ゲスト
(ka0000)
betrayal hospital
マスター:墨上古流人

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/07/05 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/07/13 19:00
オープニング
◆
風の無い、ある月の夜。
雨上がりの外気は湿度と相まり舐めるように首筋を撫で、
季節外れの震えをもたらす。
帝国の外れの港町、古くも大きく存在感を醸し出す病院がある。
リアルブルーからの転移者が有力者の後援を得て作ったという、国内でも珍しい建築物。
とはいえ、利用者にとっては外見の珍奇さはあまり意味が無い。
日中は市場の競りを終えた者や、船乗員といった労働者で溢れかえる、
言い得て妙だが『賑やか』な病院だ。
そんな静かな病院に向かって駆けるひとつの影。
不規則に走っては歩いてを繰り返す彼を急かすかのように、月は夜道を明るく照らしていた。
「やべやべ、マジで遅刻だよ……今日のシフト確か嫌な先輩と2人なんだよなぁ……」
息も絶え絶えのまま、よろよろと病院の外周に沿って周る若い男。
従業員口のドアを開けて、横手にすぐ現れる警備室のドアを慣れた手つきで、
そろり、そろりと開けてみる。
「すみませーん、遅れましたー……って、あれ」
入退室管理簿等が保管された棚、病院内のあらゆる鍵を保管した金庫、
出入りする業者やスタッフを管理する窓、机、
休憩中にはインスタント食品をすするソファー、
全てが、転移者が語ったリアルブルーの病院施設通りに再現されているらしい。
電源が存在しない電源室など無駄な物も多いが、それも含めてこの病院ではあった。
それら全部が眠っているかのように、静かに、暗い室内だった。
「っかしーなー……休みかな」
部屋に明かりを灯しながら首を傾げ、
出勤簿に書かれた自身の名前の横に、本来の出勤時間をさりげなく書くと、
ロッカーから警備員の制服を適当に取り出して着替え始める。
「……ん?」
ズボンのファスナーをあげたところで、開けたままのドアの方が気になる。
……いや、本当に開けたままだったか?
「俺の着替えなんて覗いてもしょうがないでしょうに……ここに看護士さんはいませんよー……っと」
ふらりとドアノブに手を添えてから、ドアの外に顔を出す。
真っ直ぐと闇に伸びる廊下。
石の床は氷のようで、建物の時間を止めているかのように冷たかった。
『ごとっ』
従業員口側、差し込む月明かりを遮るかのように立つ巨躯の人影。
警戒棒を抜く暇もなく、警備員はその冷たい床に糸が切れたように昏倒してしまった。
◆
「……旗が降りていなかった?」
「普通、日が暮れたら旗を降ろすじゃないですか。でも、今でもまだあがりっぱなんです」
「なんでこんな時間に病院の旗がどうとかわかるんだ。張ってたか。看護師か、看護師フェチか」
「興味ないですしたまたまですし私女ですしフェチはYシャツから見える手首です!!」
「言えばいつでも着てやるぞ」
「白衣のペテン師に用はありませんっ」
コントのような会話が繰り広げられているオフィスの一画。
ブリーフィングルームでもなく、ただの大衆向けに解放された待合室の隅で、
堅いソファーに座って眠そうな顔でコーヒーをすする若い女と初老の男がいた。
「さっきやたら騒いでたのはそれか」
「そうみたいですね。街の特性上、朝早くから患者さんは大勢ですし、早めに解決するといいんですけど……」
「この人数でこの手口だろ。声明がないっつーことは、おおかたタタキってとこじゃねーか」
「この港、そんなにタタキ有名でしたっけ」
「強盗って意味だよ食欲娘」
「ご飯のお代わりは3杯までって決めてます!!」
むきーと絵に描いたように怒る若い女を余所に、
動かしていたメモの手を止める男。
「なんですか、これ」
「さっき偵察が帰ってきたーって話を盗み聞きした。犯人は何人でどういうヤツだとか」
「普通にアウトじゃないですか」
「地獄の沙汰も耳次第ってな」
「タヌキおやじ……ん……?」
「このどうした?」
「いや、うーん……何か違和感……」
「ホック外れたんじゃねーのか」
「そのサラッとセクハラすんのいい加減訴えていいですか。実力行使に」
「ゴングじゃなくてちゃんと目覚ましで起きようぜ……明日遅刻すんなよ」
逃げるようにひらりと椅子から飛び退き、へらっと手を振ると男はそのままハンターオフィスを後にした。
「うーん……ま、いっか。私も自分の仕事しよ」
そして続くように女が後を追う。
明かりの消えないオフィスの奥では、急遽集められたメンバーが、
偵察の報告を元にブリーフィングが行っているところだった。
風の無い、ある月の夜。
雨上がりの外気は湿度と相まり舐めるように首筋を撫で、
季節外れの震えをもたらす。
帝国の外れの港町、古くも大きく存在感を醸し出す病院がある。
リアルブルーからの転移者が有力者の後援を得て作ったという、国内でも珍しい建築物。
とはいえ、利用者にとっては外見の珍奇さはあまり意味が無い。
日中は市場の競りを終えた者や、船乗員といった労働者で溢れかえる、
言い得て妙だが『賑やか』な病院だ。
そんな静かな病院に向かって駆けるひとつの影。
不規則に走っては歩いてを繰り返す彼を急かすかのように、月は夜道を明るく照らしていた。
「やべやべ、マジで遅刻だよ……今日のシフト確か嫌な先輩と2人なんだよなぁ……」
息も絶え絶えのまま、よろよろと病院の外周に沿って周る若い男。
従業員口のドアを開けて、横手にすぐ現れる警備室のドアを慣れた手つきで、
そろり、そろりと開けてみる。
「すみませーん、遅れましたー……って、あれ」
入退室管理簿等が保管された棚、病院内のあらゆる鍵を保管した金庫、
出入りする業者やスタッフを管理する窓、机、
休憩中にはインスタント食品をすするソファー、
全てが、転移者が語ったリアルブルーの病院施設通りに再現されているらしい。
電源が存在しない電源室など無駄な物も多いが、それも含めてこの病院ではあった。
それら全部が眠っているかのように、静かに、暗い室内だった。
「っかしーなー……休みかな」
部屋に明かりを灯しながら首を傾げ、
出勤簿に書かれた自身の名前の横に、本来の出勤時間をさりげなく書くと、
ロッカーから警備員の制服を適当に取り出して着替え始める。
「……ん?」
ズボンのファスナーをあげたところで、開けたままのドアの方が気になる。
……いや、本当に開けたままだったか?
「俺の着替えなんて覗いてもしょうがないでしょうに……ここに看護士さんはいませんよー……っと」
ふらりとドアノブに手を添えてから、ドアの外に顔を出す。
真っ直ぐと闇に伸びる廊下。
石の床は氷のようで、建物の時間を止めているかのように冷たかった。
『ごとっ』
従業員口側、差し込む月明かりを遮るかのように立つ巨躯の人影。
警戒棒を抜く暇もなく、警備員はその冷たい床に糸が切れたように昏倒してしまった。
◆
「……旗が降りていなかった?」
「普通、日が暮れたら旗を降ろすじゃないですか。でも、今でもまだあがりっぱなんです」
「なんでこんな時間に病院の旗がどうとかわかるんだ。張ってたか。看護師か、看護師フェチか」
「興味ないですしたまたまですし私女ですしフェチはYシャツから見える手首です!!」
「言えばいつでも着てやるぞ」
「白衣のペテン師に用はありませんっ」
コントのような会話が繰り広げられているオフィスの一画。
ブリーフィングルームでもなく、ただの大衆向けに解放された待合室の隅で、
堅いソファーに座って眠そうな顔でコーヒーをすする若い女と初老の男がいた。
「さっきやたら騒いでたのはそれか」
「そうみたいですね。街の特性上、朝早くから患者さんは大勢ですし、早めに解決するといいんですけど……」
「この人数でこの手口だろ。声明がないっつーことは、おおかたタタキってとこじゃねーか」
「この港、そんなにタタキ有名でしたっけ」
「強盗って意味だよ食欲娘」
「ご飯のお代わりは3杯までって決めてます!!」
むきーと絵に描いたように怒る若い女を余所に、
動かしていたメモの手を止める男。
「なんですか、これ」
「さっき偵察が帰ってきたーって話を盗み聞きした。犯人は何人でどういうヤツだとか」
「普通にアウトじゃないですか」
「地獄の沙汰も耳次第ってな」
「タヌキおやじ……ん……?」
「このどうした?」
「いや、うーん……何か違和感……」
「ホック外れたんじゃねーのか」
「そのサラッとセクハラすんのいい加減訴えていいですか。実力行使に」
「ゴングじゃなくてちゃんと目覚ましで起きようぜ……明日遅刻すんなよ」
逃げるようにひらりと椅子から飛び退き、へらっと手を振ると男はそのままハンターオフィスを後にした。
「うーん……ま、いっか。私も自分の仕事しよ」
そして続くように女が後を追う。
明かりの消えないオフィスの奥では、急遽集められたメンバーが、
偵察の報告を元にブリーフィングが行っているところだった。
解説
◆情報
夜の病院に押し入った強盗全員を無力化せよ。なお、最優先は人質である。
以下、偵察要員が即応した情報です。
病院は5階建ての大きなものだが、
そのうちの隅、管理棟と呼ばれる部分に敵がいるとのこと。
管理棟は3階構成で、あまり大きくないです。
1階には警備室や事務室、リネン室、食堂、電源系統の電気室(ただし電源装置は無い)等があり、
2階は薬や医療システムの開発室(ただし医療システムは無い)で埋まり、
3階は管理職の個室や備品等の置き場、多目的室(要は空き部屋)があります。
敵の数は全部で4人。
装備は全員長い銃を持ち、
うち2人は更に腰に山刀のようなものと斧のようなものを下げていたとのことです。
そのうち2人の近接武器を持たない方は1階にて巡回警備を行っていたそうです。
人質が取られており、夜勤の看護師が3人、警備員が1人です。
これは3階の用具置きになっている狭い部屋に押し込められて眠らされているらしい様子を、窓の外から確認したとのことでした。
◆備考
もちろん、リアルタイムの情報を得るために、更なる偵察をしても構いませんし、
見つかるリスクを考えてしなくても構いません。
最後に。
大成功の為に必要な条件は全てここまでに出そろっています。
夜の病院に押し入った強盗全員を無力化せよ。なお、最優先は人質である。
以下、偵察要員が即応した情報です。
病院は5階建ての大きなものだが、
そのうちの隅、管理棟と呼ばれる部分に敵がいるとのこと。
管理棟は3階構成で、あまり大きくないです。
1階には警備室や事務室、リネン室、食堂、電源系統の電気室(ただし電源装置は無い)等があり、
2階は薬や医療システムの開発室(ただし医療システムは無い)で埋まり、
3階は管理職の個室や備品等の置き場、多目的室(要は空き部屋)があります。
敵の数は全部で4人。
装備は全員長い銃を持ち、
うち2人は更に腰に山刀のようなものと斧のようなものを下げていたとのことです。
そのうち2人の近接武器を持たない方は1階にて巡回警備を行っていたそうです。
人質が取られており、夜勤の看護師が3人、警備員が1人です。
これは3階の用具置きになっている狭い部屋に押し込められて眠らされているらしい様子を、窓の外から確認したとのことでした。
◆備考
もちろん、リアルタイムの情報を得るために、更なる偵察をしても構いませんし、
見つかるリスクを考えてしなくても構いません。
最後に。
大成功の為に必要な条件は全てここまでに出そろっています。
マスターより
初めまして、もしくはお久しぶりです。
墨上 古流人(スミガミ コルト)と申します。
名前の由来がわかった人は友達です。
わからなくても友達になってください。
少し出遅れてしまいましたが、
私にもファナティックブラッドのスタートダッシュ、ひと口噛ませてください。
相変わらず対人ドンパチ戦が大好きですが、
ちょっと変わった墨上で皆さんを楽しませられるといいな、とも思っています。
それでは。
貴方の参加に感謝します。
墨上 古流人(スミガミ コルト)と申します。
名前の由来がわかった人は友達です。
わからなくても友達になってください。
少し出遅れてしまいましたが、
私にもファナティックブラッドのスタートダッシュ、ひと口噛ませてください。
相変わらず対人ドンパチ戦が大好きですが、
ちょっと変わった墨上で皆さんを楽しませられるといいな、とも思っています。
それでは。
貴方の参加に感謝します。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/07/12 04:34
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/06/30 23:09:10 |
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相談卓 リーリア・バックフィード(ka0873) 人間(クリムゾンウェスト)|17才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2014/07/05 19:00:16 |