• 日常

新しい時のはじまりで

マスター:ことね桃

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,500
参加人数
現在4人 / 3~4人
サポート
現在0人 / 0~4人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
5日
プレイング締切
2019/09/29 22:00
リプレイ完成予定
2019/10/13 22:00

オープニング

●邪神がいなくなった世界

 邪神が消滅してから数週間後。
 クリムゾンウェストでは戦争の災禍に巻き込まれた地域の復興が進められていた。

 当初は死者を悼む者ややりきれない怒りに声を荒げる者。
 民は心を苛まれるばかりだったが――やはりヒトとは強いものだ。
 復興が進むごとに大切な存在を思い出し、少しずつ本来の心を取り戻していく。
 ひとりひとりが立ち上がるごとに、街は賑わいを取り戻していった。

 そんなある日のこと。
 負傷者の治療活動に従事しているフィー・フローレ(kz0255)が
 帝都のハンターオフィスに立ち寄るとカウンターに立てかけられた一冊のノートが目に入った。
「アレ? コンナノアッタカシラ」
「ああ、それかい? 邪神戦争の時に一般の人々が連絡をとるために置いていったノートさ」
 オフィスの職員がカウンターから身を乗り出し、フィーに告げる。
 ぱらぱらと頁を捲ると、走り書きであろう乱雑な字で連絡先や避難先の住所が記されていた。
「ほら、ハンターや精霊でないとマテリアルを使う通信機器は使えないだろう?
 だからここが連絡の中継地点をしていたんだ。オフィスならハンターが出入りするから比較的安全だし」
「ソウナンダ……コレヲ書イタ人達ハ皆無事ナノカナ」
「わからん。帝都でも住民を全て確認できたわけではないからなぁ……。
 それにこのノートも近々処分することになるんだ」
「エ? コレ、捨テチャウノ?」
 フィーがノートを捲る手を止めて大きな目をきょとんとさせた。
「個人情報の塊みたいなもんだからな。
 職員の管理のもとにあるとはいえ、大切な情報を直に他者が見られる状況を続けるのは良くないだろう」
「……ンー。ヨクワカンナイケレド、ソレハチョット寂シイ気ガスルノネ……」
「ま、内容はデータベースに入れて問い合わせに応じられる状態にはしておくさ。
 だからお嬢ちゃんが心配することはない。皆がきちんと帰れるようにしなくちゃいけないからな」
「……」
 フィーはそれがほんの少し。納得がいかなかった。
 誰かが大切な人に向けた優しい気持ちが消されてしまう気がしたから――だった。


●街角でふらり

『……あぁ、政治っていうのがこんなに面倒くさいものだとは知らなかったよ』
 ローザリンデ(kz0269)は帝都の議会施設から出るなり額を手でぐっと押さえた。
 以前より話には出ていた帝国民主化の流れ。
 そこで昨年の時点で精霊の代表者として名を挙げられたローザは
 事前に民主化とは何なのかを学ぼうとしたのだが……。
 何しろ、自然精霊という存在は良くも悪くも視野が狭く頑固だ。
 自分に流れるマテリアルのことはもちろん、
 居住する地域の環境や信仰の力については熱心に考えるのに、それ以外はとんと想像すらしない。
 だから帝国全土の政について尋ねてもおそらくは一方的に自己主張をされるだろう。
(民主化とは国民全員が国の行く先を考え、
 責任をもって政に参加すること……精霊に馴染むまでに何年かかるかねェ)
 まずは人間に近い思考ができる英霊や概念精霊に話を持ち掛け、
 少しずつ情報を広げてみるか……とぼんやり考えた時。
 フィーが鼻をすんすん鳴らしながら背中を丸めて前を歩いているのが見えた。
『どうしたんだい、フィー。なんだか随分と元気がないじゃないか』
「ウン、アノネ……」
 早速フィーが先ほどのノートの件を話すと
 ローザは『ん……そればかりは仕方がないかねぇ』と言ってしゃがみ込んだ。
『オフィスの職員にも施設の利用者の情報を守る義務があるのさ。
 もし強盗のようなタチの悪い連中がそのノートを悪用したら大変だろ?』
「……ウン」
 理屈ではわかっている。だからどうしようもできないことが悔しいのだ。
 そこでローザは『そうだねェ……』と考えると、肩に下げた鞄からノートを一冊フィーに差し出した。
『どうしてもね、そのノートの扱いはオフィスに任せるしかない。
 ……だったら代わりにこのノートに皆の想いを綴るようにしたらどうだい?』
「想イ、ヲ?」
『そうさ。自由に。絵でも独り言でもいい。
 嬉しいことを記録したり、悲しい気持ちを吐き出したり、これからの夢を描いたり』
「……」
『皆の気持ちを受け止め、時には言葉を交わし合うもの……。
 そういうものになるといいよね。後で見て、誰もがほっとできるような』
 フィーがノートを捲る。それは――真っ白な新品だった。
「イイノ? コンナニ綺麗ナノニ」
『ああ。今のアタシには勉強も大切だけど、精霊側の意識の変革も必要だとわかったからね。
 しばらくは帝国のあちこちを行ったり来たりになるだろうさ。
 根気強く話を聞かないと、どうにも……気難しい子が多いからねェ』
 ふふっと笑ってローザが背を向ける。
 そんな彼女に対しフィーは「アリガト! ノート大切ニスルノ!」と叫び、ぴょんぴょん跳ねて立ち去った。


●真っ白なノート

 さて、ここ――ハンターオフィスにフィーが置いていったノートが置いてある。
 表紙に「こころののーと」と太いペンで書いてあるだけの空白の紙面。
 あなたはここに何を記すのだろうか。
 邪神なき今の平穏? それとも失ったものに対する寂寥? もしくは無限に広がる希望?
 いずれにせよ、何か想いを伝えれば……誰かからちょっとした返事が来るかもしれない。
 そんなささやかな手紙のやりとりを、してみませんか?

解説

目的:邪神戦争終結後、間もなく移り変わるあなたの生活を教えてください

場所:帝国内全域か、冒険都市リゼリオの一角となります

行動について:フリーアタックシナリオです。
 ノートに書くメッセージや絵のイメージを記入し、それに基づく「今」を教えてください。
 胸に痛みを抱いている方、新天地に旅立つ方、新たな家族や恋人との生活を始める方、
 新たな目標を掲げた方、今までとは違う生き方を選ぶ方……どんな方でもご参加をお待ちしております。
 なお蔵倫に触れるような行動(えっちなこととか!)はほんわかぼかしますのでご了承くださいませ。
 ことね桃所有のNPCは呼べば喜んで参りますのでご縁がある方はお気軽にどうぞ。

質問について:
 出発日前日の正午までに質問卓を立て、お問い合わせください。フィーかローザが回答いたします。

マスターより

こんにちは、ことねです。

皆様のおかげで邪神が討伐され、穏やかな日常が取り戻されました。
もっとも帝国ではもう少しだけ物語が続くのですが……
その間の日常のひとこまを描きたく思っております。

ラブラブな砂糖ぶちまけ系恋バナでも
しっとりした哀愁系でも希望に満ちた冒険系でもどーんと来い!
そんなゆるーい物語ですのでよろしくお願いします。

関連NPC

  • 赫奕の慈母
    ローザリンデ(kz0269
    精霊|27才|女性|精霊
  • ふわふわふんわり
    フィー・フローレ(kz0255
    精霊|10才|女性|精霊
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2019/10/19 04:37

参加者一覧

  • よき羊飼い
    リアリュール(ka2003
    エルフ|17才|女性|猟撃士
  • フリーデリーケの旦那様
    アルマ・A・エインズワース(ka4901
    エルフ|26才|男性|機導師
  • 比翼連理―瞳―
    澪(ka6002
    鬼|12才|女性|舞刀士
  • 比翼連理―翼―
    濡羽 香墨(ka6760
    鬼|16才|女性|聖導士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言