ゲスト
(ka0000)
【王国展】華やかさの裏で
マスター:御影堂

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/03/04 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/03/13 22:00
オープニング
●
システィーナ・グラハム(kz0020)王女の執務室。王城のほぼ中枢にあるそこは、この季節においても調度品や暖炉によって暖かく整えられている。そこに、ぽつり、と声が零れた。
「ハンターの皆さまに向けて、王国観光庁の設立……?」
「ええ」
システィーナ王女の声であった。応じた鈍く低い声は、セドリック・マクファーソン(kz0026)大司教。
「現状、復興が進んでいるとはいえ、先日のベリアルの侵攻の傷は、決して小さくはありません」
「そう、ですね。民も、傷ついています」
システィーナの理解に、セドリックは微かに笑みを浮かべた。
「その通りです、殿下。この国には余力がある。故に、土地も、経済も、時が経てば癒えましょう。ですが――民の心に刻まれた傷は、生半な事では癒えません」
「……そこで、観光庁、ですか? ハンターの皆さまが、どう関わるのです?」
「彼らの存在そのものが、王国の治安や防衛――そして経済に、深く関わります。安全の担保によって、民草に安堵を抱かせる。現状ですとその重要性は、言を俟ちません。その点でハンターに対して王国の内情を詳らかにし、また、国民が広くハンターの存在と意義を知ることは現状では十分に価値あることです」
「そう、ですね……ハンターの皆さまが、この国の民にとって救いになり得る」
手を合わせて、王女はにこやかに笑んだ。華やぐ声で、言う。
「作りましょう、王国観光庁!」
「ええ、ではそのように。ああ、それと――」
少女の喝采に、セドリックの聖人の笑みが返った。
「観光を扱う以上、民草にとっても近しい組織でなくてはなりません。そこで、システィーナ王女。貴女の出番となります」
「は、はい」
「貴女に、観光庁の代表をして頂きます」
「……ふぇ?」
「早速、催し物の段取りをしておきましょう。王女の名の下に各地に通達し、商会、職人、その他諸々の団体を応召し、展覧会を執り行う――」
「え、ぇ?」
「詳細は後日、識者を集めて会議を行いますので、それまでにお考えをお纏めください……それでは、私はこれで」
「え……?」
――戸を閉じたセドリックの背中を、少女のか細い悲鳴が叩いた。
●
王国を通る道の中には、切り立った崖を渡るものもある。
そもそも道路整備自体が、リアルブルーのように行き届いているわけではない。
王国北部のこの道も、多分にもれず、車輪が石を砕いていく。
「馬車は、うっ、揺れますね」
「当たり前だ。揺れねぇ馬車はねぇ」
リアルブルー出身の男に、ドワーフがにかっと笑う。
この二人、アキラとアカラは商人である。
名前が似ていることで意気投合し、連れ立って、王国展の準備のため奔走していた。
「全く、貴族たちも人使いが荒いってもんだ」
「広告にちょうどいい機会ですから……ねっ! あぶないな……」
道幅はそれなりにあるとはいっても、柵もない、崖の道だ。
落ちたらひとたまりもない。気が気でないのも、仕方がなかった。
「一つ一つがお宝の可能性を秘めているってわけだ。今はまだ、ただの特産物だからなぁ」
荷物を見やれば、織物や金細工。干物に野菜類……なんでもござれだ。
3つの馬車に分けて、いくつもの領から依頼を受けて運んでいた。
アキラたちを含めた八人の商隊だ。
運送業のような形で、商売を始めたのはアカラだった。
アキラの言葉をヒントに、人を集めて頭を買って出たのだ。
「運ぶだけってのは、どうかと思ったが……意外と使われるもんだな」
「うん、意外とうまくいきましたね」
「お前の弁説が上手かったからさ」
アカラがおだてて、アキラは恥ずかしそうに頬を掻く。
関税をかけないかわりに、荷物を運ぶ。自分たちの商品を安く運べるため、総じて利益になる。
簡単にいえば、そんなところだった。
「このまま、何事もなければいいが……」
不意にアカラが表情を曇らす。
こういうとき、嫌な予感というのは当たるものだ。
ガタン、と音を立てて荷馬車が止まった。
顔を上げて、すぐさまアカラは様子を見に馬車を降りる。
アキラが出ようとしたところで、声が聞こえてきた。
「ゴブリンだ! 襲ってきやがった!」
「畜生、やられてたまるか」
「商人なめんなよ!!」
気性の荒い商人が何人か臨戦態勢に入っている。
このままでは、最悪、死者が出る。
「てめぇら! うだうだいうんじゃねぇ!」
緊張感が高まる中、アカラがよく通る声で商隊に指示を出した。
指示、といってもそれぞれの馬車に戻るというものだ。
ここでアカラが、君たちに振り返る。
「お待たせしました……本当は何事もないのがよいのですが」
渋い顔をするのは、商人だからだろうか。
有事の際は、契約金がわずかに上がるのだ。
「ハンターの皆さん、出番です」
幌の入り口を開け、アキラが告げる。
馬車の両端をゴブリンが塞ぐ状態から、戦いが始まった。
システィーナ・グラハム(kz0020)王女の執務室。王城のほぼ中枢にあるそこは、この季節においても調度品や暖炉によって暖かく整えられている。そこに、ぽつり、と声が零れた。
「ハンターの皆さまに向けて、王国観光庁の設立……?」
「ええ」
システィーナ王女の声であった。応じた鈍く低い声は、セドリック・マクファーソン(kz0026)大司教。
「現状、復興が進んでいるとはいえ、先日のベリアルの侵攻の傷は、決して小さくはありません」
「そう、ですね。民も、傷ついています」
システィーナの理解に、セドリックは微かに笑みを浮かべた。
「その通りです、殿下。この国には余力がある。故に、土地も、経済も、時が経てば癒えましょう。ですが――民の心に刻まれた傷は、生半な事では癒えません」
「……そこで、観光庁、ですか? ハンターの皆さまが、どう関わるのです?」
「彼らの存在そのものが、王国の治安や防衛――そして経済に、深く関わります。安全の担保によって、民草に安堵を抱かせる。現状ですとその重要性は、言を俟ちません。その点でハンターに対して王国の内情を詳らかにし、また、国民が広くハンターの存在と意義を知ることは現状では十分に価値あることです」
「そう、ですね……ハンターの皆さまが、この国の民にとって救いになり得る」
手を合わせて、王女はにこやかに笑んだ。華やぐ声で、言う。
「作りましょう、王国観光庁!」
「ええ、ではそのように。ああ、それと――」
少女の喝采に、セドリックの聖人の笑みが返った。
「観光を扱う以上、民草にとっても近しい組織でなくてはなりません。そこで、システィーナ王女。貴女の出番となります」
「は、はい」
「貴女に、観光庁の代表をして頂きます」
「……ふぇ?」
「早速、催し物の段取りをしておきましょう。王女の名の下に各地に通達し、商会、職人、その他諸々の団体を応召し、展覧会を執り行う――」
「え、ぇ?」
「詳細は後日、識者を集めて会議を行いますので、それまでにお考えをお纏めください……それでは、私はこれで」
「え……?」
――戸を閉じたセドリックの背中を、少女のか細い悲鳴が叩いた。
●
王国を通る道の中には、切り立った崖を渡るものもある。
そもそも道路整備自体が、リアルブルーのように行き届いているわけではない。
王国北部のこの道も、多分にもれず、車輪が石を砕いていく。
「馬車は、うっ、揺れますね」
「当たり前だ。揺れねぇ馬車はねぇ」
リアルブルー出身の男に、ドワーフがにかっと笑う。
この二人、アキラとアカラは商人である。
名前が似ていることで意気投合し、連れ立って、王国展の準備のため奔走していた。
「全く、貴族たちも人使いが荒いってもんだ」
「広告にちょうどいい機会ですから……ねっ! あぶないな……」
道幅はそれなりにあるとはいっても、柵もない、崖の道だ。
落ちたらひとたまりもない。気が気でないのも、仕方がなかった。
「一つ一つがお宝の可能性を秘めているってわけだ。今はまだ、ただの特産物だからなぁ」
荷物を見やれば、織物や金細工。干物に野菜類……なんでもござれだ。
3つの馬車に分けて、いくつもの領から依頼を受けて運んでいた。
アキラたちを含めた八人の商隊だ。
運送業のような形で、商売を始めたのはアカラだった。
アキラの言葉をヒントに、人を集めて頭を買って出たのだ。
「運ぶだけってのは、どうかと思ったが……意外と使われるもんだな」
「うん、意外とうまくいきましたね」
「お前の弁説が上手かったからさ」
アカラがおだてて、アキラは恥ずかしそうに頬を掻く。
関税をかけないかわりに、荷物を運ぶ。自分たちの商品を安く運べるため、総じて利益になる。
簡単にいえば、そんなところだった。
「このまま、何事もなければいいが……」
不意にアカラが表情を曇らす。
こういうとき、嫌な予感というのは当たるものだ。
ガタン、と音を立てて荷馬車が止まった。
顔を上げて、すぐさまアカラは様子を見に馬車を降りる。
アキラが出ようとしたところで、声が聞こえてきた。
「ゴブリンだ! 襲ってきやがった!」
「畜生、やられてたまるか」
「商人なめんなよ!!」
気性の荒い商人が何人か臨戦態勢に入っている。
このままでは、最悪、死者が出る。
「てめぇら! うだうだいうんじゃねぇ!」
緊張感が高まる中、アカラがよく通る声で商隊に指示を出した。
指示、といってもそれぞれの馬車に戻るというものだ。
ここでアカラが、君たちに振り返る。
「お待たせしました……本当は何事もないのがよいのですが」
渋い顔をするのは、商人だからだろうか。
有事の際は、契約金がわずかに上がるのだ。
「ハンターの皆さん、出番です」
幌の入り口を開け、アキラが告げる。
馬車の両端をゴブリンが塞ぐ状態から、戦いが始まった。
解説
●目的
馬車を襲撃したゴブリンの撃破。
●状況
馬車3台の両側から、ゴブリンが襲いかかってきている。
馬車はサイズ3で、連なっている状態。
馬車の左右は、1スクエアは空いている。ただし、左側は崖になっているので注意。
ゴブリンとの距離は、両端とも一番近くて8スクエアになる。
3つあるうちのどの馬車から登場しても構わない。
●ゴブリン
総数8体前後。
弓や斧を持った、強そうなのが2~3体混ざっている。
●馬車の耐久
それぞれ、3回攻撃を受けると破壊されます。
攻撃/破壊された場合は、回数/数に応じて報酬が減額されます。
破壊は、1つごとに報酬が半減しますので注意してください。
すべて破壊されてしまうと、失敗です。
馬車を襲撃したゴブリンの撃破。
●状況
馬車3台の両側から、ゴブリンが襲いかかってきている。
馬車はサイズ3で、連なっている状態。
馬車の左右は、1スクエアは空いている。ただし、左側は崖になっているので注意。
ゴブリンとの距離は、両端とも一番近くて8スクエアになる。
3つあるうちのどの馬車から登場しても構わない。
●ゴブリン
総数8体前後。
弓や斧を持った、強そうなのが2~3体混ざっている。
●馬車の耐久
それぞれ、3回攻撃を受けると破壊されます。
攻撃/破壊された場合は、回数/数に応じて報酬が減額されます。
破壊は、1つごとに報酬が半減しますので注意してください。
すべて破壊されてしまうと、失敗です。
マスターより
こんにちは、御影堂です。
挟撃というホットスタートな戦闘になります。
戦闘終了後は、状況に応じて商隊の手助けをする形になります。
荷馬車の点検とか、被害状況の確認とか。
よろしくお願いいたします。
挟撃というホットスタートな戦闘になります。
戦闘終了後は、状況に応じて商隊の手助けをする形になります。
荷馬車の点検とか、被害状況の確認とか。
よろしくお願いいたします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/03/12 17:27
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓です メトロノーム・ソングライト(ka1267) エルフ|14才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/03/04 18:41:25 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/02/28 21:05:50 |
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質問卓(状況の確認の為に) 屋外(ka3530) 人間(リアルブルー)|25才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/03/02 18:24:33 |