す必要ないからって」
イソラから傘を受け取り、頷くハンター達。
――雨は止むことはなく、その勢いを増していた。
「彼らは邪神の討伐を選んだの」
黙示騎士の居城たるサルヴァトーレ・ネロの展望室でバニティーが発した言葉に、テセウスは目を見開いた。
「どう、して……?」
隣に立つクリュティエ(kz0280)の震えた声。いつも冷静な妹が、動揺しているのが分かる。
「それはハンターにしかわからないよ」
バニティーは窓の向こうの星々を眺めながら、クリュティエと目を合わせずに言う。
「もし、気になるのなら……ハンターと直接話して答えを聞く以外ないんじゃないかな」
淡々と、バニティーは言う。
「ハンターズソサエティはリゼリオにある。そこに行けば確実にハンターと話せると思うよ」
「でも……、負のマテリアルの影響はどうする? リゼリオは都市だ。無用な混乱を我は招きたくない」
「そこはわたしの虚飾の能力でどうにかしてあげる。2時間くらいは持続するはずだから、その間に話せばいいでしょ? 転移はテセウスに頼めばいい」
「……すまない。我は行ってくる」
「謝ることないよ。きっと、戦いが本格的になってしまえば──挨拶をする時間もないから」
「……分かった。リゼリオまで送るよ。クリュティエ、おいで」
頷き、震える妹の手を取るテセウス。彼はバニティに呼び止められて振り返る。
「……何? バニティー」
「テセウスも、今のうちに話してきた方がいいんじゃないかな」
「何でそう思うの?」
「テセウスは、何度もハンター達と交流してるって聞いたよ。何か思うことがあるなら、話しておいた方がいいよ。後悔、しない為にも」
それに無言を返すテセウス。
――彼は、ハンター達と話していたからこそ、彼らに恭順の意思がないことを理解していた。
クリュティエにもそれは伝えたけれど、それでも彼女は……願いが叶うことを祈り続けていた。
クリュティエの気持ちも分かるし、ハンターの気持ちも何となく分かる。
それでも……。あの人の声が頭から離れない。
――いいかい? テセウス。もう一度言うから覚えておいて。黙示騎士の誰か1人が倒れたその時は、君が代わりにその座に就いて……黙示騎士として邪神ファナティックブラッドを守り、神の意思を遂行するんだよ。
――もう十分、黙示騎士としてやっていける。……あとは、頼んだよ。
そう。俺は、シュレディンガー様の遺志を継がないといけない。
だから……。
「……バニティーの気持ちは嬉しいけど。これ以上話したって、きっといいことはない。このまま別れた方がいいんだよ」
呟くテセウス。
……今自分がどんな顔をしているか、テセウスは解っているのだろうか。
バニティ―はそう思いつつも、無言で新米黙示騎士を見送った。
●世界を見る意味
――その日のリゼリオは雨だった。
「2時間経ったら迎えに来るよ」
青い顔で頷くクリュティエ。彼女をソサエティの前まで送ると、妹の頭を撫でて背を向ける。
このまま帰ろうかと思ったけれど……テセウスは、ふらりとリゼリオの街を歩く。
バニティ―が虚飾の能力で覆ってくれたし、自分自身も負のマテリアルを抑える方法を覚えた。
……少しくらいなら、大丈夫かな。
……きっとここを見るのも最後になるだろうから。
そう考えると、胸に微かな痛みが宿る。
それが、どうしてなのかはよく分からない。
でも、痛いのは嫌いだ。
足早に道を行く人々。市場から聞こえる声。雨に濡れる街。
今日もこんなにも、世界に生きる命は『暖かくて』『キレイ』だ。
――こんなこと知りたくなかった。知らない方が良かった。
命の営みが、こんなにキレイであることも。
お友達と話すことは楽しいことも。
皆で食べる食事が美味しいということも。
決別する運命が変えられないのなら、辛いだけじゃないか。
だったら何も知らないまま、世界を壊すことに心酔できていた方が幸せだった。
……分からない。
知ったら痛い思いをするだけなのに。
シュレディンガー様は何を思って俺に『世界を見ろ』と言ったのか。
世界を濡らす雨すらキレイで、テセウスはぼんやりと空を見上げた。
●雨の日のリゼリオ
「……あの、すみませんハンターさん。ちょっとお願いしてもいいですか?」
人が多く集まるハンターズソサエティ。傘を複数持って歩み寄って来たソサエティ職員、イソラがに首を傾げる。
「……どうかしたのか?」
「はい。先ほどクリュティエさんがこちらにいらしたんですけど、その時テセウスさんも一緒だったんです。ハンターさんに会って行かれますか? って聞いたんですけど、『俺はいいよ』と言って、そのまま傘も持たずに行ってしまって……」
「……テセウスが? その後どこに行ったか分かってるの?」
ハンターの問いに首を振るイソラ。
そのまままっすぐ帰っていればいいが、リゼリオの街を1人でフラフラしている可能性もある。
「それ、放っておいたらマズいんじゃないのか? あいつあれでも黙示騎士だし」
「そうなんです。申し訳ないんですが、テセウスさんを探して、もしリゼリオ内にいらっしゃるようなら監視をお願いできますか? もし見つからないようでしたらそれはそれで構いませんので」
「分かったわ」
「あと、これ……もしテセウスさんがいらしたら渡してあげてください。私の私物なので、返す必要ないからって」
イソラから傘を受け取り、頷くハンター達。
――雨は止むことはなく、その勢いを増していた。
解説
■目的
リゼリオの街でふらふらしているテセウスを何とかする。
■解説
依頼を探してハンターズソサエティにやって来た皆さんは、イソラから声をかけられました。
リゼリオの街中にテセウスがいるかもしれないので、探して、見つけたら監視して欲しい、と。
真っ直ぐ帰っていればいいが、街を1人でフラフラしてた場合は……放っておくと危険かもしれない。
基本、何をして戴いても構いません。
明確にやりたいことがある方向けの自由度の高いシナリオです。
■もっと詳しい解説
今回テセウスはハンター達と会う気はなく、雨のリゼリオの街を闊歩しているようです。
バニティーの虚飾の能力によって負のマテリアルの影響が抑えられているので、街中を歩いていても問題は起きません。
彼は新米の黙示騎士であり、邪神との繋がりが薄いだけあって説得の余地はありますが、シュレディンガーの遺言に縛られています。
また、テセウスは黙示騎士を転移させる能力を持ち、チームの中で重要なサポート役である為、本人が同意しても他の黙示騎士が許さないだろう事態が懸念されます。
説得を試みる場合はそこをどうするか、という方策を考えることも必要でしょう。
なお、「新米黙示騎士のトモダチ」及びそれに準じる称号をお持ちのPCさんが説得される場合は、成功度が若干ですが上がります。
■テセウスについて
ハンターを素体にしてシュレティンガーが生み出した歪虚です。以前はSC-H01と呼ばれていました。素体となったイェルズと同じ姿をしています。
シュレディンガーの後を継いで黙示騎士になりました。転移の能力を持っています。
見た目は大人ですが、中身はかなり子供っぽいです。
大剣による近接戦闘を基本方針とし、近接戦闘に特化しています。
今回は元々送り迎えの為だけに来ているので戦う気もありませんが、戦闘をしかけられれば防衛はします。
■ご注意
白紙は描写できませんのでご注意ください。
リゼリオの街でふらふらしているテセウスを何とかする。
■解説
依頼を探してハンターズソサエティにやって来た皆さんは、イソラから声をかけられました。
リゼリオの街中にテセウスがいるかもしれないので、探して、見つけたら監視して欲しい、と。
真っ直ぐ帰っていればいいが、街を1人でフラフラしてた場合は……放っておくと危険かもしれない。
基本、何をして戴いても構いません。
明確にやりたいことがある方向けの自由度の高いシナリオです。
■もっと詳しい解説
今回テセウスはハンター達と会う気はなく、雨のリゼリオの街を闊歩しているようです。
バニティーの虚飾の能力によって負のマテリアルの影響が抑えられているので、街中を歩いていても問題は起きません。
彼は新米の黙示騎士であり、邪神との繋がりが薄いだけあって説得の余地はありますが、シュレディンガーの遺言に縛られています。
また、テセウスは黙示騎士を転移させる能力を持ち、チームの中で重要なサポート役である為、本人が同意しても他の黙示騎士が許さないだろう事態が懸念されます。
説得を試みる場合はそこをどうするか、という方策を考えることも必要でしょう。
なお、「新米黙示騎士のトモダチ」及びそれに準じる称号をお持ちのPCさんが説得される場合は、成功度が若干ですが上がります。
■テセウスについて
ハンターを素体にしてシュレティンガーが生み出した歪虚です。以前はSC-H01と呼ばれていました。素体となったイェルズと同じ姿をしています。
シュレディンガーの後を継いで黙示騎士になりました。転移の能力を持っています。
見た目は大人ですが、中身はかなり子供っぽいです。
大剣による近接戦闘を基本方針とし、近接戦闘に特化しています。
今回は元々送り迎えの為だけに来ているので戦う気もありませんが、戦闘をしかけられれば防衛はします。
■ご注意
白紙は描写できませんのでご注意ください。
マスターより
お世話になっております。猫又です。
皆様に【血断】連動の依頼をお届けします。
という訳ですね。これまでのテセウスにまつわる依頼と、【血断】連動、投票結果を受けてのフリーアタック依頼となります。
テセウスをどうするのか。どうしていきたいのか。良くお考えになり、悔いのない選択をお願いします。
説得できなかったとしても、自分の心情整理をするなど、テセウスとの間に禍根を残さないことは出来ると思います。
それでは皆様のご参加をお待ちしております。
皆様に【血断】連動の依頼をお届けします。
という訳ですね。これまでのテセウスにまつわる依頼と、【血断】連動、投票結果を受けてのフリーアタック依頼となります。
テセウスをどうするのか。どうしていきたいのか。良くお考えになり、悔いのない選択をお願いします。
説得できなかったとしても、自分の心情整理をするなど、テセウスとの間に禍根を残さないことは出来ると思います。
それでは皆様のご参加をお待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/07/07 15:24
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/06/22 12:19:59 |
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相談?雑談??卓 アルスレーテ・フュラー(ka6148) エルフ|27才|女性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2019/06/24 08:43:56 |