ゲスト
(ka0000)
白の海獣
マスター:まれのぞみ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/08/07 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/08/16 19:00
オープニング
「面舵いっぱい」
それに気がついて船長が叫んだ。
●
それは、海戦での出来事だった。
歪虚の艦船とハンターたちの艦船の、複数の入り乱れた戦い。
海上で風を巡って位置をとりあう帆船同士の戦い。
そんな、青の世界では、もはや見ることのできない戦いであったが、この世界ではまだ一部でも、このような古風な戦いも存在する。そして、その為の鍛錬と実戦を重ねた船員たちもいる。
だから、ハンターたちは慣れた船員を雇い、この戦いに挑んだのだ。
そして、その策ははまった。
黒の帆船に乗る歪虚たちを取り囲む。
すでにハンターたちが、敵の船に乗り込む準備をはじめる。
帆船の戦いにおいて決定的な勝利を得るのは火力ではない。
敵の船に乗り込み勝利を決する――そうなる、はずだった――
そうはさせない……――音……――弦の音――
聞こえてきた場違いな音。
不気味ないななき、
剣戟の音が消える。
黒の帆船の先に、マント姿があった。
手には竪琴のような楽器をもち、再び、それをかき鳴らす。海がいななき、唸り声をあげた。
突然――海上に水の柱があらわれ、海が割れ、白い巨大な生物――鯨だろうか――が海域にあらわれたのだ。
「避ける!?」
帆船が急に向きを変え、人と歪虚の船は左右へ分かれた。
巨大な異物の侵入によって、戦況は一転した。
乱戦状態であった船と船の距離が離れたのだ。
互いに大砲を撃ち合うが、上下する波のせいで当たらない。
そのとき、白い巨体――やはり、歪虚なのだろうか――がハンターたちの船に突進をしかけてきた。
「つかまれ!?」
船長が叫び、船員はもちろんハンターたちも船の各所にしがみつく。
巨大な波とともに船のどてっぱらに、その巨大な何かがぶつかった。
そして、船が傾く。
音がした――
「弦の音?」
海の獣は歪虚の船を守るようにして、海へ戻っていった
●
遠く――視野を一度、空を飛ぶものの視点まであげてみよう。
白い雲の上から見下ろすと、青い大海は、ただ広く、丸みをおびた水平線が四方に見え、ここが、まさに海上であることを物語っている。
そんな中にあって炎でけぶる船々は小さな点。
傾いた船と、海へ投げ出された仲間を救助に向かっている小舟が何艘も見える。
大船は、なおも武装は解いていないが、その場の空気は、すでに、戦いは終わったものとハンターたちが感じているものであった。
実際、漆黒の船々は遠く離れていく。
普段であるのならば、これが勝機とみて陸戦部隊を敵の船の甲板に乗り込ませるのが勝利の定石。それをすることもなく引き、さらに一隻、一隻のスピードはまばらで、あるいは見ればこちらも各所から煙が昇っていることが確認できる。海の獣の介入で勝ちを拾ったように見えても、歪虚の側も無傷というわけにはいかなかったようだ。
戦いは決せず――もしも、この次の戦いなるものが存在するとするのならば、その戦いにのいかんにより、後世の歴史家なる存在は、この戦いの価値を百八十度、異なったものとして記述することになるであろう。
●
風が変わる。
日が西に傾いた。
戦場から、それほど離れていない海域に緑の島がある。
三日月のような形をしていて、島の大半は島と緑の森が占め、広い湾は白い浜である。
ぽつりと存在する島は、孤島ではあるが、水のとれる貴重な島なので船人たちには忘れられることのない。ただ、遠浅の砂浜がつづくため港として使うには適していないので、戦艦などの本船は沖合いに碇を卸し、小舟で上陸することとなる。
バカンスにいい場所なので、ここをリゾート地として開発しようかという話もないではないが、現在の人類の存亡を賭けた戦争状況では夢物語だ。
そんな浜辺では、遠い昔からそうであったように、きょうも大人にまじって、まだ年端も行かない子供たちまでもが地引き網を引っ張っている。
威勢のいい声に引っ張られ、砂浜にあがった網。近くで控えていた女たちが近づき、網に挟まった魚を腰の籠にいれると、おしゃべりをしながら村へと戻っていく。
村では食事のの煙がたっている。
遠浅の海は夕日で赤く照り、日に焼けた浅黒い肌の男たちが、素朴な祈りを、きょうの糧をくれた海へと捧げていた。
それに気がついて船長が叫んだ。
●
それは、海戦での出来事だった。
歪虚の艦船とハンターたちの艦船の、複数の入り乱れた戦い。
海上で風を巡って位置をとりあう帆船同士の戦い。
そんな、青の世界では、もはや見ることのできない戦いであったが、この世界ではまだ一部でも、このような古風な戦いも存在する。そして、その為の鍛錬と実戦を重ねた船員たちもいる。
だから、ハンターたちは慣れた船員を雇い、この戦いに挑んだのだ。
そして、その策ははまった。
黒の帆船に乗る歪虚たちを取り囲む。
すでにハンターたちが、敵の船に乗り込む準備をはじめる。
帆船の戦いにおいて決定的な勝利を得るのは火力ではない。
敵の船に乗り込み勝利を決する――そうなる、はずだった――
そうはさせない……――音……――弦の音――
聞こえてきた場違いな音。
不気味ないななき、
剣戟の音が消える。
黒の帆船の先に、マント姿があった。
手には竪琴のような楽器をもち、再び、それをかき鳴らす。海がいななき、唸り声をあげた。
突然――海上に水の柱があらわれ、海が割れ、白い巨大な生物――鯨だろうか――が海域にあらわれたのだ。
「避ける!?」
帆船が急に向きを変え、人と歪虚の船は左右へ分かれた。
巨大な異物の侵入によって、戦況は一転した。
乱戦状態であった船と船の距離が離れたのだ。
互いに大砲を撃ち合うが、上下する波のせいで当たらない。
そのとき、白い巨体――やはり、歪虚なのだろうか――がハンターたちの船に突進をしかけてきた。
「つかまれ!?」
船長が叫び、船員はもちろんハンターたちも船の各所にしがみつく。
巨大な波とともに船のどてっぱらに、その巨大な何かがぶつかった。
そして、船が傾く。
音がした――
「弦の音?」
海の獣は歪虚の船を守るようにして、海へ戻っていった
●
遠く――視野を一度、空を飛ぶものの視点まであげてみよう。
白い雲の上から見下ろすと、青い大海は、ただ広く、丸みをおびた水平線が四方に見え、ここが、まさに海上であることを物語っている。
そんな中にあって炎でけぶる船々は小さな点。
傾いた船と、海へ投げ出された仲間を救助に向かっている小舟が何艘も見える。
大船は、なおも武装は解いていないが、その場の空気は、すでに、戦いは終わったものとハンターたちが感じているものであった。
実際、漆黒の船々は遠く離れていく。
普段であるのならば、これが勝機とみて陸戦部隊を敵の船の甲板に乗り込ませるのが勝利の定石。それをすることもなく引き、さらに一隻、一隻のスピードはまばらで、あるいは見ればこちらも各所から煙が昇っていることが確認できる。海の獣の介入で勝ちを拾ったように見えても、歪虚の側も無傷というわけにはいかなかったようだ。
戦いは決せず――もしも、この次の戦いなるものが存在するとするのならば、その戦いにのいかんにより、後世の歴史家なる存在は、この戦いの価値を百八十度、異なったものとして記述することになるであろう。
●
風が変わる。
日が西に傾いた。
戦場から、それほど離れていない海域に緑の島がある。
三日月のような形をしていて、島の大半は島と緑の森が占め、広い湾は白い浜である。
ぽつりと存在する島は、孤島ではあるが、水のとれる貴重な島なので船人たちには忘れられることのない。ただ、遠浅の砂浜がつづくため港として使うには適していないので、戦艦などの本船は沖合いに碇を卸し、小舟で上陸することとなる。
バカンスにいい場所なので、ここをリゾート地として開発しようかという話もないではないが、現在の人類の存亡を賭けた戦争状況では夢物語だ。
そんな浜辺では、遠い昔からそうであったように、きょうも大人にまじって、まだ年端も行かない子供たちまでもが地引き網を引っ張っている。
威勢のいい声に引っ張られ、砂浜にあがった網。近くで控えていた女たちが近づき、網に挟まった魚を腰の籠にいれると、おしゃべりをしながら村へと戻っていく。
村では食事のの煙がたっている。
遠浅の海は夕日で赤く照り、日に焼けた浅黒い肌の男たちが、素朴な祈りを、きょうの糧をくれた海へと捧げていた。
解説
先の海戦の結果、深い海では、あの鯨型の歪虚と戦うことは不利という判断がおりました。そこで、策を改め、待ち伏せを行い、敵の艦船を発見しだい――幸い、敵の目的とするであろう都市へ攻めようとするのならば、この海域を通過せねばなりません――歪虚を近くの浅い海へ誘導し、動きを封じたところで戦闘を挑むという二段階だてとなります。
問題は、あの白い海の獣をどうやって引っ張ってくるかですが……
問題は、あの白い海の獣をどうやって引っ張ってくるかですが……
マスターより
夏だ! 海だ!? でも戦闘だ。というわけで、いかにも夏向けのシナリオですよぉ(棒読み
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/08/15 01:34
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 ミグ・ロマイヤー(ka0665) ドワーフ|13才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2019/08/06 23:12:49 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/08/06 22:45:10 |