ゲスト
(ka0000)
お土産は裏路地で
マスター:サトー

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/02/19 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/02/28 12:00
オープニング
港湾都市ポルトワール。
風光明媚な観光都市としての表の顔と、渾然一体としたダウンタウンは裏の顔。
二面性を持つこの都市は、近年目覚ましい発展を遂げつつあり、ヴァリオスとはまた異なった趣きを魅力に感じた観光客で栄えています。特に、地理的にも近いフマーレからは人気のようです。
ここにも、一組の家族がおりました。
子供がある程度大きくなるまでは遠出を自粛していたこともあって、両親は新婚以来の旅行にウキウキなご様子。子供から目を離してしまったのも、仕方ないのかもしれません。
気づいた時にはもう遅し。
市街を探し回ってはみたものの、影も形もありません。
もしかしたら――。両親は我が子がダウンタウンに紛れ込んでしまったのでは、と戦々恐々です。
慌てて駆け入ったのは、言わずと知れたハンターオフィス。
ハンター達は至急の案件として、ダウンタウンでの子供の捜索を頼まれることになりました。
●ピッキオの冒険
さて、そんな騒動が起きているとも露知らず、一人息子のピッキオ君8歳は薄暗い路地裏へと足を進めています。
お坊ちゃんのように短く纏められた樺色の髪の毛を揺らし、開いているのか分からない糸のような目できょろきょろと辺りを見回します。どうも迷子のようです。
ちょっと臭いもあります。鼻を摘まみたくなってしまいますね。
「止まれ!」
不意に呼び止められ、ピッキオは後ろを振り返りました。
そこにいたのは、10人の子供達。歳は6~12歳程度でしょうか。
真ん中に立つリーダーっぽい坊主頭の少年が、両腕を組んで胸を張り睥睨します。警戒しているようです。
「おい、お前! ここに何の用だ!」
「…………」
ピッキオは答えません。
「モクヒするきか。いい度胸だ」
リーダーはふんと鼻を鳴らします。自分たちの縄張りを荒らす者を許したりはしません。
背後に控えていた小さな少女が服を引っ張っりました。
「ねぇ、モクヒってなぁに?」
「リーデルの邪魔しちゃだめよ」
「メントレはしってるの?」
「え、あ、あたしは……ティコ、どうなの?」
「お、俺に振るなよ! ……イーナ、また今度な」
「えーでも」
リーダーの少年リーデルはざわざわとする背後にひくついています。
「……お土産」
と、ピッキオが口を開きました。どうやら話す気が無いわけでは無いようです。
「みやげ?」
リーデルは少し安堵しながら、ピッキオに先を促しました。
ピッキオは、腰に提げたキーホルダーを子供達に見えるように示します。キーホルダーには、小さなレンチの玩具がくっついていました。
「これ、貰ったから、お礼に……」
「ふむ」
ピッキオは友達の女の子から貰ったお礼に、お土産を探しているようです。
「その子はどんなのが好きなんだ?」
「ん……分からない」
「分からないって、何かあんだろ。ヒントとかよ」
「ん……自然が好き。木とか、動物」
「なるほどね……」
子供たちは暫し、ああだこうだと激論を交わしていましたが、やがてピッキオに向き直ると、
「よし、俺達が一緒に探してやる」
言い放ちました。
「…………」
「路地裏にもな、ちょっとした露店が沢山あるんだ。ついてこい」
ピッキオはリーデルに連れられ、奥へ奥へと進んでいきました。
●ハンターオフィス受付嬢の言葉
「最近はダウンタウンの治安も大分和らいできたんですけどね。
相変わらず軽犯罪は絶えませんが、重大な犯罪は目に見えて減ってきています。
だからといって、子供が迷い込んで安全という訳ではないのですけど……。
都市側も配給や寝床の提供などを行って、孤児への配慮も欠かしておりませんし――」
●ピッキオご一行
「なんだ、お前フマーレから来たのか」
「ん」
ピッキオ達は入り組んだ路地裏を歩きます。道端で屯しているやさぐれ者達は、ちらりと見るだけで何も言っては来ません。
ストリートチルドレン。ダウンタウンでは、そう珍しいものでもありません。
ピッキオはそんな男達の怖い視線に少し怯えているような気がします。表情は特に変わらないので、分かりにくいのですが。
「……大人は敵だ。気ーつけろよ」
リーデルは厳しい表情で前を見ます。
彼らはまだ幼いですが、この歳でも色々と厳しい経験を積んできたのです。
配給や寝床の提供を行ってくれる大人がいることも承知しています。
ですが、その一方で、それを横取りする大人やスリをして稼いだ金を巻き上げる連中もいるのです。
何度も苦渋を舐めてきました。その度に大人への反骨心は増していき、現在に至ります。
「だからといってガキなら大丈夫ってわけじゃねえ。ガキでもハンターがいる。ハンターは海軍の手先だ。ガキだからって油断するなよ」
ハンターが海軍の手先とは初耳です。リーデル達にはそう見えるのでしょうか。
「ま、最近はあんまり危ないことも減って来たけどな。それでも、俺らはジャクシャだ。所詮子供。大人にゃかなわねぇ。近づいて来る奴らには気ーつけろ。立ち向かうときは一人で挑むなよ。皆で力を合わせて対抗するんだ」
ピッキオは分かったのか分かっていないのか、小首を傾げます。
リーデルはため息を一つ。
「ここら辺は俺たちの縄張りだから、できればマクのが一番だ。例えば――」
と、リーデルは建物の入口の戸を勝手に開け、すたすたと中へ入っていきました。
後について行くピッキオ達。幸い家主はいないようです。
ここら辺では誰も鍵をかけたりしません。
鍵をかけるということは、守らなければならないものがあるということ。
そんなものを、ここの者達が見過ごすはずがありません。
だから誰も鍵をかけないのです。
「……いいの?」
「言ったろ。ここは俺たちの縄張りだって。こっそりいきゃバレないもんさ。子供にしか通れない道もあるから、後で教えてやるよ」
ピッキオはこくりと首を縦に振ります。
「しっかし、おめぇの土産、何にすっかなぁ」
ぐー。
誰かのお腹が鳴りました。
「……気にすんな。そういうこともある」
「今のリーデルじゃ――」
「止しな、ティコ!」
「…………」
気まずい沈黙。
「よーし、ピッキオ! 腹が減っただろ! 俺達のテクを見せてやる!」
リーデルは居丈高に叫び、石ころを思い切り蹴り飛ばします。
リーデル率いる子供たちは、路地裏で時折見られる怪しげな露店を巡って、旅を続けました。
風光明媚な観光都市としての表の顔と、渾然一体としたダウンタウンは裏の顔。
二面性を持つこの都市は、近年目覚ましい発展を遂げつつあり、ヴァリオスとはまた異なった趣きを魅力に感じた観光客で栄えています。特に、地理的にも近いフマーレからは人気のようです。
ここにも、一組の家族がおりました。
子供がある程度大きくなるまでは遠出を自粛していたこともあって、両親は新婚以来の旅行にウキウキなご様子。子供から目を離してしまったのも、仕方ないのかもしれません。
気づいた時にはもう遅し。
市街を探し回ってはみたものの、影も形もありません。
もしかしたら――。両親は我が子がダウンタウンに紛れ込んでしまったのでは、と戦々恐々です。
慌てて駆け入ったのは、言わずと知れたハンターオフィス。
ハンター達は至急の案件として、ダウンタウンでの子供の捜索を頼まれることになりました。
●ピッキオの冒険
さて、そんな騒動が起きているとも露知らず、一人息子のピッキオ君8歳は薄暗い路地裏へと足を進めています。
お坊ちゃんのように短く纏められた樺色の髪の毛を揺らし、開いているのか分からない糸のような目できょろきょろと辺りを見回します。どうも迷子のようです。
ちょっと臭いもあります。鼻を摘まみたくなってしまいますね。
「止まれ!」
不意に呼び止められ、ピッキオは後ろを振り返りました。
そこにいたのは、10人の子供達。歳は6~12歳程度でしょうか。
真ん中に立つリーダーっぽい坊主頭の少年が、両腕を組んで胸を張り睥睨します。警戒しているようです。
「おい、お前! ここに何の用だ!」
「…………」
ピッキオは答えません。
「モクヒするきか。いい度胸だ」
リーダーはふんと鼻を鳴らします。自分たちの縄張りを荒らす者を許したりはしません。
背後に控えていた小さな少女が服を引っ張っりました。
「ねぇ、モクヒってなぁに?」
「リーデルの邪魔しちゃだめよ」
「メントレはしってるの?」
「え、あ、あたしは……ティコ、どうなの?」
「お、俺に振るなよ! ……イーナ、また今度な」
「えーでも」
リーダーの少年リーデルはざわざわとする背後にひくついています。
「……お土産」
と、ピッキオが口を開きました。どうやら話す気が無いわけでは無いようです。
「みやげ?」
リーデルは少し安堵しながら、ピッキオに先を促しました。
ピッキオは、腰に提げたキーホルダーを子供達に見えるように示します。キーホルダーには、小さなレンチの玩具がくっついていました。
「これ、貰ったから、お礼に……」
「ふむ」
ピッキオは友達の女の子から貰ったお礼に、お土産を探しているようです。
「その子はどんなのが好きなんだ?」
「ん……分からない」
「分からないって、何かあんだろ。ヒントとかよ」
「ん……自然が好き。木とか、動物」
「なるほどね……」
子供たちは暫し、ああだこうだと激論を交わしていましたが、やがてピッキオに向き直ると、
「よし、俺達が一緒に探してやる」
言い放ちました。
「…………」
「路地裏にもな、ちょっとした露店が沢山あるんだ。ついてこい」
ピッキオはリーデルに連れられ、奥へ奥へと進んでいきました。
●ハンターオフィス受付嬢の言葉
「最近はダウンタウンの治安も大分和らいできたんですけどね。
相変わらず軽犯罪は絶えませんが、重大な犯罪は目に見えて減ってきています。
だからといって、子供が迷い込んで安全という訳ではないのですけど……。
都市側も配給や寝床の提供などを行って、孤児への配慮も欠かしておりませんし――」
●ピッキオご一行
「なんだ、お前フマーレから来たのか」
「ん」
ピッキオ達は入り組んだ路地裏を歩きます。道端で屯しているやさぐれ者達は、ちらりと見るだけで何も言っては来ません。
ストリートチルドレン。ダウンタウンでは、そう珍しいものでもありません。
ピッキオはそんな男達の怖い視線に少し怯えているような気がします。表情は特に変わらないので、分かりにくいのですが。
「……大人は敵だ。気ーつけろよ」
リーデルは厳しい表情で前を見ます。
彼らはまだ幼いですが、この歳でも色々と厳しい経験を積んできたのです。
配給や寝床の提供を行ってくれる大人がいることも承知しています。
ですが、その一方で、それを横取りする大人やスリをして稼いだ金を巻き上げる連中もいるのです。
何度も苦渋を舐めてきました。その度に大人への反骨心は増していき、現在に至ります。
「だからといってガキなら大丈夫ってわけじゃねえ。ガキでもハンターがいる。ハンターは海軍の手先だ。ガキだからって油断するなよ」
ハンターが海軍の手先とは初耳です。リーデル達にはそう見えるのでしょうか。
「ま、最近はあんまり危ないことも減って来たけどな。それでも、俺らはジャクシャだ。所詮子供。大人にゃかなわねぇ。近づいて来る奴らには気ーつけろ。立ち向かうときは一人で挑むなよ。皆で力を合わせて対抗するんだ」
ピッキオは分かったのか分かっていないのか、小首を傾げます。
リーデルはため息を一つ。
「ここら辺は俺たちの縄張りだから、できればマクのが一番だ。例えば――」
と、リーデルは建物の入口の戸を勝手に開け、すたすたと中へ入っていきました。
後について行くピッキオ達。幸い家主はいないようです。
ここら辺では誰も鍵をかけたりしません。
鍵をかけるということは、守らなければならないものがあるということ。
そんなものを、ここの者達が見過ごすはずがありません。
だから誰も鍵をかけないのです。
「……いいの?」
「言ったろ。ここは俺たちの縄張りだって。こっそりいきゃバレないもんさ。子供にしか通れない道もあるから、後で教えてやるよ」
ピッキオはこくりと首を縦に振ります。
「しっかし、おめぇの土産、何にすっかなぁ」
ぐー。
誰かのお腹が鳴りました。
「……気にすんな。そういうこともある」
「今のリーデルじゃ――」
「止しな、ティコ!」
「…………」
気まずい沈黙。
「よーし、ピッキオ! 腹が減っただろ! 俺達のテクを見せてやる!」
リーデルは居丈高に叫び、石ころを思い切り蹴り飛ばします。
リーデル率いる子供たちは、路地裏で時折見られる怪しげな露店を巡って、旅を続けました。
解説
目的:
ピッキオの確保
ダウンタウン:
ポルトワールにある大小様々なダウンタウン。
内、ピッキオが行方不明になった近くのダウンタウンの捜索になります(一か所だけです)
規模は手分けしてスムーズな捜索ができれば、日没までに確実に見つけられる程度です。
路地裏:
薄暗く湿っぽく複雑な迷路のような場所。
ゴミや箱、樽や打ち捨てられた材木など、様々な物が道の脇にあります。
場所によっては、人や物で塞がれていたりします。
ごろつきも沢山います。闖入者は基本歓迎されません。覚醒者はシナリオ中出てきません。
怪しげな露店がちらほらと。
時刻:
現在は昼過ぎ。タイムリミットは日没。
日没になると、リーデル達に送り届けられ勝手にピッキオは戻ってきます。
ピッキオ:
8歳、少年。樺色の髪。お坊ちゃまっぽい。糸目。無表情。言葉少な目。
友人の少女へのお土産を求めています。
リーデル:
10人からなるストリートチルドレンのリーダー。12歳、坊主頭の少年。
大人を憎んでいる。
自分達に近づく者に対しては誰であろうと最大限の警戒を示す。
あの手この手で逃走を試みます。
ピッキオの友人の少女:
8歳。名はセルバ。緑色の髪。純朴。動植物などの自然が好き。
ピッキオとはとても親しい。家族ぐるみの付き合いがある。
ピッキオの確保
ダウンタウン:
ポルトワールにある大小様々なダウンタウン。
内、ピッキオが行方不明になった近くのダウンタウンの捜索になります(一か所だけです)
規模は手分けしてスムーズな捜索ができれば、日没までに確実に見つけられる程度です。
路地裏:
薄暗く湿っぽく複雑な迷路のような場所。
ゴミや箱、樽や打ち捨てられた材木など、様々な物が道の脇にあります。
場所によっては、人や物で塞がれていたりします。
ごろつきも沢山います。闖入者は基本歓迎されません。覚醒者はシナリオ中出てきません。
怪しげな露店がちらほらと。
時刻:
現在は昼過ぎ。タイムリミットは日没。
日没になると、リーデル達に送り届けられ勝手にピッキオは戻ってきます。
ピッキオ:
8歳、少年。樺色の髪。お坊ちゃまっぽい。糸目。無表情。言葉少な目。
友人の少女へのお土産を求めています。
リーデル:
10人からなるストリートチルドレンのリーダー。12歳、坊主頭の少年。
大人を憎んでいる。
自分達に近づく者に対しては誰であろうと最大限の警戒を示す。
あの手この手で逃走を試みます。
ピッキオの友人の少女:
8歳。名はセルバ。緑色の髪。純朴。動植物などの自然が好き。
ピッキオとはとても親しい。家族ぐるみの付き合いがある。
マスターより
お疲れさまでございます。
難易度が難易度ですので、適当に探していても見つかります。
子供達がどのような手で撒こうとするかは、皆さん次第です。(ママママルナゲジャナイデス)
どたばた鬼ごっこにお付き合い頂けると幸いです。
おやすみなさい。
難易度が難易度ですので、適当に探していても見つかります。
子供達がどのような手で撒こうとするかは、皆さん次第です。(ママママルナゲジャナイデス)
どたばた鬼ごっこにお付き合い頂けると幸いです。
おやすみなさい。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/02/28 17:28
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/02/15 18:42:41 |
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相談しましょ! ドロテア・フレーベ(ka4126) 人間(クリムゾンウェスト)|25才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/02/19 02:45:19 |