ゲスト
(ka0000)
【王国展】愛すべき伴を探して
マスター:鹿野やいと

このシナリオは3日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/03/05 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/03/17 12:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
「作りましょう、王国観光庁!」
「ええ、ではそのように。ああ、それと――」
少女の喝采に、セドリックの聖人の笑みが返った。
「観光を扱う以上、民草にとっても近しい組織でなくてはなりません。そこで、システィーナ王女。貴女の出番となります」
「は、はい」
「貴女に、観光庁の代表をして頂きます」
「……ふぇ?」
「早速、催し物の段取りをしておきましょう。王女の名の下に各地に通達し、商会、職人、その他諸々の団体を応召し、展覧会を執り行う――」
「え、ぇ?」
「詳細は後日、識者を集めて会議を行いますので、それまでにお考えをお纏めください……それでは、私はこれで」
「え……?」
――戸を閉じたセドリックの背中を、少女のか細い悲鳴が叩いた
■
王国展は城壁内部で各地の特産品や工芸品を披露するのが大半であったが、一部は城壁の外へと会場が移されていた。普段は赤の隊が訓練に使う草原に囲いを作り、そこに放たれているのは、王国で軍馬として重用されるゴースロン種だった。ここでは王国最大規模の牧場であるアークスタッド牧場を筆頭に、各牧場が自慢の馬を披露しに続々と集まっていた。馬が主役ということもあって集まった軍馬の数は相当量になり、毎年馬術大会を観戦するローレンス・ブラックバーン伯爵も思わず感嘆のため息をもらした。
「賑わっているな。会場を移したのは正解だったかな?」
「はい。その節はありがとうございます。おかげで馬達も普段通り伸び伸びと走ることができます」
答えたのはアークスタッド牧場の所有者であるレスター・ファリントン伯爵の一人娘、マーシャであった。ローレンスが以前彼女と会ったのは5年以上前で、その頃は溌剌すぎて少年と見間違えるような少女だった。今も野良作業で日焼けしているのは変わらないが、女性として成熟して体型にめりはりがつき、髪も伸ばして結っている。父のファリントン伯はずんぐりした体型でドワーフと見間違えるような髭の仏頂面だが、彼女は母に似て細身で柔らかい表情の美人に育っていた。マーシャはローレンスが視察に来ると聞き、父の代わりと案内をかって出ていた。会場では今後商品ともなる馬が並んでおり、どこの牧場もいかに自分の馬がすばらしいかの説明に余念がない。別の場所では野良で馬術試合を開催しており、こちらも優劣を示すのに絶好の機会と大変な賑わいだ。通常ならばクロスカントリーが見世物としても人気なのだが、今回は軍馬が主役であるので趣が違う。戦闘への慣れを見せるための馬上槍試合、足の速さを見せる平地競走、労働力としての力を見せる輓曳競争の三つが主だ。ファリントン伯爵は主催者の余裕を崩しておらず、アークスタッド牧場の飼育員は普段馬の世話をする者や、これから馬を飼う者へ、馬の特性を懇切丁寧に説明している。特にハンター達は普段使わない者、そもそも動物にあまり触らない者なども居て需要が多い。
「……ブラックバーン伯爵、話は変わるのですが」
「何かね?」
声のトーンを落とすマーシャに釣られてローレンスも声量を落とす。周囲は馬術大会の喧騒で包まれており、2人の会話を聞く者は居なかった。
「その……伯爵の部下の方かハンターの方で、馬術大会に出場できる方はいらっしゃいませんか? それも出来れば、優勝が出来そうな方が良いのですが」
「心当たりが無いでもないが……何故?」
「実は……」
マーシャは先程耳にした騎手たちの会話は聞いたままローレンスに伝えた。
「ファリントン伯爵の娘婿になれば将来安泰だな」
無作法な彼らは口を揃えてこう言っていたという。あんまりな話にローレンスは呆れ返った。大きな馬術大会では伝統的に優勝商品に【主催者へのお願い】が付与されるものがある。主催者はこれをなるべく聞き入れなければならないとされている。大した事のない景品に見えるが、大きな大会は主催者が国王である場合もおおく、多くの願いは実際にかなえられる。仕官を願い出るもの、故郷の村の減税をねがうもの、その他諸々ある。今回の展覧会に合わせて開かれた野良試合では主催は彼女の父であるファリントン伯爵である。願えば叶う望みも多い。馬を操る騎手達も牧場の主達に負けず劣らずのやる気を見せていたが、確かに王国への仕官よりもこの願いは叶えられやすいだろう。相続する物の無い貴族の次男坊三男坊にはまたとないチャンスだ。ファリントン伯爵は自身の牧場と馬達を可愛がってくれる婿なら、相手はどんな男でも良いと常々公言している。ついでに付け加えるなら、子供の結婚相手は親同士で決めるものと思っている。ローレンスも結婚の事情に関しては似たような考えもあるが、それにしても子供の幸せと両家の付き合いを考える程度に良識はある。
「で、ファリントン伯はなんと?」
「それがその……ゴースロンをハンターに売却する件でまだ……」
「なんと……」
これもまたローレンスは呆れて二の句が告げなかった。マーシャが心当たりにハンターを含めたのはこれが理由だった。ファリントン伯爵は偏屈でハンター嫌いで有名であった。過去に牧場の厩舎をハンター崩れに焼かれたとかで、今でもその事を恨みに思っている。勿論ハンターには元貴族や元軍人も居るが「その不揃いさが信用ならない」とは伯爵の言だ。今回も牧場の主力である重種のゴースロンを売れと言われて渋々従ったが、今も不平をもらしているらしい。
「なんとかならないでしょうか?」
「ふむ……」
ローレンスは離れた位置から会場をもう一度見渡した。牧場主達の集まる天幕では、ファリントン伯爵が不機嫌そうにワイングラスを傾けている。その視線は馬術大会に向けられたまま、何をするでもない。
「まあ、なんとかしよう。わしに任せておけ」
「本当ですか? ありがとうございます!」
「うむ。だから何も心配せずに仕事をしてきなさい」
ローレンスはマーシャに会場の一角を指した。来客が多い事に加え、飼育員達は喋りなれてないおかげで会場はやや混乱していた。マーシャは頭を下げると、会場へと走って行く。解決すると言ったローレンスだが、あまり心配はしていなかった。何もしなくても良いとは思ったがそれでは彼女も納得しない。ぶらりぶらりと会場を歩きながら、目当ての騎手となりそうな者を探す事にした。
「作りましょう、王国観光庁!」
「ええ、ではそのように。ああ、それと――」
少女の喝采に、セドリックの聖人の笑みが返った。
「観光を扱う以上、民草にとっても近しい組織でなくてはなりません。そこで、システィーナ王女。貴女の出番となります」
「は、はい」
「貴女に、観光庁の代表をして頂きます」
「……ふぇ?」
「早速、催し物の段取りをしておきましょう。王女の名の下に各地に通達し、商会、職人、その他諸々の団体を応召し、展覧会を執り行う――」
「え、ぇ?」
「詳細は後日、識者を集めて会議を行いますので、それまでにお考えをお纏めください……それでは、私はこれで」
「え……?」
――戸を閉じたセドリックの背中を、少女のか細い悲鳴が叩いた
■
王国展は城壁内部で各地の特産品や工芸品を披露するのが大半であったが、一部は城壁の外へと会場が移されていた。普段は赤の隊が訓練に使う草原に囲いを作り、そこに放たれているのは、王国で軍馬として重用されるゴースロン種だった。ここでは王国最大規模の牧場であるアークスタッド牧場を筆頭に、各牧場が自慢の馬を披露しに続々と集まっていた。馬が主役ということもあって集まった軍馬の数は相当量になり、毎年馬術大会を観戦するローレンス・ブラックバーン伯爵も思わず感嘆のため息をもらした。
「賑わっているな。会場を移したのは正解だったかな?」
「はい。その節はありがとうございます。おかげで馬達も普段通り伸び伸びと走ることができます」
答えたのはアークスタッド牧場の所有者であるレスター・ファリントン伯爵の一人娘、マーシャであった。ローレンスが以前彼女と会ったのは5年以上前で、その頃は溌剌すぎて少年と見間違えるような少女だった。今も野良作業で日焼けしているのは変わらないが、女性として成熟して体型にめりはりがつき、髪も伸ばして結っている。父のファリントン伯はずんぐりした体型でドワーフと見間違えるような髭の仏頂面だが、彼女は母に似て細身で柔らかい表情の美人に育っていた。マーシャはローレンスが視察に来ると聞き、父の代わりと案内をかって出ていた。会場では今後商品ともなる馬が並んでおり、どこの牧場もいかに自分の馬がすばらしいかの説明に余念がない。別の場所では野良で馬術試合を開催しており、こちらも優劣を示すのに絶好の機会と大変な賑わいだ。通常ならばクロスカントリーが見世物としても人気なのだが、今回は軍馬が主役であるので趣が違う。戦闘への慣れを見せるための馬上槍試合、足の速さを見せる平地競走、労働力としての力を見せる輓曳競争の三つが主だ。ファリントン伯爵は主催者の余裕を崩しておらず、アークスタッド牧場の飼育員は普段馬の世話をする者や、これから馬を飼う者へ、馬の特性を懇切丁寧に説明している。特にハンター達は普段使わない者、そもそも動物にあまり触らない者なども居て需要が多い。
「……ブラックバーン伯爵、話は変わるのですが」
「何かね?」
声のトーンを落とすマーシャに釣られてローレンスも声量を落とす。周囲は馬術大会の喧騒で包まれており、2人の会話を聞く者は居なかった。
「その……伯爵の部下の方かハンターの方で、馬術大会に出場できる方はいらっしゃいませんか? それも出来れば、優勝が出来そうな方が良いのですが」
「心当たりが無いでもないが……何故?」
「実は……」
マーシャは先程耳にした騎手たちの会話は聞いたままローレンスに伝えた。
「ファリントン伯爵の娘婿になれば将来安泰だな」
無作法な彼らは口を揃えてこう言っていたという。あんまりな話にローレンスは呆れ返った。大きな馬術大会では伝統的に優勝商品に【主催者へのお願い】が付与されるものがある。主催者はこれをなるべく聞き入れなければならないとされている。大した事のない景品に見えるが、大きな大会は主催者が国王である場合もおおく、多くの願いは実際にかなえられる。仕官を願い出るもの、故郷の村の減税をねがうもの、その他諸々ある。今回の展覧会に合わせて開かれた野良試合では主催は彼女の父であるファリントン伯爵である。願えば叶う望みも多い。馬を操る騎手達も牧場の主達に負けず劣らずのやる気を見せていたが、確かに王国への仕官よりもこの願いは叶えられやすいだろう。相続する物の無い貴族の次男坊三男坊にはまたとないチャンスだ。ファリントン伯爵は自身の牧場と馬達を可愛がってくれる婿なら、相手はどんな男でも良いと常々公言している。ついでに付け加えるなら、子供の結婚相手は親同士で決めるものと思っている。ローレンスも結婚の事情に関しては似たような考えもあるが、それにしても子供の幸せと両家の付き合いを考える程度に良識はある。
「で、ファリントン伯はなんと?」
「それがその……ゴースロンをハンターに売却する件でまだ……」
「なんと……」
これもまたローレンスは呆れて二の句が告げなかった。マーシャが心当たりにハンターを含めたのはこれが理由だった。ファリントン伯爵は偏屈でハンター嫌いで有名であった。過去に牧場の厩舎をハンター崩れに焼かれたとかで、今でもその事を恨みに思っている。勿論ハンターには元貴族や元軍人も居るが「その不揃いさが信用ならない」とは伯爵の言だ。今回も牧場の主力である重種のゴースロンを売れと言われて渋々従ったが、今も不平をもらしているらしい。
「なんとかならないでしょうか?」
「ふむ……」
ローレンスは離れた位置から会場をもう一度見渡した。牧場主達の集まる天幕では、ファリントン伯爵が不機嫌そうにワイングラスを傾けている。その視線は馬術大会に向けられたまま、何をするでもない。
「まあ、なんとかしよう。わしに任せておけ」
「本当ですか? ありがとうございます!」
「うむ。だから何も心配せずに仕事をしてきなさい」
ローレンスはマーシャに会場の一角を指した。来客が多い事に加え、飼育員達は喋りなれてないおかげで会場はやや混乱していた。マーシャは頭を下げると、会場へと走って行く。解決すると言ったローレンスだが、あまり心配はしていなかった。何もしなくても良いとは思ったがそれでは彼女も納得しない。ぶらりぶらりと会場を歩きながら、目当ての騎手となりそうな者を探す事にした。
解説
●状況
王国展へようこそ!
王都イルダーナの城壁外では現在、王国内の牧場より選りすぐった軍馬の展示を行っています
みなさまどうぞこの機会にお立ち寄りください
●出来ること
・馬術大会に出場する
三つの種目のいずれでも出場できます
優秀な成績を残せばPCでもお願いを聞いてもらえます
高価なアイテムは難しいですが、政治に一言物申したり
希望の称号や名誉階級などを貰うことは可能です。
・馬と戯れる
ふれあい牧場程度のゆるさです
ハンター向けは軍馬が主力ですが、領主向けに農耕馬やポニーもいます
馬の世話の方法なども教えてもらえます
・トトカルチョ
何でも賭け事にしてしまう輩は必ず居ます
お金と馬券を握り締め、血眼になりながら応援し、負けたら血涙流して後悔しましょう
やり方次第では勝てるかもしれません
一口100Gから。野良試合なので賭け方は単勝のみです
・マーシャに販売品の希望を伝える
軽種の足が速い馬が欲しい。重種のとにかく大きな馬が良い
など今後売って欲しい馬の希望があれば受け付けています
●NPC紹介
・レクター・ファリントン伯爵
ドワーフではありません。人間です
偏屈ですが牧場と馬を愛しています。娘も溺愛しています
今日は不機嫌なので貴族仲間の愚痴こぼしながらワイン飲んでます
・マーシャ・ファリントン
特にハンターに偏見はないですが
親の言うことに逆らう子ではありません
案内役ですがハンター向けの窓口もしています
・ローレンス・ブラックバーン伯爵
依頼を達成できそうな人物を探して会場内をうろついています
ファリントン伯爵が景品を出すのは平地競争なので
平地競争に出場する騎手を探しています
●参加者のみなさんにお願い
・日常のシナリオですので、描写は原則1PC1場面までになります
1人何カ所も描写するには文字数がありませんので
複数の場面にわたったプレイングが届きましても全ての記述は確約できません
王国展へようこそ!
王都イルダーナの城壁外では現在、王国内の牧場より選りすぐった軍馬の展示を行っています
みなさまどうぞこの機会にお立ち寄りください
●出来ること
・馬術大会に出場する
三つの種目のいずれでも出場できます
優秀な成績を残せばPCでもお願いを聞いてもらえます
高価なアイテムは難しいですが、政治に一言物申したり
希望の称号や名誉階級などを貰うことは可能です。
・馬と戯れる
ふれあい牧場程度のゆるさです
ハンター向けは軍馬が主力ですが、領主向けに農耕馬やポニーもいます
馬の世話の方法なども教えてもらえます
・トトカルチョ
何でも賭け事にしてしまう輩は必ず居ます
お金と馬券を握り締め、血眼になりながら応援し、負けたら血涙流して後悔しましょう
やり方次第では勝てるかもしれません
一口100Gから。野良試合なので賭け方は単勝のみです
・マーシャに販売品の希望を伝える
軽種の足が速い馬が欲しい。重種のとにかく大きな馬が良い
など今後売って欲しい馬の希望があれば受け付けています
●NPC紹介
・レクター・ファリントン伯爵
ドワーフではありません。人間です
偏屈ですが牧場と馬を愛しています。娘も溺愛しています
今日は不機嫌なので貴族仲間の愚痴こぼしながらワイン飲んでます
・マーシャ・ファリントン
特にハンターに偏見はないですが
親の言うことに逆らう子ではありません
案内役ですがハンター向けの窓口もしています
・ローレンス・ブラックバーン伯爵
依頼を達成できそうな人物を探して会場内をうろついています
ファリントン伯爵が景品を出すのは平地競争なので
平地競争に出場する騎手を探しています
●参加者のみなさんにお願い
・日常のシナリオですので、描写は原則1PC1場面までになります
1人何カ所も描写するには文字数がありませんので
複数の場面にわたったプレイングが届きましても全ての記述は確約できません
マスターより
こんにちは。アークスタッド牧場設定担当の鹿野です
なにやら娘さんが困って居ますが、
良い格好したい人以外は無視してもかまいません
王国展の野外会場で遊んでいただくイベシナです
のびのびとRPしていただければ幸いです
相談もRPの相談を推奨します
馬術大会と競馬のみ厳しく判定します
なにやら娘さんが困って居ますが、
良い格好したい人以外は無視してもかまいません
王国展の野外会場で遊んでいただくイベシナです
のびのびとRPしていただければ幸いです
相談もRPの相談を推奨します
馬術大会と競馬のみ厳しく判定します
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/03/16 23:14
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/03/05 09:35:17 |
|
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相談卓 ドゥアル(ka3746) エルフ|27才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/03/04 17:30:42 |