ゲスト
(ka0000)
狐を助けて2―往―!
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/03/05 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/03/14 12:00
オープニング
●
柔らかな布を詰めた箱の中、狐はすうすうと穏やかに眠る。
つい先日、漸く手から餌を食べてくれたが、眠っている虫や鼠を掘り出して食む様子に、自然に帰しても生きていけると知った。
エンリコ・アモーレは狐の眠る木箱を揺らさないように抱えて馬車を操る。
ジェオルジの集落を抜ける道を奔らせ、片手に開いた地図のメモを横目に確かめる。この辺りだ。
エンリコの勤めているフマーレの或る紡績工場は、ジェオルジから綿花を買い付けている。
先日、その工場の紡績機の下で弱っていた狐を保護し、買い付けのついでにジェオルジの山に放すことになった。
工場長は箱の中で毛繕いに勤しむ様を覗いて、寂しくなるなと肩を竦めていた。それでも、日がな一日スピンドルが鳴り続ける場所にいさせるよりも良いだろうと、箱を抱えたエンリコに頼むよと言って背を叩いた。
ハンターオフィスの顔見知りの受付嬢に連絡を取り、ジェオルジ北部の山の麓を少し登る辺りまで、野生生物や棲み着いているかも知れない亜人からの護衛を頼んだ。
そのハンターとの待ち合わせ場所が近くなった。
エンリコはメモを咥え、箱は脚で確りと押さえ、両手で手綱を取り、馬車を駐められそうな場所がないか探す。
●
――ここは違う――
温かな布に包まれて目を覚ました。
故郷に似た匂いはするが、この山ではない。
そう訴えようにも、この喉と舌は人の言葉を紡がない。
木箱の中、意識を浮上させた狐はふるりと膨れた尻尾を揺らす。
――あの手は、温かかった――
精霊の加護をふんだんに授かった手。
はんたー、と呼ばれていたが。どうやら、その手の持ち主はまだ他にも沢山いるらしい。
あの時は弱り切って、ろくに顔も見れなかったが。
――撫でさせてやってもよい。が……――
すぴと黒い鼻先が異質な匂いを嗅ぎ取った。
箱の中起き上がり、よく梳かれた毛足を逆立てて今の保護者を見上げる。
意図を解さない彼は、起きたのか、なんて笑って、もうすぐ仲間に会えるぞだとか、ここならきっと鼠も野兎も、と朗らかに言う。
――ここには、放されたくないな。まだあの、かしゃかしゃ煩い工場の方が住み心地が良さそうだ。さて、どうしたものかな――
きゅ、と小さく鳴いて、額の毛足を前足で繕いながら狐は考える。
ここが私が棲まうに不適切な場所だとわかれば、この男は引き返すのではないか?
●
エンリコは待ち合わせたハンター達の姿を見つけると手を振って駆け寄り、ぺこりと頭を下げて箱を差し出す。
「こんにちは、よろしくお願いします。こいつを無事に、山に返してやりたいんです」
濡れ羽色の円らな瞳でハンター達を見上げ、くるくると箱の中を動き回っては、悩ましげに尻尾を揺らして、きゅ、きゅと鳴いてみせる。愛くるしく装う狐が1匹。
「あまり、裾の方だと畑に降りてくるかも知れないっすから、ちょっと、山の奥まで行きたいんです。そんで、熊なんかが起きてきてたら危ないぞーって言われて」
それで護衛を、頬を掻いてはにかむエンリコ。その声など聞こえないというように、狐はハンターへ飛びつこうとするように跳ねる。箱から飛び出さないように手を翳し、箱を塞いで首を傾げた。
今日はやけに元気が良いなぁ、と。
そしてハンターに先導を任せながら入った山道、エンリコが小石に躓いた拍子に箱から飛び出した狐を追った獣道で、最初の狼に出くわした。
柔らかな布を詰めた箱の中、狐はすうすうと穏やかに眠る。
つい先日、漸く手から餌を食べてくれたが、眠っている虫や鼠を掘り出して食む様子に、自然に帰しても生きていけると知った。
エンリコ・アモーレは狐の眠る木箱を揺らさないように抱えて馬車を操る。
ジェオルジの集落を抜ける道を奔らせ、片手に開いた地図のメモを横目に確かめる。この辺りだ。
エンリコの勤めているフマーレの或る紡績工場は、ジェオルジから綿花を買い付けている。
先日、その工場の紡績機の下で弱っていた狐を保護し、買い付けのついでにジェオルジの山に放すことになった。
工場長は箱の中で毛繕いに勤しむ様を覗いて、寂しくなるなと肩を竦めていた。それでも、日がな一日スピンドルが鳴り続ける場所にいさせるよりも良いだろうと、箱を抱えたエンリコに頼むよと言って背を叩いた。
ハンターオフィスの顔見知りの受付嬢に連絡を取り、ジェオルジ北部の山の麓を少し登る辺りまで、野生生物や棲み着いているかも知れない亜人からの護衛を頼んだ。
そのハンターとの待ち合わせ場所が近くなった。
エンリコはメモを咥え、箱は脚で確りと押さえ、両手で手綱を取り、馬車を駐められそうな場所がないか探す。
●
――ここは違う――
温かな布に包まれて目を覚ました。
故郷に似た匂いはするが、この山ではない。
そう訴えようにも、この喉と舌は人の言葉を紡がない。
木箱の中、意識を浮上させた狐はふるりと膨れた尻尾を揺らす。
――あの手は、温かかった――
精霊の加護をふんだんに授かった手。
はんたー、と呼ばれていたが。どうやら、その手の持ち主はまだ他にも沢山いるらしい。
あの時は弱り切って、ろくに顔も見れなかったが。
――撫でさせてやってもよい。が……――
すぴと黒い鼻先が異質な匂いを嗅ぎ取った。
箱の中起き上がり、よく梳かれた毛足を逆立てて今の保護者を見上げる。
意図を解さない彼は、起きたのか、なんて笑って、もうすぐ仲間に会えるぞだとか、ここならきっと鼠も野兎も、と朗らかに言う。
――ここには、放されたくないな。まだあの、かしゃかしゃ煩い工場の方が住み心地が良さそうだ。さて、どうしたものかな――
きゅ、と小さく鳴いて、額の毛足を前足で繕いながら狐は考える。
ここが私が棲まうに不適切な場所だとわかれば、この男は引き返すのではないか?
●
エンリコは待ち合わせたハンター達の姿を見つけると手を振って駆け寄り、ぺこりと頭を下げて箱を差し出す。
「こんにちは、よろしくお願いします。こいつを無事に、山に返してやりたいんです」
濡れ羽色の円らな瞳でハンター達を見上げ、くるくると箱の中を動き回っては、悩ましげに尻尾を揺らして、きゅ、きゅと鳴いてみせる。愛くるしく装う狐が1匹。
「あまり、裾の方だと畑に降りてくるかも知れないっすから、ちょっと、山の奥まで行きたいんです。そんで、熊なんかが起きてきてたら危ないぞーって言われて」
それで護衛を、頬を掻いてはにかむエンリコ。その声など聞こえないというように、狐はハンターへ飛びつこうとするように跳ねる。箱から飛び出さないように手を翳し、箱を塞いで首を傾げた。
今日はやけに元気が良いなぁ、と。
そしてハンターに先導を任せながら入った山道、エンリコが小石に躓いた拍子に箱から飛び出した狐を追った獣道で、最初の狼に出くわした。
解説
目的(エンリコ)
狐を無事に山に放す
目的(狐)
フマーレの工場へ帰る
(どちらかの目的が達成されれば成功となります)
●エネミー
・狼、熊、鹿
冬眠から覚めたばかりのもの、餌を探しているもの、基本的に空腹で凶暴。
歪虚や雑魔の類いではない野生生物。
突進や爪、角により攻撃を行う。
獣道に潜んでいる。
どの動物に、何処で、何匹遭遇するか、全てランダム。
(基本的に単独行動ですが、偶然数匹集まっている場合、騒ぎを聞きつける場合も有ります)
最初の狼は1匹です。
●地形
数本別れながら奥へ登っていく山道と、その周辺に獣道。
(遭遇判定は5箇所程度、狐が行動不能ならば遭遇判定自体をキャンセル)
日中ですので、戦闘時に明かりが必要な場所はないが、
茂みや低い木の陰など、遮蔽が点在する。
エネミー自ら獣道から山道に出てくることはない。
エンリコは、山の中腹辺りで狐を放す予定。
●依頼人
・エンリコ
狐の飼い主。
フマーレの紡績工場で働いており、狐を放した後は綿花の買い付けに向かう予定。
ハンターの指示に従う。
・狐
ジェオルジの別の山で生まれ育ち、精霊の加護を授かったごく普通の狐。
偶然荷馬車に紛れ込み、フマーレに運ばれた後、エンリコの働く工場で保護される。
良質なマテリアルを多く保有しているハンターに撫でられるのは好き、フマーレの街の匂いも気に入っている。
●狐の行動
山の危険具合をアピールしようと、エネミーの気配を感知する度に獣道へ飛び込もうとする。
狐自身は襲われた場合でも隠れたり回避する行動をとることが出来る。
エンリコが襲われそうになった場合は鳴いて危機を知らせたり、飛びついて庇ったりする。
話し掛けられれば、首や尻尾を動かして反応する。
狐を無事に山に放す
目的(狐)
フマーレの工場へ帰る
(どちらかの目的が達成されれば成功となります)
●エネミー
・狼、熊、鹿
冬眠から覚めたばかりのもの、餌を探しているもの、基本的に空腹で凶暴。
歪虚や雑魔の類いではない野生生物。
突進や爪、角により攻撃を行う。
獣道に潜んでいる。
どの動物に、何処で、何匹遭遇するか、全てランダム。
(基本的に単独行動ですが、偶然数匹集まっている場合、騒ぎを聞きつける場合も有ります)
最初の狼は1匹です。
●地形
数本別れながら奥へ登っていく山道と、その周辺に獣道。
(遭遇判定は5箇所程度、狐が行動不能ならば遭遇判定自体をキャンセル)
日中ですので、戦闘時に明かりが必要な場所はないが、
茂みや低い木の陰など、遮蔽が点在する。
エネミー自ら獣道から山道に出てくることはない。
エンリコは、山の中腹辺りで狐を放す予定。
●依頼人
・エンリコ
狐の飼い主。
フマーレの紡績工場で働いており、狐を放した後は綿花の買い付けに向かう予定。
ハンターの指示に従う。
・狐
ジェオルジの別の山で生まれ育ち、精霊の加護を授かったごく普通の狐。
偶然荷馬車に紛れ込み、フマーレに運ばれた後、エンリコの働く工場で保護される。
良質なマテリアルを多く保有しているハンターに撫でられるのは好き、フマーレの街の匂いも気に入っている。
●狐の行動
山の危険具合をアピールしようと、エネミーの気配を感知する度に獣道へ飛び込もうとする。
狐自身は襲われた場合でも隠れたり回避する行動をとることが出来る。
エンリコが襲われそうになった場合は鳴いて危機を知らせたり、飛びついて庇ったりする。
話し掛けられれば、首や尻尾を動かして反応する。
マスターより
狐を放しに参ります。
狐はイヤイヤしておりますが。
エンリコ君は言うことを聞きますが、狐はあまり聞きません。
オープニングを除いた3つ以上のポイントで、エネミーとエンカウントした場合、
狐のアピールが成功するようです。
狐はイヤイヤしておりますが。
エンリコ君は言うことを聞きますが、狐はあまり聞きません。
オープニングを除いた3つ以上のポイントで、エネミーとエンカウントした場合、
狐のアピールが成功するようです。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/03/15 00:08
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 イレス・アーティーアート(ka4301) 人間(クリムゾンウェスト)|21才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/03/04 21:42:19 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/03/03 19:04:13 |