ゲスト
(ka0000)
野菜の道
マスター:神郷太郎

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/02/07 15:00
- リプレイ完成予定
- 2015/02/16 15:00
オープニング
パカラパカラ、蹄の音が連なる。
そこは通り慣れた道だった。
街から村に向かう脇街道。なだらかな丘陵の脇に森があるだけの長閑な風景だ。
しかしその日は、少しだけ様子が違った。
いつもなら顔を見せる野ウサギがおらず、森から聞こえてくるはずの野鳥の声も聞こえない。
「お父さん、何かおかしくない?」
村でとれた野菜を満載した荷馬車の御者台で、隣に座っている妻が怯えたように身を寄せてくる。
「ん、まあ、大丈夫だろう」
そう口にしたものの、自分も妻の言葉と全く同じことを考えていた。それを表に出さなかったのは、妻をこれ以上怖がらせたくなかったからだ。
「でも……」
それでも妻は不安そうだった。
手綱を片手で握り、妻の肩を抱き寄せる。
いつもなら絶対にしないことだ。おそらく自分も不安だったのだろう。
「何、もうすぐ街に着く。そうしたら何か変わったことが起きていないか役場さんか組合さんで聞いてみよう」
何か異変が起きていれば、役場か組合に何らかの情報があるはずだ。
そう妻を宥めたちょうどそのとき、ぞくりとした悪寒を覚え、周囲を見回す。
「お父さん?」
「静かに」
そう強い口調で言うと、妻の顔が泣きそうに歪む。
罪悪感を抱きつつ森に視線を向けたとき、そこできらりと光る何かを見付けた。
何だろうか――じっと目を凝らす。
緊張で、手綱を握った手に汗が滲む。
「――っ」
いた。コボルドだ。
森の中、木の陰に隠れるようにしてこちらを窺っている。
先ほど光ったのは、猟師が森の中で使って放置した金属の鏃のようだ。コボルドほどの大きさならば、矢を短槍代わりにすることもできる。
「おい、声を出すな」
妻にそう声を掛け、手綱を操って馬の歩調を早める。
パカッパカッパカッと軽やかな音。二頭の馬は思い荷車を牽きながら街道を進む。
背後から感じる視線。
背中にじんわりと汗が浮かぶ。
あれが追い掛けてきたらどうしよう。
野菜を捨てれば、もう少し速くなるだろうか。
いや、この野菜は村のみんなが丹精込めて育てたものだ、捨てるなんてとんでもない。
だが、俺たちが死んだら野菜どころの話じゃ――彼は街の門が見えるまで、妻の手を固く握り締めながらそんなことを考え続けていた。
●
オフィスの掲示板に、新たにひとつの依頼が追加された。
内容は『街道近辺に出没するコボルドの討伐』。
街と近隣の村を結ぶ街道に数体のコボルドが出現し、その往来の障害になっている。
それを討伐し、街道の安全を確保せよというものだ。
目撃情報及び足跡などからコボルドの数は最大で五体と推測され、放置された矢を短槍代わりにしている個体、太い木の枝を棍棒代わりにした個体などが確認されている。
また、コボルドたちは日中は街道近くの森に潜んでおり、獲物が通り掛かるのを待っているようだ。なお、この森の中には空き地があり、そこでもコボルドの足跡が確認されている。
このコボルドたちは別の亜人との戦いに敗れて少数がこの森に逃げ延びたものと推測される。
その際の負傷により移動速度が鈍っていたため、最初に目撃情報をもたらした夫婦は無事街まで逃げ延びることができたと考えられるが、現在ではその傷は癒えていると思われる。
この村は生産した農産物の販売を生業としており、街道の安全は村の生命線。
街も新鮮な野菜の供給が滞ることで一部物価の上昇などが起きる可能性がある。
また、コボルドたちが繁殖し、より大きな脅威となる可能性も否定できない。
以上の点から、街道の早急な安全回復が望まれる。
ハンター諸氏は事態を軽視せず、全力で事にあたって貰いたい。
そこは通り慣れた道だった。
街から村に向かう脇街道。なだらかな丘陵の脇に森があるだけの長閑な風景だ。
しかしその日は、少しだけ様子が違った。
いつもなら顔を見せる野ウサギがおらず、森から聞こえてくるはずの野鳥の声も聞こえない。
「お父さん、何かおかしくない?」
村でとれた野菜を満載した荷馬車の御者台で、隣に座っている妻が怯えたように身を寄せてくる。
「ん、まあ、大丈夫だろう」
そう口にしたものの、自分も妻の言葉と全く同じことを考えていた。それを表に出さなかったのは、妻をこれ以上怖がらせたくなかったからだ。
「でも……」
それでも妻は不安そうだった。
手綱を片手で握り、妻の肩を抱き寄せる。
いつもなら絶対にしないことだ。おそらく自分も不安だったのだろう。
「何、もうすぐ街に着く。そうしたら何か変わったことが起きていないか役場さんか組合さんで聞いてみよう」
何か異変が起きていれば、役場か組合に何らかの情報があるはずだ。
そう妻を宥めたちょうどそのとき、ぞくりとした悪寒を覚え、周囲を見回す。
「お父さん?」
「静かに」
そう強い口調で言うと、妻の顔が泣きそうに歪む。
罪悪感を抱きつつ森に視線を向けたとき、そこできらりと光る何かを見付けた。
何だろうか――じっと目を凝らす。
緊張で、手綱を握った手に汗が滲む。
「――っ」
いた。コボルドだ。
森の中、木の陰に隠れるようにしてこちらを窺っている。
先ほど光ったのは、猟師が森の中で使って放置した金属の鏃のようだ。コボルドほどの大きさならば、矢を短槍代わりにすることもできる。
「おい、声を出すな」
妻にそう声を掛け、手綱を操って馬の歩調を早める。
パカッパカッパカッと軽やかな音。二頭の馬は思い荷車を牽きながら街道を進む。
背後から感じる視線。
背中にじんわりと汗が浮かぶ。
あれが追い掛けてきたらどうしよう。
野菜を捨てれば、もう少し速くなるだろうか。
いや、この野菜は村のみんなが丹精込めて育てたものだ、捨てるなんてとんでもない。
だが、俺たちが死んだら野菜どころの話じゃ――彼は街の門が見えるまで、妻の手を固く握り締めながらそんなことを考え続けていた。
●
オフィスの掲示板に、新たにひとつの依頼が追加された。
内容は『街道近辺に出没するコボルドの討伐』。
街と近隣の村を結ぶ街道に数体のコボルドが出現し、その往来の障害になっている。
それを討伐し、街道の安全を確保せよというものだ。
目撃情報及び足跡などからコボルドの数は最大で五体と推測され、放置された矢を短槍代わりにしている個体、太い木の枝を棍棒代わりにした個体などが確認されている。
また、コボルドたちは日中は街道近くの森に潜んでおり、獲物が通り掛かるのを待っているようだ。なお、この森の中には空き地があり、そこでもコボルドの足跡が確認されている。
このコボルドたちは別の亜人との戦いに敗れて少数がこの森に逃げ延びたものと推測される。
その際の負傷により移動速度が鈍っていたため、最初に目撃情報をもたらした夫婦は無事街まで逃げ延びることができたと考えられるが、現在ではその傷は癒えていると思われる。
この村は生産した農産物の販売を生業としており、街道の安全は村の生命線。
街も新鮮な野菜の供給が滞ることで一部物価の上昇などが起きる可能性がある。
また、コボルドたちが繁殖し、より大きな脅威となる可能性も否定できない。
以上の点から、街道の早急な安全回復が望まれる。
ハンター諸氏は事態を軽視せず、全力で事にあたって貰いたい。
解説
〈シナリオ目標〉
・街道付近の森に潜むコボルド討伐してください。
敵はコボルドですので、しっかりと準備と作戦を立てればそれほど恐ろしい敵ではありません。
森は猟師たちが猟をしたり、村人が山菜を採ったりする人々の生活に密着した場所でもあります。
コボルドたちを倒すことに夢中で森を壊してしまうと、色々な人が困ってしまうかも知れません。
また、コボルドたちが出現していることは周知されていますが、街道そのものは封鎖されていません。事情を知らない旅人が通り掛かる可能性もありますので、ご注意ください。
・街道付近の森に潜むコボルド討伐してください。
敵はコボルドですので、しっかりと準備と作戦を立てればそれほど恐ろしい敵ではありません。
森は猟師たちが猟をしたり、村人が山菜を採ったりする人々の生活に密着した場所でもあります。
コボルドたちを倒すことに夢中で森を壊してしまうと、色々な人が困ってしまうかも知れません。
また、コボルドたちが出現していることは周知されていますが、街道そのものは封鎖されていません。事情を知らない旅人が通り掛かる可能性もありますので、ご注意ください。
マスターより
神郷太郎です。
私の初シナリオとなります今回は、定番中の定番と言える調査&戦闘系となっています。
シナリオとしての難易度はそれほど高くありませんが、工夫次第でより良い結末に導くことができるかもしれません。
私の初シナリオとなります今回は、定番中の定番と言える調査&戦闘系となっています。
シナリオとしての難易度はそれほど高くありませんが、工夫次第でより良い結末に導くことができるかもしれません。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/02/13 22:29
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 長良 芳人(ka3874) 人間(リアルブルー)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/02/07 00:20:48 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/02/06 22:22:13 |