ゲスト
(ka0000)
【血断】小さな島の、小さな戦い
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2019/08/12 22:00
- リプレイ完成予定
- 2019/08/21 22:00
オープニング
●それは突然に始まる戦い
南海の一角。
おしゃべり好きな人魚たちが海中に群れ集い、世間話をしている。
「ハンターたちや精霊たちは、大勢グラウンド・ゼロに行ってしまっているそうよ」
「それってどんなところ?」
「ずっと乾いた陸地が広がっていて、歪虚しか住んでいないんだって」
「まあ、いやなところね。どうしてそんなところに行ったの?」
「とびきり大きくて、とびきり悪い、ファナティックブラッドという歪虚が出たそうなの。それを退治するためよ。そいつは、この世界を食べてしまおうとしているんですって」
「まあ怖い。食べられたくなんかないわね」
人間が住むところから遠く離れた場所にいるせいか、彼女らの間には、あまり細かい情報が伝わっていないようだ。
「ところでそのファナなんとかっていう歪虚は、どんな姿をしているの?」
「さあ……誰か知っている子はいる?」
「あ、私、イルカから聞いたことがあるわ。そのイルカは港近くを散歩してるとき、人間の話を聞いて知ったそうだけど。なんでも、手が一杯あるんだって」
「あら、じゃあ、タコみたいなのかしら」
「イカかもしれないわよ。手は何本なの?」
「知らないわ。でもそういえば羽も一杯ついているとか言ってたかも」
「ええっ!? と、飛ぶの?」
「じゃない? 羽がついてるんだから。でも足は人間みたいに二本なんだって。それから、体中ごつごつした鱗に覆われているそうよ」
「……ねえ、鱗があるならその歪虚、もしかして泳げるんじゃない?」
「やめてよ、こわい話をするのは」
「大丈夫よ。だってついてるのは足で、私たちみたいな尾びれじゃないんでしょ? じゃあ泳いだとしても間違いなく遅いわ。なら、十分逃げられるわよ。大体泳げない生き物でも、鱗を持ってるものは山ほどいるじゃない」
「そういえばそうね」
「そうね」
人魚たちは不意に話をやめ、海面近くに上昇して行く。急に日が陰ったように思われたのだ。
顔を出してみれば、空はすっかり黒雲で覆われていた。
「やだ、さっきまで晴れてたのにねえ」
と言ったところに大粒の雨がぽつん。続いてぽつん。さらに間をおかずぽつん。
たちまち、しのつくような大降り。
人魚たちは再度海面下に潜り、スコールをやり過ごそうとした。彼女らは水中で生活するいきものであるが、雨に濡れるのはあまり好きではないのだ。
しかしそこで一人の人魚が、豪雨に沸き立つ海面の向こうに、明かりが灯っているのを見つけた。
色は赤。横並びに二つ。
「ねえ、何か向こうで光ってるよ」
「え? あら本当」
「人間の船の明かりではないかしら」
「それにしては、高いところにあり過ぎるような――」
次の瞬間明かりの方向から、強烈な熱線が飛んで来た。
熱戦が当たった海面の箇所は瞬時に煮えたぎり、水蒸気を立ちのぼらせる。
人魚の一人が火傷を負い悲鳴を上げた。
ほかの人魚はその仲間の腕を引き、素早く海中深くへ潜って行く。
それを追いかけるように赤い明かりが動き出す。変に間延びした声を上げて。
ラルーラルーラルーラルー
●雨の中の二人
にわかに空が暗くなり雨が降り出した。
見回り中であったソルジャーのジグとはアスカは港湾地区の軒下で、雨宿り。
「スコールか」
と呟いてジグは、アスカの横顔を見た。
「なあ、ちょっと宿舎に戻って休んできたらどうだ?」
「なんで?」
「いや、疲れてそうだから。体調が優れないときは休憩を取るようにって言ってただろ、マゴイ」
「……大丈夫よ、別に。もしかして歪虚が出たら、あんた1人じゃ困るでしょ?」
そっけなく言ってから彼女は、遠くを眺めた。
しばし沈黙してから、再び話し始める。
「マゴイにさ、検査してもらったのよ。そしたら私、免疫機能が急激に落ちているらしいの。そのため今後身体機能に、故障が出ることがあるだろうって。まあ、あれよ、あんたも遅かれ早かれそうなるとは思うけどさ」
ジグは言葉に詰まった。何か言いたいのに何も言えない。そんな顔で。
そこでバシャンと大きな水音。人魚たちが大挙して、水路を遡上してくる。
「精霊様、精霊様はいらっしゃいますか!」
●脅威は排除する
ソルジャーから、巨大な歪虚がユニゾン近海に出没したらしいという連絡を受けたマゴイは、急ぎユニゾンのセキュリティレベルを最高値に引き上げた。
島内に設置されたウォッチャーがいっせいに喋りだす。
【緊急災害警報が発令されました。緊急災害警報が発令されました。ワーカーの皆さん、日常業務を一時停止してください。全員最寄りの指定避難所に避難しましょう。避難訓練の通りに、ヘルメットを被り、押さないで、ゆっくり、列を作って避難しましょう。そうすれば何も危ないことはありませんので、安心してください。繰り返します――】
コボルドと人間の市民は言われた通り、大急ぎで避難所に向かう。
それを確認してマゴイは、出現したという歪虚の現在位置を確かめ、焦燥に駆られた。
歪虚はユニゾンのすぐ近くにいるのだ。しかも島の領海を取り巻く結界柱を攻撃している。
『……排除しなくては……』
彼女は急いで何をしたらいいか考えた。
とりあえずソルジャーたちのもとへ行かねばならない。
歪虚のサイズを考えるに、彼らだけでは対処が難しい。
自分はマゴイなので直接戦えないが、敵の動きを抑えることは出来る。海の上に結界を張り、足場を作ってやることも。
『……あ……その前に……ええと……そう……ハンターオフィスに連絡して……外部者であるハンターにも来てもらうことが出来れば……彼らの負担が軽減される……』
しかし今はほとんどの人手がグラウンドゼロに裂かれているはずだ。
来てくれるだろうか。そんな不安も抱きながら彼女は、とりあえず依頼を出してみることにした。
幸いカチャと何名かのハンターが、それに反応してくれた。
●開けゴマ
海面にぬっと突き出ているのは、巨大な柱。高さはざっと60メートルといったところか。1つだけではない。横一直線に間隔を置いて、無数に並んでいる。
表面に記されているのは、クリムゾンウェストで使用されている共通文字と見慣れない文字。
『この先ユニゾンの領海。オートマトンの持ち込みは禁止されています。なお所有者がおらず自立し動いているオートマトンに関しては、原則領海外での待機を求めます。』
ラルーラルーラルーラルー
シェオル「トライポッド」は間の抜けた声を上げながら、頭部から出た10本の触手を柱に巻き付けた。
彼(実際の性別は不明だが、仮にそう呼ぼう)は、ここに人為的な結界があることを理解している。
結界の中に人間が隠れていることを理解している。
攻撃したくてたまらない。その意志のもと柱に頭突きし、至近距離からビームを放つ。
これが壊れれば結界に穴が空くはずだ。そこから中に割り込めるはずだ。
南海の一角。
おしゃべり好きな人魚たちが海中に群れ集い、世間話をしている。
「ハンターたちや精霊たちは、大勢グラウンド・ゼロに行ってしまっているそうよ」
「それってどんなところ?」
「ずっと乾いた陸地が広がっていて、歪虚しか住んでいないんだって」
「まあ、いやなところね。どうしてそんなところに行ったの?」
「とびきり大きくて、とびきり悪い、ファナティックブラッドという歪虚が出たそうなの。それを退治するためよ。そいつは、この世界を食べてしまおうとしているんですって」
「まあ怖い。食べられたくなんかないわね」
人間が住むところから遠く離れた場所にいるせいか、彼女らの間には、あまり細かい情報が伝わっていないようだ。
「ところでそのファナなんとかっていう歪虚は、どんな姿をしているの?」
「さあ……誰か知っている子はいる?」
「あ、私、イルカから聞いたことがあるわ。そのイルカは港近くを散歩してるとき、人間の話を聞いて知ったそうだけど。なんでも、手が一杯あるんだって」
「あら、じゃあ、タコみたいなのかしら」
「イカかもしれないわよ。手は何本なの?」
「知らないわ。でもそういえば羽も一杯ついているとか言ってたかも」
「ええっ!? と、飛ぶの?」
「じゃない? 羽がついてるんだから。でも足は人間みたいに二本なんだって。それから、体中ごつごつした鱗に覆われているそうよ」
「……ねえ、鱗があるならその歪虚、もしかして泳げるんじゃない?」
「やめてよ、こわい話をするのは」
「大丈夫よ。だってついてるのは足で、私たちみたいな尾びれじゃないんでしょ? じゃあ泳いだとしても間違いなく遅いわ。なら、十分逃げられるわよ。大体泳げない生き物でも、鱗を持ってるものは山ほどいるじゃない」
「そういえばそうね」
「そうね」
人魚たちは不意に話をやめ、海面近くに上昇して行く。急に日が陰ったように思われたのだ。
顔を出してみれば、空はすっかり黒雲で覆われていた。
「やだ、さっきまで晴れてたのにねえ」
と言ったところに大粒の雨がぽつん。続いてぽつん。さらに間をおかずぽつん。
たちまち、しのつくような大降り。
人魚たちは再度海面下に潜り、スコールをやり過ごそうとした。彼女らは水中で生活するいきものであるが、雨に濡れるのはあまり好きではないのだ。
しかしそこで一人の人魚が、豪雨に沸き立つ海面の向こうに、明かりが灯っているのを見つけた。
色は赤。横並びに二つ。
「ねえ、何か向こうで光ってるよ」
「え? あら本当」
「人間の船の明かりではないかしら」
「それにしては、高いところにあり過ぎるような――」
次の瞬間明かりの方向から、強烈な熱線が飛んで来た。
熱戦が当たった海面の箇所は瞬時に煮えたぎり、水蒸気を立ちのぼらせる。
人魚の一人が火傷を負い悲鳴を上げた。
ほかの人魚はその仲間の腕を引き、素早く海中深くへ潜って行く。
それを追いかけるように赤い明かりが動き出す。変に間延びした声を上げて。
ラルーラルーラルーラルー
●雨の中の二人
にわかに空が暗くなり雨が降り出した。
見回り中であったソルジャーのジグとはアスカは港湾地区の軒下で、雨宿り。
「スコールか」
と呟いてジグは、アスカの横顔を見た。
「なあ、ちょっと宿舎に戻って休んできたらどうだ?」
「なんで?」
「いや、疲れてそうだから。体調が優れないときは休憩を取るようにって言ってただろ、マゴイ」
「……大丈夫よ、別に。もしかして歪虚が出たら、あんた1人じゃ困るでしょ?」
そっけなく言ってから彼女は、遠くを眺めた。
しばし沈黙してから、再び話し始める。
「マゴイにさ、検査してもらったのよ。そしたら私、免疫機能が急激に落ちているらしいの。そのため今後身体機能に、故障が出ることがあるだろうって。まあ、あれよ、あんたも遅かれ早かれそうなるとは思うけどさ」
ジグは言葉に詰まった。何か言いたいのに何も言えない。そんな顔で。
そこでバシャンと大きな水音。人魚たちが大挙して、水路を遡上してくる。
「精霊様、精霊様はいらっしゃいますか!」
●脅威は排除する
ソルジャーから、巨大な歪虚がユニゾン近海に出没したらしいという連絡を受けたマゴイは、急ぎユニゾンのセキュリティレベルを最高値に引き上げた。
島内に設置されたウォッチャーがいっせいに喋りだす。
【緊急災害警報が発令されました。緊急災害警報が発令されました。ワーカーの皆さん、日常業務を一時停止してください。全員最寄りの指定避難所に避難しましょう。避難訓練の通りに、ヘルメットを被り、押さないで、ゆっくり、列を作って避難しましょう。そうすれば何も危ないことはありませんので、安心してください。繰り返します――】
コボルドと人間の市民は言われた通り、大急ぎで避難所に向かう。
それを確認してマゴイは、出現したという歪虚の現在位置を確かめ、焦燥に駆られた。
歪虚はユニゾンのすぐ近くにいるのだ。しかも島の領海を取り巻く結界柱を攻撃している。
『……排除しなくては……』
彼女は急いで何をしたらいいか考えた。
とりあえずソルジャーたちのもとへ行かねばならない。
歪虚のサイズを考えるに、彼らだけでは対処が難しい。
自分はマゴイなので直接戦えないが、敵の動きを抑えることは出来る。海の上に結界を張り、足場を作ってやることも。
『……あ……その前に……ええと……そう……ハンターオフィスに連絡して……外部者であるハンターにも来てもらうことが出来れば……彼らの負担が軽減される……』
しかし今はほとんどの人手がグラウンドゼロに裂かれているはずだ。
来てくれるだろうか。そんな不安も抱きながら彼女は、とりあえず依頼を出してみることにした。
幸いカチャと何名かのハンターが、それに反応してくれた。
●開けゴマ
海面にぬっと突き出ているのは、巨大な柱。高さはざっと60メートルといったところか。1つだけではない。横一直線に間隔を置いて、無数に並んでいる。
表面に記されているのは、クリムゾンウェストで使用されている共通文字と見慣れない文字。
『この先ユニゾンの領海。オートマトンの持ち込みは禁止されています。なお所有者がおらず自立し動いているオートマトンに関しては、原則領海外での待機を求めます。』
ラルーラルーラルーラルー
シェオル「トライポッド」は間の抜けた声を上げながら、頭部から出た10本の触手を柱に巻き付けた。
彼(実際の性別は不明だが、仮にそう呼ぼう)は、ここに人為的な結界があることを理解している。
結界の中に人間が隠れていることを理解している。
攻撃したくてたまらない。その意志のもと柱に頭突きし、至近距離からビームを放つ。
これが壊れれば結界に穴が空くはずだ。そこから中に割り込めるはずだ。
解説
補足説明
これはユニゾン近海に現れたシェオルを退治する事を目的とするシナリオです。
相手は1体。さほどの強敵ではないと思います。シェオルにしては。
戦闘場所は海面ですが、マゴイさんが結界で足場を作ってくれます。地上で戦うのとほぼ同じ環境で戦うことが出来ます。
ジグとアスカは強化人間から転職したハンター。現在はユニゾンに籍を置き、島の守りを担当しています。双方、近接戦闘に特化しています。
天気は悪いです。スコールはこの後2時間くらい続くものと思ってください。
歪虚データ
シェオル「トライポッド」
数:1体。
形:巨大な三脚風メカ。中にタコ型エイリアンが隠れているという説もある。
大きさ:20メートル。足(3本)の長さは17メートル。本体3メートル。
素早さ:移動における動き自体は比較的ゆっくりしている。でも足が長いので、一跨ぎが大きい。
攻撃方法:熱戦ビーム(射程20スクエア)。触手の長さ25メートル(出しっぱなしではなく、任意に収納可能)。触手の先端には針が突いている。刺されるとべらぼうに痛い。血も吸われる。
知能:人間並にある。だが機械的な思考しかしない。人の悲しみや喜びといったものは解しない。
備考:トライポッドは水陸両歩行が可能な機体。海底に足をつけ歩いて来ているのではなく、海面を歩いて来ている。イメージとしてはアメンボ。潜水能力、並びに飛行能力はない。
今回の依頼には、カチャも参加します。
これはユニゾン近海に現れたシェオルを退治する事を目的とするシナリオです。
相手は1体。さほどの強敵ではないと思います。シェオルにしては。
戦闘場所は海面ですが、マゴイさんが結界で足場を作ってくれます。地上で戦うのとほぼ同じ環境で戦うことが出来ます。
ジグとアスカは強化人間から転職したハンター。現在はユニゾンに籍を置き、島の守りを担当しています。双方、近接戦闘に特化しています。
天気は悪いです。スコールはこの後2時間くらい続くものと思ってください。
歪虚データ
シェオル「トライポッド」
数:1体。
形:巨大な三脚風メカ。中にタコ型エイリアンが隠れているという説もある。
大きさ:20メートル。足(3本)の長さは17メートル。本体3メートル。
素早さ:移動における動き自体は比較的ゆっくりしている。でも足が長いので、一跨ぎが大きい。
攻撃方法:熱戦ビーム(射程20スクエア)。触手の長さ25メートル(出しっぱなしではなく、任意に収納可能)。触手の先端には針が突いている。刺されるとべらぼうに痛い。血も吸われる。
知能:人間並にある。だが機械的な思考しかしない。人の悲しみや喜びといったものは解しない。
備考:トライポッドは水陸両歩行が可能な機体。海底に足をつけ歩いて来ているのではなく、海面を歩いて来ている。イメージとしてはアメンボ。潜水能力、並びに飛行能力はない。
今回の依頼には、カチャも参加します。
マスターより
KINUTAです。
ユニゾンにエイリアン襲来。
超忙しい時期とは思いますが、参加していただけますなら幸いです。
カチャは恙無く復活いたしました。
ユニゾンにエイリアン襲来。
超忙しい時期とは思いますが、参加していただけますなら幸いです。
カチャは恙無く復活いたしました。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/08/18 02:29
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 エルバッハ・リオン(ka2434) エルフ|12才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2019/08/12 11:06:56 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/08/12 20:21:52 |