ゲスト
(ka0000)
王国、石材、大鷲、弁当、船下り
マスター:柏木雄馬

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/03/16 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/03/25 19:00
オープニング
歪虚ベリアルの襲撃により、多かれ少なかれ混乱を来したグラズヘイム王国の諸地方において、その影響が殆どなかった──いや、むしろ、特需に沸いた地域があった。
それは王国北東部──国土の殆どが平地がちな王国領内において、ほぼ唯一の山岳地帯である。
大湖を中心に二つの大河を擁するこの地方は、崖がちな地形故に他国との交易こそ大規模には発展してこなかったものの…… 古の昔より、多くの鉱山や採掘場を持つ『石の地方』としても知られてきた。
事変後、ベリアル襲撃の被害を受けた王都ではその復旧に多くの資材を必要としており。
そして、当然の事ながら。その需要の中には城壁や建築物の構成材たる石材も含まれていた。
石丁場にて切り出された岩石は石工によって石材に加工され、背負子によって川辺まで運ばれ、王都の横を流れる大河を用いて船で輸送されている。
丁場の石工も、荷運びの歩荷も、輸送する船員も、艀の作業員も、それに関わる皆が皆、降って湧いた特需に沸いた。
あまりに発注が多かった為、加工前の岩石を塊のまま木ゾリで引いて川まで運び、筏で王都に送ったりもした。
忙しくなれば当然、人手も足りなくなる。かといって、この特需も永遠に続くわけでもない。それは丁場の主たちも分かり切っていた。
そこで、彼らは期限付きで臨時に人を雇うことにした。ハンターズソサエティにも手を回して、体力自慢の覚醒者たちも雇った。
覚醒者たちの中には、リアルブルー出身の者もいた。
その事実がまさか、面倒ごとの種になろうとは── その時点においては、誰にも分からないことだった。
●
「ここ、王国北東部には、大山鷹──と翻訳された──と呼ばれる大きな鳥類がいる」
グラズヘイム王国北東部。岩石を筏に載せる為の、臨時に増設された船着場で── 河川による石材輸送を担う中型帆船の責任者は、集まったハンターたちに対してその厳しい表情を崩さぬまま、改めて依頼内容の説明を行っていた。
(異世界の人間たちがしでかした『不始末』の『火消し』を、その同類たるハンターたちに頼らねばならんとは……)
その事実に釈然としないものを感じながら、だが、船主はその感情を押し殺す。
──今、最優先すべきことは、状況の速やかなる改善である。……稼げる内に稼ぐ。商機は逃さない。事態を解決することは、自分たちだけでなく関係者の全てにその恩恵をもたらすのだから。
彼は心の中だけで溜め息を吐くと、ハンターたちに対して状況の説明を再開した。
「猛禽──即ち、肉食性の鳥であり、遥か空から獲物を狙う『大空の狩人』だ。獰猛ではあるが、一応、飼育可能な猛禽であり、鷹匠に使われることもある。好奇心が強いのか、大河を船が航行しているとすれすれまで降下して来て、暫く船と併走して飛んだりもする。そう言う意味では、我々にとっては身近な、見慣れた、人懐っこい鳥……だった」
大山鷹はこれまで船上の人間を襲ったりはしなかった。己の縄張りの端まで空を併走した後、川風に乗って山へと帰っていくのが常だった。その習性から、川を下る船員たちには大山鷹を『見送り鳥』と呼んでありがたがる者も大勢いた。
だが、そんな微笑ましい事情は変わってしまった。
彼らは人を襲うようになった。
人間を獲物にするようなことはなかったが、人が持つ食料を襲うようになっていた。
「始まりは、異世界の覚醒者たちだ。何を考えたのか、彼らは、川面まで下りて来た大山鷹に向かって、広げていた弁当の一部を放ったのだ」
『大空の狩人』らしく、大山鷹はその放られた餌を空中で咥え取った。それが面白かったのか、覚醒者たちは喝采してますます鷹に餌を放った。
その結果、大山鷹は人を恐れなくなった。人が持つ弁当を、得やすい餌と認識してしまった。船員たちが船上や筏の石上で弁当を広げていると、大山鷹はそれを掠め取る様になった。弁当を隠すとその背を襲うようになった。弁当を持たずにいても、まるで催促するかのように構わず襲撃して来るようになった。
「見ろ」
船主は彼方の空を指差した。
川岸に面した山の上。空中に円を描くようにしながら、大型の鳥が複数、優雅に、悠々と滑空している……
「本来はそれぞれに縄張りを持ち、孤高を保っていた大空の狩人たちが、今では容易く手に入る餌を求めて屯っている……」
どこか寂しそうな表情で呟いた船主は…… 己の感傷を振り払うように実務的な顔でハンターたちに向き直った。
「襲撃者の存在は、石材の水上輸送に既に害を及ぼし始めている。臨時雇いの作業員たちはすっかりこちらには来なくなった。熟練の水夫たちにも怪我をする者が絶えない」
故に、と船主は言葉を続けた。
ハンターたちには船に乗り込んでもらう。船の護衛がその任だ。襲撃して来る大山鷹を追い払い、人と荷を守るのだ。
「だが、それは依頼の表層──真の目的の一面に過ぎない」
続く船主のその言葉に、ハンターたちが怪訝な顔をする。
船主は言った。──依頼の真の目的は、彼らが二度と河川を行き来する船を襲うことがないようにすることだ、と──
「被害を出さないだけなら簡単な話だ。鷹が寄ってきたら餌を与え続ければいい。……だが、それではダメだ。連中は再びやって来る。際限なく繰り返す」
二度と船を襲わせない為には、大山鷹に再度、人間は怖い存在なんだと思い知らせなければならない。
「大山鷹は頭の良い鳥だ。同じ過ちは二度と繰り返さない。故に、人間が危険な存在だと知れば、襲い掛かってくることはなくなるだろう。何度も、何度も…… 連中があきらめるまで、繰り返し、それを教え込む必要がある」
その為に君らを雇ったのだ、と船主は言った。
「方策は任せる。依頼の最低条件は船の護衛だ。それを果たしてくれただけでも報酬は払う。だが、出来得るなら、私の言った真の目的についても少しは考えてみてくれ」
それは王国北東部──国土の殆どが平地がちな王国領内において、ほぼ唯一の山岳地帯である。
大湖を中心に二つの大河を擁するこの地方は、崖がちな地形故に他国との交易こそ大規模には発展してこなかったものの…… 古の昔より、多くの鉱山や採掘場を持つ『石の地方』としても知られてきた。
事変後、ベリアル襲撃の被害を受けた王都ではその復旧に多くの資材を必要としており。
そして、当然の事ながら。その需要の中には城壁や建築物の構成材たる石材も含まれていた。
石丁場にて切り出された岩石は石工によって石材に加工され、背負子によって川辺まで運ばれ、王都の横を流れる大河を用いて船で輸送されている。
丁場の石工も、荷運びの歩荷も、輸送する船員も、艀の作業員も、それに関わる皆が皆、降って湧いた特需に沸いた。
あまりに発注が多かった為、加工前の岩石を塊のまま木ゾリで引いて川まで運び、筏で王都に送ったりもした。
忙しくなれば当然、人手も足りなくなる。かといって、この特需も永遠に続くわけでもない。それは丁場の主たちも分かり切っていた。
そこで、彼らは期限付きで臨時に人を雇うことにした。ハンターズソサエティにも手を回して、体力自慢の覚醒者たちも雇った。
覚醒者たちの中には、リアルブルー出身の者もいた。
その事実がまさか、面倒ごとの種になろうとは── その時点においては、誰にも分からないことだった。
●
「ここ、王国北東部には、大山鷹──と翻訳された──と呼ばれる大きな鳥類がいる」
グラズヘイム王国北東部。岩石を筏に載せる為の、臨時に増設された船着場で── 河川による石材輸送を担う中型帆船の責任者は、集まったハンターたちに対してその厳しい表情を崩さぬまま、改めて依頼内容の説明を行っていた。
(異世界の人間たちがしでかした『不始末』の『火消し』を、その同類たるハンターたちに頼らねばならんとは……)
その事実に釈然としないものを感じながら、だが、船主はその感情を押し殺す。
──今、最優先すべきことは、状況の速やかなる改善である。……稼げる内に稼ぐ。商機は逃さない。事態を解決することは、自分たちだけでなく関係者の全てにその恩恵をもたらすのだから。
彼は心の中だけで溜め息を吐くと、ハンターたちに対して状況の説明を再開した。
「猛禽──即ち、肉食性の鳥であり、遥か空から獲物を狙う『大空の狩人』だ。獰猛ではあるが、一応、飼育可能な猛禽であり、鷹匠に使われることもある。好奇心が強いのか、大河を船が航行しているとすれすれまで降下して来て、暫く船と併走して飛んだりもする。そう言う意味では、我々にとっては身近な、見慣れた、人懐っこい鳥……だった」
大山鷹はこれまで船上の人間を襲ったりはしなかった。己の縄張りの端まで空を併走した後、川風に乗って山へと帰っていくのが常だった。その習性から、川を下る船員たちには大山鷹を『見送り鳥』と呼んでありがたがる者も大勢いた。
だが、そんな微笑ましい事情は変わってしまった。
彼らは人を襲うようになった。
人間を獲物にするようなことはなかったが、人が持つ食料を襲うようになっていた。
「始まりは、異世界の覚醒者たちだ。何を考えたのか、彼らは、川面まで下りて来た大山鷹に向かって、広げていた弁当の一部を放ったのだ」
『大空の狩人』らしく、大山鷹はその放られた餌を空中で咥え取った。それが面白かったのか、覚醒者たちは喝采してますます鷹に餌を放った。
その結果、大山鷹は人を恐れなくなった。人が持つ弁当を、得やすい餌と認識してしまった。船員たちが船上や筏の石上で弁当を広げていると、大山鷹はそれを掠め取る様になった。弁当を隠すとその背を襲うようになった。弁当を持たずにいても、まるで催促するかのように構わず襲撃して来るようになった。
「見ろ」
船主は彼方の空を指差した。
川岸に面した山の上。空中に円を描くようにしながら、大型の鳥が複数、優雅に、悠々と滑空している……
「本来はそれぞれに縄張りを持ち、孤高を保っていた大空の狩人たちが、今では容易く手に入る餌を求めて屯っている……」
どこか寂しそうな表情で呟いた船主は…… 己の感傷を振り払うように実務的な顔でハンターたちに向き直った。
「襲撃者の存在は、石材の水上輸送に既に害を及ぼし始めている。臨時雇いの作業員たちはすっかりこちらには来なくなった。熟練の水夫たちにも怪我をする者が絶えない」
故に、と船主は言葉を続けた。
ハンターたちには船に乗り込んでもらう。船の護衛がその任だ。襲撃して来る大山鷹を追い払い、人と荷を守るのだ。
「だが、それは依頼の表層──真の目的の一面に過ぎない」
続く船主のその言葉に、ハンターたちが怪訝な顔をする。
船主は言った。──依頼の真の目的は、彼らが二度と河川を行き来する船を襲うことがないようにすることだ、と──
「被害を出さないだけなら簡単な話だ。鷹が寄ってきたら餌を与え続ければいい。……だが、それではダメだ。連中は再びやって来る。際限なく繰り返す」
二度と船を襲わせない為には、大山鷹に再度、人間は怖い存在なんだと思い知らせなければならない。
「大山鷹は頭の良い鳥だ。同じ過ちは二度と繰り返さない。故に、人間が危険な存在だと知れば、襲い掛かってくることはなくなるだろう。何度も、何度も…… 連中があきらめるまで、繰り返し、それを教え込む必要がある」
その為に君らを雇ったのだ、と船主は言った。
「方策は任せる。依頼の最低条件は船の護衛だ。それを果たしてくれただけでも報酬は払う。だが、出来得るなら、私の言った真の目的についても少しは考えてみてくれ」
解説
1.状況と目的
OP本文を参照。
2.舞台
王国北東部。大湖から王都へ流れる大河を往く石材輸送の船上。
先頭の船は船主=船長の船。2本のマストに三角帆を張った小型の帆船。平甲板で船楼はなし。メインマストに檣楼(見張り台)あり。甲板で船員たちが作業中。
船の後ろには、未加工の岩石を乗せた筏が3。岩は平たいので上に乗ることが可能。通常は長い棒(接舷時用。大河の底にはつかない)を持った水夫が待機しているらしい。
筏を移動する場合、間に渡した2本のロープ(上下。アスレチックにある様なあんな感じ)を移動。命綱推奨。ハンターなら助走をつければ飛び渡れるかも(非推奨)
最後列にも先頭と同じタイプの船。筏は2隻の船の間に繋がれている感じ。
3.敵
・大山鷹(マウントホーク.Large)×4
詳細や習性は本文参照。大空の狩人の名に相応しく、高い機動性を誇り、ヤギ一頭くらいなら掴んだまま滑空が可能。
攻撃方法は鉤爪(射程1)。降下→攻撃→離脱を一連で行う特殊な移動攻撃。ハンターたちはカウンター(反撃)でしか一撃離脱をする鷹を攻撃できない。
メインフェイズに攻撃待機を攻撃することで1体の敵に対して目標設定。その目標が構えた得物の射程に入った瞬間、その目標のみに攻撃可能。
(つまり、近接攻撃ではほぼ、自分が目標となった時しか反撃できない。味方が隣り合っていれば届く武器もあるか)
降下攻撃中は回避不可。ただし、速度が速いので、PC攻撃時にマイナスの命中修正あり。
鷹が回避行動を取った(または取らされた)場合、鷹の降下攻撃はキャンセルされ、そのまま離脱。
鷹たちはまず単体で順番に降下攻撃。
一番目は直線降下。二番目は曲線降下。三番目からは連携した降下攻撃をしかけてくるようになる。
4.その他
PCが川に落ちた場合、すぐに浮き輪を抱えた水夫が助けに行きますが、金属製の防具は外しておいた方が無難です。
OP本文を参照。
2.舞台
王国北東部。大湖から王都へ流れる大河を往く石材輸送の船上。
先頭の船は船主=船長の船。2本のマストに三角帆を張った小型の帆船。平甲板で船楼はなし。メインマストに檣楼(見張り台)あり。甲板で船員たちが作業中。
船の後ろには、未加工の岩石を乗せた筏が3。岩は平たいので上に乗ることが可能。通常は長い棒(接舷時用。大河の底にはつかない)を持った水夫が待機しているらしい。
筏を移動する場合、間に渡した2本のロープ(上下。アスレチックにある様なあんな感じ)を移動。命綱推奨。ハンターなら助走をつければ飛び渡れるかも(非推奨)
最後列にも先頭と同じタイプの船。筏は2隻の船の間に繋がれている感じ。
3.敵
・大山鷹(マウントホーク.Large)×4
詳細や習性は本文参照。大空の狩人の名に相応しく、高い機動性を誇り、ヤギ一頭くらいなら掴んだまま滑空が可能。
攻撃方法は鉤爪(射程1)。降下→攻撃→離脱を一連で行う特殊な移動攻撃。ハンターたちはカウンター(反撃)でしか一撃離脱をする鷹を攻撃できない。
メインフェイズに攻撃待機を攻撃することで1体の敵に対して目標設定。その目標が構えた得物の射程に入った瞬間、その目標のみに攻撃可能。
(つまり、近接攻撃ではほぼ、自分が目標となった時しか反撃できない。味方が隣り合っていれば届く武器もあるか)
降下攻撃中は回避不可。ただし、速度が速いので、PC攻撃時にマイナスの命中修正あり。
鷹が回避行動を取った(または取らされた)場合、鷹の降下攻撃はキャンセルされ、そのまま離脱。
鷹たちはまず単体で順番に降下攻撃。
一番目は直線降下。二番目は曲線降下。三番目からは連携した降下攻撃をしかけてくるようになる。
4.その他
PCが川に落ちた場合、すぐに浮き輪を抱えた水夫が助けに行きますが、金属製の防具は外しておいた方が無難です。
マスターより
うーん…… NPCが登場するシナリオは非戦闘。戦闘もののシナリオは非NPC。で出した方が字数的に楽かなぁ…… でも、そう限定するとショート連作は作り難いしなぁ……
ハッ?! 独り言を聞かれてしまったっ!?( こんにちは。柏木雄馬です。
というわけで、Fでは久々の戦闘ものとなりました。人数は今回も6人。そろそろ8人に戻すかどうかが今の所の考え所。
柏木分類の戦術系(目的の達成が優先。敵はシナリオの障害の一つ)。ですが、描写系も含みます。つまり、ネタに走るのもあり。ただし、失敗しない範囲でね! という()
そんなこんなではありますが、それでは皆様、よろしくお願い致します。
ハッ?! 独り言を聞かれてしまったっ!?( こんにちは。柏木雄馬です。
というわけで、Fでは久々の戦闘ものとなりました。人数は今回も6人。そろそろ8人に戻すかどうかが今の所の考え所。
柏木分類の戦術系(目的の達成が優先。敵はシナリオの障害の一つ)。ですが、描写系も含みます。つまり、ネタに走るのもあり。ただし、失敗しない範囲でね! という()
そんなこんなではありますが、それでは皆様、よろしくお願い致します。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/03/23 21:16
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 ジャンク(ka4072) 人間(クリムゾンウェスト)|53才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/03/16 06:57:54 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/03/11 21:33:50 |