• 日常

【未来】(無題)

マスター:近藤豊

シナリオ形態
ショート
難易度
易しい
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 3~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2019/09/16 19:00
リプレイ完成予定
2019/09/25 19:00

オープニング

 邪神戦争末期。
 エトファリカ連邦国にて大きな時代の節目を迎えた。
 ――幕府と朝廷の終焉。
 それはこの国における政治中枢となっていた機関が、突如消失した事を意味していた。幕府を支えたエトファリカ武家四十八家門は有力な領地を持つ武将となり下がり、符術師養成機関となっていた陰陽寮も組織維持も困難になっていく。
 この事態はエトファリカ連邦国そのものが崩壊に繋がっていた。
 そんな混迷の状況の中で、ある同盟話が持ち上がる。
 連邦国東に位置する詩天とその周辺国の間で締結された軍事同盟――後に『詩龍列藩同盟』と呼ばれたこの同盟は、その後に大きな影響を与えていく。

「また来たか」
 詩天の黒狗城で三条家軍師、水野 武徳(kz0196)は大きなため息をつく。
 既に何度目の来訪だろうか。
 いい加減相手にするのも疲れるのだが、無碍に断る訳にもいかない。武徳は筆を置くと、仕方ない様子で来訪者へ向き直った。
「今日はお疲れのご様子。そのような時は、このジェオルジで栽培、発酵させた特製のお茶は如何でしょう?」
 辺境商業管理事務所ゴルドゲイルの所長であるノールド・セッテントリオーネは、西方から持参した手土産を畳の上へそっと置いた。
 武徳はノールドを東西交流祭の時に出会い、その時から懇意にしてきた。何か物入りとなればノールドに探させ、その代わりに若峰内で一定の商売を許可している。バランスを考え帝国商人にも門戸を開いているのだが、ここ最近になってノールドが訪ねる回数が明らかに増えていた。
「ああ、すまぬな」
 武徳は土産をさっと手元へ引き寄せると、再び文机へ向き直る。
 ノールドを厄介者扱いしている証拠だ。
「水野様、ちょっとばっかりぃ冷たくありませんか?」
「わしは忙しいのだ。急に現れおって。用があるなら、さっさと申せ」
「ああ、そのぉ~。できればですね、もう少し取り扱いの品を増やしていただけないかなぁと思いましてぇ~」
 ノールドは申し訳なさそうにボソボソと呟いた。
 実は西方諸国からの品を持ち込む際、厳しい検疫と抜け荷のチェックがある。さらに詩天へ持ち込める品々は限定的であった。これは武徳が国内産業の発展と復興を優先した事、急激に西方から物が入り込んで価格の暴落を危惧した為であった。
「またそれか。申しておろう。この国はまだ充分な産業基盤が出来ておらんのだ」
「そうですかぁ。ですが、同盟相手の松江津や立駒はぁどうですかねぇ?」
(……こやつ、同盟の事を知って動いたか)
 武徳はノールドを油断ならない商人と認識していた。
 詩龍列藩同盟は、詩天や龍鳴寺に加えて松江津や立駒といった隣国も参加している。軍事同盟である以上、ある程度の物資や街道の整備を進めなければならないのだが、その影響もあって同盟国へ人口の流入が飛躍的に向上。経済が大きく活性化。幕府という後ろ盾を失った周辺の小国は、同盟に参加して庇護してもらおうと盟参加の申し出が後を絶たない状況だ。
 ノールドはこの状況を知って商人として同盟国に名前を売ろうとしていたのだ。早くしなければ西方からライバルが多数出現する事を熟知しているのだろう。
「如何ですかぁ? 水野様のご紹介があればぁ、私もよりこの国の発展にぃ貢献させていただきますぅ」
「……良かろう。松江津や立駒に紹介してやろう。ただし、条件がある」
「条件、でございますかぁ?」
「最近、あまりにも忙しくてのう。我が詩天も人材が枯渇しておる。できれば、有能な人材を引き入れたい。その顔合わせも兼ねてこの城で酒宴を開く手伝いをして欲しい」
「はぁ? それでよろしければ」
 状況を理解できない様子のノールド。
 早い話、この城でパーティを開いて欲しいというのだ。それで良ければノールドは幾らでも手伝う。邪神撃破をお題目に掲げ、ハンターを集めれば良いのだから。
 ただ、その目的が本当に人材確保の為なのかが気になるが――。
「水野様。その酒宴というのはぁハンターを呼んでもぉよろしいのですかぁ?」
「……構わぬ。むしろ、それが狙いよ。
 彼らはよく働いた。
 所望すればこの国で領地を与えられた存在である程、心強くもあるが……危険な存在でもある。早めに動かねばこの国の禍根となるやもしれぬ。すべてのハンターが危険な訳ではないが、一つの綻びが大きな傷となるかもしれぬしな」

解説

目的:黒狗城のパーティへ参加する

概要:邪神討伐を祝う形で黒狗城にハンターを招いてパーティが開催される。周辺国である泰山龍鳴寺や松江津、立駒などの武将も来訪して盛大なパーティが行われる。武徳はそのパーティの裏で詩天三条家を盛り立ててる人材確保を狙っているというが、その裏ではハンターを警戒する意図が理由が存在するようだ。

備考:
本依頼はフリーアタックシナリオとなります。また「三条家に仕えたい!」という方はその旨をプレイングに記載いただければ武徳は検討してくれます(称号が発行されるケースもあります)。ただし、武徳は将来を考えてハンターを少々警戒しています。邪神討伐の功績は認めていますが、警戒している理由は別にあるようです。
パーティという事で勝利を準備する事も可能です。食材はノールドが用意してくれますが、客の多くは周辺国の要人です。西方の料理はかなり珍しがられます。

同盟参加国:
パーティに参加する国々です。

・泰山龍鳴寺
幕府との盟約に従い幕府と協力関係を築いてきた寺院。他国の干渉をはね除ける事で今まで独自の文化を築いてきた。龍鳴寺大僧正と若き武僧の許文冠も来訪します。

・松江津
詩山攻略を仕掛けた事もある観音坂公康が君主。野望は多いが機会を見るセンスは鈍い。詩天の国衆を扇動した上、息子の智則を送り込んで若峰侵攻を仕掛けるも武徳に見抜かれた。最終的に智則一人に責任を押しつける形で宮金を延命させた。横柄な態度を取る事が多い。

・立駒
「日和見の有栖川」とも呼ばれる有栖川昴が君主。貴族に憧れ、自らを貴族と称する一風変わった武将。西方文化に興味を示し、西方諸国の貴族衣装に身を包むが、実は西方の事を深くは知らない。一人称は麿、語尾に~おじゃるが付く時点でお察し。だが、抜け目なく戦国の世を生き延びてきた腕は伊達ではない。

マスターより

 近藤豊です。
 詩天のその後に関わるシナリオです。事実上、幕府が倒れた結果、戦争せずに密貿易で富と武力を手に入れた幕末の長州のような状況の中、武徳は西方への利益拡大と同時にハンターを警戒している模様です。フリーアタックですので自由な行動を取っていただいて問題ありませんが、東方の国々が何を考えているのか耳を傾け自らを売り込んでみるのは如何でしょう? なお、同盟については依頼「【東幕】誠心誠意」を参照するとより分かります。
 それでは、冷や汁を肴にお待ちしています。

関連NPC

  • 三条家軍師
    水野 武徳(kz0196
    人間(クリムゾンウェスト)|52才|男性|舞刀士(ソードダンサー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2019/09/19 07:26

参加者一覧

  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムス(ka0796
    人間(紅)|23才|女性|霊闘士
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • ゾファル怠極拳
    ゾファル・G・初火(ka4407
    人間(蒼)|16才|女性|闘狩人
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 変わらぬ変わり者
    ハンス・ラインフェルト(ka6750
    人間(蒼)|21才|男性|舞刀士
  • 私は彼が好きらしい
    穂積 智里(ka6819
    人間(蒼)|18才|女性|機導師
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/09/11 18:50:16