ゲスト
(ka0000)
【血断】ユニオン・ラストリプレイ
マスター:KINUTA

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
- 現在12人 / 3~12人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 7日
- プレイング締切
- 2019/07/30 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/08/13 19:00
オープニング
●ただ一人のマゴイ
邪神との戦いを通じてクリムゾンウェストは、それが一体どういう存在なのかについて、より正確に知るための情報を多々得ることが出来た。
それらをもとにμ・F・92756471・マゴイは、改めて一人会議をした。そして、以下の結論に行き着いた。
反影作戦において消滅した異界は、実のところ本当に消えたのではない。ただ邪神の体内宇宙へ戻って行っただけなのだ――と。
『……ユニオンは……まだ存在している……?』
3世界共同の突入作戦によってハンターたちは、体内宇宙に侵入を果たすという。そしてその中にあるさまざまな異界に、邪神離反への働きかけを行うという。
ということは、もしかしたら彼らが再びユニオンを見つけることもあるかもしれない。ユニオンの人々に会うことがあるかもしれない。
『……ウテルス……α……』
マゴイは自分も行きたいと思った。本当の最後にユニオンを見たかったし、αにも会ってみたかった。
だけどそれは出来ないことだとも理解していた。自分は新しいユニオン――ユニゾンを離れてはいけない。ユニゾンを守らなければならない。今いる市民のために、これからやってくるだろう市民のために、新しく生まれてくるだろう市民のために。
『……仕方が……ないのね……』
ぽつりと呟いて彼女は、再び考える。黒い瞳を潤ませて。
初対面のハンターたちが(彼らの認識ではそうなるはずだ。記憶が持続しないのだから)いきなり訪ねて行ったところで、ユニオンは扉を開かない。彼らを不審者としか見なさない。そこは自分が一番よく分かっている。
今ここにあるユニオンの名において、優良外部者証明書と滞在許可証を作成し、彼らに渡してやらなければなるまい。そうすれば入国だけはすんなり出来るはずだ。
工業地区で作った製品――皿とかカップとか、手軽なものを持って行ってもらおう。それから、市民募集のパンフレットも。
それを見れば皆、ここにユニオンがあることを信じてくれるだろう。
αが新しいユニオンを認めてくれたら、その存在を喜んでくれたら、ほんとうに、ほんとうによかったのだけれど。
●ただ一人のステーツマン
α・M・8658236・ステーツマンはタワーの天辺から町を見下ろしていた。
邪神が倒されるのか、3世界が倒されるのか。
今のところ確率は五分五分だ。
ステーツマン自身は後者に賭けたい気持ちが強い。
もし3世界が敗れたなら、クリムゾンウェストはこの世界同様、ループに飲み込まれる。その際にはμもシェオル化を起こすだろう。であれば自分と同質のものとして、また会うことが可能かもしれない。
(まあ、前者だとして、彼女が消える可能性もなくはないがね……この世界にもあの時死んだ市民が、全員揃っているわけでないし)
倦怠を滲ませながらステーツマンは、この巻き戻しが始まる直前――そう、彼の主観的にはたった今起きたことだ――のことを苦々しく思い起こす。
マゴイたちは自分に従っているのではない。ユニオン法に従っているのだ。法に合致しない行動をする者をステーツマンとは認めない。だから、言うことを聞かなくなる。
彼らは自分という個人を必要としているわけではない。
……もうおぼろげだが、昔死んだとき、同じことを考えたような気がする。
(私も長く生き過ぎて、焼きが回っていたようだ。それを忘れるなんてね)
●ワーカーたちとソルジャーたち
その日、ユニオンは上を下への大騒ぎになっていた。
「えっ!?」
「おっ!?」
「あっ!?」
朝起きてみたら、青空(結界の表面に貼られた偽物の青空だが)に、突如複数の映像が浮かんできたのだ。
彼らは知らなかったが、それは、邪神の体内宇宙に突入したハンターたちが戦う姿だった。
ワーカーたちは大いに困惑し、ソルジャーに尋ねる。
「あれなんや」「どうしたんだ」
しかしソルジャーも分からない。
「さあ……まあ待て、そのうちアナウンスがあるだろう」「なければマゴイに聞いてこよう」
折よく辻辻のウォッチャーが、一斉に喋り始めた。
【市民の皆さん、落ち着いてください。今空に見えている映像は突発的な通信回路混線によるものです。皆さんはどうぞ気にせず、いつも通りでいてください。ユニオンは今日も一日あなたが幸福である権利を保障いたします。】
かくして安心感を得たワーカーとソルジャーたちは日常業務に戻る。
●マゴイたち
マゴイの発行した書簡のお陰でハンターたちは、すんなりユニオンに入ることが出来た。
ウテルスが既に臨終済みであることを知り意気消沈していた彼らは、異世界において新しいユニオンを建設されている話を証拠物件つきで聞かされたことで、おおいに気を取り直していた。
「ユニオンが存続している……」「ウテルスは生きている……」「μ・F・92756471・マゴイはとてもよいことをしてくれている……」
これならすんなり話が進みそうだ……と思ったハンターたちだが、甘かった。
対邪神戦争への協力を要請した途端彼らは、難色を示し始めたのである。
「……私たちは邪神を倒すための戦いに参加すべきでしょうか。このことについて、意見を求めます……」
「……参加は認められません。なぜならそれは、軍事協力になるからです。ユニオン法はそれを禁止しています。法に反することはしてはいけません。このことについて意見を求めます……」
「……確かに法に反することは疑いようがありません。であれば、私たちはそれをなすべきではありません。このことについて意見を求めます……」
「……これは、超法規的措置の範囲内の話となるのではないでしょうか。このことについて意見を求めます……」
「……そのことに異論はありません。まず私たちは手分けして、この件に関する対処について幾つかの案をまとめましょう。それから、ステーツマンに裁定を求めましょう。このことについて意見を求めます……」
「「「……異論はありません、そうしましょう……」」」
意見の一致を見たところでマゴイたちは、それぞれ組に分かれ、数多の会議室に散っていこうとする。
「い……いやちょっと待て、そんなことしている時間はないんだ!」
「今ここで決めてくれ!」
ハンターたちが彼らを引きとめようとしたところで、ステーツマンがやってきた。
「何の騒ぎかね」
マゴイに超法規的措置の許可を出せるのは彼だけだ。
しかし彼本人は、それをする気が全然なかったりした。
……ハンターたちはあずかり知らぬことであるが、実のところユニオン史上、超法規的措置が許可された例はただの一度もない。
文字通り滅びにいたるまで、法に忠実であったのである。
邪神との戦いを通じてクリムゾンウェストは、それが一体どういう存在なのかについて、より正確に知るための情報を多々得ることが出来た。
それらをもとにμ・F・92756471・マゴイは、改めて一人会議をした。そして、以下の結論に行き着いた。
反影作戦において消滅した異界は、実のところ本当に消えたのではない。ただ邪神の体内宇宙へ戻って行っただけなのだ――と。
『……ユニオンは……まだ存在している……?』
3世界共同の突入作戦によってハンターたちは、体内宇宙に侵入を果たすという。そしてその中にあるさまざまな異界に、邪神離反への働きかけを行うという。
ということは、もしかしたら彼らが再びユニオンを見つけることもあるかもしれない。ユニオンの人々に会うことがあるかもしれない。
『……ウテルス……α……』
マゴイは自分も行きたいと思った。本当の最後にユニオンを見たかったし、αにも会ってみたかった。
だけどそれは出来ないことだとも理解していた。自分は新しいユニオン――ユニゾンを離れてはいけない。ユニゾンを守らなければならない。今いる市民のために、これからやってくるだろう市民のために、新しく生まれてくるだろう市民のために。
『……仕方が……ないのね……』
ぽつりと呟いて彼女は、再び考える。黒い瞳を潤ませて。
初対面のハンターたちが(彼らの認識ではそうなるはずだ。記憶が持続しないのだから)いきなり訪ねて行ったところで、ユニオンは扉を開かない。彼らを不審者としか見なさない。そこは自分が一番よく分かっている。
今ここにあるユニオンの名において、優良外部者証明書と滞在許可証を作成し、彼らに渡してやらなければなるまい。そうすれば入国だけはすんなり出来るはずだ。
工業地区で作った製品――皿とかカップとか、手軽なものを持って行ってもらおう。それから、市民募集のパンフレットも。
それを見れば皆、ここにユニオンがあることを信じてくれるだろう。
αが新しいユニオンを認めてくれたら、その存在を喜んでくれたら、ほんとうに、ほんとうによかったのだけれど。
●ただ一人のステーツマン
α・M・8658236・ステーツマンはタワーの天辺から町を見下ろしていた。
邪神が倒されるのか、3世界が倒されるのか。
今のところ確率は五分五分だ。
ステーツマン自身は後者に賭けたい気持ちが強い。
もし3世界が敗れたなら、クリムゾンウェストはこの世界同様、ループに飲み込まれる。その際にはμもシェオル化を起こすだろう。であれば自分と同質のものとして、また会うことが可能かもしれない。
(まあ、前者だとして、彼女が消える可能性もなくはないがね……この世界にもあの時死んだ市民が、全員揃っているわけでないし)
倦怠を滲ませながらステーツマンは、この巻き戻しが始まる直前――そう、彼の主観的にはたった今起きたことだ――のことを苦々しく思い起こす。
マゴイたちは自分に従っているのではない。ユニオン法に従っているのだ。法に合致しない行動をする者をステーツマンとは認めない。だから、言うことを聞かなくなる。
彼らは自分という個人を必要としているわけではない。
……もうおぼろげだが、昔死んだとき、同じことを考えたような気がする。
(私も長く生き過ぎて、焼きが回っていたようだ。それを忘れるなんてね)
●ワーカーたちとソルジャーたち
その日、ユニオンは上を下への大騒ぎになっていた。
「えっ!?」
「おっ!?」
「あっ!?」
朝起きてみたら、青空(結界の表面に貼られた偽物の青空だが)に、突如複数の映像が浮かんできたのだ。
彼らは知らなかったが、それは、邪神の体内宇宙に突入したハンターたちが戦う姿だった。
ワーカーたちは大いに困惑し、ソルジャーに尋ねる。
「あれなんや」「どうしたんだ」
しかしソルジャーも分からない。
「さあ……まあ待て、そのうちアナウンスがあるだろう」「なければマゴイに聞いてこよう」
折よく辻辻のウォッチャーが、一斉に喋り始めた。
【市民の皆さん、落ち着いてください。今空に見えている映像は突発的な通信回路混線によるものです。皆さんはどうぞ気にせず、いつも通りでいてください。ユニオンは今日も一日あなたが幸福である権利を保障いたします。】
かくして安心感を得たワーカーとソルジャーたちは日常業務に戻る。
●マゴイたち
マゴイの発行した書簡のお陰でハンターたちは、すんなりユニオンに入ることが出来た。
ウテルスが既に臨終済みであることを知り意気消沈していた彼らは、異世界において新しいユニオンを建設されている話を証拠物件つきで聞かされたことで、おおいに気を取り直していた。
「ユニオンが存続している……」「ウテルスは生きている……」「μ・F・92756471・マゴイはとてもよいことをしてくれている……」
これならすんなり話が進みそうだ……と思ったハンターたちだが、甘かった。
対邪神戦争への協力を要請した途端彼らは、難色を示し始めたのである。
「……私たちは邪神を倒すための戦いに参加すべきでしょうか。このことについて、意見を求めます……」
「……参加は認められません。なぜならそれは、軍事協力になるからです。ユニオン法はそれを禁止しています。法に反することはしてはいけません。このことについて意見を求めます……」
「……確かに法に反することは疑いようがありません。であれば、私たちはそれをなすべきではありません。このことについて意見を求めます……」
「……これは、超法規的措置の範囲内の話となるのではないでしょうか。このことについて意見を求めます……」
「……そのことに異論はありません。まず私たちは手分けして、この件に関する対処について幾つかの案をまとめましょう。それから、ステーツマンに裁定を求めましょう。このことについて意見を求めます……」
「「「……異論はありません、そうしましょう……」」」
意見の一致を見たところでマゴイたちは、それぞれ組に分かれ、数多の会議室に散っていこうとする。
「い……いやちょっと待て、そんなことしている時間はないんだ!」
「今ここで決めてくれ!」
ハンターたちが彼らを引きとめようとしたところで、ステーツマンがやってきた。
「何の騒ぎかね」
マゴイに超法規的措置の許可を出せるのは彼だけだ。
しかし彼本人は、それをする気が全然なかったりした。
……ハンターたちはあずかり知らぬことであるが、実のところユニオン史上、超法規的措置が許可された例はただの一度もない。
文字通り滅びにいたるまで、法に忠実であったのである。
解説
補足説明
これは、邪神体内宇宙に存在する一世界「ユニオン」から対邪神戦への協力を得ることを目的とするシナリオです。
成功すれば、ソルジャーとマゴイの一定数が邪神戦線に合流し、一緒に戦ってくれることになります。
ユニオンは一国平和主義。他の主権国と軍事同盟を組むことも、軍事行動を行うことも、軍事品の共同開発をすることも禁じています。それに類する行動は全て「超法規的措置」という形を取ることになります。
超法規的措置の許可を出せるのは、この世界の最高位にある存在「ステーツマン」だけ。
しかし彼はハンターに協力する気がさらさらありません。
「こいつら負ければいいのに」とか内心思っています。今しがた戦っていたばかり(彼の身体感覚的には、反映作戦のラストから間をおかず、またリプレイが始まったという感じです)なので、そこそこ気も立っています。
ステーツマンを激怒させると蟻化して襲ってきます。その際はソルジャーも襲ってきます。
そうこうしているうちに一定時間が過ぎればウテルスが泣き出し、マゴイたちはなだめに行き、そして全滅します。そのあたりの流れは、「【反影】イントゥ・ザ・ユニオン」「【反影】アウトサイド・ユニオン」「【反影】エンド・オブ・ザ・ユニオン」を参考にしてください(それら3シリーズの補完シナリオとして、「南海の島を探れ」「英霊マゴイは不調です」があります)。
そうなった場合は依頼失敗。ハンターたちは一目散に崩壊する世界から離脱するという、誰も得しないラストになります。
皆様ネゴシェーターになった気持ちで、挑んでくださいませ。
これは、邪神体内宇宙に存在する一世界「ユニオン」から対邪神戦への協力を得ることを目的とするシナリオです。
成功すれば、ソルジャーとマゴイの一定数が邪神戦線に合流し、一緒に戦ってくれることになります。
ユニオンは一国平和主義。他の主権国と軍事同盟を組むことも、軍事行動を行うことも、軍事品の共同開発をすることも禁じています。それに類する行動は全て「超法規的措置」という形を取ることになります。
超法規的措置の許可を出せるのは、この世界の最高位にある存在「ステーツマン」だけ。
しかし彼はハンターに協力する気がさらさらありません。
「こいつら負ければいいのに」とか内心思っています。今しがた戦っていたばかり(彼の身体感覚的には、反映作戦のラストから間をおかず、またリプレイが始まったという感じです)なので、そこそこ気も立っています。
ステーツマンを激怒させると蟻化して襲ってきます。その際はソルジャーも襲ってきます。
そうこうしているうちに一定時間が過ぎればウテルスが泣き出し、マゴイたちはなだめに行き、そして全滅します。そのあたりの流れは、「【反影】イントゥ・ザ・ユニオン」「【反影】アウトサイド・ユニオン」「【反影】エンド・オブ・ザ・ユニオン」を参考にしてください(それら3シリーズの補完シナリオとして、「南海の島を探れ」「英霊マゴイは不調です」があります)。
そうなった場合は依頼失敗。ハンターたちは一目散に崩壊する世界から離脱するという、誰も得しないラストになります。
皆様ネゴシェーターになった気持ちで、挑んでくださいませ。
マスターより
KINUTAです。
これが本当に、ユニオンを見る最後です。
マゴイさんが来れないのは残念ですが、世界の壁が越えられない為、いたし方ございません。
ステーツマンには、最後くらいちょっとはいいことしてから成仏願いたいところ。
本人はそうしたがってないみたいですけど、反影ラストの延長のまま逝かれてしまうと、マゴイさんが相当しょんぼりしてしまいます。
質問があった場合を鑑み、スペットを置いておきます。
これが本当に、ユニオンを見る最後です。
マゴイさんが来れないのは残念ですが、世界の壁が越えられない為、いたし方ございません。
ステーツマンには、最後くらいちょっとはいいことしてから成仏願いたいところ。
本人はそうしたがってないみたいですけど、反影ラストの延長のまま逝かれてしまうと、マゴイさんが相当しょんぼりしてしまいます。
質問があった場合を鑑み、スペットを置いておきます。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/08/06 23:33
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/07/28 17:50:48 |
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相談卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2019/07/28 18:01:14 |