ゲスト
(ka0000)
【不動】闇への潜入
マスター:有坂参八

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 不明
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 不明
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/03/11 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/03/20 19:00
オープニング
●
辺境要塞ノアーラ・クンタウの北には、土地の痩せた荒野と、鬱蒼と茂る森と、険山連なる大峰とが、どこまでも続く。
一帯は歪虚の侵食が激しく、要塞に近しい地域でさえ、頻繁に歪虚が襲来するような状態ではあるが、だからと言って全く人が踏み入れない地域というわけでもない。
その、辺境北部のとある山道を、忍び足で歩く少女がひとり。
「ふにゃぁ~、また無茶ぶりされましたにゃぁ~。これはもうかるいイジメですにゃぁ~」
小声で独り言を囁く少女は、微妙に猫背がかった姿勢で、木々の合間を縫うように歩いている。
間の抜けた言葉の内容とは裏腹、その動作は一切の音を発さず、また動線は決して物陰から離れない。
「今度こそマジヤバなのに出くわす流れですにゃ~。これはもうお約束ですにゃ~」
時折、遠くの空から低い轟音が鳴り響く。
それは獣の遠吠でなければ、遠雷でも無く、彼女が懸念する『マジヤバ』な存在が発するそれだ。
その轟音が響く度、少女は身を縮ませて微かに震えた。
「……お」
それから少し歩いて、少女は目の前に異常な光景を認め、足を止めた。
木々の茂る山肌にあって、その木々が一方向に向かって、なぎ倒される様に折れている。
巨大な何かが、通った跡だった。
だが、木そのものを折る様な生物は、山の獣にしては巨大すぎる。
「……」
少女はたっぷりと時間をかけて、周囲に『何か』が居ないかを確認してから、その余りに巨大な獣道に足を踏み入れた。
地面に、足跡がある。
形は人間のそれ。だが、大きすぎる。何かと比べるのも面倒になるほど、巨大な足跡。
「あっちゃぁ〜……見つけちゃいましたにゃぁ」
苦物を飲み下したような顔をしながら、少女はその足跡の向かう先をたどる。
移動中も、警戒は一切怠らなかった。もしも『何か』に発見されれば、一巻の終わりだ。
「ぶっちゃけ、もう検討はついてますにゃ」
少女は歩きながら、ひとりごちる。
大体、こんな所を『張れ』と言われた時点で、嫌な予感はしていたのだ。
「ひとつ、ふたつ、みっつ……」
少女は数える。
獣道が決して一つではない事。
足跡も、同じようで主の違う幾つかが混じっている事。
鳥も、地を這う獣も、一切姿が見えない事。
漂う微かな死臭、血の匂い。
異常な点は、獣道を辿ってある地点に近づくにつれ、増えていった。
そして……
「……っ」
少女は、その『ある地点』で、足を止めた。
彼女の目の前には、山肌にぽっかりあいた、巨大な洞窟。
それは……彼女たち辺境部族の民に取って、余りにも特別な場所だった。
「こいつはまじでマジヤバですにゃぁ」
その場所の名は、エンシンケ洞窟……通称『試練の洞窟』。
古くから、辺境……赤き大地の多くの部族が、成人の儀において通過儀礼を行う場所……だった。
彼女が見つけた全ての異常点は、この、試練の洞窟に集約している。
少女がおそるおそる、その中を覗こうとすると……
『ーーーーーーー!』
あの轟音が中から響く。少女は必死に、悲鳴が喉から飛び出すのを堪えた。
「あわわわわわ」
身を震わせ、二、三度奥歯をかちかち鳴らすと身を翻し、直ぐ様山を降りる。
森を抜け、かなりの時間を極限の緊張と共に駆け続けて……大きな川が見えてくると、少女はやがて、魔導短伝話を取り出した。
「太陽猫から月蛇へ、太陽猫から月蛇へ……」
●
『エンシンケ洞窟か。そこに何かが居るのは間違いないな』
「はい。これだけ証拠が揃ってりゃー、百人中百人がクロだって思うと思いますにゃ」
伝話の向こうから聞こえる老人の声に、少女は自分の見聞きした全てを伝えた。
通話の相手は、ほんの少しだけ間を置いて、しかし毅然とした言葉を返してくる。
『もう一度洞窟を調べておくれ。中の状態を知りたい』
「に゛ゃ゛!? お師匠様マジで言ってますかにゃ!? 私を殺す気ですにゃ!?」
『残念ながら大マジじゃい。お前さん、事によっては大当たりの手柄を引いたかもしれんのだぞ』
「嬉しくにゃーですにゃ! あんなとこ一人で飛び込んだら間違いなく死にますにゃ!」
猛然と駄々をこねる少女に対し、伝話の向こうの『お師匠様』は、困ったような笑い声を上げた。
『なら、ハンターじゃな。お主が見立てて、共に斥候を行える者を探せ』
「うー、了解ですにゃ」
しぶしぶ承諾する少女。お師匠様は……声を一段低くし、言葉を付け加える。
『テトや、ゆめゆめ忘れるな。絶対にその偵察を悟られてはならん。戦の虚と実を制するには、此方の手札は隠し通さねばならぬ』
「ふにゃー」
伝話を終えた少女……テトという名の霊闘士は、ハンターズソサエティへ駆けていく。
自分の実力は、判っているつもりだ……これ以上、自分一人の手には負えない。
ならば……頼れる人間は、限られているのだから。
辺境要塞ノアーラ・クンタウの北には、土地の痩せた荒野と、鬱蒼と茂る森と、険山連なる大峰とが、どこまでも続く。
一帯は歪虚の侵食が激しく、要塞に近しい地域でさえ、頻繁に歪虚が襲来するような状態ではあるが、だからと言って全く人が踏み入れない地域というわけでもない。
その、辺境北部のとある山道を、忍び足で歩く少女がひとり。
「ふにゃぁ~、また無茶ぶりされましたにゃぁ~。これはもうかるいイジメですにゃぁ~」
小声で独り言を囁く少女は、微妙に猫背がかった姿勢で、木々の合間を縫うように歩いている。
間の抜けた言葉の内容とは裏腹、その動作は一切の音を発さず、また動線は決して物陰から離れない。
「今度こそマジヤバなのに出くわす流れですにゃ~。これはもうお約束ですにゃ~」
時折、遠くの空から低い轟音が鳴り響く。
それは獣の遠吠でなければ、遠雷でも無く、彼女が懸念する『マジヤバ』な存在が発するそれだ。
その轟音が響く度、少女は身を縮ませて微かに震えた。
「……お」
それから少し歩いて、少女は目の前に異常な光景を認め、足を止めた。
木々の茂る山肌にあって、その木々が一方向に向かって、なぎ倒される様に折れている。
巨大な何かが、通った跡だった。
だが、木そのものを折る様な生物は、山の獣にしては巨大すぎる。
「……」
少女はたっぷりと時間をかけて、周囲に『何か』が居ないかを確認してから、その余りに巨大な獣道に足を踏み入れた。
地面に、足跡がある。
形は人間のそれ。だが、大きすぎる。何かと比べるのも面倒になるほど、巨大な足跡。
「あっちゃぁ〜……見つけちゃいましたにゃぁ」
苦物を飲み下したような顔をしながら、少女はその足跡の向かう先をたどる。
移動中も、警戒は一切怠らなかった。もしも『何か』に発見されれば、一巻の終わりだ。
「ぶっちゃけ、もう検討はついてますにゃ」
少女は歩きながら、ひとりごちる。
大体、こんな所を『張れ』と言われた時点で、嫌な予感はしていたのだ。
「ひとつ、ふたつ、みっつ……」
少女は数える。
獣道が決して一つではない事。
足跡も、同じようで主の違う幾つかが混じっている事。
鳥も、地を這う獣も、一切姿が見えない事。
漂う微かな死臭、血の匂い。
異常な点は、獣道を辿ってある地点に近づくにつれ、増えていった。
そして……
「……っ」
少女は、その『ある地点』で、足を止めた。
彼女の目の前には、山肌にぽっかりあいた、巨大な洞窟。
それは……彼女たち辺境部族の民に取って、余りにも特別な場所だった。
「こいつはまじでマジヤバですにゃぁ」
その場所の名は、エンシンケ洞窟……通称『試練の洞窟』。
古くから、辺境……赤き大地の多くの部族が、成人の儀において通過儀礼を行う場所……だった。
彼女が見つけた全ての異常点は、この、試練の洞窟に集約している。
少女がおそるおそる、その中を覗こうとすると……
『ーーーーーーー!』
あの轟音が中から響く。少女は必死に、悲鳴が喉から飛び出すのを堪えた。
「あわわわわわ」
身を震わせ、二、三度奥歯をかちかち鳴らすと身を翻し、直ぐ様山を降りる。
森を抜け、かなりの時間を極限の緊張と共に駆け続けて……大きな川が見えてくると、少女はやがて、魔導短伝話を取り出した。
「太陽猫から月蛇へ、太陽猫から月蛇へ……」
●
『エンシンケ洞窟か。そこに何かが居るのは間違いないな』
「はい。これだけ証拠が揃ってりゃー、百人中百人がクロだって思うと思いますにゃ」
伝話の向こうから聞こえる老人の声に、少女は自分の見聞きした全てを伝えた。
通話の相手は、ほんの少しだけ間を置いて、しかし毅然とした言葉を返してくる。
『もう一度洞窟を調べておくれ。中の状態を知りたい』
「に゛ゃ゛!? お師匠様マジで言ってますかにゃ!? 私を殺す気ですにゃ!?」
『残念ながら大マジじゃい。お前さん、事によっては大当たりの手柄を引いたかもしれんのだぞ』
「嬉しくにゃーですにゃ! あんなとこ一人で飛び込んだら間違いなく死にますにゃ!」
猛然と駄々をこねる少女に対し、伝話の向こうの『お師匠様』は、困ったような笑い声を上げた。
『なら、ハンターじゃな。お主が見立てて、共に斥候を行える者を探せ』
「うー、了解ですにゃ」
しぶしぶ承諾する少女。お師匠様は……声を一段低くし、言葉を付け加える。
『テトや、ゆめゆめ忘れるな。絶対にその偵察を悟られてはならん。戦の虚と実を制するには、此方の手札は隠し通さねばならぬ』
「ふにゃー」
伝話を終えた少女……テトという名の霊闘士は、ハンターズソサエティへ駆けていく。
自分の実力は、判っているつもりだ……これ以上、自分一人の手には負えない。
ならば……頼れる人間は、限られているのだから。
解説
●依頼内容
エンシンケ洞窟の偵察・調査。
但し、可能な限り隠密に行動する事を依頼成功の条件とする。
以上
●エンシンケ洞窟
要塞ノアーラ・クンタウの北、試練の山と呼ばれる地にある大洞窟。
かつては辺境部族の戦士達が一人前の戦士と認められる為の試練を受ける、いわば通過儀礼が行われていた場です。
洞窟内部の通路は、基本的に幅・高さ共に10m弱程度とかなり広いですが、道筋は曲がりくねっており、岩場も多いため足場は良くないです。
また、いくつかの分岐やループ構造があり、探索には多少の注意が必要との事。
PCは、オープニング本文に書かれている情報を全て知らされた物として扱う事できます。
その上で洞窟の内部に潜入、内部の状況を調査した上で、情報を持ち帰って下さい。
●テト
依頼人。辺境部族出身の14歳くらいの少女で、いろいろ猫っぽい。
覚醒者にあるまじきレベルの弱さですが、逃げ隠れする能力だけは一級品で、とりあえず自分の身を守る事はできます。
基本的には道案内としてハンターに同行しますが、不要であれば断わる事もできます。
●その他
依頼人は、一連の行動が隠密の内に行われる事を要求しています。
洞窟内部に居る『何か』に感づかれた場合には、ペナルティが発生する恐れがあります。
エンシンケ洞窟の偵察・調査。
但し、可能な限り隠密に行動する事を依頼成功の条件とする。
以上
●エンシンケ洞窟
要塞ノアーラ・クンタウの北、試練の山と呼ばれる地にある大洞窟。
かつては辺境部族の戦士達が一人前の戦士と認められる為の試練を受ける、いわば通過儀礼が行われていた場です。
洞窟内部の通路は、基本的に幅・高さ共に10m弱程度とかなり広いですが、道筋は曲がりくねっており、岩場も多いため足場は良くないです。
また、いくつかの分岐やループ構造があり、探索には多少の注意が必要との事。
PCは、オープニング本文に書かれている情報を全て知らされた物として扱う事できます。
その上で洞窟の内部に潜入、内部の状況を調査した上で、情報を持ち帰って下さい。
●テト
依頼人。辺境部族出身の14歳くらいの少女で、いろいろ猫っぽい。
覚醒者にあるまじきレベルの弱さですが、逃げ隠れする能力だけは一級品で、とりあえず自分の身を守る事はできます。
基本的には道案内としてハンターに同行しますが、不要であれば断わる事もできます。
●その他
依頼人は、一連の行動が隠密の内に行われる事を要求しています。
洞窟内部に居る『何か』に感づかれた場合には、ペナルティが発生する恐れがあります。
マスターより
この依頼をご紹介致します、有坂参八と申します。
ステルス&スニーキングミッションです。
この隠密偵察の結果が、今後の流れに影響を与えることも十分にありえるでしょう。
洞窟内部に潜む存在が何かは不明ですが、依頼人がわめいてる通り、マジヤバな何かがいるのはほぼ間違いありません。
ご注意下さい。
それでは、皆様のご活躍を、お祈り致しております。
ステルス&スニーキングミッションです。
この隠密偵察の結果が、今後の流れに影響を与えることも十分にありえるでしょう。
洞窟内部に潜む存在が何かは不明ですが、依頼人がわめいてる通り、マジヤバな何かがいるのはほぼ間違いありません。
ご注意下さい。
それでは、皆様のご活躍を、お祈り致しております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/03/19 06:16
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/03/06 20:33:09 |
|
![]() |
依頼の相談です 真田 天斗(ka0014) 人間(リアルブルー)|20才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/03/11 15:52:32 |