ゲスト
(ka0000)
猿のマンディくん逃亡記
マスター:村井朋靖

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/06/28 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/07/07 19:00
オープニング
●偏屈ジジイの悩み
同盟の中でも由緒正しき極彩色の街、その名は「ヴァリオス」。
この地は首都機能を有するだけでなく、クリムゾンウェストの最先端を行く芸術や文化、最先端の流行が集まる場所である。よって、訪れる観光客も多い。
観光都市として急成長を遂げているポルトワールとは違い、この街は非常に治安がいい。だから「ヴァリオスに一度住めば、二度と離れられなくなる」とも評されるほど。ここはいくらでも華やかになれる街なのだ。そう、お金さえ持っていれば。
この街の発展を支えるのは、伝統ある「ヴァリオス商工会」だ。
組織は、主に2種類の派閥に分けられる。若い頃から努力して積み上げた既得権益を守りたい「長老会」と、すべての商人は平等に商売するべきという理想を掲げる「青年会」。
無論、実権は長老会が握っており、その影響力は自由都市評議会でも発揮されるほど。青年会リーダーのエヴァルド・ブラマンデも評議会員ではあるが、同じく長老会リーダーで評議会員のダリオ・ミネッリにやり込められることが多い。今のところ、「年の功がはるかに勝っている」という状況だ。
この老人、一部からは「若者を見るといじめたくなる偏屈ジジイ」とも揶揄されるが、ダリオ本人は気にもしていない。いつものように古びたベレー帽を被り、今日も大きく大きく育った自分の店で商売に勤しむ。
とはいえ、ダリオほどの大商人になると、本人の仕事はないに等しい。
有能な部下や使用人たちが日々の業務を片付け、ある程度のトラブルなら難なく対処する。ダリオは自分の部屋で重要な書類にハンコを押すか、長老会の付き合いで会食に出かけるくらいしかしていないのが実情だ。普段は馬車に乗っての移動が多いが、今年で87歳を迎えるとは思えないほど足腰が強く、近場であれば歩いていくこともある。どうやらダリオ・ミネッリ、まだまだ健在だ。
そんな彼だが、長年に渡って続けてきた商売に疲れ、また最近は妻のいびりも増え、精神的に少し参っていた。
「ワシは生涯現役のつもりじゃが、まさか商売で倦怠期を迎えることになろうとはのぉ」
長年連れ添った妻より先に商売との付き合いを口にするあたりが、ダリオの話術の妙といえよう。長老会主催の食事会で、彼はそう漏らした。
続けて、妻のいびりにも言及。原因は最近増えつつあるダリオの酒の量にあるという。つまり『その歳で飲みすぎると体に毒だから、少し控えなさい』と、こういうわけだ。商売に飽き、酒も飲めない。これではストレスだけが溜まってしまう。
すると、向かいに座る友人がサラダを喉に詰まらせて盛大にむせた。どうやら彼も似たような境遇に立たされているらしい。ダリオは豪快に笑ってやった。
「はっはっは! どこも同じようなものかな?」
「まったく、ご推察通りですよ。でも私、最近になって克服しましてね」
その友人は、ある秘策をダリオに授けた。
「何、ペットを飼い始めた? 商人を手玉に取ると評されるこのダリオに、動物を飼えと勧めるか?!」
当人は大いに呆れたが、周囲は「おお、それは名案だ」と頷くではないか。その反応が気になったのか、彼は眉をしかめながらも、いちおう最後まで話を聞くことにした。まぁ、こういう話をマジメに聞き出したら、もう結果は言わずもがな、である。
●新しい家族
次の日の夕方。ダリオは友人の紹介で、小猿を譲ってもらった。
明るい茶色の毛並み、くりくりしたつぶらな瞳、思ったよりも小さな手足。そして、初めて来る環境への興味……不意に彼は、すっかり成人した息子が生まれた頃を思い出す。
「おお、そうじゃ。名前じゃ、名前」
ダリオは若い頃に世話になった店の名「マンディ」を授け、この小猿を可愛がることにした。
マンディとの生活が始まると、何もかもがうまく行った。
妻は最初こそ「ペットを飼うなんて慣れないことするもんじゃありません」と説教したが、今ではダリオよりもマンディくんにお熱。近くでフルーツを買ってきては、早く彼の好みを見つけようと必死である。食卓では、ダリオと「どれが好みかねぇ」と話も弾む。
さすがに商売への熱意はさほど戻らなかったが、どこか冷めた感じが和らいだ。おかげで酒の量も減り、少し角が取れて、部下からも「ご機嫌ですね」と言われることが増えた。マンディくんが屋敷にやってきて、順風満帆のミネッリ家だった。
そんなある日。ダリオはマンディくんを残して、店の近くにある倉庫に視察へ出かけた。
仕事自体は順調に進んだが、ダリオは慌てる使用人から「ある連絡」を受ける。マンディくんが逃げたというのだ。
「なっ、何! そ、それはマズイ!」
ダリオは残りを部下に任せ、慌てて自宅へ。どの使用人も「申し訳ありません」と頭を下げるが、「それは後じゃ」とだけ言って、自室へと飛び込んだ。確かに今、マンディくんはこの部屋にいない。
「これまでの状況を、簡潔に説明せよ」
彼は誰を怒るでもなく、極めて冷静に、事情を知る者に説明を求めた。
経緯はこうだ。使用人が部屋の掃除をしようと入ったら、窓から外を見る落ち着きのないマンディの姿があった。使用人も小猿のことは知っていたので、妙に心配になって「どうしたの?」と言いながら近づいたら、素早い身のこなしで半開きになっていた扉から脱走したという。
「どうやらご主人様の姿が見えなくなって、心配だったようにも見えました」
「困ったのぉ、あの倉庫は広く、部屋数も多い。もし、荷物の中にでも紛れ込んでたら大変じゃ」
ダリオは仕方なく、ハンターに依頼を出すことに決めた。
「……とまぁ、こういうわけだ。すでに倉庫は封鎖してある。何とか無事に連れ帰ってくれ」
少し元気を失った店主は、集まったハンターたちを倉庫の前に集め、直々に説明をし、深々と頭を下げた。
同盟の中でも由緒正しき極彩色の街、その名は「ヴァリオス」。
この地は首都機能を有するだけでなく、クリムゾンウェストの最先端を行く芸術や文化、最先端の流行が集まる場所である。よって、訪れる観光客も多い。
観光都市として急成長を遂げているポルトワールとは違い、この街は非常に治安がいい。だから「ヴァリオスに一度住めば、二度と離れられなくなる」とも評されるほど。ここはいくらでも華やかになれる街なのだ。そう、お金さえ持っていれば。
この街の発展を支えるのは、伝統ある「ヴァリオス商工会」だ。
組織は、主に2種類の派閥に分けられる。若い頃から努力して積み上げた既得権益を守りたい「長老会」と、すべての商人は平等に商売するべきという理想を掲げる「青年会」。
無論、実権は長老会が握っており、その影響力は自由都市評議会でも発揮されるほど。青年会リーダーのエヴァルド・ブラマンデも評議会員ではあるが、同じく長老会リーダーで評議会員のダリオ・ミネッリにやり込められることが多い。今のところ、「年の功がはるかに勝っている」という状況だ。
この老人、一部からは「若者を見るといじめたくなる偏屈ジジイ」とも揶揄されるが、ダリオ本人は気にもしていない。いつものように古びたベレー帽を被り、今日も大きく大きく育った自分の店で商売に勤しむ。
とはいえ、ダリオほどの大商人になると、本人の仕事はないに等しい。
有能な部下や使用人たちが日々の業務を片付け、ある程度のトラブルなら難なく対処する。ダリオは自分の部屋で重要な書類にハンコを押すか、長老会の付き合いで会食に出かけるくらいしかしていないのが実情だ。普段は馬車に乗っての移動が多いが、今年で87歳を迎えるとは思えないほど足腰が強く、近場であれば歩いていくこともある。どうやらダリオ・ミネッリ、まだまだ健在だ。
そんな彼だが、長年に渡って続けてきた商売に疲れ、また最近は妻のいびりも増え、精神的に少し参っていた。
「ワシは生涯現役のつもりじゃが、まさか商売で倦怠期を迎えることになろうとはのぉ」
長年連れ添った妻より先に商売との付き合いを口にするあたりが、ダリオの話術の妙といえよう。長老会主催の食事会で、彼はそう漏らした。
続けて、妻のいびりにも言及。原因は最近増えつつあるダリオの酒の量にあるという。つまり『その歳で飲みすぎると体に毒だから、少し控えなさい』と、こういうわけだ。商売に飽き、酒も飲めない。これではストレスだけが溜まってしまう。
すると、向かいに座る友人がサラダを喉に詰まらせて盛大にむせた。どうやら彼も似たような境遇に立たされているらしい。ダリオは豪快に笑ってやった。
「はっはっは! どこも同じようなものかな?」
「まったく、ご推察通りですよ。でも私、最近になって克服しましてね」
その友人は、ある秘策をダリオに授けた。
「何、ペットを飼い始めた? 商人を手玉に取ると評されるこのダリオに、動物を飼えと勧めるか?!」
当人は大いに呆れたが、周囲は「おお、それは名案だ」と頷くではないか。その反応が気になったのか、彼は眉をしかめながらも、いちおう最後まで話を聞くことにした。まぁ、こういう話をマジメに聞き出したら、もう結果は言わずもがな、である。
●新しい家族
次の日の夕方。ダリオは友人の紹介で、小猿を譲ってもらった。
明るい茶色の毛並み、くりくりしたつぶらな瞳、思ったよりも小さな手足。そして、初めて来る環境への興味……不意に彼は、すっかり成人した息子が生まれた頃を思い出す。
「おお、そうじゃ。名前じゃ、名前」
ダリオは若い頃に世話になった店の名「マンディ」を授け、この小猿を可愛がることにした。
マンディとの生活が始まると、何もかもがうまく行った。
妻は最初こそ「ペットを飼うなんて慣れないことするもんじゃありません」と説教したが、今ではダリオよりもマンディくんにお熱。近くでフルーツを買ってきては、早く彼の好みを見つけようと必死である。食卓では、ダリオと「どれが好みかねぇ」と話も弾む。
さすがに商売への熱意はさほど戻らなかったが、どこか冷めた感じが和らいだ。おかげで酒の量も減り、少し角が取れて、部下からも「ご機嫌ですね」と言われることが増えた。マンディくんが屋敷にやってきて、順風満帆のミネッリ家だった。
そんなある日。ダリオはマンディくんを残して、店の近くにある倉庫に視察へ出かけた。
仕事自体は順調に進んだが、ダリオは慌てる使用人から「ある連絡」を受ける。マンディくんが逃げたというのだ。
「なっ、何! そ、それはマズイ!」
ダリオは残りを部下に任せ、慌てて自宅へ。どの使用人も「申し訳ありません」と頭を下げるが、「それは後じゃ」とだけ言って、自室へと飛び込んだ。確かに今、マンディくんはこの部屋にいない。
「これまでの状況を、簡潔に説明せよ」
彼は誰を怒るでもなく、極めて冷静に、事情を知る者に説明を求めた。
経緯はこうだ。使用人が部屋の掃除をしようと入ったら、窓から外を見る落ち着きのないマンディの姿があった。使用人も小猿のことは知っていたので、妙に心配になって「どうしたの?」と言いながら近づいたら、素早い身のこなしで半開きになっていた扉から脱走したという。
「どうやらご主人様の姿が見えなくなって、心配だったようにも見えました」
「困ったのぉ、あの倉庫は広く、部屋数も多い。もし、荷物の中にでも紛れ込んでたら大変じゃ」
ダリオは仕方なく、ハンターに依頼を出すことに決めた。
「……とまぁ、こういうわけだ。すでに倉庫は封鎖してある。何とか無事に連れ帰ってくれ」
少し元気を失った店主は、集まったハンターたちを倉庫の前に集め、直々に説明をし、深々と頭を下げた。
解説
●依頼の目的
長老会リーダー、ダリオ・ミネッリの飼う小猿のマンディを見つける。
●ダリオの持つ倉庫について
入口は、北と南にひとつずつあります。
倉庫の部屋数が9つ、3×3の配置。1部屋、20×25mの広さ。
荷物が積み上がっており、非常に見通しが悪い。
倉庫には部屋番号が振られており、以下の通りになっています。
北 ←出入口
123
456
789
南 ←出入口
●倉庫の捜索について
マンディくんの捜索は正午から開始し、チャンスは3回あります。
まず、マンディの潜む部屋へ捜索に向かうという幸運を得ることが第1の条件。
次に、どこかに潜んでいる可能性があるので、これを発見することが第2の条件。
発見しても相手は素早いので、安全に捕えられるかが第3の条件になります。
具体的な作戦が明示されていない場合は、各種判定を用いて、成否を決定します。
部屋の移動も3回まで可能。なお、スタート地点はどこからでもOKです。
そこから縦横に接する倉庫にひとつ移動できます。
プレイングには、「○→○→○」と3回分の移動を明記してください。
なお、マンディのいる部屋に行かなかった場合、彼はその部屋に残ります。
一度でも発見すれば、全員が自動的に追跡・応援に駆けつけることができます。
発見したとの報を聞いた後に移動できる範囲は、一度に「2部屋」とします。
(あらかじめ指定した移動については、自動的にキャンセルできます)
倉庫の同じ部屋にハンターが集まるほど、捕獲する可能性は高まります。
●その他の補足
・プレイングで有効となる作戦の提示、もしくはスキルの活用などがあれば、
捜索のルールに関係なく、成功度が上昇するとお考えください。
・この倉庫では、食べ物や生き物は取り扱っていません。
・ダリオの協力を求めることはできますが、移動は常に1部屋です。
・依頼に成功すると、ダリオが夕食を奢ってくれます。
長老会リーダー、ダリオ・ミネッリの飼う小猿のマンディを見つける。
●ダリオの持つ倉庫について
入口は、北と南にひとつずつあります。
倉庫の部屋数が9つ、3×3の配置。1部屋、20×25mの広さ。
荷物が積み上がっており、非常に見通しが悪い。
倉庫には部屋番号が振られており、以下の通りになっています。
北 ←出入口
123
456
789
南 ←出入口
●倉庫の捜索について
マンディくんの捜索は正午から開始し、チャンスは3回あります。
まず、マンディの潜む部屋へ捜索に向かうという幸運を得ることが第1の条件。
次に、どこかに潜んでいる可能性があるので、これを発見することが第2の条件。
発見しても相手は素早いので、安全に捕えられるかが第3の条件になります。
具体的な作戦が明示されていない場合は、各種判定を用いて、成否を決定します。
部屋の移動も3回まで可能。なお、スタート地点はどこからでもOKです。
そこから縦横に接する倉庫にひとつ移動できます。
プレイングには、「○→○→○」と3回分の移動を明記してください。
なお、マンディのいる部屋に行かなかった場合、彼はその部屋に残ります。
一度でも発見すれば、全員が自動的に追跡・応援に駆けつけることができます。
発見したとの報を聞いた後に移動できる範囲は、一度に「2部屋」とします。
(あらかじめ指定した移動については、自動的にキャンセルできます)
倉庫の同じ部屋にハンターが集まるほど、捕獲する可能性は高まります。
●その他の補足
・プレイングで有効となる作戦の提示、もしくはスキルの活用などがあれば、
捜索のルールに関係なく、成功度が上昇するとお考えください。
・この倉庫では、食べ物や生き物は取り扱っていません。
・ダリオの協力を求めることはできますが、移動は常に1部屋です。
・依頼に成功すると、ダリオが夕食を奢ってくれます。
マスターより
こんにちは、村井朋靖(むらい・ともやす)です。ようこそ、クリムゾンウェストへ!
今回の依頼は、自由都市同盟の極彩色の街「ヴァリオス」からお届けします。
猫の出る依頼が目立ちましたが、今回はお猿さんです(笑)。
マンディくんはおとなしい性格のようなので、引っかかれたりはしないと思います。
なんとかダリオの元に返してあげてください。ハンターさん、よろしくお願いします!
プレイングは、PC口調で書いていただけると助かります。今回はよろしくお願いします!
今回の依頼は、自由都市同盟の極彩色の街「ヴァリオス」からお届けします。
猫の出る依頼が目立ちましたが、今回はお猿さんです(笑)。
マンディくんはおとなしい性格のようなので、引っかかれたりはしないと思います。
なんとかダリオの元に返してあげてください。ハンターさん、よろしくお願いします!
プレイングは、PC口調で書いていただけると助かります。今回はよろしくお願いします!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/07/06 04:39
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼相談用スレ ジング(ka0342) 人間(クリムゾンウェスト)|24才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2014/06/28 14:41:30 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/06/25 01:09:45 |