ゲスト
(ka0000)
【血断】階に賭ける為【前編】
マスター:石田まきば

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在13人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/08/30 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/09/13 19:00
オープニング
「……それで、話は聞けるんだろうな?」
温泉で顔を合わせたついでにアポイントメントを取る、というのはお互いにフットワークが軽いから出来る事である。カミラはそれを指摘するか迷ったが結局口を閉ざすことを選んだ。
前もって聞いていた情報の断片が、軽視できないものだったからである。
促されたことでやっと顔をあげたユレイテルが口を開く。
「ある程度察しているとは思うが、かかっている命というのは、巫女達のことだ」
ハンターの中でも予想するものは居たのだから、情報が集まるだろう師団長が察していない訳が無い。その確認を兼ねた言葉に、カミラは頷くだけに留めた。
「だが、それは寿命が減るといったような間接的な形ではない。場合によっては、私達はかつての過ちと同じ惨劇を繰り返さねばならない」
「まどろっこしい、完結に話せ」
「……貴殿はそう言うと思ったが、私にだって心構えというものがある……いや、もう十分に時間をかけていたか」
では、しばらく耳を貸していただこう。
「結論から先にしよう。現状を維持するだけでは、遅かれ早かれ……オルクスのような存在が、大量発生するだろう」
「おい、待てなんだそれは」
「私は話すといったし、貴殿は聞くといった。一通り終わるまでは黙っていてもらおうか。質問は後にしてほしい」
浄化の器、今でいうアイリスは妖精神マグダレーネとエルフハイムの浄化術の密接な関係についての記述を見つけていた。
そしてその内容を、記憶と、問題の能力を失った状態のマグダレーネに直接ぶつけてもいる。
その際のマグダレーネの反応は芳しくなかった。事実を突きつけるだけではだめだった。
更には話もそれたため、それ以上の進展はなかった。だが確かにそのやりとりも、アイリスが見つけたという記述についても、ユレイテルは報告を受けていた。
巫女の浄化はあくまでも穢れを溜め込むもの、つまり機導師の使うカートリッジと巫女の体そのものは同じ状態であること。
その溜め込んだ穢れを、負のマテリアルを巫女から取り除き、本来の『浄化』を行う存在がそのマグダレーネであるということ。
かつての代弁者は、マグダレーネと巫女の媒介役として非常に大きなマテリアル容量を持つ身であり、だからこそ巫女達が各地から集めてきた穢れを纏めて受け止め、マグダレーネの浄化を受ける為の器だったということ。
邪神翼の存在と、森の開拓、そしてマグダレーネへの信仰が薄れたタイミングが偶然にも重なってしまったであろうこと。
信仰の変化とは、浄化術を攻撃的な物に変えたかつてのエルフハイムの負の遺産によるものだということ。
マグダレーネは急激に増えた穢れ、その負担によって能力と記憶が消失したのだろうということ。
……それが、ここ数年よりも前に、エルフハイム内で起きていただろう、存在していただろう事実である。
浄化の器を使っての攻撃手段は、実質的に封印されたと言っていい。
穢れを受け入れるための器は増えている。これは機導師の利用するカートリッジしかり、今もなお成長を続けている少女巫女達しかり。
穢れそのものは減っている、少なくとも、新たに大量に増えることはない。
けれど、巫女達がその身に蓄えた穢れは、現状、消えることがないのである。
今は普通に見える彼女達が、これから先も浄化を行い続ければ、体内の穢れは増えるだけである。
技量を高めることで容量を増やし、穢れを圧縮し、清浄なマテリアルの溢れる森に逗留する時間を増やすことで現状を維持してはいるが、いつか穢れの量が追い付いてしまえば、やはりかつての代弁者たちと同じようにオルクスと同じように堕ちる可能性が高い。
「……カートリッジの廃棄方法を、知っているだろうか」
戦闘行為は、浄化の一種。その言葉を知っているだろうか、と、続く。
浄化を行ったカートリッジは、纏めて戦闘スキルの対象にすることで、歪虚達と戦う時と同じように、消滅させている。
容量いっぱいまで、穢れを吸い込んだカートリッジは、その入れ物ごと消滅させることでしか、穢れそのものを浄化したことに、ならない。
限界まで穢れを溜め込んだ巫女達は、その身体ごと覚醒者のスキルで攻撃され殺されることでしか、穢れそのものを浄化したことに、ならない。
「まて、それは」
「新たに執行者が、ただ力を振うだけの存在が必要になるだろうな」
つまり、このままではその未来は避けられないということだ。
「私は、政を担う立場だ。取捨選択をしなければならなかった」
世界の危機をそっちのけで、自分達の話だけをすることは出来なかった。
遅々とした成果しか望めない様な、延命と繋がってほしいと願うしかない様な策しか施す余裕がなかった。
堕ちやすい思考にならないように、常識的な情操教育は必要だ。
清浄なマテリアルの中で過ごす時間が増えるように、通信楔の開発はその助けになるだろう。
少しでも長くその身が永らえるように、どんな手段だとしても、浄化術の技量の向上は不可欠だ。
そもそもの巫女が増えたのは既に亡くなった者の仕業だけれど、確かに彼女達が居なければ浄化作戦は進まなかったのだから、今更掘り返すことはしない。
今の彼女達の命運を握っているのは自分なのだから、どんな結果になろうとも、言い訳をするつもりは無い。
やっと、時間をとることができた。
少女達の、在るはずの未来を守るための時間。
「……今なら。まだ、この世界に人が多く居る今なら。可能性はまだ多いと、信じたいのだ」
ハンター達の多くはこの世界の住人ではない。彼等が今後どうするかはわからないが、しかし、考えはヒトの数ほどあるはずで。
今を逃したら、自分の持つ考え以上のものは出てこないだろうから。
『かつての様子を物理的に再現する』
巫女からマグダレーネに穢れを移せないか試す
体内マテリアルの解放という危険性が伴う
様々な予防策を重ねた上で、かつての代弁者とマグダレーネの間で行われていた浄化術を再現するという名目の実験
巫女達に事実を伝えた上で協力を得る必要がある
うまく運べばマグダレーネが記憶と能力を強引に(即座に)取り戻す可能性がある
その場で巫女もしくはマグダレーネが堕ちて暴走する可能性がある
『かつての様子を体系的に再現する』
巫女からマグダレーネに対する信仰心を強化する
これまではどこか遠慮のある関係だった両者の距離感を近づけ、密接な中になるように誘導する
適当な巫女の代表者を立てて、本来の代弁者としての役割をもたせてかつての体制と近い状態を作る
巫女達に真実を伝えずとも行うことができる
すぐに戦闘になるなどの危険性が少ない
巫女達の技量向上や通信楔の性能向上を併用すて長期的に解決を見込む形となる
温泉で顔を合わせたついでにアポイントメントを取る、というのはお互いにフットワークが軽いから出来る事である。カミラはそれを指摘するか迷ったが結局口を閉ざすことを選んだ。
前もって聞いていた情報の断片が、軽視できないものだったからである。
促されたことでやっと顔をあげたユレイテルが口を開く。
「ある程度察しているとは思うが、かかっている命というのは、巫女達のことだ」
ハンターの中でも予想するものは居たのだから、情報が集まるだろう師団長が察していない訳が無い。その確認を兼ねた言葉に、カミラは頷くだけに留めた。
「だが、それは寿命が減るといったような間接的な形ではない。場合によっては、私達はかつての過ちと同じ惨劇を繰り返さねばならない」
「まどろっこしい、完結に話せ」
「……貴殿はそう言うと思ったが、私にだって心構えというものがある……いや、もう十分に時間をかけていたか」
では、しばらく耳を貸していただこう。
「結論から先にしよう。現状を維持するだけでは、遅かれ早かれ……オルクスのような存在が、大量発生するだろう」
「おい、待てなんだそれは」
「私は話すといったし、貴殿は聞くといった。一通り終わるまでは黙っていてもらおうか。質問は後にしてほしい」
浄化の器、今でいうアイリスは妖精神マグダレーネとエルフハイムの浄化術の密接な関係についての記述を見つけていた。
そしてその内容を、記憶と、問題の能力を失った状態のマグダレーネに直接ぶつけてもいる。
その際のマグダレーネの反応は芳しくなかった。事実を突きつけるだけではだめだった。
更には話もそれたため、それ以上の進展はなかった。だが確かにそのやりとりも、アイリスが見つけたという記述についても、ユレイテルは報告を受けていた。
巫女の浄化はあくまでも穢れを溜め込むもの、つまり機導師の使うカートリッジと巫女の体そのものは同じ状態であること。
その溜め込んだ穢れを、負のマテリアルを巫女から取り除き、本来の『浄化』を行う存在がそのマグダレーネであるということ。
かつての代弁者は、マグダレーネと巫女の媒介役として非常に大きなマテリアル容量を持つ身であり、だからこそ巫女達が各地から集めてきた穢れを纏めて受け止め、マグダレーネの浄化を受ける為の器だったということ。
邪神翼の存在と、森の開拓、そしてマグダレーネへの信仰が薄れたタイミングが偶然にも重なってしまったであろうこと。
信仰の変化とは、浄化術を攻撃的な物に変えたかつてのエルフハイムの負の遺産によるものだということ。
マグダレーネは急激に増えた穢れ、その負担によって能力と記憶が消失したのだろうということ。
……それが、ここ数年よりも前に、エルフハイム内で起きていただろう、存在していただろう事実である。
浄化の器を使っての攻撃手段は、実質的に封印されたと言っていい。
穢れを受け入れるための器は増えている。これは機導師の利用するカートリッジしかり、今もなお成長を続けている少女巫女達しかり。
穢れそのものは減っている、少なくとも、新たに大量に増えることはない。
けれど、巫女達がその身に蓄えた穢れは、現状、消えることがないのである。
今は普通に見える彼女達が、これから先も浄化を行い続ければ、体内の穢れは増えるだけである。
技量を高めることで容量を増やし、穢れを圧縮し、清浄なマテリアルの溢れる森に逗留する時間を増やすことで現状を維持してはいるが、いつか穢れの量が追い付いてしまえば、やはりかつての代弁者たちと同じようにオルクスと同じように堕ちる可能性が高い。
「……カートリッジの廃棄方法を、知っているだろうか」
戦闘行為は、浄化の一種。その言葉を知っているだろうか、と、続く。
浄化を行ったカートリッジは、纏めて戦闘スキルの対象にすることで、歪虚達と戦う時と同じように、消滅させている。
容量いっぱいまで、穢れを吸い込んだカートリッジは、その入れ物ごと消滅させることでしか、穢れそのものを浄化したことに、ならない。
限界まで穢れを溜め込んだ巫女達は、その身体ごと覚醒者のスキルで攻撃され殺されることでしか、穢れそのものを浄化したことに、ならない。
「まて、それは」
「新たに執行者が、ただ力を振うだけの存在が必要になるだろうな」
つまり、このままではその未来は避けられないということだ。
「私は、政を担う立場だ。取捨選択をしなければならなかった」
世界の危機をそっちのけで、自分達の話だけをすることは出来なかった。
遅々とした成果しか望めない様な、延命と繋がってほしいと願うしかない様な策しか施す余裕がなかった。
堕ちやすい思考にならないように、常識的な情操教育は必要だ。
清浄なマテリアルの中で過ごす時間が増えるように、通信楔の開発はその助けになるだろう。
少しでも長くその身が永らえるように、どんな手段だとしても、浄化術の技量の向上は不可欠だ。
そもそもの巫女が増えたのは既に亡くなった者の仕業だけれど、確かに彼女達が居なければ浄化作戦は進まなかったのだから、今更掘り返すことはしない。
今の彼女達の命運を握っているのは自分なのだから、どんな結果になろうとも、言い訳をするつもりは無い。
やっと、時間をとることができた。
少女達の、在るはずの未来を守るための時間。
「……今なら。まだ、この世界に人が多く居る今なら。可能性はまだ多いと、信じたいのだ」
ハンター達の多くはこの世界の住人ではない。彼等が今後どうするかはわからないが、しかし、考えはヒトの数ほどあるはずで。
今を逃したら、自分の持つ考え以上のものは出てこないだろうから。
『かつての様子を物理的に再現する』
巫女からマグダレーネに穢れを移せないか試す
体内マテリアルの解放という危険性が伴う
様々な予防策を重ねた上で、かつての代弁者とマグダレーネの間で行われていた浄化術を再現するという名目の実験
巫女達に事実を伝えた上で協力を得る必要がある
うまく運べばマグダレーネが記憶と能力を強引に(即座に)取り戻す可能性がある
その場で巫女もしくはマグダレーネが堕ちて暴走する可能性がある
『かつての様子を体系的に再現する』
巫女からマグダレーネに対する信仰心を強化する
これまではどこか遠慮のある関係だった両者の距離感を近づけ、密接な中になるように誘導する
適当な巫女の代表者を立てて、本来の代弁者としての役割をもたせてかつての体制と近い状態を作る
巫女達に真実を伝えずとも行うことができる
すぐに戦闘になるなどの危険性が少ない
巫女達の技量向上や通信楔の性能向上を併用すて長期的に解決を見込む形となる
解説
*目的
賛否両論、改善策などの意見
*状況
マグダレーネへの対応を決める為、ハンター達に意見が求められています
ひな形として「(短期決着の)物理」「(長期対応の)体系」があります
そのどちらかを推すなり否定するなり、新規案の提示も可能です
当シナリオはあくまでも意見募集という形をとっていますが、
案が纏まりやすい状況に近づくほど、成功度があがります
目的にもある通り意見が集まる、という状況で判定は「普通」となります
*場所
APVにて一室を貸しきり
※ お茶は適当に出ます(フクカン提供)
*情報の取り扱いについて
OPにてカミラに対して説明した内容と、同等の内容がハンターに開示されています
巫女達に話すかどうかについては今回のシナリオの結果次第ですが、今回、少女巫女達は登場しません
*今回の結果と次回シナリオについて
今回の結果次第で、次回シナリオの内容が決まります
短期決着を望むなら、人手が多く見込める今である必要がありますし、
長期対応を望むにしても、初動には人手が必要です
つまるところ、今回は前編、次回は後編という形で、マグダレーネ関連が決まるということです
*参加者(NPC)
(リプレイ上では聞き役として居るだけになる予定ですが、状況によっては返答等が行われます)
ユレイテル
実質的な大長老の依頼人
意見を直接聞くために自ら足を運んでいる
シャイネ
記録担当
基本的には黙って書き留めている
フュネ
実質的に現在の最高位巫女
巫女の中で例外として真実を知らされている
※ 浄化の器ことアイリスはエルフハイムから出ておりません
※ ハジャは長老業務等でエルフハイムから出られません
※ カミラは都合がつけられなかったため結果を追って送付することになっています
*注意
白紙はリプレイに描写できません、ご注意くださいませ
参加したらとりあえず『「物理」「体系」』のどちらかだけでも送信しておきましょう
賛否両論、改善策などの意見
*状況
マグダレーネへの対応を決める為、ハンター達に意見が求められています
ひな形として「(短期決着の)物理」「(長期対応の)体系」があります
そのどちらかを推すなり否定するなり、新規案の提示も可能です
当シナリオはあくまでも意見募集という形をとっていますが、
案が纏まりやすい状況に近づくほど、成功度があがります
目的にもある通り意見が集まる、という状況で判定は「普通」となります
*場所
APVにて一室を貸しきり
※ お茶は適当に出ます(フクカン提供)
*情報の取り扱いについて
OPにてカミラに対して説明した内容と、同等の内容がハンターに開示されています
巫女達に話すかどうかについては今回のシナリオの結果次第ですが、今回、少女巫女達は登場しません
*今回の結果と次回シナリオについて
今回の結果次第で、次回シナリオの内容が決まります
短期決着を望むなら、人手が多く見込める今である必要がありますし、
長期対応を望むにしても、初動には人手が必要です
つまるところ、今回は前編、次回は後編という形で、マグダレーネ関連が決まるということです
*参加者(NPC)
(リプレイ上では聞き役として居るだけになる予定ですが、状況によっては返答等が行われます)
ユレイテル
実質的な大長老の依頼人
意見を直接聞くために自ら足を運んでいる
シャイネ
記録担当
基本的には黙って書き留めている
フュネ
実質的に現在の最高位巫女
巫女の中で例外として真実を知らされている
※ 浄化の器ことアイリスはエルフハイムから出ておりません
※ ハジャは長老業務等でエルフハイムから出られません
※ カミラは都合がつけられなかったため結果を追って送付することになっています
*注意
白紙はリプレイに描写できません、ご注意くださいませ
参加したらとりあえず『「物理」「体系」』のどちらかだけでも送信しておきましょう
マスターより
こんにちは、それともこんばんは、石田まきばです。
部分的に殺意が高い気もいたしますが、ついに一手を……このタイミングでしか、難しかったわけです。
どんなにフットワークが軽くても、柵がたくさんあると、物事を動かすのは大変だということですね。
エルフハイムの進退も、これでやっと節目を迎えることになるでしょう。
むしろ、此処で迎えられなかったら何処で? ……と、いうわけです。
スケジュール調整の都合で、リプレイの納期を延長しています、申し訳ありませんがご了承くださいませ。
それでは、よろしくお願いします。
部分的に殺意が高い気もいたしますが、ついに一手を……このタイミングでしか、難しかったわけです。
どんなにフットワークが軽くても、柵がたくさんあると、物事を動かすのは大変だということですね。
エルフハイムの進退も、これでやっと節目を迎えることになるでしょう。
むしろ、此処で迎えられなかったら何処で? ……と、いうわけです。
スケジュール調整の都合で、リプレイの納期を延長しています、申し訳ありませんがご了承くださいませ。
それでは、よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/09/02 20:34
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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【相談卓】物理か体系か新規案か 神楽(ka2032) 人間(リアルブルー)|15才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2019/08/30 00:53:31 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/08/29 02:45:00 |