ゲスト
(ka0000)
【アルカナ】 傲慢不遜な歪みの王
マスター:桐咲鈴華

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/03/08 07:30
- リプレイ完成予定
- 2015/03/17 07:30
オープニング
●
辺境東部。マギア砦から遠く離れた場所にあるここは、歪虚の侵攻により奪取されてしまった、かつての人類の居住区である。
おおよそ300年間人の手が入らなかったここは、今や歪虚の領地に等しく、雑魔をはじめとする多数の歪虚が徘徊している。
故に依頼を請けたハンターや腕に覚えのあるトレジャーハンター以外は滅多に人の立ち入る事のない魔境の一つである。
そんな遺跡の中心部。外観はかつての宮殿のようであったその場所でのこと……
●
埃や土砂に埋まった、かつて豪奢な造りをされてたと伺わせる宮殿の遺跡。かつて謁見の場であったと思しきそこで、多数のハンターが横たわっていた。
誰も彼もが重傷を負い、息も絶え絶えといった様子だ。部屋の奥の奥。老朽化した玉座に腰掛ける人影を除いて。
「くはははは、脆いものよ! 人間の戦士とはこれほどまでに脆弱なものであったか? よもやこの300年の間にここまで落ちぶれた訳ではあるまいな!」
尊大な高笑いを浮かべる人の形をしたそれの頭には巨大な角があり、肌は人間のものとは違い金属質だ。高貴な衣装を身に纏い、多数の装飾を施された巨大な剣が傍らに突き立っている。さながらその姿は王族のような印象を受けるものだった。
「ぐ……」
横たわっていたハンターのうちの一人が、剣を杖にして身を起こす。
「なんで……こんな所に、居る。『傲慢』……!」
「口を慎めよ雑種。王の御前であるぞ」
その言葉と同時に立ち上がろうとしていたハンターが急に地に叩きつけられる。まるで身体の上に巨大な岩が落下してきたかのように、その身体が地にへばり付けられる。
「だが許そう。余は復活したてで気分が良い。それに、貴様らにはやって貰わねばならぬ仕事があるからな」
「仕、事……!?」
玉座から立ち上がった歪虚はゆっくりとそのハンターに歩み寄りながら、まるで甘い夢を語るかのような口調でハンターに告げた。
「王には献上物が必要だ。判るであろう? 貴様はそれを連れて参れ」
「お、前……何を……」
「誰が口答えを許した?」
何とか立ち上がろうとするハンターの頭を歪虚は容赦なく踏みつける。ハンターが漏らす苦悶の声も関係なく、言葉を続けてゆく。
「まずは腹が減った。時代も変わり食の文化もさぞ変容した事であろう。絶品と思う物を持って来るが良い」
「食い物には酒が必要だ。極上の逸品を余に献上するが良い」
「腹を満たしたなら次は女だ。豊満な体つきの者が良いが、女としての魅力ある肢体を持つものならば許そう」
「酒に女と来れば次は享楽であろう。芸人を呼べ。武芸者でも道化でも構わぬ。見世物となる技を持つ者を連れて来い」
「それに併せて音楽を聴くのも必要だな。歌や演奏の得意な者を呼べ。極上の物をな」
「人の生き様を愛でるのも王の愉しみよ。数奇な人生を歩んで来た者を連れて来い。その話を肴に酒を飲むのだ」
指を折りながら6つの条件を語る歪虚。踏みつけられているハンターは不思議とその言葉に重みを感じていた。
「覚えたな? これらの条件に合う者と物を、7回太陽が沈むまでに連れて来い。貴様等はその遣いとして、特別に生かして返してやろう」
その言葉と同時に脚をどけると、今まで横たわっていたハンター達の身体が全て宙に浮く。
「もし余の意に背くようであれば、貴様等の街は業火に包まれる物と知れ。王の命は絶対であるぞ」
歪虚の言葉と同時にハンター達の身体は、空中で何かに弾かれたように吹き飛び、窓を突き破って外へ放り出された。
●
「……偶然そこを通りかかったのが幸いでした。辛くも、彼らを助けることが出来ましたから」
ハンターオフィスの受付嬢と机を隔てて向かい合ってるのは、部族の少女。銀髪の綺麗な髪を持つ、物静かな佇まいをする彼女の名はエフィーリア・タロッキ(kz0077)。『タロッキ族』と呼ばれる部族の一人だ。
「……えと、彼らの話に出てきたのが、エフィーリアさんの言う『アルカナ』という歪虚ですか?」
「……はい。間違いないでしょう」
エフィーリアの話によれば、『アルカナ』とはタロッキ族が300年前に封じた、強力な力を有す歪虚群の総称であり、現在までその封印が守られてきた。
しかし近年の歪虚との戦いでその封印に綻びが生じ、その力の一部が漏れ出たらしい。その事態に対抗する為に、部族の代表としてエフィーリアがハンターズソサエティに派遣されて来たのである。
「……彼らの話を聞くに、その歪虚は『The Emperor』と呼ばれるものでしょう。『アルカナ』の中でも絶大な戦闘力を誇り、事象を歪ませる程の重き『言葉』を操る存在です。……漏れ出した一部であっても、強力な個体である事は間違いありません」
「……そ、それで……彼の言っていた『献上』についてですが、これはどうすれば……」
エフィーリアが深刻に言葉を話し、受付嬢はメモをとる。その際に救助されたハンターの話に出ていた、『6つの条件』についてエフィーリアに話を仰いだ。
「……Emperorには『自身の認めた者に対しては甘くなる』という、呪いの如き性質が宿っていると言い伝えられています。……『献上者』が彼を満足させる事が出来れば、その戦闘力は大きく弱体化するでしょう」
「つまり、 その条件に合うハンター達を派遣すれば……」
受付嬢の言葉に、エフィーリアは頷く。
「…… Emperorの討伐を、容易にする事が出来る筈です。漏れ出した一部とはいえ、非常に強力な個体である事には変わりません。このまま放置すれば、アルカナ全体の封印を破壊する為に暗躍を始めるやもしれません。……どうか、一刻も早い討伐をお願いします」
エフィーリアは受付嬢に頭を下げる。こうして、数奇な条件付きの『依頼』がハンターオフィスに貼りだされるのだった。
辺境東部。マギア砦から遠く離れた場所にあるここは、歪虚の侵攻により奪取されてしまった、かつての人類の居住区である。
おおよそ300年間人の手が入らなかったここは、今や歪虚の領地に等しく、雑魔をはじめとする多数の歪虚が徘徊している。
故に依頼を請けたハンターや腕に覚えのあるトレジャーハンター以外は滅多に人の立ち入る事のない魔境の一つである。
そんな遺跡の中心部。外観はかつての宮殿のようであったその場所でのこと……
●
埃や土砂に埋まった、かつて豪奢な造りをされてたと伺わせる宮殿の遺跡。かつて謁見の場であったと思しきそこで、多数のハンターが横たわっていた。
誰も彼もが重傷を負い、息も絶え絶えといった様子だ。部屋の奥の奥。老朽化した玉座に腰掛ける人影を除いて。
「くはははは、脆いものよ! 人間の戦士とはこれほどまでに脆弱なものであったか? よもやこの300年の間にここまで落ちぶれた訳ではあるまいな!」
尊大な高笑いを浮かべる人の形をしたそれの頭には巨大な角があり、肌は人間のものとは違い金属質だ。高貴な衣装を身に纏い、多数の装飾を施された巨大な剣が傍らに突き立っている。さながらその姿は王族のような印象を受けるものだった。
「ぐ……」
横たわっていたハンターのうちの一人が、剣を杖にして身を起こす。
「なんで……こんな所に、居る。『傲慢』……!」
「口を慎めよ雑種。王の御前であるぞ」
その言葉と同時に立ち上がろうとしていたハンターが急に地に叩きつけられる。まるで身体の上に巨大な岩が落下してきたかのように、その身体が地にへばり付けられる。
「だが許そう。余は復活したてで気分が良い。それに、貴様らにはやって貰わねばならぬ仕事があるからな」
「仕、事……!?」
玉座から立ち上がった歪虚はゆっくりとそのハンターに歩み寄りながら、まるで甘い夢を語るかのような口調でハンターに告げた。
「王には献上物が必要だ。判るであろう? 貴様はそれを連れて参れ」
「お、前……何を……」
「誰が口答えを許した?」
何とか立ち上がろうとするハンターの頭を歪虚は容赦なく踏みつける。ハンターが漏らす苦悶の声も関係なく、言葉を続けてゆく。
「まずは腹が減った。時代も変わり食の文化もさぞ変容した事であろう。絶品と思う物を持って来るが良い」
「食い物には酒が必要だ。極上の逸品を余に献上するが良い」
「腹を満たしたなら次は女だ。豊満な体つきの者が良いが、女としての魅力ある肢体を持つものならば許そう」
「酒に女と来れば次は享楽であろう。芸人を呼べ。武芸者でも道化でも構わぬ。見世物となる技を持つ者を連れて来い」
「それに併せて音楽を聴くのも必要だな。歌や演奏の得意な者を呼べ。極上の物をな」
「人の生き様を愛でるのも王の愉しみよ。数奇な人生を歩んで来た者を連れて来い。その話を肴に酒を飲むのだ」
指を折りながら6つの条件を語る歪虚。踏みつけられているハンターは不思議とその言葉に重みを感じていた。
「覚えたな? これらの条件に合う者と物を、7回太陽が沈むまでに連れて来い。貴様等はその遣いとして、特別に生かして返してやろう」
その言葉と同時に脚をどけると、今まで横たわっていたハンター達の身体が全て宙に浮く。
「もし余の意に背くようであれば、貴様等の街は業火に包まれる物と知れ。王の命は絶対であるぞ」
歪虚の言葉と同時にハンター達の身体は、空中で何かに弾かれたように吹き飛び、窓を突き破って外へ放り出された。
●
「……偶然そこを通りかかったのが幸いでした。辛くも、彼らを助けることが出来ましたから」
ハンターオフィスの受付嬢と机を隔てて向かい合ってるのは、部族の少女。銀髪の綺麗な髪を持つ、物静かな佇まいをする彼女の名はエフィーリア・タロッキ(kz0077)。『タロッキ族』と呼ばれる部族の一人だ。
「……えと、彼らの話に出てきたのが、エフィーリアさんの言う『アルカナ』という歪虚ですか?」
「……はい。間違いないでしょう」
エフィーリアの話によれば、『アルカナ』とはタロッキ族が300年前に封じた、強力な力を有す歪虚群の総称であり、現在までその封印が守られてきた。
しかし近年の歪虚との戦いでその封印に綻びが生じ、その力の一部が漏れ出たらしい。その事態に対抗する為に、部族の代表としてエフィーリアがハンターズソサエティに派遣されて来たのである。
「……彼らの話を聞くに、その歪虚は『The Emperor』と呼ばれるものでしょう。『アルカナ』の中でも絶大な戦闘力を誇り、事象を歪ませる程の重き『言葉』を操る存在です。……漏れ出した一部であっても、強力な個体である事は間違いありません」
「……そ、それで……彼の言っていた『献上』についてですが、これはどうすれば……」
エフィーリアが深刻に言葉を話し、受付嬢はメモをとる。その際に救助されたハンターの話に出ていた、『6つの条件』についてエフィーリアに話を仰いだ。
「……Emperorには『自身の認めた者に対しては甘くなる』という、呪いの如き性質が宿っていると言い伝えられています。……『献上者』が彼を満足させる事が出来れば、その戦闘力は大きく弱体化するでしょう」
「つまり、 その条件に合うハンター達を派遣すれば……」
受付嬢の言葉に、エフィーリアは頷く。
「…… Emperorの討伐を、容易にする事が出来る筈です。漏れ出した一部とはいえ、非常に強力な個体である事には変わりません。このまま放置すれば、アルカナ全体の封印を破壊する為に暗躍を始めるやもしれません。……どうか、一刻も早い討伐をお願いします」
エフィーリアは受付嬢に頭を下げる。こうして、数奇な条件付きの『依頼』がハンターオフィスに貼りだされるのだった。
解説
◆本シナリオの目的
歪虚『アルカナ-The Emperor』の討伐
◆『6つの条件』について
OPでも述べられている通り、Emperorは非常に強力な歪虚の断片です。
正攻法で戦っても勝つことは不可能ではないでしょうが、苦戦は免れないでしょう。
しかし、彼の発した『条件』をクリアし、彼を満足させる事が出来れば、その戦闘力を大幅に減少させる事が出来ます。
逆に条件を満たせなかった相手に対しては辛辣になり、強力な攻撃を放ってきますので注意して下さい。
『条件』を満たしているかどうかはプレイングを主に装備品、スキル、称号やイラスト、設定などを加味してEmperorが判断します。
◆『重き言葉』について
Emperorは『言葉』に力を乗せて事象を変化させる特殊能力を持っています。
主に物体や人体に対して有効な能力であり、言葉で言い表した通りの事象を引き起こします。
魔法判定による抵抗が可能で、大きな事象を引き起こそうとする程、達成値は高くなります(失敗しやすくなります)。
この能力はサブアクションで1ラウンドに一度行使可能であり、『言葉』である為回避判定が発生せず、言葉を聞いた瞬間に抵抗判定となります。その為、言葉が聞こえない状態では効力を発揮しません。
この能力は『献上者』として認められた場合、対象として指定されなくなります。
◆戦場
道のりについては歪虚の領地ではあるものの、問題なくEmperorの元に辿り着けます。
Emperorの影響か、雑魔などは殆どその姿を見せないからです。
◆称号について
本シナリオを見事成功させた場合、『アルカナ』にちなんだ称号を贈らせて頂きます
歪虚『アルカナ-The Emperor』の討伐
◆『6つの条件』について
OPでも述べられている通り、Emperorは非常に強力な歪虚の断片です。
正攻法で戦っても勝つことは不可能ではないでしょうが、苦戦は免れないでしょう。
しかし、彼の発した『条件』をクリアし、彼を満足させる事が出来れば、その戦闘力を大幅に減少させる事が出来ます。
逆に条件を満たせなかった相手に対しては辛辣になり、強力な攻撃を放ってきますので注意して下さい。
『条件』を満たしているかどうかはプレイングを主に装備品、スキル、称号やイラスト、設定などを加味してEmperorが判断します。
◆『重き言葉』について
Emperorは『言葉』に力を乗せて事象を変化させる特殊能力を持っています。
主に物体や人体に対して有効な能力であり、言葉で言い表した通りの事象を引き起こします。
魔法判定による抵抗が可能で、大きな事象を引き起こそうとする程、達成値は高くなります(失敗しやすくなります)。
この能力はサブアクションで1ラウンドに一度行使可能であり、『言葉』である為回避判定が発生せず、言葉を聞いた瞬間に抵抗判定となります。その為、言葉が聞こえない状態では効力を発揮しません。
この能力は『献上者』として認められた場合、対象として指定されなくなります。
◆戦場
道のりについては歪虚の領地ではあるものの、問題なくEmperorの元に辿り着けます。
Emperorの影響か、雑魔などは殆どその姿を見せないからです。
◆称号について
本シナリオを見事成功させた場合、『アルカナ』にちなんだ称号を贈らせて頂きます
マスターより
お世話になっております。桐咲鈴華です!
本シナリオより続き物のショートシナリオ、【アルカナ】を手がけていきたいと思います!
タロットの大アルカナをモチーフにした、普通の戦闘とはちょっと違う一癖ある歪虚との戦闘依頼をリリースしていく予定ですので、どうぞよろしくお願いします!
今回の依頼は王様の機嫌をうまくとりつつ、討伐を目指して下さい!
プレイングはガチでもネタでも大歓迎です。素敵なプレイングを期待しております!
本シナリオより続き物のショートシナリオ、【アルカナ】を手がけていきたいと思います!
タロットの大アルカナをモチーフにした、普通の戦闘とはちょっと違う一癖ある歪虚との戦闘依頼をリリースしていく予定ですので、どうぞよろしくお願いします!
今回の依頼は王様の機嫌をうまくとりつつ、討伐を目指して下さい!
プレイングはガチでもネタでも大歓迎です。素敵なプレイングを期待しております!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/03/11 16:34
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/03/02 22:23:16 |
|
![]() |
相談卓 ティアンシェ=ロゼアマネル(ka3394) 人間(クリムゾンウェスト)|22才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/03/07 23:57:22 |
|
![]() |
質問卓 エフィーリア・タロッキ(kz0077) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/03/06 03:14:54 |