●ハンドアウト
　あなたたちは、グラウンド・ゼロで歪虚の群を減らしていたハンターです。
　不幸な偶然（味方のファンブル）ややばい偶然（敵のクリティカル）が重なり、あなたたちは窮地に立たされてしまいました。
　スキルの回数は元々ある回数の半分くらい残っていますが、問題は別にあります。不幸な偶然とやばい偶然が重なったため、現在全員の生命力が残り二割になってしまったのです。
　この不幸な偶然とやばい偶然がここまで重なった辺り、「回避すれば大丈夫！」とか「防御すれば大丈夫！」とか言ってる場合ではありません。
　重傷者が出る……口には出しませんでしたがあなたたちの間に、そんな嫌な確信が広がりました。

　その時です。魔導トラックのエンジン音がしました。バイクの排気音も混ざっています。

「お迎えだよ！！！」
　トラックとバイクが二台ずつ、あなたたちめがけて走ってきました。片方はアジア系の女性が、もう片方はヨーロッパ系の少年が運転しています。
「荷台に二人ずつ乗れ！」
　荷台に乗った金髪の符術師が荷台を開けました。そうこうしている内に、バイクの片方がファイアーボールで、もう片方がファイアスローワーであなたたちに迫る歪虚を焼き払いました。その隙に、あなたたちはトラックの荷台に乗り込みます。
「大丈夫ですか？」
　聖導士の男の子があなたたちに手を貸します。もう一人、眼鏡の魔術師が電撃を歪虚に向けて放ちました。
「エド、出せ！」
「曹長、出発してくれ！」
　トラックが急発進しました。

●ハンドアウト2
　あなたは、アジア系の女性が運転するトラックに乗り込んだハンターです。
　体格の良い、亜麻色の髪をした、恐らく司祭の聖導士が、転げそうになるあなたの体を支えます。
「大丈夫ですか？　ああ、酷いお怪我をされていますね、今回復を……あ、ちょっと待って。ヴィル！　マシューさん！　七時の方向から近づいてる！」
『了解。私が行きましょう。爆破します』
　ファイアーボールが飛びました。クラゲに似た歪虚の脚が千切れて飛び散り、
「うわあ」
　亜麻色の聖導士の顔にべっちゃりと貼り付きました。彼はそれを引きはがして荷台の外に放り出します。
「いや、失礼しました。今回復しますね」
「おいハンク！　そっちの防御大丈夫か!?　瑞鳥符ならどうにか届くかもしれねぇ！」
「どうにかします！！！！　ジョンが！！！」
「僕か!?　ていうかエド！　もっと安全運転できないのか!?」
『ナンシーにも言えよな！』
『安全運転すると追いつかれるよ』
「……諦めます」
『おい、ジョン、何で俺とナンシーでそんなに態度違うんだよテメェ！！！』
「自分の胸に聞いてみろ！」
　あなたの近くではそんなやりとりが交わされています。ひとまず危機は脱したんだ……と思ったあなたは、荷台から後ろを見ました。たくさんの小型狂気が追い掛けてきます。
「ご無理がなければ、一緒に戦って頂けませんか？」
　亜麻色の聖導士があなたに囁きます。あなたは頷きました。

　さあここからが本番。撤退戦の始まりです。

●目的
歪虚の群から逃げる
（助け出されたい方向けのシナリオです。RP推奨）

●今回に限った特別ルール
PCはいずれも、「スキル回数が半分（端数切り捨て）」、「生命力が80％減少」の状態からスタートするものとする。
どちらかのトラック荷台に乗ることになる。2名ずつ。
運転手は「エド」と「ナンシー」。


●敵情報
小型狂気（クラゲ型）×50
触腕による殴打やビームを放ちます。頭部分の防御力が高め。

●Q&A
Q.回復スキルを持っていますがどう言う扱いになりますか？
A.OP開始直前に謎のクリティカルとファンブルで全員が8割受傷したと言う扱いになります。それ以前のラウンドではちゃんと使っていました。
ただし復活スキルは一度使うと同じシナリオで復活効果が発揮できませんので「復活目的では使っていない」という扱いになります。
1回しか回数がないスキルは何もなければ「使用していない」ことにします。

Q.NPCはどうやってPCの危機を察知したの？
A.虫の知らせです。

Q.なんでPCは4人編成で来ちゃったの？
A.事前情報で敵が少ないことになっていたからです。

Q.戦闘不能で開始したいです！
A.RPの一環として採用しますが、復活スキル持ちのPCさんとの同行ならびに相談をお勧めします。復活できなければ呻いてるだけで終わります。その辺プレイングにお書きください。
NPCはリザレクションを持ってきておりません。

Q.これってPCも死ぬほど頑張らないといけないですか？
A.RP推奨ですし、基本的に元気なNPCが頑張るのでよっぽどのことがなければ失敗もしません。ですが攻撃行動を制限するわけではないので行動については自由です。ハンドアウトには戦って欲しいに頷いていますが、その辺はさらっとなかったことにします。もちろんこれにどなたかが乗っかって下さっても構いません。

こんにちは三田村です。
いつも助けに入ってばかり！　PCだって助けられたい！　いたわられたい！　という方向けの撤退戦シナリオとなります。
面識あってもなくても「怖かったよ～！」って言えばNPCは全力で慰めます。

NPCと縁があってもなくても大歓迎。お待ちしています。