ゲスト
(ka0000)
酒とポニテとゴブゴブリン
マスター:練子やきも

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 6~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/02/17 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/02/26 12:00
オープニング
●夜の山道にて
鬱蒼とした夜の森に包まれた山道、煌々と明るい月明かりに照らされるそこを疾走する一台の馬車は、満載した酒瓶の事を失念したかのように飛び跳ねながら、その性能の限界に挑んでいた。
「リックのノロマっ! ハンターの救援はまだ来ないの〜!?」
手入れの行き届かないボサボサの黄色いポニーテールを風圧でバサバサと振り乱しながら、その少女は何本目かの酒瓶を追手に当たる事を祈りながら全力で放り投げる。無駄とはわかっていても、他に投げる物がないのだから仕方ない。案の定と言うか追手に痛撃を与える事もなく、立ち木に当たり割れた瓶は夜の森に酒精の匂いを撒き散らしていく。
「このっ! だったらこれなら……っく……駄目ね」
樽を投げれば少しは効果がありそうに思ったのだが、流石に持ち上がらなかった。
「そろそろ来てくれてもいいのに〜。白馬に乗ってとまでは行かなくても、「お嬢さん、もう大丈夫ですよ」とか言いながらこいつら切り捨ててもいい頃じゃないの〜?」
リックがハンター協会に依頼していたのは救援ではなく護衛であり、更に言うとそれを待たずに飛び出したのは彼女なのだが、彼女の認識としてはハンターに依頼を出した時点で全て解決したつもりになってしまっていたのである。後はもうピンチになれば颯爽と現れてくれるのだ、と。
ガコン、ガタン、ガタタタン!
過酷な性能テストに屈した馬車の車輪が、折れた車軸と共に転がり行き、座っていた御者台の椅子がその役目を放棄して彼女を地面へと放り投げる。
「痛たたた……って痛がってる場合じゃないや……」
そのまま走って行ってしまった馬の背を見送りながら、彼女は追手、ゴブリン達から身を隠す為に、痛めた足を引きずって歩き出した。
●ハンターオフィスにて
所変わってハンターオフィスでは、受付嬢が急な依頼変更作業に追われていた。護衛依頼を受けた馬車が、護衛の手配を待たずに出発した挙句に馬だけが街に到着したという。……壊れた馬具をぶら下げたまま。
「すみません、緊急の依頼となります」
受付嬢の緊迫した声に、室内の雑音のトーンが下がる。
「護衛依頼の予約を受けていた馬車が、護衛の手配を待たず出発してしまい、乗っていたエルミィという女性が行方不明となっています。こちらの女性の捜索と、出来れば馬車の荷物を回収して欲しいという依頼になります」
依頼を受けた何名かのハンターが、各々の理由で任務受諾の書類を記入し、準備を整える。
●再び、夜の山道にて
「ああ、こんな事だったらせめてあのチョコ全部食べとけば良かった……」
エルミィが何処かズレた後悔をしている間にも、馬車を物色しているゴブリンは増えていく。酒瓶を拾い上げては歓声を上げているようだ。
今のうちに逃げ出そうにも、ズキズキ痛み始めた足がそれを許してはくれない。茂みに隠れ、せいぜい20メートル程の距離でゴブリンの饗宴を眺めながら、エルミィは走馬灯のように今までの事を思い浮かべていた。
本を読んで手習いで始めた錬金術で、何故かお酒が出来るようになった事、その錬金術で出来た指輪。この指輪をハンター協会に見せれば自分もハンター試験くらいは受けさせて貰えるかも、と考えると待ちきれなくなってしまったのだ。
奇妙な事が起こった。ゴブリン達が仲間割れを始めたのだ。正確には後から来たゴブリンと先に居たゴブリンとで諍いから殴り合いになり、今では粗末な造りの武器を抜いて互いを威嚇し合っている。
(……どういう事?)
こちらに目を向けるゴブリンが居なそうな事で余裕が出来た彼女がよくよく見れば、争い合うゴブリンは装備の感じが違うような気がする。……あ、数が多い方は全員頭になにがしかの布を巻いているみたいだ。
「この隙に……っ痛っ!」
漏れてしまった声に慌てて口を塞ぎ争い合うゴブリンの方を覗き込むが、どうやら気付かれては居ないようだ。
ついには激しい戦いを始めたゴブリン達を眺めながら、エルミィはただそれを見ている事しかできなかった。
鬱蒼とした夜の森に包まれた山道、煌々と明るい月明かりに照らされるそこを疾走する一台の馬車は、満載した酒瓶の事を失念したかのように飛び跳ねながら、その性能の限界に挑んでいた。
「リックのノロマっ! ハンターの救援はまだ来ないの〜!?」
手入れの行き届かないボサボサの黄色いポニーテールを風圧でバサバサと振り乱しながら、その少女は何本目かの酒瓶を追手に当たる事を祈りながら全力で放り投げる。無駄とはわかっていても、他に投げる物がないのだから仕方ない。案の定と言うか追手に痛撃を与える事もなく、立ち木に当たり割れた瓶は夜の森に酒精の匂いを撒き散らしていく。
「このっ! だったらこれなら……っく……駄目ね」
樽を投げれば少しは効果がありそうに思ったのだが、流石に持ち上がらなかった。
「そろそろ来てくれてもいいのに〜。白馬に乗ってとまでは行かなくても、「お嬢さん、もう大丈夫ですよ」とか言いながらこいつら切り捨ててもいい頃じゃないの〜?」
リックがハンター協会に依頼していたのは救援ではなく護衛であり、更に言うとそれを待たずに飛び出したのは彼女なのだが、彼女の認識としてはハンターに依頼を出した時点で全て解決したつもりになってしまっていたのである。後はもうピンチになれば颯爽と現れてくれるのだ、と。
ガコン、ガタン、ガタタタン!
過酷な性能テストに屈した馬車の車輪が、折れた車軸と共に転がり行き、座っていた御者台の椅子がその役目を放棄して彼女を地面へと放り投げる。
「痛たたた……って痛がってる場合じゃないや……」
そのまま走って行ってしまった馬の背を見送りながら、彼女は追手、ゴブリン達から身を隠す為に、痛めた足を引きずって歩き出した。
●ハンターオフィスにて
所変わってハンターオフィスでは、受付嬢が急な依頼変更作業に追われていた。護衛依頼を受けた馬車が、護衛の手配を待たずに出発した挙句に馬だけが街に到着したという。……壊れた馬具をぶら下げたまま。
「すみません、緊急の依頼となります」
受付嬢の緊迫した声に、室内の雑音のトーンが下がる。
「護衛依頼の予約を受けていた馬車が、護衛の手配を待たず出発してしまい、乗っていたエルミィという女性が行方不明となっています。こちらの女性の捜索と、出来れば馬車の荷物を回収して欲しいという依頼になります」
依頼を受けた何名かのハンターが、各々の理由で任務受諾の書類を記入し、準備を整える。
●再び、夜の山道にて
「ああ、こんな事だったらせめてあのチョコ全部食べとけば良かった……」
エルミィが何処かズレた後悔をしている間にも、馬車を物色しているゴブリンは増えていく。酒瓶を拾い上げては歓声を上げているようだ。
今のうちに逃げ出そうにも、ズキズキ痛み始めた足がそれを許してはくれない。茂みに隠れ、せいぜい20メートル程の距離でゴブリンの饗宴を眺めながら、エルミィは走馬灯のように今までの事を思い浮かべていた。
本を読んで手習いで始めた錬金術で、何故かお酒が出来るようになった事、その錬金術で出来た指輪。この指輪をハンター協会に見せれば自分もハンター試験くらいは受けさせて貰えるかも、と考えると待ちきれなくなってしまったのだ。
奇妙な事が起こった。ゴブリン達が仲間割れを始めたのだ。正確には後から来たゴブリンと先に居たゴブリンとで諍いから殴り合いになり、今では粗末な造りの武器を抜いて互いを威嚇し合っている。
(……どういう事?)
こちらに目を向けるゴブリンが居なそうな事で余裕が出来た彼女がよくよく見れば、争い合うゴブリンは装備の感じが違うような気がする。……あ、数が多い方は全員頭になにがしかの布を巻いているみたいだ。
「この隙に……っ痛っ!」
漏れてしまった声に慌てて口を塞ぎ争い合うゴブリンの方を覗き込むが、どうやら気付かれては居ないようだ。
ついには激しい戦いを始めたゴブリン達を眺めながら、エルミィはただそれを見ている事しかできなかった。
解説
●依頼内容
・無謀な少女エルミィを救助して欲しい、あとできれば酒瓶の回収。
●状況
・皆さんは、この街のハンターオフィスに、偶々来ていたか用事があったのかで立ち寄っていたハンターという事になります。完全に日が沈み、そろそろ夕食を食べようかという時間帯ですね。月明かりで物陰以外はそれなりに明るいです。ある程度街の近くまで来ていますので、現場への到着はオープニング直後となります。
・戦利品を前に、ゴブリンが二手に分かれて諍いを始めています。先に居た組は4匹、後から来た組は6匹居て、エルミィから見て馬車の奥側で争っています。
・ゴブリン同士ですので、今は争っていますが最終的にどちらかが全滅するまで殺し合うという事は多分ありません。
・その馬車から20メートル程手前にエルミィが居て、茂みに隠れてはいますがハンターが駆け付ける側から見ると黄色い髪が丸見えになっています。彼女は怪我をしていてまともに歩けませんが、元気な子ですので動けるようにしてやると何をしでかすか若干不安があります。あと緊張状態ですので、急に声を掛けると騒ぎ出してかえって危険に晒してしまうかも知れません。
・周囲の地形は藪の多い夜の林道なので、エルミィの居る位置より手前からなら周り込む事も可能です。エルミィの居る位置まで隠れずに行くと流石に見付かりそうです。
・お酒に関しては、樽酒は丸々5樽が無事ですが瓶酒は半分くらい、50本程駄目になっています。周辺がお酒臭いです。こちらの運搬はゴブリンを排除してからになるでしょうが、馬車は完全に壊れています。
・無謀な少女エルミィを救助して欲しい、あとできれば酒瓶の回収。
●状況
・皆さんは、この街のハンターオフィスに、偶々来ていたか用事があったのかで立ち寄っていたハンターという事になります。完全に日が沈み、そろそろ夕食を食べようかという時間帯ですね。月明かりで物陰以外はそれなりに明るいです。ある程度街の近くまで来ていますので、現場への到着はオープニング直後となります。
・戦利品を前に、ゴブリンが二手に分かれて諍いを始めています。先に居た組は4匹、後から来た組は6匹居て、エルミィから見て馬車の奥側で争っています。
・ゴブリン同士ですので、今は争っていますが最終的にどちらかが全滅するまで殺し合うという事は多分ありません。
・その馬車から20メートル程手前にエルミィが居て、茂みに隠れてはいますがハンターが駆け付ける側から見ると黄色い髪が丸見えになっています。彼女は怪我をしていてまともに歩けませんが、元気な子ですので動けるようにしてやると何をしでかすか若干不安があります。あと緊張状態ですので、急に声を掛けると騒ぎ出してかえって危険に晒してしまうかも知れません。
・周囲の地形は藪の多い夜の林道なので、エルミィの居る位置より手前からなら周り込む事も可能です。エルミィの居る位置まで隠れずに行くと流石に見付かりそうです。
・お酒に関しては、樽酒は丸々5樽が無事ですが瓶酒は半分くらい、50本程駄目になっています。周辺がお酒臭いです。こちらの運搬はゴブリンを排除してからになるでしょうが、馬車は完全に壊れています。
マスターより
初めまして、今回マスターとしてお仕事をさせて頂く事になりました、練子(れんじ)やきもと申します。焼き芋ではありません。
今回暴走娘ネタで出させて頂きましたが、個人的にはツンデレの方が好きです。いやむしろデレデレの方が好きです。……はい、関係ありませんね。
ゴホン。それはともかく、自分が書いた物に皆さんがどんなプレイングを返して下さるのか、今からとても楽しみです。どうぞよろしくお願いします。
今回暴走娘ネタで出させて頂きましたが、個人的にはツンデレの方が好きです。いやむしろデレデレの方が好きです。……はい、関係ありませんね。
ゴホン。それはともかく、自分が書いた物に皆さんがどんなプレイングを返して下さるのか、今からとても楽しみです。どうぞよろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/02/24 21:22
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 レイオス・アクアウォーカー(ka1990) 人間(リアルブルー)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/02/17 09:28:53 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/02/16 10:14:45 |