ゲスト
(ka0000)
スミレの花を染めて
マスター:サトー

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~7人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/03/05 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/03/14 12:00
オープニング
綺麗な花畑だった。
青白黄の3色のスミレ。街道の脇に咲き乱れるそれらに、少女の目は釘づけだ。
絹の糸のような嫋やかな髪は純白に濡れ、肩口から垂れ下がり腕にかかる。
「お土産にしようかしら」
慈愛を湛えた瞳は優しさを体現し、面貌を彩るは慎ましやかな微笑。
あの人は喜んでくれるだろうか、と胸中に心地の良い期待感が高まっていくのを感じ、心は弾むよう。
少女はまだ15歳。
大人とも子供とも言えぬ穢れを知らない彼女は、靄のように純潔を纏い、あどけない心をその身に隠す。
花畑の中にしゃがみ込み花を愛でる少女を、馬車の中から二組の目が見守っていた。
愛娘の愛らしい姿に細まる目。乾いた喉を水で潤し、片方が腹から声を出す。
「ローザ! お前も少し休んだらどうだ?」
「お父様、もう少しだけ!」
両親は顔を見合わせ苦笑する。
一家3人、旅先からの帰郷の途中。故郷のプレアルバ村までは、もう後1,2時間といったところ。
焦ることも無いかと、御者を務める父は煙草で一服――しようとして、我が目を疑った。
大岩の陰から覗くゴブリンの姿。
ゴブリンは獲物を見定めると、一直線にローザへと駆ける。花に夢中となっている彼女に。
「ローザ!!」
「えっ――」
使い古された剣先が、少女の顔に傷を刻む。
ローザの身が崩れるのと、両親が駆けだしたのはほぼ同時だった。
倒れた少女に二撃目を打ち込むゴブリン。従えたコボルドもそれに追従する。
三撃目――四撃目のところで、両親はローザを庇うようにその身を投げ出した。
ローザを覆う両親の身体を、ゴブリンは執拗に剣で突き刺し、コボルドも爪で切り裂く。
血だまりがスミレの花を染めていく。
仲間のゴブリン達は、その間に馬車を漁り中を物色していた。
ジェオルジの街道を往く乗合馬車が通りかかったのは、そんな場面だった。
●
「こんな辺鄙な村までわざわざお越し頂き、ありがとうございます」
一人の黒髪の青年が、ハンター達に頭を下げる。
「私は、ルチオ・スペランツァと言います。駆け出しですが、機導師をしております。今回の依頼に関して、村長に代わり私の方からご説明させて頂きます」
ルチオの説明が始まる。
依頼は、街道脇の花畑にどこからかやってきて棲みついたゴブリンとコボルドの退治。
数はゴブリンが7。コボルドが8。
弓や杖、剣などで武装したゴブリン達は互いに連携し、手先となっているコボルドが戦場をかき回す。
ある程度統率の取れた厄介な集団らしい。
なぜそこまで詳しく分かっているのかという問いに、ルチオは面目無さそうな笑みを浮かべた。
「現場へ通りかかった乗合馬車に、たまたま乗っていたのです」
その馬車には、ルチオともう一人ベテランのハンターが乗っていたそうな。
二人は協力してゴブリンを追い払うことに成功したそうだが。
「あれは私達が追い払ったというより、向こうが退いたという感じでした」
二人の威嚇に、ゴブリン達は無理をせず、奪った物資を持ってすぐ近くの森に身を隠したとのこと。
「その後、時間をおいて偵察に出てみましたが、あの花畑を住処と定めたようです」
このままでは安全に街道を通過できないということで、此度の依頼になった運びである。
「この村の者に死傷者も出ておりますので、出来れば逃がしたくはありません」
最初に襲われた一家三人の内、父母は死亡。娘も意識不明の重体だ。
傷は深く、外科的施術が必要ということで、街道の安全を取り戻し次第、娘はジェオルジの統治者一族が治める土地付近の医療設備の整った村まで移送する予定らしい。
「役に立てるか分かりませんが、私もご同行いたします。宜しくお願いいたします」
村長宅を出たハンター一同。
扉を開ければ、そこには一人の少女が待ち受けていた。
「あの! ハンターの皆さん、お願いがあります!」
「こら、イーダ」
ルチオは少女を諌める。
「だって! だって……」
「すみません、妹が」
目の前の少女は、ルチオの妹。名をグイーダという。
どうやらグイーダは、被害にあったローザという少女を実の姉のように慕っていたらしい。
「お願いします。お姉ちゃんの仇をとってください。お願いします!」
グイーダはこれ以上ないほどに、ハンター達に頭を下げた。
青白黄の3色のスミレ。街道の脇に咲き乱れるそれらに、少女の目は釘づけだ。
絹の糸のような嫋やかな髪は純白に濡れ、肩口から垂れ下がり腕にかかる。
「お土産にしようかしら」
慈愛を湛えた瞳は優しさを体現し、面貌を彩るは慎ましやかな微笑。
あの人は喜んでくれるだろうか、と胸中に心地の良い期待感が高まっていくのを感じ、心は弾むよう。
少女はまだ15歳。
大人とも子供とも言えぬ穢れを知らない彼女は、靄のように純潔を纏い、あどけない心をその身に隠す。
花畑の中にしゃがみ込み花を愛でる少女を、馬車の中から二組の目が見守っていた。
愛娘の愛らしい姿に細まる目。乾いた喉を水で潤し、片方が腹から声を出す。
「ローザ! お前も少し休んだらどうだ?」
「お父様、もう少しだけ!」
両親は顔を見合わせ苦笑する。
一家3人、旅先からの帰郷の途中。故郷のプレアルバ村までは、もう後1,2時間といったところ。
焦ることも無いかと、御者を務める父は煙草で一服――しようとして、我が目を疑った。
大岩の陰から覗くゴブリンの姿。
ゴブリンは獲物を見定めると、一直線にローザへと駆ける。花に夢中となっている彼女に。
「ローザ!!」
「えっ――」
使い古された剣先が、少女の顔に傷を刻む。
ローザの身が崩れるのと、両親が駆けだしたのはほぼ同時だった。
倒れた少女に二撃目を打ち込むゴブリン。従えたコボルドもそれに追従する。
三撃目――四撃目のところで、両親はローザを庇うようにその身を投げ出した。
ローザを覆う両親の身体を、ゴブリンは執拗に剣で突き刺し、コボルドも爪で切り裂く。
血だまりがスミレの花を染めていく。
仲間のゴブリン達は、その間に馬車を漁り中を物色していた。
ジェオルジの街道を往く乗合馬車が通りかかったのは、そんな場面だった。
●
「こんな辺鄙な村までわざわざお越し頂き、ありがとうございます」
一人の黒髪の青年が、ハンター達に頭を下げる。
「私は、ルチオ・スペランツァと言います。駆け出しですが、機導師をしております。今回の依頼に関して、村長に代わり私の方からご説明させて頂きます」
ルチオの説明が始まる。
依頼は、街道脇の花畑にどこからかやってきて棲みついたゴブリンとコボルドの退治。
数はゴブリンが7。コボルドが8。
弓や杖、剣などで武装したゴブリン達は互いに連携し、手先となっているコボルドが戦場をかき回す。
ある程度統率の取れた厄介な集団らしい。
なぜそこまで詳しく分かっているのかという問いに、ルチオは面目無さそうな笑みを浮かべた。
「現場へ通りかかった乗合馬車に、たまたま乗っていたのです」
その馬車には、ルチオともう一人ベテランのハンターが乗っていたそうな。
二人は協力してゴブリンを追い払うことに成功したそうだが。
「あれは私達が追い払ったというより、向こうが退いたという感じでした」
二人の威嚇に、ゴブリン達は無理をせず、奪った物資を持ってすぐ近くの森に身を隠したとのこと。
「その後、時間をおいて偵察に出てみましたが、あの花畑を住処と定めたようです」
このままでは安全に街道を通過できないということで、此度の依頼になった運びである。
「この村の者に死傷者も出ておりますので、出来れば逃がしたくはありません」
最初に襲われた一家三人の内、父母は死亡。娘も意識不明の重体だ。
傷は深く、外科的施術が必要ということで、街道の安全を取り戻し次第、娘はジェオルジの統治者一族が治める土地付近の医療設備の整った村まで移送する予定らしい。
「役に立てるか分かりませんが、私もご同行いたします。宜しくお願いいたします」
村長宅を出たハンター一同。
扉を開ければ、そこには一人の少女が待ち受けていた。
「あの! ハンターの皆さん、お願いがあります!」
「こら、イーダ」
ルチオは少女を諌める。
「だって! だって……」
「すみません、妹が」
目の前の少女は、ルチオの妹。名をグイーダという。
どうやらグイーダは、被害にあったローザという少女を実の姉のように慕っていたらしい。
「お願いします。お姉ちゃんの仇をとってください。お願いします!」
グイーダはこれ以上ないほどに、ハンター達に頭を下げた。
解説
目的:
ゴブリンとコボルドの討伐。
花畑;
障害物は大岩が一つのみ(半径2mほどの半球形)。後は開けた地形。広さは十分。
気づかれずに近づくことは困難。
ゴブリン達は大岩のそばに棲息している。
敵:
ゴブリン7、コボルド8
ゴブリン:そこそこ強い
ソルジャー(攻)2。長剣と小盾、鎧で武装している。前衛。
ソルジャー(防)2。身体を覆うほどの大盾の二刀流。武器は無し。鎧や兜などで完全武装。前衛。
アーチャー2。弓。軽装。遠目から狙う。中衛。
メイジ1。杖。ローブ。スキルは魔術師と同じものを使用。後衛。
コボルド:雑魚
攻撃手段は爪や牙。投石。
ルチオ・スペランツァ:
18歳。機導師(駆け出し)。
スキルは機導剣と機導砲、運動強化。
慎重で、冷静沈着なタイプ。皆さんの指示に従います。
グイーダ・スペランツァ:
10歳。ルチオの妹。愛称イーダ。お転婆でお節介焼きの少女。
ローザを実の姉のように慕っている。
ローザ:
15歳。少女。現在意識不明の重体。移送待ち。
ベテランのハンター:
現在はプレアルバ村を離れており、登場しません。
備考:
現場までは特に無ければ馬車で移動します(馬を用意しても構いません)。
御者は村人がやってくれます。
解説に記載されているものは、全てPC情報になります。
ゴブリンとコボルドの討伐。
花畑;
障害物は大岩が一つのみ(半径2mほどの半球形)。後は開けた地形。広さは十分。
気づかれずに近づくことは困難。
ゴブリン達は大岩のそばに棲息している。
敵:
ゴブリン7、コボルド8
ゴブリン:そこそこ強い
ソルジャー(攻)2。長剣と小盾、鎧で武装している。前衛。
ソルジャー(防)2。身体を覆うほどの大盾の二刀流。武器は無し。鎧や兜などで完全武装。前衛。
アーチャー2。弓。軽装。遠目から狙う。中衛。
メイジ1。杖。ローブ。スキルは魔術師と同じものを使用。後衛。
コボルド:雑魚
攻撃手段は爪や牙。投石。
ルチオ・スペランツァ:
18歳。機導師(駆け出し)。
スキルは機導剣と機導砲、運動強化。
慎重で、冷静沈着なタイプ。皆さんの指示に従います。
グイーダ・スペランツァ:
10歳。ルチオの妹。愛称イーダ。お転婆でお節介焼きの少女。
ローザを実の姉のように慕っている。
ローザ:
15歳。少女。現在意識不明の重体。移送待ち。
ベテランのハンター:
現在はプレアルバ村を離れており、登場しません。
備考:
現場までは特に無ければ馬車で移動します(馬を用意しても構いません)。
御者は村人がやってくれます。
解説に記載されているものは、全てPC情報になります。
マスターより
お疲れさまでございます。
ゴブリンは一対一ならそこそこ良い勝負をする位の強さです。
ローザの意識は、このシナリオ中に回復することはありません。
では、おやすみなさい。
ゴブリンは一対一ならそこそこ良い勝負をする位の強さです。
ローザの意識は、このシナリオ中に回復することはありません。
では、おやすみなさい。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/03/10 16:12
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 リカルド=フェアバーン(ka0356) 人間(リアルブルー)|32才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/03/05 06:34:49 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/03/01 23:12:17 |