ゲスト
(ka0000)
【MN】Eile mit Weile
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- ユニット参加人数
- 現在4 / 0~6
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/08/24 15:00
- リプレイ完成予定
- 2019/09/02 15:00
オープニング
※このシナリオは夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。
王国歴1019年。後に『邪神戦争』と呼ばれるようになった戦い。
多くの犠牲を生み出したこの戦いの果てに人々は今も生きている。
――だが、人々は知らない。
この戦いの裏に、語られなかった歴史の一ページがある事を。
邪神ファナティックブラッドへの攻撃を開始した連合軍。
ニダヴェリールが轟沈する最中、崑崙から離れた別宙域で異なる戦いが始まろうとしていた。
「私に艦隊を丸ごと預けるとは。連合軍は余程人手不足と見えます。
ふふ、これは私も最善を尽くさなければいけませんね」
ヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)は旗艦『ブリュンヒルデ』のブリッジから永遠の夜を見つめていた。
邪神への攻勢を強めた連合軍の側背を突く形で敵艦隊が作戦行動を開始したとの情報がもたらされた。連合軍はこの事態を受け、急遽艦隊を編成。第十三艦隊をヴェルナーへ託す事にした。辺境地域の歪虚が活発に行動しているが、それでもヴェルナーを召喚した事は人材の枯渇が深刻である事を意味していた。
「敵艦隊までの距離は?」
「およそ12000。この速度であれば四時間後に会敵します」
オペレーターからの返答にヴェルナーは思案を巡らせる。
ヴェルナーとて艦隊戦の指揮は経験がない。しかし、幸いにも書籍による知識はある。もう少し情報を収集して敵に対応したいところだが――。
「敵もこちらの存在に気付いていると考えるべきでしょうね。私が指揮に慣れるまで待ってくれるはずは……ありませんね。敵の陣形はどうなっていますか?」
「敵は戦力を三つに分け、我が艦隊の前方へ展開。敵の数はこちらの倍以上。包囲殲滅が狙いと思われます」
「包囲殲滅……敵の主力は特異なシェオル型でしたね」
ヴェルナーはオペレーターの言葉を改めて呟いた。
戦力は敵の方が上。さらに敵は特異なシェオル型という情報以外にはない。ただ、敵の動きがこちらに筒抜けという事は敵はこちらを侮っている可能性がある。
「ヴェルナー様、敵はこちらを殲滅する事が目的です。回避行動を取るべきではないでしょうか」
「…………」
ヴェルナーは部下からの提案に、沈黙を守る。
ブリッジに広がる闇を掻き分けながら、ブリュンヒルデは前へと突き進んでいく。
●
「敵艦隊、依然として進軍。回避行動は見られません」
歪虚側の艦隊にもシェオル型の指揮艦が乗り込んでいた。
彼は自らの世界を護る為に邪神と戦ってきた。仲間と共に死力を尽くし、多くの屍を乗り越えて抗い続ける。残念ながら邪神に敗れ去り取り込まれる結果となったが――。
悲劇はこれに留まらない。
「歪虚の軍勢は余程の勇者か、それとも馬鹿か。……どう見る?」
「敵に何らかの策があると考えます。簡単に墜とせる相手ならば我々もここまで苦労はしていません、閣下」
艦長席の椅子でモニターからを見つめる金髪の青年。
若さに満ちているが、それだけではない。威風堂々とした態度は軍人以上のものを感じさせた。
その青年こそ、閣下と呼ばれた――ジルヴェスター・シュティークロート中将である。
「お前もそう思うか。この歪虚は今までの敵とは異なる。十分に注意する必要がある。いつでもスキールニルに出撃体制を取らせておけ」
「閣下、既に手配しております。指示を出せばいつでも出撃可能です」
「こいつ、俺の考えを分かっていたな」
ジルヴェスターは副官のラルフ・ベーデカー大尉へ微笑みかける。
彼らはクヴァシル星系アースガルズ大帝国所属第七艦隊旗艦『トリウムフ』から指揮していた。
最大の悲劇は『彼ら自身が既に敗北しており、歪虚となっている事を知らない』のだ。
だから対峙する敵は歪虚だと信じて疑わない。自らが負ければアースガルズ大帝国は滅びる定めだと考えていたのだ。
「敵の戦力は未だに不明です。距離を詰めればダメージは免れません」
「ああ。だが、こちらも一切退く気はない。敵を射程距離に収めた時点で一斉砲撃を開始する」
ジルヴェスターは敵が誰であろうとも退く事を知らない。
それは性分でもあるが、これ以上の敗北は本国にいる『無能な』貴族どもを増長させる。未だ前線に出た事もない奴らは、適当な事を繰り返して自らの保身へ走る。
これ以上、奴らをのさばらせない為にも確実な勝利が必要なのだ。
「敵艦隊、尚も前進。中央艦隊の射程距離へ入りました」
「沈めろ。……Feuer」
ジルヴェスターは淡々と呟いた。
中央に陣取った艦隊から一気に砲撃が開始される。
続いてラルフが部下へ命令を飛ばす。
「スキールニル全機出撃。敵旗艦を索敵の上、撃破を命じます」
「……やはりお前も同じ考えか」
忠実かつ冷静なラルフは前に、ジルヴェスターは満足そうに微笑んだ。
●
――数刻前。
「全速前進。紡錘陣形で敵陣に突撃します」
「……はっ!?」
ヴェルナーの提案に統一地球連合宙軍の軍人は思わず声を上げた。
このまま前進すれば敵に包囲されて殲滅される恐れもあるのだ。普通に考えて前進はあり得ない。だが、ヴェルナーは敢えて突撃を選択した。
自殺行為だ。それが軍人の率直な感想だった。
その考えを察したヴェルナーは続けて口を開く。
「敵の包囲は完成していません。敵の数が倍に匹敵するのは敵の総数です。戦力を三分にした時点で戦力はこちらの方が上です」
「お言葉ですが、中央の艦隊に突撃する間に左右の艦隊に包囲される恐れがあります」
「だからこそ、早急に中央艦隊の旗艦を墜とさなければなりません」
ヴェルナーにとって大きな賭けだ。
ここを抜かれれば邪神へ突入を仕掛ける連合軍やハンターに大きな影響を与える。下手をすれば作戦そのものが瓦解しかねない。その為には敵をこの宙域で撃破、もしくは釘付けにしなければならない。
たとえ、預かった艦隊を犠牲にしたとしても――。
「敵艦隊、射程距離へ入りました」
「全艦隊、砲撃準備。砲撃に続いてハンターも出撃。敵旗艦を見つけ出して下さい」
軍人も既に敵の射程距離に入っている事を察した。
正面からの砲撃戦になる。もう反対している時間はない。
踵を返す軍人を前に、ヴェルナーは一言命じた。
「始めましょう。勝利の為に……Feuer」
王国歴1019年。後に『邪神戦争』と呼ばれるようになった戦い。
多くの犠牲を生み出したこの戦いの果てに人々は今も生きている。
――だが、人々は知らない。
この戦いの裏に、語られなかった歴史の一ページがある事を。
邪神ファナティックブラッドへの攻撃を開始した連合軍。
ニダヴェリールが轟沈する最中、崑崙から離れた別宙域で異なる戦いが始まろうとしていた。
「私に艦隊を丸ごと預けるとは。連合軍は余程人手不足と見えます。
ふふ、これは私も最善を尽くさなければいけませんね」
ヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)は旗艦『ブリュンヒルデ』のブリッジから永遠の夜を見つめていた。
邪神への攻勢を強めた連合軍の側背を突く形で敵艦隊が作戦行動を開始したとの情報がもたらされた。連合軍はこの事態を受け、急遽艦隊を編成。第十三艦隊をヴェルナーへ託す事にした。辺境地域の歪虚が活発に行動しているが、それでもヴェルナーを召喚した事は人材の枯渇が深刻である事を意味していた。
「敵艦隊までの距離は?」
「およそ12000。この速度であれば四時間後に会敵します」
オペレーターからの返答にヴェルナーは思案を巡らせる。
ヴェルナーとて艦隊戦の指揮は経験がない。しかし、幸いにも書籍による知識はある。もう少し情報を収集して敵に対応したいところだが――。
「敵もこちらの存在に気付いていると考えるべきでしょうね。私が指揮に慣れるまで待ってくれるはずは……ありませんね。敵の陣形はどうなっていますか?」
「敵は戦力を三つに分け、我が艦隊の前方へ展開。敵の数はこちらの倍以上。包囲殲滅が狙いと思われます」
「包囲殲滅……敵の主力は特異なシェオル型でしたね」
ヴェルナーはオペレーターの言葉を改めて呟いた。
戦力は敵の方が上。さらに敵は特異なシェオル型という情報以外にはない。ただ、敵の動きがこちらに筒抜けという事は敵はこちらを侮っている可能性がある。
「ヴェルナー様、敵はこちらを殲滅する事が目的です。回避行動を取るべきではないでしょうか」
「…………」
ヴェルナーは部下からの提案に、沈黙を守る。
ブリッジに広がる闇を掻き分けながら、ブリュンヒルデは前へと突き進んでいく。
●
「敵艦隊、依然として進軍。回避行動は見られません」
歪虚側の艦隊にもシェオル型の指揮艦が乗り込んでいた。
彼は自らの世界を護る為に邪神と戦ってきた。仲間と共に死力を尽くし、多くの屍を乗り越えて抗い続ける。残念ながら邪神に敗れ去り取り込まれる結果となったが――。
悲劇はこれに留まらない。
「歪虚の軍勢は余程の勇者か、それとも馬鹿か。……どう見る?」
「敵に何らかの策があると考えます。簡単に墜とせる相手ならば我々もここまで苦労はしていません、閣下」
艦長席の椅子でモニターからを見つめる金髪の青年。
若さに満ちているが、それだけではない。威風堂々とした態度は軍人以上のものを感じさせた。
その青年こそ、閣下と呼ばれた――ジルヴェスター・シュティークロート中将である。
「お前もそう思うか。この歪虚は今までの敵とは異なる。十分に注意する必要がある。いつでもスキールニルに出撃体制を取らせておけ」
「閣下、既に手配しております。指示を出せばいつでも出撃可能です」
「こいつ、俺の考えを分かっていたな」
ジルヴェスターは副官のラルフ・ベーデカー大尉へ微笑みかける。
彼らはクヴァシル星系アースガルズ大帝国所属第七艦隊旗艦『トリウムフ』から指揮していた。
最大の悲劇は『彼ら自身が既に敗北しており、歪虚となっている事を知らない』のだ。
だから対峙する敵は歪虚だと信じて疑わない。自らが負ければアースガルズ大帝国は滅びる定めだと考えていたのだ。
「敵の戦力は未だに不明です。距離を詰めればダメージは免れません」
「ああ。だが、こちらも一切退く気はない。敵を射程距離に収めた時点で一斉砲撃を開始する」
ジルヴェスターは敵が誰であろうとも退く事を知らない。
それは性分でもあるが、これ以上の敗北は本国にいる『無能な』貴族どもを増長させる。未だ前線に出た事もない奴らは、適当な事を繰り返して自らの保身へ走る。
これ以上、奴らをのさばらせない為にも確実な勝利が必要なのだ。
「敵艦隊、尚も前進。中央艦隊の射程距離へ入りました」
「沈めろ。……Feuer」
ジルヴェスターは淡々と呟いた。
中央に陣取った艦隊から一気に砲撃が開始される。
続いてラルフが部下へ命令を飛ばす。
「スキールニル全機出撃。敵旗艦を索敵の上、撃破を命じます」
「……やはりお前も同じ考えか」
忠実かつ冷静なラルフは前に、ジルヴェスターは満足そうに微笑んだ。
●
――数刻前。
「全速前進。紡錘陣形で敵陣に突撃します」
「……はっ!?」
ヴェルナーの提案に統一地球連合宙軍の軍人は思わず声を上げた。
このまま前進すれば敵に包囲されて殲滅される恐れもあるのだ。普通に考えて前進はあり得ない。だが、ヴェルナーは敢えて突撃を選択した。
自殺行為だ。それが軍人の率直な感想だった。
その考えを察したヴェルナーは続けて口を開く。
「敵の包囲は完成していません。敵の数が倍に匹敵するのは敵の総数です。戦力を三分にした時点で戦力はこちらの方が上です」
「お言葉ですが、中央の艦隊に突撃する間に左右の艦隊に包囲される恐れがあります」
「だからこそ、早急に中央艦隊の旗艦を墜とさなければなりません」
ヴェルナーにとって大きな賭けだ。
ここを抜かれれば邪神へ突入を仕掛ける連合軍やハンターに大きな影響を与える。下手をすれば作戦そのものが瓦解しかねない。その為には敵をこの宙域で撃破、もしくは釘付けにしなければならない。
たとえ、預かった艦隊を犠牲にしたとしても――。
「敵艦隊、射程距離へ入りました」
「全艦隊、砲撃準備。砲撃に続いてハンターも出撃。敵旗艦を見つけ出して下さい」
軍人も既に敵の射程距離に入っている事を察した。
正面からの砲撃戦になる。もう反対している時間はない。
踵を返す軍人を前に、ヴェルナーは一言命じた。
「始めましょう。勝利の為に……Feuer」
解説
目的:敵艦隊『トリウムフ』を索敵して撃破、もしくは機能停止させる。
概要:
邪神ファナティックブラッドへ攻勢を仕掛ける連合軍の戦いの裏で、もう一つの戦いが始まっていた。ヴェルナー率いる連合艦隊の前に展開されたのはシェオル型の歪虚艦隊。敵は戦力を三つに分けてヴェルナーの艦隊を包囲を狙います。ですが、ヴェルナーは短期決戦を狙って敵機艦『トリウムフ』がいると思われる中央の艦隊へ突撃を開始。倍以上の敵を前に無謀とも思える戦いを挑むヴェルナーは艦隊による砲撃戦を指示しながらハンターへ出撃を命じた。ハンター達は双方の砲撃が飛び交う宙域の中で任務を帯びて放り出される事になる。
味方:
・連合軍
旗艦『ブリュンヒルデ』 艦長:ヴェルナー・ブロスフェルト
統一地球連合宙軍所属艦隊を預かる形で艦長に収まった。敵艦隊が倍以上である事を知っている軍人も多いが、決して臆してはおらず士気は上々。軍人として艦と共に沈む覚悟はできている模様。
・歪虚
旗艦『トリウムフ』 艦長:ジルヴェスター・シュティークロート中将
未だ歪虚となっている事に気付いていない特殊なシェオル型であり、乗組員も全員未だに邪神との戦いが続いていると信じている。
スキールニル
敵第七艦隊所属の海兵部隊。戦闘機やロボット型の姿も見受けられ、ブリュンヒルデへの攻撃を試みる。詳細不明。操縦者も歪虚と化している事に気付いていない。
※備考
本シナリオではオリジナル機体、もしくは艦隊を登場させる事が可能です。
希望するユニット名(艦隊名)と特徴、メリット、デメリットを記載して下さい。
また希望すれば死亡する事も可能です。夢シナリオですので実際には死亡しません。希望する死亡シーンを記載願います。
概要:
邪神ファナティックブラッドへ攻勢を仕掛ける連合軍の戦いの裏で、もう一つの戦いが始まっていた。ヴェルナー率いる連合艦隊の前に展開されたのはシェオル型の歪虚艦隊。敵は戦力を三つに分けてヴェルナーの艦隊を包囲を狙います。ですが、ヴェルナーは短期決戦を狙って敵機艦『トリウムフ』がいると思われる中央の艦隊へ突撃を開始。倍以上の敵を前に無謀とも思える戦いを挑むヴェルナーは艦隊による砲撃戦を指示しながらハンターへ出撃を命じた。ハンター達は双方の砲撃が飛び交う宙域の中で任務を帯びて放り出される事になる。
味方:
・連合軍
旗艦『ブリュンヒルデ』 艦長:ヴェルナー・ブロスフェルト
統一地球連合宙軍所属艦隊を預かる形で艦長に収まった。敵艦隊が倍以上である事を知っている軍人も多いが、決して臆してはおらず士気は上々。軍人として艦と共に沈む覚悟はできている模様。
・歪虚
旗艦『トリウムフ』 艦長:ジルヴェスター・シュティークロート中将
未だ歪虚となっている事に気付いていない特殊なシェオル型であり、乗組員も全員未だに邪神との戦いが続いていると信じている。
スキールニル
敵第七艦隊所属の海兵部隊。戦闘機やロボット型の姿も見受けられ、ブリュンヒルデへの攻撃を試みる。詳細不明。操縦者も歪虚と化している事に気付いていない。
※備考
本シナリオではオリジナル機体、もしくは艦隊を登場させる事が可能です。
希望するユニット名(艦隊名)と特徴、メリット、デメリットを記載して下さい。
また希望すれば死亡する事も可能です。夢シナリオですので実際には死亡しません。希望する死亡シーンを記載願います。
マスターより
近藤豊です。
FNB最後の夢シナリオという事でちょっと(スケジュール的に)無茶をする事に致しました。
邪神との戦いの最中で語られなかった戦い……という体での戦闘夢シナリオです。
主に艦隊戦がメインとなっていますが、航空機やロボットに乗って艦隊と戦う事も可能です。なお、相手は特異なシェオル型です。説得して仲間になってくれ、というのは通じませんが、相手次第では通信によるコンタクトも可能です。
それでは、シュニッツェルを肴にお待ちしています。
FNB最後の夢シナリオという事でちょっと(スケジュール的に)無茶をする事に致しました。
邪神との戦いの最中で語られなかった戦い……という体での戦闘夢シナリオです。
主に艦隊戦がメインとなっていますが、航空機やロボットに乗って艦隊と戦う事も可能です。なお、相手は特異なシェオル型です。説得して仲間になってくれ、というのは通じませんが、相手次第では通信によるコンタクトも可能です。
それでは、シュニッツェルを肴にお待ちしています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/08/26 06:17