ゲスト
(ka0000)
白銀に埋もれた希望を掴みとれ
マスター:青木川舟

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/03/08 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/03/17 22:00
オープニング
●猛吹雪に霞む森の中
猟師・オズワルドは生きていた。ただし、辛うじてである。
彼が猟師として山に入るようになってからもう30年にはなるが、これほどの猛吹雪は体験したことが無い。視界は全くと言っていいほど利かず、道は消え、景色は白一色に染まった。なんとか下山しようとしたが、雪が腰まで積もったところで諦めた。現在彼は、適当な木の根元に穴を掘ってビバークし、じっと目を閉じて体力の消費を抑えている。
おそらく既に夜だろう。しかし吹雪の音は続く。
何時間そうしていただろうか。オズワルドの耳に、彼の名を呼ぶ声が微かに届いた。冷え固まった手足をもぞもぞと動かし、泳ぐように雪上へ出る。吹雪続けてはいるが幾分かはマシになったようで、東の空を染め上げ始めた朝日によって、昨日よりほんの少しだけ遠くまで見渡せるようになっていた。オズワルドの目に映ったのは、白一色の雪原の彼方に揺れる、数個の灯りだった。
私を助けに来たのだ――助かった!
そう確信し、深く息を吐くオズワルド。おそらく猟師仲間たちが自分を捜しに来たのだろうと。はたして、その想像は当たっていた。彼の猟師仲間5人は、帰りの遅いオズワルドがこの悪天候で遭難したと判断。装備を整え、日が出ると同時に捜索を開始したのだった。オズワルドは天候の悪化後、無理に下山しようとせずにその場でビバークすることを決めた為、通常の狩猟ルートから大きく外れるようなことはなかった。これが功を奏し、早々に仲間と巡り合えたのである。
そうと決まれば、早く仲間に合図を送ろうと、オズワルドは完全に外へ出て、声を上げようとした――その時だった。
それは雪の中から忽然と出現した。身の丈3~4メートルはあろうかという巨大な影だった。影はその太い腕を振り回し、突然のことに慌てふためく猟師たちを打ち据え、薙ぎ払う。1人が猟銃を構え、吹雪の中に銃声が木霊する。しかし影はものともせず暴虐の限りを尽くし、猟師たちを蹂躙すると、再び雪の中へ見えなくなった。
揺れる灯りは完全に消えた。
ただ茫然と遠くの様子を眺めているしか出来なかったオズワルドは、鼻息荒く再び雪の穴へ潜った。たった1つの武器である愛用の猟銃を強く抱きしめ、震えながら外界の音に耳を傾ける。
寒さが深々と、彼の身体を侵していく――
●オフィス
「朝早く集まっていただいてすみません。しかし今回の依頼は急を要します。説明の終了後、皆さんには現場に急行していただきます」
慌ただしくやってきた職員は、早口で告げる。
「依頼人は北の村の若い猟師・スコット氏。その方の情報によると、彼の父親であり同じ猟師であるオズワルド氏が、昨日から山で行方不明になっているそうです。山は昨日から大吹雪に見舞われており、おそらくその影響で下山が出来ない状況にあると思われます。皆さんの任務は、オズワルド氏の発見、及び救助です」
職員はハンター達を見回しながら、ただし、と告げる。
「つい数時間前、今日の早朝未明に、依頼人を含む5名の猟師がオズワルド氏の捜索に向かったそうなのですが、そこで『巨大な氷の怪物』の襲撃を受け、2名が死亡。2名が重傷。依頼人も軽傷を負い、捜索は中止になったそうです。怪物は人型をしており、全身が強固な氷で構成され、猟銃も全く通じなかったとのことです」
ハンター達の表情が険しくなった。これはただの人名救助ではないことを理解したのだ。
「怪物がアイスゴーレムの類だとしたら、かなり手ごわい相手です。しかも山は未だ吹雪が吹き荒れ、柔らかい雪が2メートル近く積もっている。オズワルド氏は既に遭難してから十数時間が経過しており、時間との戦いでもあります。かなり厳しい任務になると思われますが、お願いしてもよろしいでしょうか」
職員が尋ねると、ハンター達はもちろんだとばかりに首を縦に振った。
「防寒具はこちらで上下用意してあります。では、ご武運を」
職員が一礼すると、ハンター達は力強く応え、転移門へと駆けだした。
猟師・オズワルドは生きていた。ただし、辛うじてである。
彼が猟師として山に入るようになってからもう30年にはなるが、これほどの猛吹雪は体験したことが無い。視界は全くと言っていいほど利かず、道は消え、景色は白一色に染まった。なんとか下山しようとしたが、雪が腰まで積もったところで諦めた。現在彼は、適当な木の根元に穴を掘ってビバークし、じっと目を閉じて体力の消費を抑えている。
おそらく既に夜だろう。しかし吹雪の音は続く。
何時間そうしていただろうか。オズワルドの耳に、彼の名を呼ぶ声が微かに届いた。冷え固まった手足をもぞもぞと動かし、泳ぐように雪上へ出る。吹雪続けてはいるが幾分かはマシになったようで、東の空を染め上げ始めた朝日によって、昨日よりほんの少しだけ遠くまで見渡せるようになっていた。オズワルドの目に映ったのは、白一色の雪原の彼方に揺れる、数個の灯りだった。
私を助けに来たのだ――助かった!
そう確信し、深く息を吐くオズワルド。おそらく猟師仲間たちが自分を捜しに来たのだろうと。はたして、その想像は当たっていた。彼の猟師仲間5人は、帰りの遅いオズワルドがこの悪天候で遭難したと判断。装備を整え、日が出ると同時に捜索を開始したのだった。オズワルドは天候の悪化後、無理に下山しようとせずにその場でビバークすることを決めた為、通常の狩猟ルートから大きく外れるようなことはなかった。これが功を奏し、早々に仲間と巡り合えたのである。
そうと決まれば、早く仲間に合図を送ろうと、オズワルドは完全に外へ出て、声を上げようとした――その時だった。
それは雪の中から忽然と出現した。身の丈3~4メートルはあろうかという巨大な影だった。影はその太い腕を振り回し、突然のことに慌てふためく猟師たちを打ち据え、薙ぎ払う。1人が猟銃を構え、吹雪の中に銃声が木霊する。しかし影はものともせず暴虐の限りを尽くし、猟師たちを蹂躙すると、再び雪の中へ見えなくなった。
揺れる灯りは完全に消えた。
ただ茫然と遠くの様子を眺めているしか出来なかったオズワルドは、鼻息荒く再び雪の穴へ潜った。たった1つの武器である愛用の猟銃を強く抱きしめ、震えながら外界の音に耳を傾ける。
寒さが深々と、彼の身体を侵していく――
●オフィス
「朝早く集まっていただいてすみません。しかし今回の依頼は急を要します。説明の終了後、皆さんには現場に急行していただきます」
慌ただしくやってきた職員は、早口で告げる。
「依頼人は北の村の若い猟師・スコット氏。その方の情報によると、彼の父親であり同じ猟師であるオズワルド氏が、昨日から山で行方不明になっているそうです。山は昨日から大吹雪に見舞われており、おそらくその影響で下山が出来ない状況にあると思われます。皆さんの任務は、オズワルド氏の発見、及び救助です」
職員はハンター達を見回しながら、ただし、と告げる。
「つい数時間前、今日の早朝未明に、依頼人を含む5名の猟師がオズワルド氏の捜索に向かったそうなのですが、そこで『巨大な氷の怪物』の襲撃を受け、2名が死亡。2名が重傷。依頼人も軽傷を負い、捜索は中止になったそうです。怪物は人型をしており、全身が強固な氷で構成され、猟銃も全く通じなかったとのことです」
ハンター達の表情が険しくなった。これはただの人名救助ではないことを理解したのだ。
「怪物がアイスゴーレムの類だとしたら、かなり手ごわい相手です。しかも山は未だ吹雪が吹き荒れ、柔らかい雪が2メートル近く積もっている。オズワルド氏は既に遭難してから十数時間が経過しており、時間との戦いでもあります。かなり厳しい任務になると思われますが、お願いしてもよろしいでしょうか」
職員が尋ねると、ハンター達はもちろんだとばかりに首を縦に振った。
「防寒具はこちらで上下用意してあります。では、ご武運を」
職員が一礼すると、ハンター達は力強く応え、転移門へと駆けだした。
解説
○山
オズワルド達が猟場としている山々のうちでも、そこまで広大ではない名も無い小山。普通に歩けば、1時間足らずで頂上まで登れる程度のなだらかなもの。猟師が辿るルートはある程度決まっており、オズワルドが留まっている場所もその周辺だと思われる。全体に森林が分布しているが、冬は葉が落ちているため晴れていれば見通しは良い。
○オズワルド
56歳、男性。村の猟師たちの親分的存在であるベテラン猟師。22歳のスコットは1人息子。妻とは死別している。サバイバル術等には一日の長があるが、高齢でもあり、体力に不安があるので一刻も早い救助が必要。
○その他の猟師
オズワルドを捜索しに来た5人のうち、2人はゴーレムの攻撃をまともに受け、内臓をやられ死亡。既に遺体は村に収容されている。別な2人はを重傷を負ったが、なんとか自力で村へ帰り着いた。依頼人であるスコットは軽傷で済み、ハンターズソサエティへの依頼を済ませた後、死亡した2人の遺体回収、重傷者への応急措置を行っている。
○アイスゴーレム
体長4メートル弱。全身を構成する氷は魔術的効果により、一般的なものよりも強固で溶けにくい。攻撃はそのハンマーのような手足による殴打のみだが、一撃が重く命取りになることもあり得る。動きは緩慢。なぜ突如出現したのかは不明。以前から地中に存在していて、この異常な寒波に呼応して目覚めたのではないかと推測される。
オズワルド達が猟場としている山々のうちでも、そこまで広大ではない名も無い小山。普通に歩けば、1時間足らずで頂上まで登れる程度のなだらかなもの。猟師が辿るルートはある程度決まっており、オズワルドが留まっている場所もその周辺だと思われる。全体に森林が分布しているが、冬は葉が落ちているため晴れていれば見通しは良い。
○オズワルド
56歳、男性。村の猟師たちの親分的存在であるベテラン猟師。22歳のスコットは1人息子。妻とは死別している。サバイバル術等には一日の長があるが、高齢でもあり、体力に不安があるので一刻も早い救助が必要。
○その他の猟師
オズワルドを捜索しに来た5人のうち、2人はゴーレムの攻撃をまともに受け、内臓をやられ死亡。既に遺体は村に収容されている。別な2人はを重傷を負ったが、なんとか自力で村へ帰り着いた。依頼人であるスコットは軽傷で済み、ハンターズソサエティへの依頼を済ませた後、死亡した2人の遺体回収、重傷者への応急措置を行っている。
○アイスゴーレム
体長4メートル弱。全身を構成する氷は魔術的効果により、一般的なものよりも強固で溶けにくい。攻撃はそのハンマーのような手足による殴打のみだが、一撃が重く命取りになることもあり得る。動きは緩慢。なぜ突如出現したのかは不明。以前から地中に存在していて、この異常な寒波に呼応して目覚めたのではないかと推測される。
マスターより
ども、青木です。うちの庭では梅の花がぽつぽつ開き始めていますが、冬真っ盛りなシナリオでございます。
アイスゴーレムはかなり厄介な敵です。真正面から倒すのは難儀です。しかもコンディションが最悪ですからね。
どんなときでも人命最優先。命大事に。いつ何時も大切なことですよね。
アイスゴーレムはかなり厄介な敵です。真正面から倒すのは難儀です。しかもコンディションが最悪ですからね。
どんなときでも人命最優先。命大事に。いつ何時も大切なことですよね。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/03/16 21:08
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 鳴神 真吾(ka2626) 人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/03/08 19:50:07 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/03/05 08:31:18 |