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【王国展】グリフヴァルト

マスター:赤山優牙

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/03/04 07:30
リプレイ完成予定
2015/03/13 07:30

オープニング

※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。

~~以下王国展共通OP

 システィーナ・グラハム(kz0020)王女の執務室。王城のほぼ中枢にあるそこは、この季節においても調度品や暖炉によって暖かく整えられている。そこに、ぽつり、と声が零れた。
「ハンターの皆さまに向けて、王国観光庁の設立……?」
「ええ」
 システィーナ王女の声であった。応じた鈍く低い声は、セドリック・マクファーソン(kz0026)大司教。
「現状、復興が進んでいるとはいえ、先日のベリアルの侵攻の傷は、決して小さくはありません」
「そう、ですね。民も、傷ついています」
 システィーナの理解に、セドリックは微かに笑みを浮かべた。
「その通りです、殿下。この国には余力がある。故に、土地も、経済も、時が経てば癒えましょう。ですが――民の心に刻まれた傷は、生半な事では癒えません」
「……そこで、観光庁、ですか? ハンターの皆さまが、どう関わるのです?」
「彼らの存在そのものが、王国の治安や防衛――そして経済に、深く関わります。安全の担保によって、民草に安堵を抱かせる。現状ですとその重要性は、言を俟ちません。その点でハンターに対して王国の内情を詳らかにし、また、国民が広くハンターの存在と意義を知ることは現状では十分に価値あることです」
「そう、ですね……ハンターの皆さまが、この国の民にとって救いになり得る」
 手を合わせて、王女はにこやかに笑んだ。華やぐ声で、言う。
「作りましょう、王国観光庁!」
「ええ、ではそのように。ああ、それと――」
 少女の喝采に、セドリックの聖人の笑みが返った。
「観光を扱う以上、民草にとっても近しい組織でなくてはなりません。そこで、システィーナ王女。貴女の出番となります」
「は、はい」
「貴女に、観光庁の代表をして頂きます」
「……ふぇ?」
「早速、催し物の段取りをしておきましょう。王女の名の下に各地に通達し、商会、職人、その他諸々の団体を応召し、展覧会を執り行う――」
「え、ぇ?」
「詳細は後日、識者を集めて会議を行いますので、それまでにお考えをお纏めください……それでは、私はこれで」
「え……?」
 ――戸を閉じたセドリックの背中を、少女のか細い悲鳴が叩いた。

●王国騎士団本部騎士団長室にて
「青の隊所属、ソルラ・クート。第13独立小隊、国内潜伏歪虚追跡調査隊、通称『アルテミス』の小隊長を命ずる」
「畏まりました」
 エリオット・ヴァレンタイン(kz0025)が辞令の書類を女性騎士に手渡した。
「詳細は後日連絡する」
「団長、質問よろしいでしょうか?」
 女性騎士ソルラは姿勢を崩さす、エリオットを見つめる。
「あぁ、構わない」
「なぜ、私が異動なのか。そして、なぜ、小隊長なのか、お聞かせ願いたいです」
 微妙な沈黙が部屋の中に流れた。
 幼い頃から知っている者同士であっても、今は上官と部下だ。
「……お前が小隊長の力量に相応しいと判断した為だ」
「歪虚を取り逃がしていますが……」
「だが、クラベルに重傷を負わせることはできた」
 先の大戦時、撤退していく傲慢の歪虚を追撃していた隊の一つにソルラは所属していた。
「分かっています。ですが、もっと早く、クラベルに追いついていれば……」
 デュニクスの住民が戦いに巻き込まれる事も、そして、ゲイル・グリムゲーテ侯爵が戦死する事もなかったはずだ。
 ソルラが所属していた隊は、出発前に、隊長の命令で軽装から重装に変更していた。
 重装備だと重くなり、追撃の速さも落ちる。ソルラは反対したが隊長は聞く耳を持たなかった。
 結局、後少しでクラベルに追いつくという所で、突如現れた歪虚によってクラベルを逃した。
 しかも、防御に優れた装備を選んだ隊長が歪虚によって一撃で葬られたのは皮肉としかいいようがない。
「伯父上、いや……侯爵とは面識が?」
「はい。幼い頃の事ですが」
 ソルラの父は貴族である。もっとも、政治的な繋がりは薄く、体面上の面識程度だったが。
 侯爵の娘であるユエルと初めて会った時は、こんな妹が欲しいと言って、父を困らせたのは、随分と昔の話だ。
 あの子は元気にしているのだろうか……最後に会ったのは、先の大戦が始まる前、王立学校での特別授業で戦闘体験談を語った時だったか。
「取り逃がした歪虚……ネル・ベルの存在は報告書で確認している」
 苦しげに眉を寄せていたエリオットが報告書の束を手に取る。
 ネル・ベルは脅威のレベルで言うと、災厄の十三魔に遥かに及ばない。
「この歪虚だけではなく、王国内に相当数の歪虚が潜伏していると思われる」
「忌々しき事態だと思います」
 それなりの数が潜伏し、それぞれが暗躍していると思うと、それは脅威であるとソルラは思った。
「だから、こそ、だ」
 ソルラが小隊の一つを率いる意味がそこにあるのだと。
「わかりました。ただ、一つ、お願いがあります」
「なんだ?」
「隊が正式結成する前に、古都アークエルスで歪虚の事を調べたいのです」
 古都アークエルスには学術都市と呼ばれ王立図書館もある。
 歪虚の事に関する情報も手に入るかもしれない。
「わかった。許可する」
「ありがとうございます!」
 ビシっと敬礼したソルラであった。

●古都アークエルス
 王国の北東部の山麓にやや近い場所にある、歴史や魔法など様々な研究を目的とした学術都市だ。
 都市の大きな特徴はグラズヘイム王立図書館がある事。
 通称グリフヴァルト(文字の森)と呼ばれるこの図書館の歴史は古く、一説には古都が街としてのまとまりを持つことになるより以前、さらには王国が成り立つ前から存在するのではないかと噂されている。

 ソルラがこの図書館に足を運んだのは何時ぶりだろうか。
 小さい頃は珍しい絵本を読みに。学生の頃は勉強の為に。そして、騎士となってからは戦術の研究の為に。
 なにかと関わりがあったんだと思い出した。
 そして、今は歪虚の事について。
「敵を知り己を知れば……って、リアルブルーの話だったからしら」
 『アルテミス』の活動を行う前に、改めて確認しておこうとソルラは考えていた。
 特に小隊の性質上、歪虚を追う事がメインになるはずである。
「まずは……情報の共有ね」
 ハンター達からの助言を記したメモを読んで、そう呟く。
 歪虚に関する情報は様々だ。
 中には誤った事が正しいと思っている者もいるはずだし、単に知らないという事もあるだろう。
 だが、それでは、困るのだ。
「歪虚とはいかなる存在なのか、まずはしっかりとした基礎が必要なはず」
 王立学校で学んだ程度の事は把握しているだろうが、思わぬ『抜け』があってはいけない。
 新人や関係者へ説明するにも知識の獲得は大事な事だ。
 時間があまりないので、情報を迅速に調べる為に、今回はハンターにも依頼した。
 待ち合わせの時刻は、もうすぐだ。

解説

●目的
歪虚に関する情報を集める。

●内容
王立図書館の一般開放区域内において、歪虚に関する蔵書から情報を調べる。

●巨大図書館について
壁には天まで届くように一面本棚が並び、見上げても上が見通せない。
やみくもに本を探せば階段や梯子での移動距離は計り知れない。
なにかの仕掛けか、あるいは魔法か、あきらかに外観と比べ空間に見合わない所蔵量となっており迷子が後を絶たないが、善意の迷子であればパルムが入り口まで案内してくれる。
盗難目的での侵入者については、一部はそのまま帰ってこなかったという噂も。

●一般開放区域
一般的な教養書や国内の歴史書、文学書や絵本、料理書などが膨大に所蔵されている。司書もおり、所蔵箇所が明確にされている。
歪虚にかんする所蔵箇所まで司書が案内してくれますが、そこから先はハンター達で一冊一冊調べる事になります(歪虚に関する箇所だけで膨大な量になっています)。

●調査項目
項目別に分けました。調査分担時の参考にして下さい。
1 歪虚の定義と七眷属について
2 雑魔の定義と発生に至るケースについて
3 堕落者と契約者の違いとそこに至るケースについて
基本的にはワールドガイドに記してある事になります。
判定結果によっては……追加の情報や新しい発見もあるかもしれません。
なお、判定には、『知識』『直感』のステータスを基に各種修正値を加えて判定します。
ちなみに、一般開放区域内に蔵書されている内容程度ですので、危険な事に関する情報はありません。

●ソルラ
人物の詳細は関連NPCを参照して下さい。
質問卓には諸事情の為、顔を出せないようです。
依頼では一緒ですが、別の事を1人で調査しています。

●その他
本を汚したりトラブルを発生させた場合は成功度に影響が出ます。
制限区域や禁止区域へ立ち入った場合や悪意を持ったPCが迷子になった場合は、負傷等の可能性が極めて高いです。
エリオット様がリプレイで登場する事はありません。

マスターより

●ご挨拶
おはようございます。
ユキMSの『【王国展】古書に眠るものたち』と同じ図書館が舞台となります。
あ……やめて……舞台設定考えるの面倒だったんでしょ的な視線を向けないで下さい。

●攻略のヒント
漠然と調査するよりかは、皆さんで、キャッキャウフフしながら楽しく活動を絞った方が良いかもしれません。

関連NPC

  • 鉄壁の騎士
    ソルラ・クート(kz0096
    人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/03/08 18:47

参加者一覧

  • 雄弁なる真紅の瞳
    エヴァ・A・カルブンクルス(ka0029
    人間(紅)|18才|女性|魔術師
  • 探求者
    アル・シェ(ka0135
    エルフ|28才|男性|疾影士

  • ヴァイス・エリダヌス(ka0364
    人間(紅)|31才|男性|闘狩人
  • 【魔装】の監視者
    星輝 Amhran(ka0724
    エルフ|10才|女性|疾影士
  • 緑龍の巫女
    Uisca=S=Amhran(ka0754
    エルフ|17才|女性|聖導士
  • ゴージャス・ゴスペル
    久我・御言(ka4137
    人間(蒼)|21才|男性|機導師

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/02/28 21:29:10
アイコン 【相談卓】文字の森へようこそ
Uisca=S=Amhran(ka0754
エルフ|17才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2015/03/03 08:01:11