ゲスト
(ka0000)
宛てない思い
マスター:音無奏

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 1~25人
- ユニット参加人数
- 現在2 / 0~25
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/10/21 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/11/04 19:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
封筒を手に、一筋だけ空いた箱の入れ口に押し込むと、手紙が落ちて見えなくなる。
入れ口は手が入れられないほどに細く、箱の深さも相まって入れた手紙にはもう手が届きそうにない。こういう箱なのだ、わかっていた。
これで良かったのかどうか考えると胸の動悸が収まらなくて、でももうどうしようもないから、未練がましく箱に触れた後、人影は箱のある教会を後にした。
残されたのは、静かな礼拝堂に手紙が収められた箱が一つ。
…………。
「……いや、別にそこまで思いつめるような話じゃないからな?」
イオは強めな口調で前置きをして、噂話を聞きたがるハンター達の前で話を始めた。
その教会はシャリール地方の郊外にあり、定期的に街の人間が掃除に来る以外は殆ど無人となっている。
敢えて無人になっている、とでもいうべきか。
街からさして離れていない事もあり、人目を好まず、静かに礼拝を捧げたい人間のためにそう配慮されていた。
件の箱は頑丈な木製であり、礼拝の邪魔をしないで済むよう礼拝堂の隅に置かれている。傍らに冊子があり、郵便箱について説明されていた。
『この郵便箱に入れた手紙は届かない』
郵便箱の中身は定期的に配達を生業とする人間――この街ではイオが回収し、教会の裏手で焼き上げる。
中身は決して見ないし、たとえ本人を名乗る人間がいても手紙を渡す事はない。
入れられたものは誰の目に触れる事もなく、確実に焼却されるようになっている。
「焼くために手紙を出すんですか?」
「焼いてもらうために手紙を出す、が正しいかな」
ハンター達の問いかけにイオは些細な訂正を施した。
焼かれる事を承知で出す手紙なのだから、即ち誰にも言えない気持ちや未練の類に他ならない。
だがどのような内容であれイオがそれを知る事はない、故に躊躇する事もなく手紙を火にくべる。
投函した本人では決着のつけられない気持ちを、他人が代わりに断ち切るのだ。
手紙も、それを出す人間も、思いは様々だろう。
思いを記し、それを火の中に送り込む事で思うのは解放か、後悔か。
投函された手紙を返す事は出来ないけれど、後悔したならもう一度書けばやり直せるのだとイオは静かに言う。
「焼いてすっきりしたって奴もいるし、焼いてしまった事で重大さに気がついたって奴も少なくはない」
殴り込みも多いけどなとイオは苦笑して、後悔したならもう一回手紙を書き直せばいいんだよと繰り返し告げた。
「別に、これで焼かれるのは手紙だけだ、失敗としては致命的じゃない、気づけたのなら幾らでもやり直しが出来る」
話を終えたイオは席を立つ、誰が反応を示したとか、そういうのも知るつもりはないようだ。
「手紙を焼いたことは煙でわかると思うよ。その時の立ち入りは許可出来ないけど……文房具屋なら、この街にあるから」
封筒を手に、一筋だけ空いた箱の入れ口に押し込むと、手紙が落ちて見えなくなる。
入れ口は手が入れられないほどに細く、箱の深さも相まって入れた手紙にはもう手が届きそうにない。こういう箱なのだ、わかっていた。
これで良かったのかどうか考えると胸の動悸が収まらなくて、でももうどうしようもないから、未練がましく箱に触れた後、人影は箱のある教会を後にした。
残されたのは、静かな礼拝堂に手紙が収められた箱が一つ。
…………。
「……いや、別にそこまで思いつめるような話じゃないからな?」
イオは強めな口調で前置きをして、噂話を聞きたがるハンター達の前で話を始めた。
その教会はシャリール地方の郊外にあり、定期的に街の人間が掃除に来る以外は殆ど無人となっている。
敢えて無人になっている、とでもいうべきか。
街からさして離れていない事もあり、人目を好まず、静かに礼拝を捧げたい人間のためにそう配慮されていた。
件の箱は頑丈な木製であり、礼拝の邪魔をしないで済むよう礼拝堂の隅に置かれている。傍らに冊子があり、郵便箱について説明されていた。
『この郵便箱に入れた手紙は届かない』
郵便箱の中身は定期的に配達を生業とする人間――この街ではイオが回収し、教会の裏手で焼き上げる。
中身は決して見ないし、たとえ本人を名乗る人間がいても手紙を渡す事はない。
入れられたものは誰の目に触れる事もなく、確実に焼却されるようになっている。
「焼くために手紙を出すんですか?」
「焼いてもらうために手紙を出す、が正しいかな」
ハンター達の問いかけにイオは些細な訂正を施した。
焼かれる事を承知で出す手紙なのだから、即ち誰にも言えない気持ちや未練の類に他ならない。
だがどのような内容であれイオがそれを知る事はない、故に躊躇する事もなく手紙を火にくべる。
投函した本人では決着のつけられない気持ちを、他人が代わりに断ち切るのだ。
手紙も、それを出す人間も、思いは様々だろう。
思いを記し、それを火の中に送り込む事で思うのは解放か、後悔か。
投函された手紙を返す事は出来ないけれど、後悔したならもう一度書けばやり直せるのだとイオは静かに言う。
「焼いてすっきりしたって奴もいるし、焼いてしまった事で重大さに気がついたって奴も少なくはない」
殴り込みも多いけどなとイオは苦笑して、後悔したならもう一回手紙を書き直せばいいんだよと繰り返し告げた。
「別に、これで焼かれるのは手紙だけだ、失敗としては致命的じゃない、気づけたのなら幾らでもやり直しが出来る」
話を終えたイオは席を立つ、誰が反応を示したとか、そういうのも知るつもりはないようだ。
「手紙を焼いたことは煙でわかると思うよ。その時の立ち入りは許可出来ないけど……文房具屋なら、この街にあるから」
解説
+解説
手紙を書き、無人の教会にある『届かない郵便箱』に収めます。
収められた手紙は教会で焼き上げられますので
『手紙は届かない前提』『言えない気持ちの整理用』としてお使いください。
便箋と封筒ですがすぐ近くに文房具屋さんがあります、作業台を備えたあのお店です。
【隠】と行頭につけた段落についてはリプレイに掲載しません、MSが判断出来れば括弧を削っても構いません。
MSだけ知ってればいい情報に表記してください。
手紙の内容につけた場合はPCの行動と心情メインで描写する事になります。
+お約束
アレもコレも書く事は出来ないので
手紙を書くシーンか、教会に納めるシーン、どっちかが重点になると思います。
趣旨から外れる方・シナリオの雰囲気にそぐわない方は強制カメラ外となります。
手紙を書き、無人の教会にある『届かない郵便箱』に収めます。
収められた手紙は教会で焼き上げられますので
『手紙は届かない前提』『言えない気持ちの整理用』としてお使いください。
便箋と封筒ですがすぐ近くに文房具屋さんがあります、作業台を備えたあのお店です。
【隠】と行頭につけた段落についてはリプレイに掲載しません、MSが判断出来れば括弧を削っても構いません。
MSだけ知ってればいい情報に表記してください。
手紙の内容につけた場合はPCの行動と心情メインで描写する事になります。
+お約束
アレもコレも書く事は出来ないので
手紙を書くシーンか、教会に納めるシーン、どっちかが重点になると思います。
趣旨から外れる方・シナリオの雰囲気にそぐわない方は強制カメラ外となります。
マスターより
音無です、どんなに遅くなってもこれだけは出したい、と思っていたシナリオをお届けします。
皆様と触れ合う機会を余り作れなくて申し訳ありません、多分これが最後の一本か二本くらいのシナリオだと思います。
正直希望あふれる未来とか私の柄じゃないので、どうぞ未練とかそういうのをこのシナリオで焼き上げておいてください。
ご縁を頂けるようでしたらまたお会いしたいと思います、音無でした。
皆様と触れ合う機会を余り作れなくて申し訳ありません、多分これが最後の一本か二本くらいのシナリオだと思います。
正直希望あふれる未来とか私の柄じゃないので、どうぞ未練とかそういうのをこのシナリオで焼き上げておいてください。
ご縁を頂けるようでしたらまたお会いしたいと思います、音無でした。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/10/30 23:01