ゲスト
(ka0000)
捨てる神あれば……
マスター:サトー

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~7人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/02/14 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/02/23 12:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
極彩色の街、ヴァリオス。
自由都市同盟の顔として、評議会や魔術師協会本部のあるこの街には、大きく分けて3つの商区がある。
一つは高級品などを扱う、ヴァリオスの目玉である高級商店街。
一つは最新流行の発信地である新興商店街。
もう一つは、旅行者や学生、労働者が集う大衆商店区。
その大衆商店区に店を構えるアミーコ個人商店。主に生鮮食品を扱うその主は、厳しくも優しい恰幅の良いおばさん。
「ちょいと、アン。ファルソさんのところに行ってきてくれるかい?」
「だから、おばさん! アンじゃなくて、ビッツィって呼んでくださいって言ってるでしょうが!」
抗議の声を上げるのは、短く刈り上げた赤髪をトサカのように立てている、目つきの悪い若い男。
名は、アン・ビツィオーネ。
よく女と間違われるせいで、アンという呼び名が好きではないようだが、アンの方が断然呼びやすいと、おばさんは全く掛け合ってくれない。
「ああ、はいはい。で、今から大丈夫かい?」
アンは棚卸の作業を中断する。
「どしたんですか? 急に」
「ファルソさん、ぎっくり腰らしくてね」
「ああ、歳ですもんね」
「それで、今日の荷を運べないそうだから、今から行って受け取って来て頂戴」
「へーい」
お昼前、まだ休憩には早い。
アンはまくっていた袖を元に戻し、壁に掛けてあった上着を羽織って郊外にあるファルソ宅へ向かった。
●
「すまんね」
出迎えたファルソ爺が、アンに荷物を示す。
「…………」
目の前に置かれた荷袋は荷でぱんぱんに膨れており、自分の身体の半分ほどもある。通常よりも明らかに大きい。
「若いもんなら、これ位大丈夫じゃろ。いやぁ、ぎっくり腰は辛いのう」
腰をトントンと叩くファルソ爺。
本当にぎっくり腰だったら、こうして立っていることも無理なのではなかろうか。
「じゃ、頼んだぞ」
ぱたんと閉じられる扉。
この爺は、と内心毒を吐きながらも、不承不承アンは腰を屈め、荷を背負う。
野菜が主とはいえ、これだけの量になれば結構な重さだ。
ぐぅと足を踏ん張り何とか背負いあげると、アンはえっちらおっちら帰路に着く。
足取りが覚束ないのは当然のこと。小石に躓いて転んでしまうのも、仕方ないだろう。
一回転二回転。アンはごろごろと土の道を転がる。
頭を振って立て直したアンが見つめるのは、土に塗れた荷袋。幸い、荷が袋から飛び出してはいなかった。
アンはゆっくりと結び目を解き、中身を確認する。
「あ、あぁ…………」
人参、ネギ、キャベツ、大根、株、玉葱、ジャガイモ、ほうれん草、オレンジなどなど。荷の半分以上が圧迫され、傷み、また一部形が崩れていた。
「これじゃ売りもんにならねえぞ……」
アンはどうしたものかと思案する。
このまま持って帰れば、あのおばさんでも激怒しかねない。場合によっては、給料から天引きも十分にあり得る。それは避けたかった。
うんうんと腕を組み唸るアンの下に、近づいて来る一つの集団。
何やらものものしい装備をした一団を見て、アンはハタと閃く。
あの集団の格好からして、恐らくはハンターと呼ばれる者達だろう。
ハンターといえば、腕っぷしだけではなく、知恵の回る者も少なくないと聞いたことがある。
これは何と好都合な。
アンは手を振って、大きな声を上げた。
「おーーい! ちょっと手を貸してくれー!」
●
呼び止められたハンター達は、事情を聞いて頷いた。どうやら仕事帰りだったらしく、丁度手が空いているそうな。
「何とかこいつらを売り捌きたいんだ。
値引きしても構わねえ。値を下げれば下げるほど売れやすくはなるだろうが、あんまり値引きしすぎてもな。出来れば赤字は避けてえけど、売れ残るのが一番困る。それだけは絶対にな」
そうなれば、自動的にアンの懐が痛むことになるだろう。いや、それだけならまだいいかもしれない。
こんなことで自分の評価が下がれば、出店という自分の夢が一歩遠のくことは間違いなかった。
逆に、この危機を乗り越えられれば、むしろ評価が上がるかもしれない。
ピンチの中にチャンスありだ。アンは腹の中でくっくと笑う。
「と言っても、ただ売るだけじゃ見向きもされねえ可能性があるしな……。
付加価値を狙うとしたら……加工は、そうだな。ウチは料理屋じゃねえし、家庭レベルの物しかねぇ。
食事のできるスペースだってありゃしねえからなぁ……。
それに、料金の設定も厄介だな」
あとは工夫次第か、とアンは一人ごちる。
「一先ずこれから店に戻っから、一緒に着いてきてくれ。
俺はアン・ビツィオーネ。ビッツィって呼んでくれや。
んで、店に着くまでに、何とかこいつらの上手い処理方法を考えてくれねえか。頼むわ」
極彩色の街、ヴァリオス。
自由都市同盟の顔として、評議会や魔術師協会本部のあるこの街には、大きく分けて3つの商区がある。
一つは高級品などを扱う、ヴァリオスの目玉である高級商店街。
一つは最新流行の発信地である新興商店街。
もう一つは、旅行者や学生、労働者が集う大衆商店区。
その大衆商店区に店を構えるアミーコ個人商店。主に生鮮食品を扱うその主は、厳しくも優しい恰幅の良いおばさん。
「ちょいと、アン。ファルソさんのところに行ってきてくれるかい?」
「だから、おばさん! アンじゃなくて、ビッツィって呼んでくださいって言ってるでしょうが!」
抗議の声を上げるのは、短く刈り上げた赤髪をトサカのように立てている、目つきの悪い若い男。
名は、アン・ビツィオーネ。
よく女と間違われるせいで、アンという呼び名が好きではないようだが、アンの方が断然呼びやすいと、おばさんは全く掛け合ってくれない。
「ああ、はいはい。で、今から大丈夫かい?」
アンは棚卸の作業を中断する。
「どしたんですか? 急に」
「ファルソさん、ぎっくり腰らしくてね」
「ああ、歳ですもんね」
「それで、今日の荷を運べないそうだから、今から行って受け取って来て頂戴」
「へーい」
お昼前、まだ休憩には早い。
アンはまくっていた袖を元に戻し、壁に掛けてあった上着を羽織って郊外にあるファルソ宅へ向かった。
●
「すまんね」
出迎えたファルソ爺が、アンに荷物を示す。
「…………」
目の前に置かれた荷袋は荷でぱんぱんに膨れており、自分の身体の半分ほどもある。通常よりも明らかに大きい。
「若いもんなら、これ位大丈夫じゃろ。いやぁ、ぎっくり腰は辛いのう」
腰をトントンと叩くファルソ爺。
本当にぎっくり腰だったら、こうして立っていることも無理なのではなかろうか。
「じゃ、頼んだぞ」
ぱたんと閉じられる扉。
この爺は、と内心毒を吐きながらも、不承不承アンは腰を屈め、荷を背負う。
野菜が主とはいえ、これだけの量になれば結構な重さだ。
ぐぅと足を踏ん張り何とか背負いあげると、アンはえっちらおっちら帰路に着く。
足取りが覚束ないのは当然のこと。小石に躓いて転んでしまうのも、仕方ないだろう。
一回転二回転。アンはごろごろと土の道を転がる。
頭を振って立て直したアンが見つめるのは、土に塗れた荷袋。幸い、荷が袋から飛び出してはいなかった。
アンはゆっくりと結び目を解き、中身を確認する。
「あ、あぁ…………」
人参、ネギ、キャベツ、大根、株、玉葱、ジャガイモ、ほうれん草、オレンジなどなど。荷の半分以上が圧迫され、傷み、また一部形が崩れていた。
「これじゃ売りもんにならねえぞ……」
アンはどうしたものかと思案する。
このまま持って帰れば、あのおばさんでも激怒しかねない。場合によっては、給料から天引きも十分にあり得る。それは避けたかった。
うんうんと腕を組み唸るアンの下に、近づいて来る一つの集団。
何やらものものしい装備をした一団を見て、アンはハタと閃く。
あの集団の格好からして、恐らくはハンターと呼ばれる者達だろう。
ハンターといえば、腕っぷしだけではなく、知恵の回る者も少なくないと聞いたことがある。
これは何と好都合な。
アンは手を振って、大きな声を上げた。
「おーーい! ちょっと手を貸してくれー!」
●
呼び止められたハンター達は、事情を聞いて頷いた。どうやら仕事帰りだったらしく、丁度手が空いているそうな。
「何とかこいつらを売り捌きたいんだ。
値引きしても構わねえ。値を下げれば下げるほど売れやすくはなるだろうが、あんまり値引きしすぎてもな。出来れば赤字は避けてえけど、売れ残るのが一番困る。それだけは絶対にな」
そうなれば、自動的にアンの懐が痛むことになるだろう。いや、それだけならまだいいかもしれない。
こんなことで自分の評価が下がれば、出店という自分の夢が一歩遠のくことは間違いなかった。
逆に、この危機を乗り越えられれば、むしろ評価が上がるかもしれない。
ピンチの中にチャンスありだ。アンは腹の中でくっくと笑う。
「と言っても、ただ売るだけじゃ見向きもされねえ可能性があるしな……。
付加価値を狙うとしたら……加工は、そうだな。ウチは料理屋じゃねえし、家庭レベルの物しかねぇ。
食事のできるスペースだってありゃしねえからなぁ……。
それに、料金の設定も厄介だな」
あとは工夫次第か、とアンは一人ごちる。
「一先ずこれから店に戻っから、一緒に着いてきてくれ。
俺はアン・ビツィオーネ。ビッツィって呼んでくれや。
んで、店に着くまでに、何とかこいつらの上手い処理方法を考えてくれねえか。頼むわ」
解説
目的:
傷んだ食品の販売(出来れば赤字は避けたい)。
食品:
人参、ネギ、キャベツ、大根、株、玉葱、ジャガイモ、ほうれん草、オレンジなど。
荷の半分以上はどこかしら傷んでいる。傷みの具合は、まちまち。
形が完全に崩れ、潰れかけているものもある。
料金:
ハンター同士で話し合って、どの程度値引きするか設定可能。値引きしなくとも良い。
(例:原価まで。原価の8割など)
値引きすればするほど、売れやすくはなる。
元値は、原価の1~2割増し。
加工:
持ち運びのできる食事で、簡単な調理器具で作れるものなら可能。
客層:
割引してあれば、とにかく買う人(2割)
割り引いてあっても、とりあえず値切る人(6割)
商品が傷んでいるなら、絶対買わない人(2割)
アン・ビツィオーネ:
赤髪のとさかを持つ男。若い。目つきが悪い。
アミーコ商店唯一の従業員。アンと呼ぶと怒る。
将来の夢は、高級商店街に自分の店を持つこと。
ヴァリオス大衆商店区:
旅行者や学生、労働者の集う商区。
店の前での掛け声による客引きは日常茶飯事。
アミーコ商店:
個人商店。ヴァリオス大衆商店区にある。
主に野菜や果物、副次的に肉や魚などを扱っている。
商店街の一角にあり、店の前の通りは通行人で賑わっている。
傷んだ食品の販売(出来れば赤字は避けたい)。
食品:
人参、ネギ、キャベツ、大根、株、玉葱、ジャガイモ、ほうれん草、オレンジなど。
荷の半分以上はどこかしら傷んでいる。傷みの具合は、まちまち。
形が完全に崩れ、潰れかけているものもある。
料金:
ハンター同士で話し合って、どの程度値引きするか設定可能。値引きしなくとも良い。
(例:原価まで。原価の8割など)
値引きすればするほど、売れやすくはなる。
元値は、原価の1~2割増し。
加工:
持ち運びのできる食事で、簡単な調理器具で作れるものなら可能。
客層:
割引してあれば、とにかく買う人(2割)
割り引いてあっても、とりあえず値切る人(6割)
商品が傷んでいるなら、絶対買わない人(2割)
アン・ビツィオーネ:
赤髪のとさかを持つ男。若い。目つきが悪い。
アミーコ商店唯一の従業員。アンと呼ぶと怒る。
将来の夢は、高級商店街に自分の店を持つこと。
ヴァリオス大衆商店区:
旅行者や学生、労働者の集う商区。
店の前での掛け声による客引きは日常茶飯事。
アミーコ商店:
個人商店。ヴァリオス大衆商店区にある。
主に野菜や果物、副次的に肉や魚などを扱っている。
商店街の一角にあり、店の前の通りは通行人で賑わっている。
マスターより
お疲れさまでございます。
アミーコ商店の規模は、リアルブルーの商店街のちょっと大きめの八百屋程度のイメージです。
アミーコ商店は日暮れに合わせて閉店となります。
では、おやすみなさい。
アミーコ商店の規模は、リアルブルーの商店街のちょっと大きめの八百屋程度のイメージです。
アミーコ商店は日暮れに合わせて閉店となります。
では、おやすみなさい。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/02/20 09:51
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 三日月 壱(ka0244) 人間(リアルブルー)|14才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/02/14 00:02:50 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/02/10 01:09:06 |