ゲスト
(ka0000)
兵の価値
マスター:まれのぞみ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- ユニット参加人数
- 現在8 / 0~8
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/07/24 07:30
- リプレイ完成予定
- 2019/08/02 07:30
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
「来ました!?」
上空に黒い点が見えた。
ひとつ、ふたつ――三つ?!
轟音とともに地上に衝撃波が走り、土煙があがる。
戦士たちは建物につかまって、飛ばされないように体を縮める。
家々の屋根が吹き飛ぶ。
「街のどまんなかかよ」
舌打ちをしながら爆心地を睨んだ。
歪虚、飛来。
そして、爆心の中からあらわれたのは鉄鎧の歪虚ども。
クレーターの中から這い出てきた鉄の鎧を着込んだ歪虚どもは、それぞれ別の方向へ向けて歩き始める。
「行かせるか!?」
戦士たちが突撃をかける。
戦い、傷つき、それでも街の人々を守ろうと身を削る。
歪虚に確かに傷を与え、ついに一体の歪虚にとどめをさした。
その瞬間、視覚をつぶすほどの閃光、耳をつんざくほどの爆音とともに歪虚が爆発した。
「――なんだ、と」
仲間たちの体が吹き飛ぶ。
つづいて、もう一体が爆発した。
周囲の建物ごと、今度は街の一角を消し去ったのだ。
その時、かれらは自分たちの過ちに気がついた。
そして、それはあまりにも遅い気づきであった。
最後の一体がのっそりと、街のシンボルである集会場の扉をたたき割った。
「ひぇぇえ!?」
逆光に浮かんだ歪虚の姿に悲鳴があがり、建物に隠れていた人々が叫びながら我先に奥へと逃げ出す。
そして、真っ赤に輝いたたまま建物に乗り込んだ歪虚は――
「やめろぉぉぉぉ――!?」
建物の中で赤く輝いて破裂した。
●
「これで何カ所目だ!?」
叩きつけた拳に、ハンターオフィスのテーブルが悲鳴をあげる。
歪虚による遠方からの砲撃と、その後の爆発が、ここ数日でどれほどの被害を出したろうか。正確な資料は現在、別部署がまとめているが、目にするのもいやになるほどのものであろう。
歪虚に対抗すること自体は問題はない。
それが、ハンターの仕事だ。
問題は、その砲弾が歪虚であって、目的地に到着後に自立移動、そして爆発を起こすということである。
「つまり、事前に情報収集の必要のない精密誘導兵器というわけですね」
秘書が要点を言い直す。
「撃ちっ放しただけで、あとは目的を達成してくれる便利な銃弾さ」
史上、幾度、流れ弾による将軍の負傷、あるいは暗殺により戦況が混乱したことがあったろうか。とりわけ、現在のような戦争状態にあっては、戦線の危ういバランスが崩れたとき、一気に戦況が悪化する可能性は否定できない。
しょせん戦いは正と虚の絡め手だ。
たとえば、今回の敵と同じような存在として人間側にも特殊部隊が存在する。
「ただ、特殊部隊の強襲よりも始末が悪いのは、それだけの価値のある兵を歪虚は爆破テロに使えるということだよ――」
能力と経験をかねた兵士を育てる時間とコストを考えると、特殊部隊をただの捨て駒にできるような上官は存在しない。その意味において、今回の敵の攻撃は人間では決してできない手である。だからこそ、歪虚は人間でない――その当たり前のことを今更ながらに思い出さずにはいられなかった
●
「それで、これは?」
数枚の写真を見ながら別の一室では会議が行われていた。
「情報部がもたらしたものだ。それで、これが、例のミサイル型の歪虚を打ち出している本体だ」
「本体?」
「いや、発射装置といった方が正しいな。歪虚といっても、別々の存在かもしれんしな」
写真に写った歪虚は、戦艦に似ているだろうか。
巨大な砲門らしきものが全身をつつみ、まるで剣山か海胆である。
これが海上を移動しながら、地上へ向かって砲撃を行っているらしい。
海上移動の可能な、巨大な砲台。
まず、それがどこにあるのかを発見しなくてはならない。だからこそ、各国もギルドも爆弾歪虚の対応が遅れてしまっている。
それにしても写真ごとに、その砲門の数が違っているのはどういうことだろうか。
「成長中だそうだ」
つまらなそうに上司が言う。
成長中――とは、まるで生き物のような物言いだ。もっとも、これは歪虚なのだから、人間の技術で考えるのはおかしいことかもしれない。
「――まだ未完成ということですか?」
「わからん。ただ、事実を述べたまでだ。評価は――これから、でるさ」
書類をテーブルに投げつける。
「これは攻撃作戦ですか?」
「作戦書類といっても検討段階に入ったという程度ものだがな。まだ、作戦の内容自体が決まってない」
「難題ですね」
「いつものことだ。だが、この成長スピードを考えると、少数のハンターを使っての作戦としては今回が最初で最後のチャンスだろうな。こんなデカ物が成長しきったら相当の覚悟をもってあたらなくてはならん。それこそ、戦争レベル……特攻か――」
「なにか?」
「むかし、戦史の授業で習った戦闘――と呼んでいいのかもわからんがな――のことを思い出しただけだ」
ああ、そうかと記憶の古い層にあった知識を思い出した。
「我が方が攻める側になれるのが唯一の強みですか? 覚悟が必要ですね」
戦史の教科書であったろうか、戦艦へ襲いかかる、多数の敵国の航空兵器の写真が頭に浮かぶ。
「ああ、生半可な戦力では話にならん。外から正攻法で攻めるか……絡め手として内部潜入を試みるか……――。こんなトゲトゲしい銃器で固められた化け物が相手となると、それこそ、かつての海戦なはやかりし時代の大乱戦が予想されるだろうな。中に入っての破壊工作は動力源に達して爆弾でも設置することができればいいのだが――残念なことに、この化け物船の中身の情報なしだ。かなりリスクのある作戦となるな」
いらただしげにタバコをくわえ、ポケットを探り、相手を見る。
「あ、火はないですよ」
禁煙世代は、さらりと返し、ふと、こんなことを口にした。
「おや、まってください――これから打ち出される歪虚というのは――」
くわえかけたタバコが口から落ちた。
「爆発物の集団だ!」
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
「来ました!?」
上空に黒い点が見えた。
ひとつ、ふたつ――三つ?!
轟音とともに地上に衝撃波が走り、土煙があがる。
戦士たちは建物につかまって、飛ばされないように体を縮める。
家々の屋根が吹き飛ぶ。
「街のどまんなかかよ」
舌打ちをしながら爆心地を睨んだ。
歪虚、飛来。
そして、爆心の中からあらわれたのは鉄鎧の歪虚ども。
クレーターの中から這い出てきた鉄の鎧を着込んだ歪虚どもは、それぞれ別の方向へ向けて歩き始める。
「行かせるか!?」
戦士たちが突撃をかける。
戦い、傷つき、それでも街の人々を守ろうと身を削る。
歪虚に確かに傷を与え、ついに一体の歪虚にとどめをさした。
その瞬間、視覚をつぶすほどの閃光、耳をつんざくほどの爆音とともに歪虚が爆発した。
「――なんだ、と」
仲間たちの体が吹き飛ぶ。
つづいて、もう一体が爆発した。
周囲の建物ごと、今度は街の一角を消し去ったのだ。
その時、かれらは自分たちの過ちに気がついた。
そして、それはあまりにも遅い気づきであった。
最後の一体がのっそりと、街のシンボルである集会場の扉をたたき割った。
「ひぇぇえ!?」
逆光に浮かんだ歪虚の姿に悲鳴があがり、建物に隠れていた人々が叫びながら我先に奥へと逃げ出す。
そして、真っ赤に輝いたたまま建物に乗り込んだ歪虚は――
「やめろぉぉぉぉ――!?」
建物の中で赤く輝いて破裂した。
●
「これで何カ所目だ!?」
叩きつけた拳に、ハンターオフィスのテーブルが悲鳴をあげる。
歪虚による遠方からの砲撃と、その後の爆発が、ここ数日でどれほどの被害を出したろうか。正確な資料は現在、別部署がまとめているが、目にするのもいやになるほどのものであろう。
歪虚に対抗すること自体は問題はない。
それが、ハンターの仕事だ。
問題は、その砲弾が歪虚であって、目的地に到着後に自立移動、そして爆発を起こすということである。
「つまり、事前に情報収集の必要のない精密誘導兵器というわけですね」
秘書が要点を言い直す。
「撃ちっ放しただけで、あとは目的を達成してくれる便利な銃弾さ」
史上、幾度、流れ弾による将軍の負傷、あるいは暗殺により戦況が混乱したことがあったろうか。とりわけ、現在のような戦争状態にあっては、戦線の危ういバランスが崩れたとき、一気に戦況が悪化する可能性は否定できない。
しょせん戦いは正と虚の絡め手だ。
たとえば、今回の敵と同じような存在として人間側にも特殊部隊が存在する。
「ただ、特殊部隊の強襲よりも始末が悪いのは、それだけの価値のある兵を歪虚は爆破テロに使えるということだよ――」
能力と経験をかねた兵士を育てる時間とコストを考えると、特殊部隊をただの捨て駒にできるような上官は存在しない。その意味において、今回の敵の攻撃は人間では決してできない手である。だからこそ、歪虚は人間でない――その当たり前のことを今更ながらに思い出さずにはいられなかった
●
「それで、これは?」
数枚の写真を見ながら別の一室では会議が行われていた。
「情報部がもたらしたものだ。それで、これが、例のミサイル型の歪虚を打ち出している本体だ」
「本体?」
「いや、発射装置といった方が正しいな。歪虚といっても、別々の存在かもしれんしな」
写真に写った歪虚は、戦艦に似ているだろうか。
巨大な砲門らしきものが全身をつつみ、まるで剣山か海胆である。
これが海上を移動しながら、地上へ向かって砲撃を行っているらしい。
海上移動の可能な、巨大な砲台。
まず、それがどこにあるのかを発見しなくてはならない。だからこそ、各国もギルドも爆弾歪虚の対応が遅れてしまっている。
それにしても写真ごとに、その砲門の数が違っているのはどういうことだろうか。
「成長中だそうだ」
つまらなそうに上司が言う。
成長中――とは、まるで生き物のような物言いだ。もっとも、これは歪虚なのだから、人間の技術で考えるのはおかしいことかもしれない。
「――まだ未完成ということですか?」
「わからん。ただ、事実を述べたまでだ。評価は――これから、でるさ」
書類をテーブルに投げつける。
「これは攻撃作戦ですか?」
「作戦書類といっても検討段階に入ったという程度ものだがな。まだ、作戦の内容自体が決まってない」
「難題ですね」
「いつものことだ。だが、この成長スピードを考えると、少数のハンターを使っての作戦としては今回が最初で最後のチャンスだろうな。こんなデカ物が成長しきったら相当の覚悟をもってあたらなくてはならん。それこそ、戦争レベル……特攻か――」
「なにか?」
「むかし、戦史の授業で習った戦闘――と呼んでいいのかもわからんがな――のことを思い出しただけだ」
ああ、そうかと記憶の古い層にあった知識を思い出した。
「我が方が攻める側になれるのが唯一の強みですか? 覚悟が必要ですね」
戦史の教科書であったろうか、戦艦へ襲いかかる、多数の敵国の航空兵器の写真が頭に浮かぶ。
「ああ、生半可な戦力では話にならん。外から正攻法で攻めるか……絡め手として内部潜入を試みるか……――。こんなトゲトゲしい銃器で固められた化け物が相手となると、それこそ、かつての海戦なはやかりし時代の大乱戦が予想されるだろうな。中に入っての破壊工作は動力源に達して爆弾でも設置することができればいいのだが――残念なことに、この化け物船の中身の情報なしだ。かなりリスクのある作戦となるな」
いらただしげにタバコをくわえ、ポケットを探り、相手を見る。
「あ、火はないですよ」
禁煙世代は、さらりと返し、ふと、こんなことを口にした。
「おや、まってください――これから打ち出される歪虚というのは――」
くわえかけたタバコが口から落ちた。
「爆発物の集団だ!」
解説
戦艦歪虚の破壊が目的となります。
他方面の作戦が優先されるため、今回の作戦に投入できるだけの戦力では、正面からの攻略は不可能と判断します。
そこで内部からの破壊工作を提案させていただきます。
外部からの攻撃による牽制と、内部侵入による破壊工作を同時に行うタイトな作戦となります。兵器庫、休憩室等にいるであろう銃弾歪虚の撃破、そして脱出を目指してください。
危険な作戦となりますが、みなさんのご武運をお祈りしております。
他方面の作戦が優先されるため、今回の作戦に投入できるだけの戦力では、正面からの攻略は不可能と判断します。
そこで内部からの破壊工作を提案させていただきます。
外部からの攻撃による牽制と、内部侵入による破壊工作を同時に行うタイトな作戦となります。兵器庫、休憩室等にいるであろう銃弾歪虚の撃破、そして脱出を目指してください。
危険な作戦となりますが、みなさんのご武運をお祈りしております。
マスターより
週末ばかり雨予報になるのはどうしてでしょうか? おバイクできないです。というわけで(どういうわけだ)映画でよくある難攻不落の要塞を攻略するタイプのシナリオとなります。外と中の人数配分にはお気をつけください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/08/01 01:17
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 クリスティア・オルトワール(ka0131) 人間(クリムゾンウェスト)|22才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2019/07/24 00:12:33 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/07/22 23:53:30 |