ゲスト
(ka0000)
墜ちた星々を乗り越えて
マスター:猫又ものと

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/09/18 22:00
- リプレイ完成予定
- 2019/09/27 22:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
「……ところで、君はいつまでここに居座るつもりなのかな?」
「そんなの分からないであります! 我輩的にはずっといてあげてもいいでありますよ」
イクタサの森の中にある彼の家。その床に転がっている丸い物体……チューダ(kz0173)にうんざりとした目線を向けるイクタサ(kz0246)。
家の主に向かって、ツギウサギが申し訳なさそうに頭を下げる。
「イクタサ様、申し訳ないッス。……ナーランギ様と幻獣の森を失って、幻獣達は行く場所がないッスよ」
「ああ、それは分かってる。それについては人間達が協議中であることもね。別に君達は気にしなくて良いんだ。僕が言いたいのは、この食って寝てばかりいる幻獣に限っての話だよ」
「むっ。我輩は幻獣王でありますぞ!? もっと敬うがいいのです!」
「僕の知ってる幻獣王はもっと気品があって賢かったけどねえ」
「そうです! 我輩は気品があって賢いのであります!」
「……君、嫌味も通じないんだね」
寝転がったまま胸を張るチューダに、呆れたようにため息をつくイクタサ。
ツキウサギはその様子に苦笑を漏らす。
怠惰王に続き、邪神ファナティックブラッドが倒し、ブラッドリーも退けた辺境の地は、久方振りの平穏を取り戻していた。
とはいえ、押し寄せた大量の歪虚に蹂躙された場所は多い。
長城ノアーラ・クンタウは無事だったものの、開拓地ホープやパシュパティ砦は酷く損壊してしまっている。
そして。先の戦いで、オイマト族はその族長であるバタルトゥ・オイマト(kz0023)も喪った。
彼の遺言に従い、イェルズ・オイマト(kz0143)が族長に就任したが……彼の死を悼む暇もなく、事後処理に追われる日々を送っている。
そして、あの戦いから1か月ほど経った今も、部族会議の大首長の座は空席のままだった。
「……パシュパティ砦を見て来たけど、皆頑張って作業してたよ。あれなら結構早く復興できるんじゃないかな」
「ホープについても、森山艦長率いるラズモネ・シャングリラチームの皆さんが時々お手伝いに来てくれています。お世話になった場所だから、何とかしたいって仰ってくれて……」
ファリフ・スコール(kz0009)とイェルズの報告にヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)が満足そうに頷く。
「そうですか。それは何よりです。あとは……ここに避難してきている辺境の民達の件ですね。皆徐々に自分達の土地に戻りつつありますが、歪虚によって蹂躙されたため、未だ戻れない民達がここに留まっています」
「そっか……。その人達も早く戻れるようにしてあげないとね」
「戻るのに必要なものを聴取した方が良さそうですね」
「ええ、そうしましょう。……それから、ファリフさん、イェルズさん」
「ん? なーに?」
「どうかしましたか?」
「部族会議の件ですが……暫くは大首長を置かず、この3人の協力体制でやっていきましょう」
「……うん。そうだね。それがいいと思う」
「……分かりました」
静かなヴェルナーの声に、頷くファリフとイェルズ。
部族会議の時期大首長については、ファリフとイェルズの名が挙げられていたが……歪虚が去ったとはいえ、混乱が続く辺境。それを決める投票をすることすらままならない。大首長の選定については、もう少し落ち着いてからという結論に至るのは当然の帰結だった。
「さて、紅茶が入りましたよ。お二人ともどうぞ」
「やったー! 戴きます!」
元気に告げて出されたお茶を口にしたファリフ。ふと、紅茶のカップが1つ多いことに気づいた。
「……ヴェルナーさん。そのカップって、もしかしてバタルトゥさんの分?」
「……ええ。あの人がいないことに慣れていないのか、つい用意してしまうんですよね」
らしくありませんよね、と呟くヴェルナーに、イェルズは目を伏せる。
喪った痛みは、時間が癒してくれると言うけれど。
――胸に楔のように刺さったこの痛みは、消えるとは思えなかった。
●墜ちた星々を乗り越えて
「……すごく久しぶりになるんですが、星灯祭を執り行いたいと思います。皆さんも参加して下さいませんか?」
突然現れてそんなことを言い出したイェルズに、ハンター達は目を瞬かせる。
「せいとうさい……って何だ?」
「こんな時にお祭りするの?」
「星灯祭は、死んでいった者達の魂を慰めるオイマト族のお祭りですよ」
首を傾げるハンター達に、淡々と説明を続けるイェルズ。
――星灯祭。
オイマト族では、故人を偲ぶ者達が、色とりどりの蝋燭に花や手紙を添え、火を灯して大地を飾り、餞に酒を酌み交わす風習がある。
蝋燭の火が、亡くなった人の魂を星に住まう精霊の元に導くと言われ、また、蝋燭に手紙を結ぶと故人に想いを届けてくれるという言い伝えがある。
闇夜の中、沢山の蝋燭が立てられた大地は、まるで天の星を映したようで……追悼という内容に反し、とても美しく……。
その灯火の中で、白龍の巫女達による鎮魂の舞も披露されるのだそうだ。
「……邪神ファナティックブラッドとの戦いや、今回の辺境の戦いで、沢山の人が犠牲になったじゃないですか。あの後、ずっと俺達事後処理に追われてて、死を悼む時間もなくて……それに、皆や族長が迷わず精霊の元に辿り着けるよう、手伝いたいですし」
「……イェルズ」
あはは、と力なく笑うイェルズに、言葉をなくすハンター達。
戦いには確かに勝った。けれど、払った犠牲はあまりにも大きい。
大切な存在を喪ったこの青年は、悲しみに蓋をすることで、ここまで動き続けていたのではないだろうか――。
彼らの無念を弔うのは、生きている自分達がすべきことだと、そう思う。
「……勿論個人的に故人を偲んで貰ってもいいですよ。蝋燭を眺めたり、酒を飲むだけでもいいです。……出来れば、協力をお願いします」
「そういうことなら手伝うわ」
死者の魂を鎮めることは生者を奮い立たせることにも繋がる。
この地が、この世界が、が新たな一歩を踏み出す為に……。
――大地に星を降ろそう。
そして、亡くなった人の魂を、天の星の元に送り届けよう――。
「……ところで、君はいつまでここに居座るつもりなのかな?」
「そんなの分からないであります! 我輩的にはずっといてあげてもいいでありますよ」
イクタサの森の中にある彼の家。その床に転がっている丸い物体……チューダ(kz0173)にうんざりとした目線を向けるイクタサ(kz0246)。
家の主に向かって、ツギウサギが申し訳なさそうに頭を下げる。
「イクタサ様、申し訳ないッス。……ナーランギ様と幻獣の森を失って、幻獣達は行く場所がないッスよ」
「ああ、それは分かってる。それについては人間達が協議中であることもね。別に君達は気にしなくて良いんだ。僕が言いたいのは、この食って寝てばかりいる幻獣に限っての話だよ」
「むっ。我輩は幻獣王でありますぞ!? もっと敬うがいいのです!」
「僕の知ってる幻獣王はもっと気品があって賢かったけどねえ」
「そうです! 我輩は気品があって賢いのであります!」
「……君、嫌味も通じないんだね」
寝転がったまま胸を張るチューダに、呆れたようにため息をつくイクタサ。
ツキウサギはその様子に苦笑を漏らす。
怠惰王に続き、邪神ファナティックブラッドが倒し、ブラッドリーも退けた辺境の地は、久方振りの平穏を取り戻していた。
とはいえ、押し寄せた大量の歪虚に蹂躙された場所は多い。
長城ノアーラ・クンタウは無事だったものの、開拓地ホープやパシュパティ砦は酷く損壊してしまっている。
そして。先の戦いで、オイマト族はその族長であるバタルトゥ・オイマト(kz0023)も喪った。
彼の遺言に従い、イェルズ・オイマト(kz0143)が族長に就任したが……彼の死を悼む暇もなく、事後処理に追われる日々を送っている。
そして、あの戦いから1か月ほど経った今も、部族会議の大首長の座は空席のままだった。
「……パシュパティ砦を見て来たけど、皆頑張って作業してたよ。あれなら結構早く復興できるんじゃないかな」
「ホープについても、森山艦長率いるラズモネ・シャングリラチームの皆さんが時々お手伝いに来てくれています。お世話になった場所だから、何とかしたいって仰ってくれて……」
ファリフ・スコール(kz0009)とイェルズの報告にヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)が満足そうに頷く。
「そうですか。それは何よりです。あとは……ここに避難してきている辺境の民達の件ですね。皆徐々に自分達の土地に戻りつつありますが、歪虚によって蹂躙されたため、未だ戻れない民達がここに留まっています」
「そっか……。その人達も早く戻れるようにしてあげないとね」
「戻るのに必要なものを聴取した方が良さそうですね」
「ええ、そうしましょう。……それから、ファリフさん、イェルズさん」
「ん? なーに?」
「どうかしましたか?」
「部族会議の件ですが……暫くは大首長を置かず、この3人の協力体制でやっていきましょう」
「……うん。そうだね。それがいいと思う」
「……分かりました」
静かなヴェルナーの声に、頷くファリフとイェルズ。
部族会議の時期大首長については、ファリフとイェルズの名が挙げられていたが……歪虚が去ったとはいえ、混乱が続く辺境。それを決める投票をすることすらままならない。大首長の選定については、もう少し落ち着いてからという結論に至るのは当然の帰結だった。
「さて、紅茶が入りましたよ。お二人ともどうぞ」
「やったー! 戴きます!」
元気に告げて出されたお茶を口にしたファリフ。ふと、紅茶のカップが1つ多いことに気づいた。
「……ヴェルナーさん。そのカップって、もしかしてバタルトゥさんの分?」
「……ええ。あの人がいないことに慣れていないのか、つい用意してしまうんですよね」
らしくありませんよね、と呟くヴェルナーに、イェルズは目を伏せる。
喪った痛みは、時間が癒してくれると言うけれど。
――胸に楔のように刺さったこの痛みは、消えるとは思えなかった。
●墜ちた星々を乗り越えて
「……すごく久しぶりになるんですが、星灯祭を執り行いたいと思います。皆さんも参加して下さいませんか?」
突然現れてそんなことを言い出したイェルズに、ハンター達は目を瞬かせる。
「せいとうさい……って何だ?」
「こんな時にお祭りするの?」
「星灯祭は、死んでいった者達の魂を慰めるオイマト族のお祭りですよ」
首を傾げるハンター達に、淡々と説明を続けるイェルズ。
――星灯祭。
オイマト族では、故人を偲ぶ者達が、色とりどりの蝋燭に花や手紙を添え、火を灯して大地を飾り、餞に酒を酌み交わす風習がある。
蝋燭の火が、亡くなった人の魂を星に住まう精霊の元に導くと言われ、また、蝋燭に手紙を結ぶと故人に想いを届けてくれるという言い伝えがある。
闇夜の中、沢山の蝋燭が立てられた大地は、まるで天の星を映したようで……追悼という内容に反し、とても美しく……。
その灯火の中で、白龍の巫女達による鎮魂の舞も披露されるのだそうだ。
「……邪神ファナティックブラッドとの戦いや、今回の辺境の戦いで、沢山の人が犠牲になったじゃないですか。あの後、ずっと俺達事後処理に追われてて、死を悼む時間もなくて……それに、皆や族長が迷わず精霊の元に辿り着けるよう、手伝いたいですし」
「……イェルズ」
あはは、と力なく笑うイェルズに、言葉をなくすハンター達。
戦いには確かに勝った。けれど、払った犠牲はあまりにも大きい。
大切な存在を喪ったこの青年は、悲しみに蓋をすることで、ここまで動き続けていたのではないだろうか――。
彼らの無念を弔うのは、生きている自分達がすべきことだと、そう思う。
「……勿論個人的に故人を偲んで貰ってもいいですよ。蝋燭を眺めたり、酒を飲むだけでもいいです。……出来れば、協力をお願いします」
「そういうことなら手伝うわ」
死者の魂を鎮めることは生者を奮い立たせることにも繋がる。
この地が、この世界が、が新たな一歩を踏み出す為に……。
――大地に星を降ろそう。
そして、亡くなった人の魂を、天の星の元に送り届けよう――。
解説
■目的
歪虚の去った辺境の地で、自由なひと時をお過ごしください。
基本自由に過ごして戴いて構いませんが、選択肢にある場所以外は行けません。
明確にやりたいことがある方向けの自由度の高いシナリオです。
■行動選択
以下から、行動を選択してください。
選べる選択肢は1つだけです。復興作業を手伝った後に星灯祭に行くといったことは出来ません。
選択した行動番号は、プレイング冒頭への記載をお願いします。
【1】辺境の地の復興作業を手伝う
先の戦いで歪虚に蹂躙されたパシュパティ砦や開拓地ホープの復興作業を行います。
復興の内容については自由に考えて戴いて構いません。
【2】星灯祭に参加する
星灯祭に参加し、自由に過ごします
故人を偲んで蝋燭を灯して戴くもよし、天の川のような蝋燭を眺めて戴くもよし、餞の酒を味わって戴くもよしです。
餞の酒と食事も出ますが、今回は状況が状況ですので、静かにお楽しみ戴けたらと思います。
■同行者の指定
同行する人がいる場合【同行者のフルネームと番号】を冒頭に記載してください。
例:【同行者】イェルズ・オイマト(kz0143)
複数いらっしゃる場合は【チーム名】でご指定戴いても大丈夫です。
同行者がいらっしゃらない場合は、お一人でいらっしゃっている方と一緒に書かせて戴くことがあります。
希望されない方は【単身希望】とお書き添え下さい。
■NPCの同行
今回はイェルズが同行しています。
彼以外のNPCを呼びたい方は、その旨お書き添え下さい。
呼べるNPCは以下の通りです。
スメラギ、真美、レギ、トモネ、イクタサ、大巫女、ヴェルナー、キュジィ、チューダ、ツキウサギ、テルル、恭子などメタ・シャングリラのクルー達。
文字数の関係上、複数ご指定戴いた場合、その中から1人を選んで描写させて戴きます。
OPには登場していますがNPCは指定がない限り描写しません。
■その他
白紙は描写できません。
歪虚の去った辺境の地で、自由なひと時をお過ごしください。
基本自由に過ごして戴いて構いませんが、選択肢にある場所以外は行けません。
明確にやりたいことがある方向けの自由度の高いシナリオです。
■行動選択
以下から、行動を選択してください。
選べる選択肢は1つだけです。復興作業を手伝った後に星灯祭に行くといったことは出来ません。
選択した行動番号は、プレイング冒頭への記載をお願いします。
【1】辺境の地の復興作業を手伝う
先の戦いで歪虚に蹂躙されたパシュパティ砦や開拓地ホープの復興作業を行います。
復興の内容については自由に考えて戴いて構いません。
【2】星灯祭に参加する
星灯祭に参加し、自由に過ごします
故人を偲んで蝋燭を灯して戴くもよし、天の川のような蝋燭を眺めて戴くもよし、餞の酒を味わって戴くもよしです。
餞の酒と食事も出ますが、今回は状況が状況ですので、静かにお楽しみ戴けたらと思います。
■同行者の指定
同行する人がいる場合【同行者のフルネームと番号】を冒頭に記載してください。
例:【同行者】イェルズ・オイマト(kz0143)
複数いらっしゃる場合は【チーム名】でご指定戴いても大丈夫です。
同行者がいらっしゃらない場合は、お一人でいらっしゃっている方と一緒に書かせて戴くことがあります。
希望されない方は【単身希望】とお書き添え下さい。
■NPCの同行
今回はイェルズが同行しています。
彼以外のNPCを呼びたい方は、その旨お書き添え下さい。
呼べるNPCは以下の通りです。
スメラギ、真美、レギ、トモネ、イクタサ、大巫女、ヴェルナー、キュジィ、チューダ、ツキウサギ、テルル、恭子などメタ・シャングリラのクルー達。
文字数の関係上、複数ご指定戴いた場合、その中から1人を選んで描写させて戴きます。
OPには登場していますがNPCは指定がない限り描写しません。
■その他
白紙は描写できません。
マスターより
お世話になっております。猫又です。
辺境での戦い、お疲れ様でした……という訳で、フリーアタックシナリオをお届けします。
バタルトゥはああいう結果となりましたが、無事に一つの終わりを迎えることが出来ました。
これも皆様のお陰です。ありがとうございました。
それでも、辺境の地の復興は始まったばかりです。未来の為に何ができるのか。
そして、戦場に散った命に、その想いが届くよう、猫又も精一杯お手伝いさせて戴きます。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
辺境での戦い、お疲れ様でした……という訳で、フリーアタックシナリオをお届けします。
バタルトゥはああいう結果となりましたが、無事に一つの終わりを迎えることが出来ました。
これも皆様のお陰です。ありがとうございました。
それでも、辺境の地の復興は始まったばかりです。未来の為に何ができるのか。
そして、戦場に散った命に、その想いが届くよう、猫又も精一杯お手伝いさせて戴きます。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/09/29 14:13