ゲスト
(ka0000)
【血断】もう1つの選択【幻想】
マスター:猫又ものと

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/07/01 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/07/15 19:00
オープニング
「……君達の話は分かった。でも、残念ながらそれは無理だよ」
きっぱりと断じたイクタサ(kz0246)に、イェルズ・オイマト(kz0143)とヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)は言葉を失った。
それを聞いてもなお、ファリフ・スコール(kz0009)は勇気の精霊に縋るような眼差しを向ける。
「そんな……何とかならないの?」
「こればっかりは可愛いファリフのお願いでも難しいね……。言っておくけど、ボクの能力云々じゃない。彼自身の命運の話だよ」
ファリフの髪を撫でるイクタサ。
――こういう場に、愛し子を連れて来るあたり、ヴェルナーは本気で自分を動かそうとしているのだと言うのが伺える。
でも、何と言われても、無理なものは無理なのだ。
幻獣の森が攻め落とされ、幻獣達の一時避難場所となっているイクタサの森。
そこにある東屋で、この森の主と、部族会議大首長の補佐役とノアーラ・クンタウの管理者、そしてスコール族の族長が面会していた。
話している議題は――怠惰王との戦いの果てに、意識不明となっているバタルトゥ・オイマト(kz0023)を元に戻せないか、ということだ。
この話をイクタサに持ち込もうと提案したのはヴェルナーだが、勿論ある程度の勝算はあってのことだった。
真なる怠惰王との戦いは、イクタサが作り出した次元の狭間『アフンルパル』の内部にて行われた。
オーロラの討伐が終了した時点で、アフンルパルも消え去ったが……未だ目覚めぬバタルトゥの精神は、その次元の狭間に取り残されたままになっているのでは、と踏んだのだ。
そうなのであれば、次元の狭間を作り出した張本人に掛け合うのが一番早い。
そこで、お願いをするべく接待の用意をし、こうして切り札であるファリフまで連れて来たという訳だ。
……まあ、当のファリフは純粋にバタルトゥを心配していて、自分が切り札扱いされているとは思ってもいないだろうけれど。
そうして、バタルトゥを元に戻せないか、と尋ねた結果……返答は『無理』だったという訳だ。
「……あの。何故無理なのか、どうしてそう断言するのか。お伺いしても良いですか?」
「さっきも言ったけど、この状態で生きていられていること自体が不思議なんだ。通常であればとっくに死んでる。……もう、その時点で奇跡は使い果たしてるんだよ」
衝撃を隠しきれないイェルズに淡々と答えるイクタサ。
「そういう意味では『元に戻すことは不可能』だって言ってる。……まあ、一時的であれば起こすことは可能だけどね」
「一時的、ですか。それはどういう?」
酷く冷淡な声で言うヴェルナー。感情を抑えているのだろう。イクタサは肩を竦めて続ける。
「簡単だよ。ボクと契約して、加護を彼に付与するんだ。そうすれば一時的ではあるけれど、動くことが出来るようにはなるよ」
「一時的って、どれくらいの期間なの?」
「そうだね。邪神ファナティックブラッドとの決戦くらいまでじゃないかな。邪神に対抗する力は多い方がいいから、実はボクとしても悪い話じゃない。ただ……」
「ただ……何ですか?」
ファリフの問いに微かに笑みを浮かべるイクタサ。先を促すイェルズに目線を移す。
「……この契約の代償は、『彼の生命力』だ。それを全部引き替えて、数か月の活動が可能になる」
「じゃあ。それが終わったら……どうなるんです? また眠り続けるんですか?」
「……まさか。生命力を使い果たすんだ。当然死ぬことになるだろうね。それが嫌だというなら、現状維持だよ。彼はこのまま一生起きることはないだろうが、きっと本来の寿命分は生きられるだろう」
何でもないようにいうイクタサに息を飲むイェルズとファリフ。ヴェルナーだけが、こめかみに手をやって目を閉じる。
「……こんな話が出来るということは、貴方最初からこの事態を想定していましたね?」
「ははは。御名答。だからボク、キミのこと好きになれないんだよね。……本人の意思は既に確認してあるよ。彼、『このまま何もせず眠り続けるくらいなら、命と引き換えにしても良いから戦いたい』ってさ。その返答も、キミなら予測してたんじゃないのかな?」
「……やはり、バタルトゥさんを行かせるんじゃありませんでした。失策でした」
のんびりと言うイクタサに、顔を上げずに呟きを漏らすヴェルナー。
彼らしからぬ、感情の混じった声に、イェルズは膝に置いた拳を握り締める。
「まあ、ボクはどちらでも構わないよ。このままでも、彼に加護を与えるのも。君達が望むなら、少しの間ではあるけれど、バタルトゥと対話をさせてあげられるよ。……二度目の奇跡は起きない。加護を与えれば必ず死は訪れる。良く考えて決めることだね」
そう言って席を立ち、森へと向かうイクタサ。
その背を見送った3人に流れる、嫌な沈黙。
それを破ったのはファリフだった。
「……どうしたらいいのかな。こんな話、ボク達だけで決めていいの?」
「……そうですね。どちらを選択しても悔恨は残るでしょう。死んでもいいから戦いたいというのは、まあバタルトゥさんらしくはありますが……」
「一度持ち帰って……部族会議と、ハンターさんの意見も伺いましょう」
ヴェルナーの言葉に頷いて、のろのろと立ち上がるイェルズ。
――族長が死ぬ? あの族長が……?
青年の心に満ちる困惑。
――こうして。部族会議大首長の命運を握る採択が、行われようとしていた。
きっぱりと断じたイクタサ(kz0246)に、イェルズ・オイマト(kz0143)とヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)は言葉を失った。
それを聞いてもなお、ファリフ・スコール(kz0009)は勇気の精霊に縋るような眼差しを向ける。
「そんな……何とかならないの?」
「こればっかりは可愛いファリフのお願いでも難しいね……。言っておくけど、ボクの能力云々じゃない。彼自身の命運の話だよ」
ファリフの髪を撫でるイクタサ。
――こういう場に、愛し子を連れて来るあたり、ヴェルナーは本気で自分を動かそうとしているのだと言うのが伺える。
でも、何と言われても、無理なものは無理なのだ。
幻獣の森が攻め落とされ、幻獣達の一時避難場所となっているイクタサの森。
そこにある東屋で、この森の主と、部族会議大首長の補佐役とノアーラ・クンタウの管理者、そしてスコール族の族長が面会していた。
話している議題は――怠惰王との戦いの果てに、意識不明となっているバタルトゥ・オイマト(kz0023)を元に戻せないか、ということだ。
この話をイクタサに持ち込もうと提案したのはヴェルナーだが、勿論ある程度の勝算はあってのことだった。
真なる怠惰王との戦いは、イクタサが作り出した次元の狭間『アフンルパル』の内部にて行われた。
オーロラの討伐が終了した時点で、アフンルパルも消え去ったが……未だ目覚めぬバタルトゥの精神は、その次元の狭間に取り残されたままになっているのでは、と踏んだのだ。
そうなのであれば、次元の狭間を作り出した張本人に掛け合うのが一番早い。
そこで、お願いをするべく接待の用意をし、こうして切り札であるファリフまで連れて来たという訳だ。
……まあ、当のファリフは純粋にバタルトゥを心配していて、自分が切り札扱いされているとは思ってもいないだろうけれど。
そうして、バタルトゥを元に戻せないか、と尋ねた結果……返答は『無理』だったという訳だ。
「……あの。何故無理なのか、どうしてそう断言するのか。お伺いしても良いですか?」
「さっきも言ったけど、この状態で生きていられていること自体が不思議なんだ。通常であればとっくに死んでる。……もう、その時点で奇跡は使い果たしてるんだよ」
衝撃を隠しきれないイェルズに淡々と答えるイクタサ。
「そういう意味では『元に戻すことは不可能』だって言ってる。……まあ、一時的であれば起こすことは可能だけどね」
「一時的、ですか。それはどういう?」
酷く冷淡な声で言うヴェルナー。感情を抑えているのだろう。イクタサは肩を竦めて続ける。
「簡単だよ。ボクと契約して、加護を彼に付与するんだ。そうすれば一時的ではあるけれど、動くことが出来るようにはなるよ」
「一時的って、どれくらいの期間なの?」
「そうだね。邪神ファナティックブラッドとの決戦くらいまでじゃないかな。邪神に対抗する力は多い方がいいから、実はボクとしても悪い話じゃない。ただ……」
「ただ……何ですか?」
ファリフの問いに微かに笑みを浮かべるイクタサ。先を促すイェルズに目線を移す。
「……この契約の代償は、『彼の生命力』だ。それを全部引き替えて、数か月の活動が可能になる」
「じゃあ。それが終わったら……どうなるんです? また眠り続けるんですか?」
「……まさか。生命力を使い果たすんだ。当然死ぬことになるだろうね。それが嫌だというなら、現状維持だよ。彼はこのまま一生起きることはないだろうが、きっと本来の寿命分は生きられるだろう」
何でもないようにいうイクタサに息を飲むイェルズとファリフ。ヴェルナーだけが、こめかみに手をやって目を閉じる。
「……こんな話が出来るということは、貴方最初からこの事態を想定していましたね?」
「ははは。御名答。だからボク、キミのこと好きになれないんだよね。……本人の意思は既に確認してあるよ。彼、『このまま何もせず眠り続けるくらいなら、命と引き換えにしても良いから戦いたい』ってさ。その返答も、キミなら予測してたんじゃないのかな?」
「……やはり、バタルトゥさんを行かせるんじゃありませんでした。失策でした」
のんびりと言うイクタサに、顔を上げずに呟きを漏らすヴェルナー。
彼らしからぬ、感情の混じった声に、イェルズは膝に置いた拳を握り締める。
「まあ、ボクはどちらでも構わないよ。このままでも、彼に加護を与えるのも。君達が望むなら、少しの間ではあるけれど、バタルトゥと対話をさせてあげられるよ。……二度目の奇跡は起きない。加護を与えれば必ず死は訪れる。良く考えて決めることだね」
そう言って席を立ち、森へと向かうイクタサ。
その背を見送った3人に流れる、嫌な沈黙。
それを破ったのはファリフだった。
「……どうしたらいいのかな。こんな話、ボク達だけで決めていいの?」
「……そうですね。どちらを選択しても悔恨は残るでしょう。死んでもいいから戦いたいというのは、まあバタルトゥさんらしくはありますが……」
「一度持ち帰って……部族会議と、ハンターさんの意見も伺いましょう」
ヴェルナーの言葉に頷いて、のろのろと立ち上がるイェルズ。
――族長が死ぬ? あの族長が……?
青年の心に満ちる困惑。
――こうして。部族会議大首長の命運を握る採択が、行われようとしていた。
解説
怠惰王を倒したものの、混乱が続く辺境
そんな中で、イクタサから示された選択は、辺境部族の大首長の未来を大きく変えるものでした
ヴェルナーとイェルズの要請に応え、バタルトゥの今後に対する意見、及び意思投票をお願いします
今回、イクタサの働きかけによりバタルトゥと直接対話することが出来ます
彼と話がしたい方も、この機会をご利用ください
■行動選択
以下から、自分が望む選択してください
選べる選択肢は1つだけです。選択した番号は、プレイングへの記載をお願いします
【1】バタルトゥを寝かせたままにする
現状維持です。バタルトゥはこの先ずっと寝たまま、起きることはありません
その代わり、危険に陥ることはありませんので、永く生き続けることが出来るでしょう
【2】バタルトゥを起こし、戦いに参加させる
バタルトゥをイクタサと契約させ、目覚めさせます
なお、バタルトゥ本人も『抗う為に戦い続ける』ことを希望しています
こちらを選択すると、邪神との戦いの後、生命力を使い果たし死ぬことになります
なお、OPにもあります通り、全ての生命力を引き替えての契約となりますので、『起こした上で延命を図る』と言ったことは出来ません
あくまでも『寝たまま生き続けるか』もしくは『起きて死ぬまで戦うか』の二択になります
また、『寝かせたままにしておく』を選択した場合、今回がバタルトゥと直接話をする最後の機会となります
どうぞ悔いのないようになさって下さい
■NPCの同行
今回はバタルトゥ、イェルズとヴェルナー、イクタサがおります
ヴェルナーもイェルズも思うところはあるようですが、基本はバタルトゥの意思を尊重する姿勢です
また、同時公開の四月朔日MSの依頼『【血断】癒やしと幻獣』にもイクタサが登場しておりますが、こちらの依頼とは時間差があるとお思い下さい
そんな中で、イクタサから示された選択は、辺境部族の大首長の未来を大きく変えるものでした
ヴェルナーとイェルズの要請に応え、バタルトゥの今後に対する意見、及び意思投票をお願いします
今回、イクタサの働きかけによりバタルトゥと直接対話することが出来ます
彼と話がしたい方も、この機会をご利用ください
■行動選択
以下から、自分が望む選択してください
選べる選択肢は1つだけです。選択した番号は、プレイングへの記載をお願いします
【1】バタルトゥを寝かせたままにする
現状維持です。バタルトゥはこの先ずっと寝たまま、起きることはありません
その代わり、危険に陥ることはありませんので、永く生き続けることが出来るでしょう
【2】バタルトゥを起こし、戦いに参加させる
バタルトゥをイクタサと契約させ、目覚めさせます
なお、バタルトゥ本人も『抗う為に戦い続ける』ことを希望しています
こちらを選択すると、邪神との戦いの後、生命力を使い果たし死ぬことになります
なお、OPにもあります通り、全ての生命力を引き替えての契約となりますので、『起こした上で延命を図る』と言ったことは出来ません
あくまでも『寝たまま生き続けるか』もしくは『起きて死ぬまで戦うか』の二択になります
また、『寝かせたままにしておく』を選択した場合、今回がバタルトゥと直接話をする最後の機会となります
どうぞ悔いのないようになさって下さい
■NPCの同行
今回はバタルトゥ、イェルズとヴェルナー、イクタサがおります
ヴェルナーもイェルズも思うところはあるようですが、基本はバタルトゥの意思を尊重する姿勢です
また、同時公開の四月朔日MSの依頼『【血断】癒やしと幻獣』にもイクタサが登場しておりますが、こちらの依頼とは時間差があるとお思い下さい
マスターより
■ご注意
皆さんからの意見や要望がなければ、『バタルトゥはイクタサと契約して目覚め、力尽きるまで戦う』という選択肢を選ぶことになります
白紙は描写できませんのでご注意ください
-------
お世話になっております。猫又です。
皆様に【幻想】連動の事後連動の依頼をお届けします。
という訳ですね。【幻想】のグランドシナリオの結果を受けての依頼となります。
バタルトゥをどうするのか。どうしていきたいのか。良くお考えになり、悔いのない選択をお願いします。
どういう形になるにせよ、自分の心情整理をするなど、先に禍根を残さないことは出来ると思います。
それでは皆様のご参加をお待ちしております。
皆さんからの意見や要望がなければ、『バタルトゥはイクタサと契約して目覚め、力尽きるまで戦う』という選択肢を選ぶことになります
白紙は描写できませんのでご注意ください
-------
お世話になっております。猫又です。
皆様に【幻想】連動の事後連動の依頼をお届けします。
という訳ですね。【幻想】のグランドシナリオの結果を受けての依頼となります。
バタルトゥをどうするのか。どうしていきたいのか。良くお考えになり、悔いのない選択をお願いします。
どういう形になるにせよ、自分の心情整理をするなど、先に禍根を残さないことは出来ると思います。
それでは皆様のご参加をお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/07/14 18:53