ゲスト
(ka0000)
折れる事無き商魂とは
マスター:桜井空

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/02/13 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/02/22 12:00
オープニング
「クケェェェェェェェェ!」
渓谷沿いの街道にそんな鳴き声が響き渡り始めたのは一年程前の話だ。
朝夕問わず、気まぐれに響き渡るけたたましい鳴き声に近くの街では雑魔がでたのではないかと一時騒然となった。
当然ながら捜査隊も何度か派遣されたが、その時は結局鳴き声の正体は見つからず、姿も実害も無い鳴き声を街の住人は段々気にしなくなっていった。
渓谷から聞こえてくる謎の鳴き声。
街にくる商人の間では、その鳴き声を聞いたものは大儲けできる、という噂まで流れていた。
「いやー今日もいい天気だなぁ」
曇り空を見てそんな事を呟く長い赤髪の若い女性商人も、その噂を耳にした事があった。
「クェェェェェェェェ!」
だから、不意に聞こえて来たその鳴き声に対してなんの警戒心も抱かなかった。
「お、もしかしてこれが噂の幸せを呼ぶ鳴き声かー? ふふん、こりゃ大儲けの予感がするね」
一頭立ての馬車をゆっくり走らせながら商人はそんな独り言を呟き、商品から拝借した赤い果物を一つ齧った。
「さて、後は良い宿でゆっくり寝れれば今日は満足だなー」
適当に纏めた髪を揺らしながら、商人はご機嫌で鼻唄を歌いだした。
丁度その時である。
「クェェェェ!」
先程よりもはっきりと噂の鳴き声が聞こえて来たのだ。
「お、二回聞いたら効果も二倍かなー、はっ、もしかして二乗!?」
商人は大儲けした自分の姿を想像する。
「クェェェ! クェェ!」
「三回!? 三乗? 三乗でいいの!?」
商人の想像の中で、彼女はさらに皮算用していた。
しかし、またもや聞こえて来た四回目の鳴き声と、地響き、加えて突如馬車を襲った衝撃で彼女はようやく我に返った。
「え? 何? ……うわっ!」
突然の衝撃に暴れる馬をなだめようとした商人だったが、さらに襲って来た衝撃によって地面に放り出されてしまった。
「げほっげほっ、いった……!」
痛みに呻きながら彼女が聞いたのは、馬車が横倒しにされる音と、それが巨大な力によって破壊される音である。
幸運だったのは馬と荷台をつなぐ木製のシャフトも同時に破壊された事だろう。突然の自体に見舞われた馬は、怪我をする前に恐れおののき走り去って行く。
その足音を聞きながら彼女が起き上がると、そこには馬車の荷台に顔を突っ込む巨大な影が鎮座していた。
人の身長程もある足、見上げるような体躯、長く太い首、そして荷台から引き抜かれた顔についている巨大なクチバシ。
「あ!」
果汁を滴らせながらジロリと恐怖で声が出せない彼女を見下ろしたのは、茶色の羽毛で身体が覆われている大きな大きな鳥だった。
「ちょっと! こら! 食べるな!」
「クエッ!」
「うひゃっ!」
思わず食って掛かった商人だが、クチバシから吐き出された火炎に驚き尻餅をついてしまった。
「クゲップ」
「ああ……なんて事を……」
商人の叫びも虚しく、あっという間に積み荷の果物を食べ尽くした巨大な鳥は、満足そうな鳴き声をあげる。そして鳥が次に目を付けたのは、儀礼用の刀剣類だ。装飾華美でキラキラと美しい高額商品である。
「あ! ちょっと! それは食べられないでしょ! こら! 持っていくなバカ鳥!」
光り物が好きなのか、巨大な鳥は、それらをごっそり加えると、足取り軽く去って行ってしまった。
取り残されたのは、粉砕された馬車と商品を全て失った悲劇の商人だけである。
「お、覚えとけよバカ鳥——————————!」
商人の叫びに呼応するように、どこからか鳥の鳴き声が返って来たという。
翌日、街で一番大きな酒場にこんな張り紙が貼られていた。
『本日、20時より大鶏肉祭開催! 鶏肉料理が食べ放題! みなさん奮ってご参加を!』
「さて、後は食材を捕まえるだけね。卵一つも逃しはしないわ」
その日の朝、そんなセリフを呟きながらハンターオフィスに向かう赤毛の女性が目撃されたという。
赤毛の美人商人様からの依頼です
本日の夜に催されるイベントの食材を取って来て欲しいとの事です。
対象は、街近くの街道が通る渓谷に生息していると思われる巨大な鳥。
姿かたちは平胸類のよう、つまり走る事に特化しているダチョウのような姿をしていますが、その大きさは馬車を軽く凌駕していると聞いています。
今回の依頼は簡単に言えば、その巨大な鳥の狩猟と、その鳥の巣を発見し卵を手に入れる事です。
生息予想地は街からさほど離れていませんし、鳴き声が時たま聞こえてくる、との事ですから捜索範囲は大きくありません。巨大な生物が隠れられそうな場所も限られているはずです。
探し方、もしくは誘き出し方はお任せします。好きな方法で構いません。
特筆事項がいくつかあります。
まず、狩猟対象ですが、後々食材として扱う為極力外傷を増やさないようにお願いします。
次に卵ですが、うっかり壊してしまわないように注意して下さい。もっとも、本当に卵があるかどうかは分からないらしいので、あれば持ち帰る、という形でかまいません。
美人の商人さんですが、鳥の巣まで意地でもついて行くと言っています。戦闘になれば邪魔にならないように離れているとは言っていますが、怪我させないように気を付けて下さいね。
巨大な鳥と、その卵を持ち帰るために運搬用の馬車を準備するとの事です。行きぐらいは荷台に乗せてもらえるのではないでしょうか。はい、帰りは知りません。歩いて行けない距離ではないですから。
そうそう狩猟対象ですが、火を吹くそうです。射程距離は1メートルぐらいだったと聞いていますが、それより長距離に火を吹く事も可能かもしれません。大ヤケドしないように十分注意した方がいいと思います。
最後になりましたが、依頼人さんからの伝言があります。
『狩猟に成功したら脚の一本ぐらいあげるから好きにしていいわよ』
だそうです。
知ってますか? ダチョウの肉は高タンパク、低脂肪、歯ごたえ有りのヘルシー肉として需要があるそうです。ステーキに焼き肉、刺身にタタキと味にクセが少ないため、味付けの幅が豊富なんだとか。流れる川を眺めながら自然の中で食べるのもなかなかいいと思いませんか?
いえ、特に関係は無い情報です。私ですか? はい、焼き鳥は好きですよ。
では、蹴り飛ばされたり黒こげにされたりしないように。ご武運を。
以上、まだ若いハンターオフィスの受付嬢による事情説明。
渓谷沿いの街道にそんな鳴き声が響き渡り始めたのは一年程前の話だ。
朝夕問わず、気まぐれに響き渡るけたたましい鳴き声に近くの街では雑魔がでたのではないかと一時騒然となった。
当然ながら捜査隊も何度か派遣されたが、その時は結局鳴き声の正体は見つからず、姿も実害も無い鳴き声を街の住人は段々気にしなくなっていった。
渓谷から聞こえてくる謎の鳴き声。
街にくる商人の間では、その鳴き声を聞いたものは大儲けできる、という噂まで流れていた。
「いやー今日もいい天気だなぁ」
曇り空を見てそんな事を呟く長い赤髪の若い女性商人も、その噂を耳にした事があった。
「クェェェェェェェェ!」
だから、不意に聞こえて来たその鳴き声に対してなんの警戒心も抱かなかった。
「お、もしかしてこれが噂の幸せを呼ぶ鳴き声かー? ふふん、こりゃ大儲けの予感がするね」
一頭立ての馬車をゆっくり走らせながら商人はそんな独り言を呟き、商品から拝借した赤い果物を一つ齧った。
「さて、後は良い宿でゆっくり寝れれば今日は満足だなー」
適当に纏めた髪を揺らしながら、商人はご機嫌で鼻唄を歌いだした。
丁度その時である。
「クェェェェ!」
先程よりもはっきりと噂の鳴き声が聞こえて来たのだ。
「お、二回聞いたら効果も二倍かなー、はっ、もしかして二乗!?」
商人は大儲けした自分の姿を想像する。
「クェェェ! クェェ!」
「三回!? 三乗? 三乗でいいの!?」
商人の想像の中で、彼女はさらに皮算用していた。
しかし、またもや聞こえて来た四回目の鳴き声と、地響き、加えて突如馬車を襲った衝撃で彼女はようやく我に返った。
「え? 何? ……うわっ!」
突然の衝撃に暴れる馬をなだめようとした商人だったが、さらに襲って来た衝撃によって地面に放り出されてしまった。
「げほっげほっ、いった……!」
痛みに呻きながら彼女が聞いたのは、馬車が横倒しにされる音と、それが巨大な力によって破壊される音である。
幸運だったのは馬と荷台をつなぐ木製のシャフトも同時に破壊された事だろう。突然の自体に見舞われた馬は、怪我をする前に恐れおののき走り去って行く。
その足音を聞きながら彼女が起き上がると、そこには馬車の荷台に顔を突っ込む巨大な影が鎮座していた。
人の身長程もある足、見上げるような体躯、長く太い首、そして荷台から引き抜かれた顔についている巨大なクチバシ。
「あ!」
果汁を滴らせながらジロリと恐怖で声が出せない彼女を見下ろしたのは、茶色の羽毛で身体が覆われている大きな大きな鳥だった。
「ちょっと! こら! 食べるな!」
「クエッ!」
「うひゃっ!」
思わず食って掛かった商人だが、クチバシから吐き出された火炎に驚き尻餅をついてしまった。
「クゲップ」
「ああ……なんて事を……」
商人の叫びも虚しく、あっという間に積み荷の果物を食べ尽くした巨大な鳥は、満足そうな鳴き声をあげる。そして鳥が次に目を付けたのは、儀礼用の刀剣類だ。装飾華美でキラキラと美しい高額商品である。
「あ! ちょっと! それは食べられないでしょ! こら! 持っていくなバカ鳥!」
光り物が好きなのか、巨大な鳥は、それらをごっそり加えると、足取り軽く去って行ってしまった。
取り残されたのは、粉砕された馬車と商品を全て失った悲劇の商人だけである。
「お、覚えとけよバカ鳥——————————!」
商人の叫びに呼応するように、どこからか鳥の鳴き声が返って来たという。
翌日、街で一番大きな酒場にこんな張り紙が貼られていた。
『本日、20時より大鶏肉祭開催! 鶏肉料理が食べ放題! みなさん奮ってご参加を!』
「さて、後は食材を捕まえるだけね。卵一つも逃しはしないわ」
その日の朝、そんなセリフを呟きながらハンターオフィスに向かう赤毛の女性が目撃されたという。
赤毛の美人商人様からの依頼です
本日の夜に催されるイベントの食材を取って来て欲しいとの事です。
対象は、街近くの街道が通る渓谷に生息していると思われる巨大な鳥。
姿かたちは平胸類のよう、つまり走る事に特化しているダチョウのような姿をしていますが、その大きさは馬車を軽く凌駕していると聞いています。
今回の依頼は簡単に言えば、その巨大な鳥の狩猟と、その鳥の巣を発見し卵を手に入れる事です。
生息予想地は街からさほど離れていませんし、鳴き声が時たま聞こえてくる、との事ですから捜索範囲は大きくありません。巨大な生物が隠れられそうな場所も限られているはずです。
探し方、もしくは誘き出し方はお任せします。好きな方法で構いません。
特筆事項がいくつかあります。
まず、狩猟対象ですが、後々食材として扱う為極力外傷を増やさないようにお願いします。
次に卵ですが、うっかり壊してしまわないように注意して下さい。もっとも、本当に卵があるかどうかは分からないらしいので、あれば持ち帰る、という形でかまいません。
美人の商人さんですが、鳥の巣まで意地でもついて行くと言っています。戦闘になれば邪魔にならないように離れているとは言っていますが、怪我させないように気を付けて下さいね。
巨大な鳥と、その卵を持ち帰るために運搬用の馬車を準備するとの事です。行きぐらいは荷台に乗せてもらえるのではないでしょうか。はい、帰りは知りません。歩いて行けない距離ではないですから。
そうそう狩猟対象ですが、火を吹くそうです。射程距離は1メートルぐらいだったと聞いていますが、それより長距離に火を吹く事も可能かもしれません。大ヤケドしないように十分注意した方がいいと思います。
最後になりましたが、依頼人さんからの伝言があります。
『狩猟に成功したら脚の一本ぐらいあげるから好きにしていいわよ』
だそうです。
知ってますか? ダチョウの肉は高タンパク、低脂肪、歯ごたえ有りのヘルシー肉として需要があるそうです。ステーキに焼き肉、刺身にタタキと味にクセが少ないため、味付けの幅が豊富なんだとか。流れる川を眺めながら自然の中で食べるのもなかなかいいと思いませんか?
いえ、特に関係は無い情報です。私ですか? はい、焼き鳥は好きですよ。
では、蹴り飛ばされたり黒こげにされたりしないように。ご武運を。
以上、まだ若いハンターオフィスの受付嬢による事情説明。
解説
巨大な鳥の巣を発見し、鳥を狩猟、巣にある卵を手に入れる事の三点が今回の目的となります。
しかし、卵は見つかれば手に入れる、ぐらいの感覚で大丈夫です。
もっとも巣にあった場合、戦闘で破壊してしまうとその分報酬は減額されます。
商人さんの馬車も壊さないように戦場には気を使って下さい。
敵は巨大な鳥一匹。その大きさゆえ蹴られれば痛いでは済まないかもしれません。
また一メートル程の射程で火を吹くと言っていましたが、その五倍は警戒していた方がいいでしょう。
討伐対象ですが極力外傷を少なくとの事です。戦闘方法はお任せします。
が、あまり依頼を無視していると、離れている商人さんが文句良いに駆けつけてきます。
現場は徒歩で行けない距離ではありませんが、行きのみ頼めば商人さんが馬車に乗せてくれます。
勝利条件 巣の発見
対象の狩猟
敗北条件 勝利条件の未達成
商人の負傷
しかし、卵は見つかれば手に入れる、ぐらいの感覚で大丈夫です。
もっとも巣にあった場合、戦闘で破壊してしまうとその分報酬は減額されます。
商人さんの馬車も壊さないように戦場には気を使って下さい。
敵は巨大な鳥一匹。その大きさゆえ蹴られれば痛いでは済まないかもしれません。
また一メートル程の射程で火を吹くと言っていましたが、その五倍は警戒していた方がいいでしょう。
討伐対象ですが極力外傷を少なくとの事です。戦闘方法はお任せします。
が、あまり依頼を無視していると、離れている商人さんが文句良いに駆けつけてきます。
現場は徒歩で行けない距離ではありませんが、行きのみ頼めば商人さんが馬車に乗せてくれます。
勝利条件 巣の発見
対象の狩猟
敗北条件 勝利条件の未達成
商人の負傷
マスターより
戦闘時のネックになるのは商人さんかも。
彼女が戦闘に首を突っ込まないような行動が必要です。
狩猟対象は光り物を集める習性があります。
巣を調べれば卵以外にも手に入るものがあるかもしれません。
成功すれば肉を分けてくれると依頼人は言っています。
もらった肉をどうするかはみなさんの自由ですが、今回はアイテムとしての配布はありません。
彼女が戦闘に首を突っ込まないような行動が必要です。
狩猟対象は光り物を集める習性があります。
巣を調べれば卵以外にも手に入るものがあるかもしれません。
成功すれば肉を分けてくれると依頼人は言っています。
もらった肉をどうするかはみなさんの自由ですが、今回はアイテムとしての配布はありません。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/02/21 21:43
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 クリスティン・ガフ(ka1090) 人間(クリムゾンウェスト)|19才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/02/13 10:38:38 |
|
![]() |
行動予定(仮) クリスティン・ガフ(ka1090) 人間(クリムゾンウェスト)|19才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/02/13 10:26:19 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/02/10 19:27:34 |