ゲスト
(ka0000)
珈琲サロンとぱぁずと迷子
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/02/09 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/02/18 12:00
オープニング
●
昨年の暮れにポートカプールの方へ行く依頼があったと言えば、行きたかったわと店長代理のユリアが微笑む。
「久しぶりに、あの人の海を見に行きたかった」
「……いい加減、その黒い服を止めたらどうだ」
「それは、嫌」
店員のローレンツは溜息を吐いてカップを棚に片付け、ユリアは鼻歌交じりに夫の形見のゴーグルを磨く。
工場都市フマーレの商業区にそっと佇んだ喫茶店、軽食とコーヒーで休みに来る職人も珍しくいない夕暮れ時だが、珍しく客足が途切れている。
磨き終えたゴーグルを飾ると、ユリアモップを片手に客席を歩く。
西日から顔を背けると、先日新調した淡い桃色の窓の外、1人の女性が忙しなく走る姿が見えた。
「どうしたんだね、ユリア君」
掃除の手を止めたユリアに、ローレンツが声を掛ける。ユリアは何でもないと首を振って床を拭った。
●
先程走り去った女性が、足を引きずるように店に来た。
夜に軽食を摘まみに来る客がちらほらとし始めた頃、その女性は入り口近くの席で脚を投げ出すように座っている。
解れた髪が一筋頬に張り付き、ひどく疲れた顔をしていた。
「どうぞ……お疲れ様です」
コーヒーを出しながらユリアが声を掛けると、女性は溜息交じりに話し始めた。
「息子が帰ってこなくてね……探してるのよ。朝に遊びに出たっきり。お昼も食べずに何処でふらふらしてるんだか」
「遊びたい盛りなんですよ」
未だ若いといって差し支えなさそうな女性、その息子なら10にも満たない年頃だろう。お幾つですかと尋ねると、女性は肩を竦めながら、春になったら7歳と答えた。
「…………昨日ね、友達にからかわれたって言っていたの。臆病者って。それで、一晩中拗ねてたみたい。お化けも怖くない、1人で何処でも行けるんだぞって……変なところに行ってないと良いけど」
テーブルに頬杖を突いて溜息、爪先で床を擦って疲れた足を解しながら。
「きっと、見つかりますよ」
からん、ころんとベルが鳴って来客を告げる。
いらっしゃい、とユリアが顔を上げると来客は空席を探して店内を見回した。
「――あら、満席かしら。ここどうぞ。すぐに出るから」
女性が声を掛けると向かいの席に腰を下ろして、その客は額の汗を拭った。
「助かったよ。漸く荷解きを終えてね。他の奴らは飲みに行っちまったんだが、下戸でね、俺」
少し前に街に着いた商人の一団その1人だという彼は馬車に揺られて疲れた顔で漸く人心地着いたとコーヒーの香を吸い込んだ。
「……最近は、この辺まで危なっかしいね。護衛なしじゃとてもとても……昨晩もゴブリンの群に行き合ったし、この道中だけでも……はぁ」
彼の話を聞きながら、女性はふと思いついた。
「――あの、ここへ来るまでに小さな男の子見ませんでした?」
「見たよ。ネイビーのポンチョを被った子。マフラーが解けて転びそうになってたからよく覚えてる。……何だったかな、街道のお化け退治だって言って走ってたな」
紺のポンチョはあの子のお気に入りだった。今日は冷えるから、私の巻いて行きなさいって、長いマフラーを貸してやった。
街道のお化け退治?
……昨晩もゴブリンの群に行き合った……
青ざめた女性の肩に手を添え、ユリアは商人の男に奥のテーブルを示した。
広いテーブルには地図が貼られて、数人の客が座っている。
「あなたが子どもを見た場所と走って行った方、あと、ゴブリンの群の場所、教えて貰えないかしら?」
●
柵を潜り、塀の隙間に忍び込んで辿り着いた街道、日の落ちたそこは鬱蒼として真っ暗。
月の白々と細い光は差してこない。
風が吹く度にざわざわと不気味な音が聞こえる。
幼い少年は、長いマフラーをしっかりと巻き直し、小さな一歩を踏み出した。
街道脇の森に棲むゴブリン達。
昨夜の狩りは失敗だった。
立派な馬車を護衛に守らせた集団など、襲う物じゃ無い。
仲間を数匹やられたが、しかし、彼らの武器が1つ2つ手に入った。
街道に散らかった仲間の死体は、その内雨に流されるだろう。
暫くして少年の爪先が柔らかい何かに触れた。
暗闇に慣れきらない目は、それがゴブリンの亡骸だと分かるまでに暫くを要し、やがて森に潜むゴブリン達の耳にも高い悲鳴が届いた。
昨年の暮れにポートカプールの方へ行く依頼があったと言えば、行きたかったわと店長代理のユリアが微笑む。
「久しぶりに、あの人の海を見に行きたかった」
「……いい加減、その黒い服を止めたらどうだ」
「それは、嫌」
店員のローレンツは溜息を吐いてカップを棚に片付け、ユリアは鼻歌交じりに夫の形見のゴーグルを磨く。
工場都市フマーレの商業区にそっと佇んだ喫茶店、軽食とコーヒーで休みに来る職人も珍しくいない夕暮れ時だが、珍しく客足が途切れている。
磨き終えたゴーグルを飾ると、ユリアモップを片手に客席を歩く。
西日から顔を背けると、先日新調した淡い桃色の窓の外、1人の女性が忙しなく走る姿が見えた。
「どうしたんだね、ユリア君」
掃除の手を止めたユリアに、ローレンツが声を掛ける。ユリアは何でもないと首を振って床を拭った。
●
先程走り去った女性が、足を引きずるように店に来た。
夜に軽食を摘まみに来る客がちらほらとし始めた頃、その女性は入り口近くの席で脚を投げ出すように座っている。
解れた髪が一筋頬に張り付き、ひどく疲れた顔をしていた。
「どうぞ……お疲れ様です」
コーヒーを出しながらユリアが声を掛けると、女性は溜息交じりに話し始めた。
「息子が帰ってこなくてね……探してるのよ。朝に遊びに出たっきり。お昼も食べずに何処でふらふらしてるんだか」
「遊びたい盛りなんですよ」
未だ若いといって差し支えなさそうな女性、その息子なら10にも満たない年頃だろう。お幾つですかと尋ねると、女性は肩を竦めながら、春になったら7歳と答えた。
「…………昨日ね、友達にからかわれたって言っていたの。臆病者って。それで、一晩中拗ねてたみたい。お化けも怖くない、1人で何処でも行けるんだぞって……変なところに行ってないと良いけど」
テーブルに頬杖を突いて溜息、爪先で床を擦って疲れた足を解しながら。
「きっと、見つかりますよ」
からん、ころんとベルが鳴って来客を告げる。
いらっしゃい、とユリアが顔を上げると来客は空席を探して店内を見回した。
「――あら、満席かしら。ここどうぞ。すぐに出るから」
女性が声を掛けると向かいの席に腰を下ろして、その客は額の汗を拭った。
「助かったよ。漸く荷解きを終えてね。他の奴らは飲みに行っちまったんだが、下戸でね、俺」
少し前に街に着いた商人の一団その1人だという彼は馬車に揺られて疲れた顔で漸く人心地着いたとコーヒーの香を吸い込んだ。
「……最近は、この辺まで危なっかしいね。護衛なしじゃとてもとても……昨晩もゴブリンの群に行き合ったし、この道中だけでも……はぁ」
彼の話を聞きながら、女性はふと思いついた。
「――あの、ここへ来るまでに小さな男の子見ませんでした?」
「見たよ。ネイビーのポンチョを被った子。マフラーが解けて転びそうになってたからよく覚えてる。……何だったかな、街道のお化け退治だって言って走ってたな」
紺のポンチョはあの子のお気に入りだった。今日は冷えるから、私の巻いて行きなさいって、長いマフラーを貸してやった。
街道のお化け退治?
……昨晩もゴブリンの群に行き合った……
青ざめた女性の肩に手を添え、ユリアは商人の男に奥のテーブルを示した。
広いテーブルには地図が貼られて、数人の客が座っている。
「あなたが子どもを見た場所と走って行った方、あと、ゴブリンの群の場所、教えて貰えないかしら?」
●
柵を潜り、塀の隙間に忍び込んで辿り着いた街道、日の落ちたそこは鬱蒼として真っ暗。
月の白々と細い光は差してこない。
風が吹く度にざわざわと不気味な音が聞こえる。
幼い少年は、長いマフラーをしっかりと巻き直し、小さな一歩を踏み出した。
街道脇の森に棲むゴブリン達。
昨夜の狩りは失敗だった。
立派な馬車を護衛に守らせた集団など、襲う物じゃ無い。
仲間を数匹やられたが、しかし、彼らの武器が1つ2つ手に入った。
街道に散らかった仲間の死体は、その内雨に流されるだろう。
暫くして少年の爪先が柔らかい何かに触れた。
暗闇に慣れきらない目は、それがゴブリンの亡骸だと分かるまでに暫くを要し、やがて森に潜むゴブリン達の耳にも高い悲鳴が届いた。
解説
目的 少年の保護
●エネミー
ゴブリン×5
襤褸を服のように纏って、棒切れや石を武器にしています。
ゴブリン×2
襤褸を服のように纏っている点は同じですが、
切れ味の良い剣を両手で構えています。
●フィールド
真っ暗な街道入り口付近。
両側は茂み、その奥が森になっています。
少年は道の中央に、すぐ側にゴブリンの死体×1があります。
そこから街道を数時間進んだ場所が昨晩の襲撃地点、
森へ入って数分歩いた場所にゴブリンが屯しています。
ハンターが街道の入り口に到着すると少年の悲鳴が聞こえます。
●NPC
少年
保護対象、ゴブリンの死体に動転しています。
女性
少年の母親、同行します。少年が安全な状態なら、ハンターの指示に従います。
商人の男、ユリア、ローレンツはとぱぁずにいます。
●エネミー
ゴブリン×5
襤褸を服のように纏って、棒切れや石を武器にしています。
ゴブリン×2
襤褸を服のように纏っている点は同じですが、
切れ味の良い剣を両手で構えています。
●フィールド
真っ暗な街道入り口付近。
両側は茂み、その奥が森になっています。
少年は道の中央に、すぐ側にゴブリンの死体×1があります。
そこから街道を数時間進んだ場所が昨晩の襲撃地点、
森へ入って数分歩いた場所にゴブリンが屯しています。
ハンターが街道の入り口に到着すると少年の悲鳴が聞こえます。
●NPC
少年
保護対象、ゴブリンの死体に動転しています。
女性
少年の母親、同行します。少年が安全な状態なら、ハンターの指示に従います。
商人の男、ユリア、ローレンツはとぱぁずにいます。
マスターより
こんにちは、寒いですね……
真っ暗な中での捜索活動ですが、
目標地点が悲鳴を上げますので参考までに。
ゴブリンはゴブリンですが、剣は剣です……
真っ暗な中での捜索活動ですが、
目標地点が悲鳴を上げますので参考までに。
ゴブリンはゴブリンですが、剣は剣です……
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/02/18 10:20
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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闇夜の迷子探し【相談卓】 蜜鈴=カメーリア・ルージュ(ka4009) エルフ|22才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/02/07 21:02:17 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/02/06 21:20:53 |