ゲスト
(ka0000)
白い影
マスター:秋風落葉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/02/18 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/02/27 12:00
オープニング
●閉ざされた村
「おかしい……」
やや年老いた男は呟いた。
手袋越しに浸透してくる寒さにかじかんだ手をこすり合わせ、灰色の空を見上げたまま。
「ああ、いつもならそろそろ兆しが出てくるはずだ……春の訪れの」
男の息子がそれに答え、やはり同じように空を見た。
二人の口から吐き出される息は真っ白。
親子はどちらも厚い防寒着を身につけている。
ここはクリムゾンウェストでも比較的南部に位置する村だ。
もうすぐ三月。
男達が言うように、そろそろ暖かくなってくる頃だ。
しかし……。
「あの木だってこの時期には毎年芽吹いていたはずだ。それなのに……」
この場所のシンボルと言ってもいい、村の中央にある大きな木。息子が口にしたように、まだ芽吹く気配がない。
「それにこの雪。一体もう何日降り続いている?」
悲壮感を滲ませ、父親が搾り出すような声を出した。
数日前から舞い降り始めた白い結晶。
最初の頃はまばらだったそれは、いつの間にか空を満遍なく覆い、やがて村そのものを真っ白く埋め尽くした。
何かがおかしいと思った時にはもう遅く、村は外界から完全に孤立した。
●動く影
白い大地の上を動く影がある。
それの外観を一言で言うなら白い狼だ。
しかし、それは狼にしては纏う雰囲気があまりにも異質だった。
ハンターと呼ばれる人種なら、その獣の正体をすぐに看破しただろう。
雑魔、と。
村人達は知らなかったが、この地のマテリアルは減少傾向にあった。その過程により生まれたのがこの白い狼、そしてあの異常気象である。
四足の雑魔は雪の上を軽やかに進む。
そして高台で止まり、一つの村を眼下に見た。
まだ人が動く気配はある。しかし、それもあとわずかだろう。
白い狼のそばに、同じ姿の獣がぞくぞくと集まってきた。
皆、同じ生き物であるかのように村へと視線を向けている。
――まだ動く時ではない。
――まだまだ。
――ニンゲン達の絶望を食いたい。
――絶望を食らいつくした後だ。あいつらをいただくのは。
歓喜に震えてか、一頭が吠えた。
それに連なるかのように、他の狼達もいなないた。
まだ姿を見せぬ仲間がいるのか、はるか遠くからも遠吠えが返って来る。
恐ろしい吠え声に村人達は慌てて家々に閉じこもった。周囲は狼が変異した魔物によって包囲されている。それにこの積雪だ。逃げることもかなわない。
魔物達が動いた時、それは自分達の死となるだろう……。
●助けを求めて
「依頼です!」
あせりを表しているかのようなうわずった声が受付嬢の口から飛び出した。さきほどハンターオフィスに飛び込んできた知らせ。それは一刻を争うものだった。連絡が取れなくなった小さな村。そこに、危機が訪れていると。
「雪に閉ざされた村を救ってください! 敵は白い狼型の雑魔! 大至急です!」
受付嬢は気が急くあまり、要領を得ない説明を口走っていることに気付いた。
はやる気持ちを押さえ、彼女は一呼吸すると、事の詳細を述べ始めた。
「おかしい……」
やや年老いた男は呟いた。
手袋越しに浸透してくる寒さにかじかんだ手をこすり合わせ、灰色の空を見上げたまま。
「ああ、いつもならそろそろ兆しが出てくるはずだ……春の訪れの」
男の息子がそれに答え、やはり同じように空を見た。
二人の口から吐き出される息は真っ白。
親子はどちらも厚い防寒着を身につけている。
ここはクリムゾンウェストでも比較的南部に位置する村だ。
もうすぐ三月。
男達が言うように、そろそろ暖かくなってくる頃だ。
しかし……。
「あの木だってこの時期には毎年芽吹いていたはずだ。それなのに……」
この場所のシンボルと言ってもいい、村の中央にある大きな木。息子が口にしたように、まだ芽吹く気配がない。
「それにこの雪。一体もう何日降り続いている?」
悲壮感を滲ませ、父親が搾り出すような声を出した。
数日前から舞い降り始めた白い結晶。
最初の頃はまばらだったそれは、いつの間にか空を満遍なく覆い、やがて村そのものを真っ白く埋め尽くした。
何かがおかしいと思った時にはもう遅く、村は外界から完全に孤立した。
●動く影
白い大地の上を動く影がある。
それの外観を一言で言うなら白い狼だ。
しかし、それは狼にしては纏う雰囲気があまりにも異質だった。
ハンターと呼ばれる人種なら、その獣の正体をすぐに看破しただろう。
雑魔、と。
村人達は知らなかったが、この地のマテリアルは減少傾向にあった。その過程により生まれたのがこの白い狼、そしてあの異常気象である。
四足の雑魔は雪の上を軽やかに進む。
そして高台で止まり、一つの村を眼下に見た。
まだ人が動く気配はある。しかし、それもあとわずかだろう。
白い狼のそばに、同じ姿の獣がぞくぞくと集まってきた。
皆、同じ生き物であるかのように村へと視線を向けている。
――まだ動く時ではない。
――まだまだ。
――ニンゲン達の絶望を食いたい。
――絶望を食らいつくした後だ。あいつらをいただくのは。
歓喜に震えてか、一頭が吠えた。
それに連なるかのように、他の狼達もいなないた。
まだ姿を見せぬ仲間がいるのか、はるか遠くからも遠吠えが返って来る。
恐ろしい吠え声に村人達は慌てて家々に閉じこもった。周囲は狼が変異した魔物によって包囲されている。それにこの積雪だ。逃げることもかなわない。
魔物達が動いた時、それは自分達の死となるだろう……。
●助けを求めて
「依頼です!」
あせりを表しているかのようなうわずった声が受付嬢の口から飛び出した。さきほどハンターオフィスに飛び込んできた知らせ。それは一刻を争うものだった。連絡が取れなくなった小さな村。そこに、危機が訪れていると。
「雪に閉ざされた村を救ってください! 敵は白い狼型の雑魔! 大至急です!」
受付嬢は気が急くあまり、要領を得ない説明を口走っていることに気付いた。
はやる気持ちを押さえ、彼女は一呼吸すると、事の詳細を述べ始めた。
解説
連絡が途絶えた村の近隣から、ある依頼が届きました。
ある村が真っ白な雪に覆われていること。
そして辺りには雪のように白い狼がうろつき、近づくことも、そしておそらく村からも出てくることができないことも。
どうか、無事に村を救って欲しい、とのことです。
村は盆地となっており、あたりは木々の生えた山に囲まれています。
村の近くまでは転移門で行くことができますが、あとは自力で行く必要があります。数字で表すと2、3キロでしょうか。
村に近づくまでは、雪も降っておらず、地面も歩くことに支障ありません。村に近づくにつれ、絶え間なく降る雪のせいで段々と道が悪くなっていきます。
村と外界をつなぐ一本の道はそれなりに整備されていますが、村の周辺はすでに深い雪に覆われています。この道も例外ではありません。
雪に覆われた森の中を抜けるよりは道を行くほうが簡単だと思われますが、見張りなのか、この場所をよく狼達が通るそうです。
雪に包まれた大地は、ハンターの身体能力ならば、行動に大きな制限はありません。ただ、多少動きが鈍ってしまいます。
敵の狼の強さは、一体一体はそれほどでもありませんが、群れを成しています。その数は十を軽く超えています。
また、雪は狼達にとって、何の悪影響もありません。
ある村が真っ白な雪に覆われていること。
そして辺りには雪のように白い狼がうろつき、近づくことも、そしておそらく村からも出てくることができないことも。
どうか、無事に村を救って欲しい、とのことです。
村は盆地となっており、あたりは木々の生えた山に囲まれています。
村の近くまでは転移門で行くことができますが、あとは自力で行く必要があります。数字で表すと2、3キロでしょうか。
村に近づくまでは、雪も降っておらず、地面も歩くことに支障ありません。村に近づくにつれ、絶え間なく降る雪のせいで段々と道が悪くなっていきます。
村と外界をつなぐ一本の道はそれなりに整備されていますが、村の周辺はすでに深い雪に覆われています。この道も例外ではありません。
雪に覆われた森の中を抜けるよりは道を行くほうが簡単だと思われますが、見張りなのか、この場所をよく狼達が通るそうです。
雪に包まれた大地は、ハンターの身体能力ならば、行動に大きな制限はありません。ただ、多少動きが鈍ってしまいます。
敵の狼の強さは、一体一体はそれほどでもありませんが、群れを成しています。その数は十を軽く超えています。
また、雪は狼達にとって、何の悪影響もありません。
マスターより
こんにちは、こんばんは。
秋風落葉(しゅうふうらくよう)です。
白い雪の上を闊歩する白い狼達が今回の敵です。
近隣からの助けを求める依頼がなかったら、この村は人知れず全滅していたかもしれません。
この村を滅びの運命から救えるのは、ハンターだけです。
秋風落葉(しゅうふうらくよう)です。
白い雪の上を闊歩する白い狼達が今回の敵です。
近隣からの助けを求める依頼がなかったら、この村は人知れず全滅していたかもしれません。
この村を滅びの運命から救えるのは、ハンターだけです。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/02/22 23:35
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 ジュード・エアハート(ka0410) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/02/18 11:25:01 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/02/16 10:23:22 |