ゲスト
(ka0000)
食まれし想いの花
マスター:水流響

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/02/05 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/02/14 22:00
オープニング
●荒らすもの
早朝、彼女は村を出て、森へと足を運んだ。目的地は森の中にある洞窟だ。そこは小さな洞窟で、この辺りを知る人間ならば内部で迷うこともない。彼女はランタンに火を灯し、薄暗い洞窟へと足を踏み入れた。
冴えた空気が肌を撫でていく。数分歩いたところで、向こうに光が見えた。躊躇いなく、光のある場所へと歩み出る。そこはホールのように開けており、崩落した天井から日の光が差し込んでいる。
光の当たる中央には、雪がうっすらと降り積もっていた。彼女はそこへと歩み寄り、屈み込む。雪の隙間から、白い花がちょこんと顔を出していた。
「……あった」
この辺りは例年、雪が少ない。そのおかげか、冬であってもこうして花が咲く。そしてこの花は、彼女にとって……いや、彼女が生活する村にとっても、大切なものだ。
村には言い伝えがある。誰かに贈り物をするとき、この洞窟に咲く花を押し花にして一緒に贈ると、想いが伝わり、願いが叶うと言われている。恋焦がれる人とは結ばれ、仲違いした相手に贈ると、よりを戻せるとも。所謂、おまじないというやつだ。
実際には、叶ったり叶わなかったりと結果は様々だ。それでも、心を後押ししてくれるそのおまじないを試す村人は多い。彼女もそのうちの1人だ。
そっと花に手を伸ばし、そこでふと気付く。花弁が千切られ、地面に散っていた。それも一つではない。いくつもの花が、無残に喰い荒らされている。
「……兎か何か、かしら。でも、今までは大丈夫だったのに」
不安に眉を寄せる彼女の耳に、何かが駆ける音が届いた。はっとして、周囲を見回す。
光が届かぬ洞窟の隅……暗がりから、複数の赤い瞳が覗く。目を凝らしてその姿を確認しようとした刹那、それは飛び出した。
「!? な、何?!」
彼女の横を、獣が通り過ぎる。最初は兎かと思った。しかし、よく見ると違う。鋭すぎる牙、爪、ギラリと剥かれた凶暴な瞳。
(雑魔……!)
彼女はとっさに、持っていた袋を投げた。お腹が空いたとき用にと、携帯していたナッツだ。ぶちまけられた袋から、ナッツがばら撒かれる。雑魔の気がそちらに向いた。彼女は一目散に、洞窟から逃げ出す……。
●散る花
「よりにもよって、あの洞窟に雑魔が出るとは……」
報告を受けた村の長は、唸りながら顔を顰めた。見間違いという可能性にかけ、村の男たちを確認に向かわせたが、彼女の言うことは本当だったらしい。正確な数は不明だがおそらく10匹程度、洞窟内の花の群生地周辺に潜んでいる。
報告役を務める村の男が、困り果てたように首を横に振った。
「天花の洞窟、ですか。……もうすぐ贈り物も多くなる季節だってのに、あれじゃ花も摘みに行けませんね」
村人はあの洞窟を、古くから『天花の洞窟』と呼んでいる。洞窟に咲く花が、天から注ぐ太陽の光に照らされている様が、あまりにも美しかったことが由来だ。
「そうだな。それに、今は洞窟だけに留まっているが、今後どうなるか……」
洞窟のある森から村までそう遠くはない。いつ、雑魔が洞窟から飛び出して、村を襲うかもわからない。
「ハンターズソサエティにお願いするしかなさそうですね」
「洞窟の花は……残念だが、諦めるしかあるまい。まあ、来年も咲くだろう」
残る花も、雑魔掃討の際に踏み荒らされる可能性が高い。村の長は、静かに溜息を付いた。
早朝、彼女は村を出て、森へと足を運んだ。目的地は森の中にある洞窟だ。そこは小さな洞窟で、この辺りを知る人間ならば内部で迷うこともない。彼女はランタンに火を灯し、薄暗い洞窟へと足を踏み入れた。
冴えた空気が肌を撫でていく。数分歩いたところで、向こうに光が見えた。躊躇いなく、光のある場所へと歩み出る。そこはホールのように開けており、崩落した天井から日の光が差し込んでいる。
光の当たる中央には、雪がうっすらと降り積もっていた。彼女はそこへと歩み寄り、屈み込む。雪の隙間から、白い花がちょこんと顔を出していた。
「……あった」
この辺りは例年、雪が少ない。そのおかげか、冬であってもこうして花が咲く。そしてこの花は、彼女にとって……いや、彼女が生活する村にとっても、大切なものだ。
村には言い伝えがある。誰かに贈り物をするとき、この洞窟に咲く花を押し花にして一緒に贈ると、想いが伝わり、願いが叶うと言われている。恋焦がれる人とは結ばれ、仲違いした相手に贈ると、よりを戻せるとも。所謂、おまじないというやつだ。
実際には、叶ったり叶わなかったりと結果は様々だ。それでも、心を後押ししてくれるそのおまじないを試す村人は多い。彼女もそのうちの1人だ。
そっと花に手を伸ばし、そこでふと気付く。花弁が千切られ、地面に散っていた。それも一つではない。いくつもの花が、無残に喰い荒らされている。
「……兎か何か、かしら。でも、今までは大丈夫だったのに」
不安に眉を寄せる彼女の耳に、何かが駆ける音が届いた。はっとして、周囲を見回す。
光が届かぬ洞窟の隅……暗がりから、複数の赤い瞳が覗く。目を凝らしてその姿を確認しようとした刹那、それは飛び出した。
「!? な、何?!」
彼女の横を、獣が通り過ぎる。最初は兎かと思った。しかし、よく見ると違う。鋭すぎる牙、爪、ギラリと剥かれた凶暴な瞳。
(雑魔……!)
彼女はとっさに、持っていた袋を投げた。お腹が空いたとき用にと、携帯していたナッツだ。ぶちまけられた袋から、ナッツがばら撒かれる。雑魔の気がそちらに向いた。彼女は一目散に、洞窟から逃げ出す……。
●散る花
「よりにもよって、あの洞窟に雑魔が出るとは……」
報告を受けた村の長は、唸りながら顔を顰めた。見間違いという可能性にかけ、村の男たちを確認に向かわせたが、彼女の言うことは本当だったらしい。正確な数は不明だがおそらく10匹程度、洞窟内の花の群生地周辺に潜んでいる。
報告役を務める村の男が、困り果てたように首を横に振った。
「天花の洞窟、ですか。……もうすぐ贈り物も多くなる季節だってのに、あれじゃ花も摘みに行けませんね」
村人はあの洞窟を、古くから『天花の洞窟』と呼んでいる。洞窟に咲く花が、天から注ぐ太陽の光に照らされている様が、あまりにも美しかったことが由来だ。
「そうだな。それに、今は洞窟だけに留まっているが、今後どうなるか……」
洞窟のある森から村までそう遠くはない。いつ、雑魔が洞窟から飛び出して、村を襲うかもわからない。
「ハンターズソサエティにお願いするしかなさそうですね」
「洞窟の花は……残念だが、諦めるしかあるまい。まあ、来年も咲くだろう」
残る花も、雑魔掃討の際に踏み荒らされる可能性が高い。村の長は、静かに溜息を付いた。
解説
●依頼の成功条件
雑魔の全匹討伐。
花を守ることについては、成功条件には入りません。
●雑魔について
兎に似た形状の雑魔です。凶暴かつ素早く、牙や爪も鋭いです。
夜目が利き、暗がりでも難なく行動できるようです。
●花の群生地について
戦闘するには十分な広さです。天井から光は差していますが、明るいのは中央部分のみです。
周囲は岩場になっており、光が届かず暗い状態です。
●補足
花は光が当たる部分に咲いています。
群生地が洞窟の最深部となっており、その先はありません。
その他情報については、オープニングを参照してください。
雑魔の全匹討伐。
花を守ることについては、成功条件には入りません。
●雑魔について
兎に似た形状の雑魔です。凶暴かつ素早く、牙や爪も鋭いです。
夜目が利き、暗がりでも難なく行動できるようです。
●花の群生地について
戦闘するには十分な広さです。天井から光は差していますが、明るいのは中央部分のみです。
周囲は岩場になっており、光が届かず暗い状態です。
●補足
花は光が当たる部分に咲いています。
群生地が洞窟の最深部となっており、その先はありません。
その他情報については、オープニングを参照してください。
マスターより
皆様、こんにちは。水流響(すいりゅう ひびき)と申します。
花を食べる兎さんは可愛いですが、雑魔はちょっと、可愛くないですね。
どうか討伐をお願い致します。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。皆様のご参加を、心よりお待ちしております!
花を食べる兎さんは可愛いですが、雑魔はちょっと、可愛くないですね。
どうか討伐をお願い致します。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。皆様のご参加を、心よりお待ちしております!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/02/13 16:16
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 アーヴィン(ka3383) 人間(クリムゾンウェスト)|21才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/02/05 21:11:16 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/02/04 20:29:07 |