ゲスト
(ka0000)
【東幕】今月今夜のこの月を
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/07/02 09:00
- リプレイ完成予定
- 2019/07/11 09:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
幻獣の森陥落の一報は、広く赤き大地を駆け巡った。
六大龍の一角、ナーランギが倒され、多くの幻獣が命を散らした。この事は邪神の封印が解かれる事も絡んでいるはず。怠惰王が消えた辺境の地だが、新たに襲来した狂気の軍は決して無視できない。
そして。
その悲報は、遠くエトファリカ連邦の詩天にまで届いていた。
「そうか。あの森がか」
三条家軍師の水野 武徳(kz0196)は、もたらされた悲報を耳にしても、顔色は変わらなかった。
邪神の封印が解ければ、何かしらの攻撃があると考えていたからだ。幻獣の森までは予測が付かなかったが、何処かが犠牲になる予感はしていたのだ。
「部族会議は?」
「予想外の襲撃である事から、救援は間に合わなかったようです。近くのハンターが駆け付けなければ被害はさらに広がったでしょうな」
家臣の報告の裏には事態の深刻さが隠されている。
今回はハンターが救援に向かったからこそ、幻獣達は生き延びた。しかし、連合軍は邪神に対抗すべく動きだしている。
ハンター達が攻撃に回れば、その分、防御は手薄になる。
「敵の物量を先の戦いで見せ付けられたであろうに……」
「は?」
「いや、何でも無い。それより我が国の守りはどうなっておる?」
話をはぐらかすように、武徳は家臣へ別の話題を振った。
「隣国との同盟も為し得た事で流通も活性化しております。その利益をもって兵力の拡大を……」
「遅い。同盟国へ食糧備蓄増大の打診。さらに傭兵を雇い入れを進ませよ。城の拡張も忘れるな」
武徳は東方地域が小康状態にあっても、防備を忘れていなかった。
もしかすると幻獣の森陥落の一件が更に危機感を喚起したのかもしれない。
「西方は如何致しましょう? 敵の侵攻が開始されておりますが……」
家臣が申し訳無さそうに切り出した。
部族会議は危険が及べば詩天にも救援を要請してくるだろう。幕府や朝廷が機能していない上、連合軍が対邪神で備えているなら尚更だ。
家臣は言葉を続ける。
「ですが、我が国も火急の折。今回ばかりは救援も難しいと思われます」
「…………」
武徳へ釘を刺すように家臣は言い放つ。
幻獣の森が陥落したとなれば、クリムゾンウェストに歪虚が増大する可能性がある。既に幕府や存在せず各国が自衛しなけばならないとなると戦力は多い方がいい。既に付近の小国は生き残る為に同盟参加を打診してくる程だ。部族会議への援軍は難しくなるだろう。
心情としては助けてやりたいが、それもままならない。
武徳にとっては悩ましい問題である。
「……そう言えば、今晩は晴れそうじゃな」
窓を見て呟く武徳。
家臣には一瞬意図が推し量れない。
「そ、そうでありますな」
「今宵は、満月か……」
武徳の顔にはほんの少し寂しさが混ざる。
その心情を家臣は読み取れていなかった。
「満月ですが、雲が掛かるやもしれませぬな。まるで季節外れの朧月夜といったところでしょう」
「そうか。できれば、今晩は静かに酒を飲みたい」
「は、はい」
「来客も呼ぶ。準備をしておけ」
家臣にそれだけ申しつけると、武徳は足早に部屋を後にした。
幻獣の森陥落の一報は、広く赤き大地を駆け巡った。
六大龍の一角、ナーランギが倒され、多くの幻獣が命を散らした。この事は邪神の封印が解かれる事も絡んでいるはず。怠惰王が消えた辺境の地だが、新たに襲来した狂気の軍は決して無視できない。
そして。
その悲報は、遠くエトファリカ連邦の詩天にまで届いていた。
「そうか。あの森がか」
三条家軍師の水野 武徳(kz0196)は、もたらされた悲報を耳にしても、顔色は変わらなかった。
邪神の封印が解ければ、何かしらの攻撃があると考えていたからだ。幻獣の森までは予測が付かなかったが、何処かが犠牲になる予感はしていたのだ。
「部族会議は?」
「予想外の襲撃である事から、救援は間に合わなかったようです。近くのハンターが駆け付けなければ被害はさらに広がったでしょうな」
家臣の報告の裏には事態の深刻さが隠されている。
今回はハンターが救援に向かったからこそ、幻獣達は生き延びた。しかし、連合軍は邪神に対抗すべく動きだしている。
ハンター達が攻撃に回れば、その分、防御は手薄になる。
「敵の物量を先の戦いで見せ付けられたであろうに……」
「は?」
「いや、何でも無い。それより我が国の守りはどうなっておる?」
話をはぐらかすように、武徳は家臣へ別の話題を振った。
「隣国との同盟も為し得た事で流通も活性化しております。その利益をもって兵力の拡大を……」
「遅い。同盟国へ食糧備蓄増大の打診。さらに傭兵を雇い入れを進ませよ。城の拡張も忘れるな」
武徳は東方地域が小康状態にあっても、防備を忘れていなかった。
もしかすると幻獣の森陥落の一件が更に危機感を喚起したのかもしれない。
「西方は如何致しましょう? 敵の侵攻が開始されておりますが……」
家臣が申し訳無さそうに切り出した。
部族会議は危険が及べば詩天にも救援を要請してくるだろう。幕府や朝廷が機能していない上、連合軍が対邪神で備えているなら尚更だ。
家臣は言葉を続ける。
「ですが、我が国も火急の折。今回ばかりは救援も難しいと思われます」
「…………」
武徳へ釘を刺すように家臣は言い放つ。
幻獣の森が陥落したとなれば、クリムゾンウェストに歪虚が増大する可能性がある。既に幕府や存在せず各国が自衛しなけばならないとなると戦力は多い方がいい。既に付近の小国は生き残る為に同盟参加を打診してくる程だ。部族会議への援軍は難しくなるだろう。
心情としては助けてやりたいが、それもままならない。
武徳にとっては悩ましい問題である。
「……そう言えば、今晩は晴れそうじゃな」
窓を見て呟く武徳。
家臣には一瞬意図が推し量れない。
「そ、そうでありますな」
「今宵は、満月か……」
武徳の顔にはほんの少し寂しさが混ざる。
その心情を家臣は読み取れていなかった。
「満月ですが、雲が掛かるやもしれませぬな。まるで季節外れの朧月夜といったところでしょう」
「そうか。できれば、今晩は静かに酒を飲みたい」
「は、はい」
「来客も呼ぶ。準備をしておけ」
家臣にそれだけ申しつけると、武徳は足早に部屋を後にした。
解説
目的:月を見ながら水野武徳と語らう
概要:幻獣の森陥落の一報は、遠い詩天にも届いていた。それは大規模な歪虚の侵攻を意味している。邪神が関わっているとすれば、詩天とその周辺国にも敵の侵攻があるかもしれない。幕府や朝廷を失った東方からすれば、部族会議への援軍を送る事も困難だ。下手をすれば同盟国から問題視もされかねない。武徳は、ふいに月見酒を所望した。客を招いての酒宴。家臣には武徳の意図が分からなかった。
備考:本シナリオはフリーアタックシナリオですが、武徳は雰囲気良く静かに飲む事を所望しております。が、同時にハンターを招く意図があります。
お酒の持ち込みは可能です。武徳と会話する潤滑油になるかもしれません。
場所は武徳の屋敷ですが、縁側から空を見上げれば朧月夜が見られます。時間も夜も更けた時間となっております。
《PL情報》
武徳が酒宴を開いた意図は、「部族会議、特にヴェルナーを支えるようハンターへ頼む為」です。
概要:幻獣の森陥落の一報は、遠い詩天にも届いていた。それは大規模な歪虚の侵攻を意味している。邪神が関わっているとすれば、詩天とその周辺国にも敵の侵攻があるかもしれない。幕府や朝廷を失った東方からすれば、部族会議への援軍を送る事も困難だ。下手をすれば同盟国から問題視もされかねない。武徳は、ふいに月見酒を所望した。客を招いての酒宴。家臣には武徳の意図が分からなかった。
備考:本シナリオはフリーアタックシナリオですが、武徳は雰囲気良く静かに飲む事を所望しております。が、同時にハンターを招く意図があります。
お酒の持ち込みは可能です。武徳と会話する潤滑油になるかもしれません。
場所は武徳の屋敷ですが、縁側から空を見上げれば朧月夜が見られます。時間も夜も更けた時間となっております。
《PL情報》
武徳が酒宴を開いた意図は、「部族会議、特にヴェルナーを支えるようハンターへ頼む為」です。
マスターより
近藤豊です。
次第に動き始めた物語の歯車ですが、ほんの一時戦いを忘れて静かに飲むのは如何でしょうか。ただ、武徳にはこの酒宴を開催した意図がございます。理由は解説にもございますが、参考にしていただけると幸いです。
それでは、稚鮎の炭火焼きを肴にお待ちしております。
次第に動き始めた物語の歯車ですが、ほんの一時戦いを忘れて静かに飲むのは如何でしょうか。ただ、武徳にはこの酒宴を開催した意図がございます。理由は解説にもございますが、参考にしていただけると幸いです。
それでは、稚鮎の炭火焼きを肴にお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/07/06 17:40