• 無し

【未来】long vacation

マスター:KINUTA

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
イベント
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加人数
現在18人 / 1~25人
報酬
普通
相談期間
7日
プレイング締切
2019/11/08 22:00
リプレイ完成予定
2019/11/22 22:00

オープニング


 ユニゾン歴103年(王国歴1120年)



●とある国のとある機関がユニゾンについて報告した文章(一部)



 *ユニゾンにおいて人口の維持は、ウテルスという胎外出生装置によってなされる。
 ウテルスは市民から採取した生殖細胞をもとに、同じ遺伝情報を持つ人間を、ダース単位で生み出す。
 従ってユニゾンは、双生児だらけである。
 彼らの間ではお互い同士区別がつけられるらしいが、外部者には、非常に困難である。
 

 *市民は階級によって服が色分けされている。ワーカーは緑、ソルジャーは赤、マゴイは白、ステーツマンは青。私服の場合であれば、差し色を入れることが許されている。一色のみ、衣装全体の10パーセント未満という縛りがあるが。


 *ごくごく非常に稀なケースだが、ユニゾン市民の中から共同体理念に順応出来なくなるものも発生する。その際ユニゾンは彼らを矯正施設に入れる。矯正不能と判定された場合、当事者はユニゾン内部にある特区で職業訓練を施された後、ユニゾンから出されてしまう。

 *特区には、先にユニゾンを出たものの戻ってきた元市民が多数いるらしい。彼らは(矯正所に送られてきた以外の)市民との接触を禁じられている。



 

●ユニゾン――ユニゾン島エリア―本日の授業



 ここは市民育成機関にある一つの教室。
 お揃いの顔をした白い服の幼児たちが並んで座っている。
 彼らの前には大きなスクリーン。
 そこに映されているのはクリムゾンウェストの地図。
 成人済みのマゴイがその地図を指し示しながら、解説をしてやっている。幼い後輩たちに。

「この緑色に塗られた部分――ユニゾン島と、南方大陸西岸、そして南極大陸が、ユニゾンのエリアです。ここまでは昨日、地理のお勉強で習いましたから、覚えていますね?」

「「はーい」」

「それでは今日は歴史のお勉強をしましょう。皆さん、テキストの3頁目を開いて」

 幼児たちは言われたとおり、テキストを開く。


――――――

 わたしたちの ユニゾンがあるのは クリムゾンウェストという ほしです。
 このほしは ずっと ながいあいだ たいへん おせんされていました。
 とてもおおきくてつよい ファナティックブラッド という ふのエレメントが そのようにしたのです。
 ファナティックブラッドは わたしたちの ユニゾンが さいしょに うまれた エバーグリーン という せかいを こわしてしまいました。 リアルブルーも こうげきされ おおきなひがいが でました。
 ユニゾンれき2ねん(おうこくれき1019ねん) クリムゾンウェストと リアルブルーのじゅうにんは エバーグリーンの ガイアエレメントと それぞれのほしの ガイアエレメントを きょうりょくさせ ファナィテックブラッドを しょうめつさせました。
 そのあと クリムゾンウェストでは だいきぼな じょうかさぎょう が かいしされました。
 おかげで クリムゾンウェストは たいへん きれいに なりました。よいかんきょうがととのい ひとが ふえました。
 それにともない クリムゾンウェストにある ユニゾンいがいの くにぐにの かたちも おおきくかわりました。
 しみんのみなさんは これからそのことを くわしく おべんきょうしていきましょう。


――――――





●ユニゾン・南極大陸エリア――『外部者宿泊ホテル』





 白い氷原の夜。
 ダイヤモンドをちりばめたような星空の下、並木のように並ぶ街灯。
 その先に、白くて四角い大きな建物。
 
「いらっしゃいませ、スラーインさま。お早いお着きですね」

 濃緑の制服を着たドアマンが、エルフの婦人を出迎える。
 小麦色の肌、黒い髪。黒い目。年のころは15、6といったところか。 








 ドアボーイを前にマリー・スラーインは何とも複雑な表情になった。
 傍らにいる金髪碧眼の、すこぶる美麗なエルフ――彼女の娘、イザベル・スラーインだ――が、それに気づいて尋ねる。

「どうしたの、母さん」

「いえ、今の子の顔が、知ってる顔にあまりにも似ていたもんだから」

「知り合い?」

「まあね。人間だったから、もう亡くなってるけど……それにしても、南極って本当に何にもないところなのね」

「でも、悪くないでしょ? 100歳超えのエルフでも長期間滞在出来る用に、空気の含有マテリアルが調整されてるし。そういう場所ってあんまりないから、すごく貴重だと思わない?」

「そうねえ……」

 と言いながらマリーは、ロビーのソファーに腰を下ろした。
 手荷物から取り出したのは一冊のアルバム。
 アルバムに入っているのは、彼女の夫であった紅顔の美少年ナルシスが、白髭の美老人になるまでの写真の数々。
 見ていると、 ついつい涙に暮れてしまう。

「……佳人薄命って本当ね……」

「……あのさー、お母さん。お父さん全然薄命じゃなかったと思うよ。なんのかんのしながら、百まで生きてたし。元気に」

「イザベル……いつもながらあんたって子は、どうしてそう薄情なの。実のお父さんでしょう」

 そんなやり取りをしているところ、ダンディにしておしゃれな人間の老人が近づいてきた。
 マリーの息子にしてイザベルの兄、ハーナル・スラーインだ。

「イザベル、母さん。もう来てたの。早いね」

 彼を見てマリーは、新たに悲しみを覚えたらしい。声を湿らせる。

「……ハーナル……あなたすっかり年とっちゃって……」

「仕方ないよ、俺は人間だし。でも、俺のひ孫は違うよ」

 そこへ双子の少年たちが駆け込んできた。
 緑色の髪に緑の目。とがった耳。エルフだ。
 並んでマリーたちに礼をする。

「森のご先祖様、お久しぶりです」

「お久しぶりです」

「このとおり、隔世遺伝したからね。そうそう、グリーク本家の方も、追ってこっちに来るってさ」




●待望の



 青いスーツを羽織ったトイプードル風のコボルドが、ちょこりんと執務室に座っている。
 彼はこの北極エリアを担当するステーツマンの1人。
 それに相対しているのはマゴイさん。
 真っ白なサマードレス、真っ白なつば広の帽子。帽子の縁には白い梅の花飾り。肩には、青のグラデーションが入ったスカーフ。
 そして手には、白い日傘。

『……エリアも増えた……市民も増えた……全部の階級がきちんと揃っている……時々いなくなる市民が出るけど……戻ってきたりもする……もう大丈夫と思うので……私は……これまで未消化だった分の長期休暇を……取ることにしたいの……』

 ステーツマンは尻尾を振って言った。

「それはよろしきことです、マゴイ様。あなたは長い間、ユニゾンのために勤務されてこられました。ユニゾン市民の一人として、存分に休暇を取ってきてくださいませ――ええと、未消化分はどれほどの年月になりましょう」

 ステーツマンの横にいた人間のマゴイが、さっと書類を渡して言った。

「10年になります」



解説

補足説明

これは、KINUTA最後の依頼です。

100年時間が跳びました。ここまで来ると、PC、NPCは(精霊やエルフやドワーフは別として)おおむね天に召されていることと思います。守護者と言えども時の流れには勝てませんし。

しかしこれではちょっとプレイングが書きづらい。
なので当依頼では、種族寿命超えてるよ!な参加PCさんに、以下3つの選択肢をご用意致します。


1:『歴史上の偉人になる』
ユニゾンの歴史教科書(世界史)に登場出来ます。存命の間になした業績を明記してください。


2:『子孫を登場させる』
子孫の名前、年齢性別、容姿などについての設定を明記してください。
大雑把な計算ですが、100年後であれば、ちょうどやしゃ孫がティーンエイジになっているくらいかと思われます。


3:『生前ユニゾンに遺伝子登録をしていた』
名前となるアルファベット(ギリシャアルファベット)一文字と、性別を明記してください。
階級は、ワーカー、ソルジャー、マゴイのうちどれか一つを選択してください。
ちなみにOPに出てきたカチャ似の子の名前は、男女ともΣ(シグマ)。
コボちゃん似のはα(アルファ)。
「姿かたちが一緒でもPCとは別人」ということになります点、お気をつけください。





 出てきていないNPCがどうなったか気になる方は、プレイングのほうにお書きください。可能な限りお答えします。
 とりあえず、種族寿命を超えた人は一人もおりませんので、そのあたりはご了承ください。


 未来年表にあります第三世界からの通信に関するニュース速報はリプレイの最後の最後、ちらっと入れる予定です。
 それに対しての反応などありましたら、どうぞプレイングに。
 


最後のNPC現状報告

カチャ……鬼籍。ユニゾンによく似た(男版、女版両方あり)ワーカーが多数いる。
マリー……ナルシス(鬼籍)との間に一男一女を授かる。女の子はエルフだが、男の子は人間として生まれてきていた。

マスターより

KINUTAです。

ファナティックブラッドの長い物語も、ようやく終わりを迎えました。
皆様、長々お付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。
これがkINUTA〆の依頼となります。
新たな旅へ行ってらっしゃい! な気持ちでプレイングを放ってください。
ここから先はNPCもPCも私たちの手を離れます。
彼らは彼らの意志で、自由にのびのびやっていくことでしょう。

関連NPC

  • 荷を運ぶ者
    カチャ・タホ(kz0150
    人間(クリムゾンウェスト)|13才|女性|聖導士(クルセイダー)
  • ジェオルジ支局のお姉さん
    マリー・スラーイン(kz0222
    エルフ|23才|女性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2019/11/19 01:05

参加者一覧

  • 行政営業官
    天竜寺 舞(ka0377
    人間(蒼)|18才|女性|疾影士
  • 征夷大将軍の正室
    天竜寺 詩(ka0396
    人間(蒼)|18才|女性|聖導士
  • タホ郷に新たな血を
    メイム(ka2290
    エルフ|15才|女性|霊闘士
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • ジルボ伝道師
    マルカ・アニチキン(ka2542
    人間(紅)|20才|女性|魔術師
  • 見極めし黒曜の瞳
    Gacrux(ka2726
    人間(紅)|25才|男性|闘狩人
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • また、あなたと
    リナリス・リーカノア(ka5126
    人間(紅)|14才|女性|魔術師
  • イコニアの騎士
    宵待 サクラ(ka5561
    人間(蒼)|17才|女性|疾影士
  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784
    人間(蒼)|17才|女性|符術師
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 未来への種を宿す
    イメルサ・ファルズール(ka6259
    人間(紅)|28才|女性|聖導士
  • Mr.Die-Hard
    トリプルJ(ka6653
    人間(蒼)|26才|男性|霊闘士
  • 我が辞書に躊躇の文字なし
    ルベーノ・バルバライン(ka6752
    人間(紅)|26才|男性|格闘士
  • ルル大学防諜部門長
    フィロ(ka6966
    オートマトン|24才|女性|格闘士
  • 桃源郷を探して
    ラスティ・グレン(ka7418
    人間(紅)|13才|男性|魔術師
依頼相談掲示板
アイコン 質問卓
エルバッハ・リオン(ka2434
エルフ|12才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2019/11/04 17:39:59
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/11/08 20:10:00
アイコン 相談卓だよ
天竜寺 詩(ka0396
人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2019/11/04 11:24:27