• 不動
  • 戦闘

【不動】愚者の行進

マスター:蒼かなた

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/04/02 07:30
リプレイ完成予定
2015/04/11 07:30

オープニング

●咆哮と戯言
 ナナミ河撃滅戦での勝利。そしてそれに続く聖地の奪還作戦。その大義に人類は沸く。
 開拓地『ホープ』には次々に人と物が運び込まれ着々と準備が進んでいた。
 そんな中、ホープの東部に位置するナナミ河の河口付近にで怠惰の歪虚の目撃情報が上がった。
 聖地奪還作戦上では範囲外となる場所なのだが、そのまま放置する訳にもいかない。
 先に報告を受けた辺境の部族達が戦士を集め、その討伐に向かうこととなった。

 広大な荒野で土煙を上げながら十数名の部族の戦士達が馬を走らせる。
 数時間も走ったところで正面に大岩が転がる岩場が見えてきた。
 そこで戦闘を走る戦士の一人が声を上げる。
「正面の岩場に敵。怠惰の歪虚だ!」
 おそらく其処が怠惰の歪虚達の休息地だったのだろう。こちらの馬の走る音が聞こえたのか、一匹の歪虚がその岩場の入り口から顔を覗かせていた。
 そしてこちらを視認するなりガラガラな声で雄叫びを上げる。その声に応えるようにして岩場から更に二体の巨人が姿を現した。
「数は三体。倒せぬ敵ではない。行くぞっ!」
 戦士達もまた雄叫びを上げ、手にした武器を構え突撃を開始する。
 人を目にした怠惰の歪虚達は石斧を手に接近してくる。それに対して戦士達は一斉に弓を掃射、そして左右二手に分かれるようにして展開する。
 攻防は戦士達が有利に見える。現在負傷者はゼロ。歪虚にはまだ小さな傷しか与えられていないが確実にその体力を削っていく。
 その様はまさに狩りのようで、獲物である怠惰の歪虚を撹乱しながら徐々に弱らせていく手法は熟練の戦士達の腕の良さが分かる。
 そうこうしている間に、一体の怠惰の歪虚が膝をついた。馬ごと駆け寄った一人の戦士がその足に戦槌を叩きつけたのだ。
 苦悶の声を上げつつ倒れる巨人に戦士達は次々に弓を射掛けていく。
「よし、このまま――」
 一体目が落ちる。そう思った時だった。
 ――グオオオォォッ!
 膝をついていた巨人が一際大きな咆哮をあげた。
 周囲の空気をビリビリと振るわせるその怒号は周囲の他の音の一切を吹き飛ばし、肌に刺す様な痛みを与えながら通り過ぎる。
 その瞬間、馬達が突然恐慌状態に陥った。訓練された軍馬であるはずの馬達が今の咆哮を受けてパニックになり暴れまわり、またはその場で立ち尽くしてしまう。
 更に、残りの二体の巨人もそれに呼応するように咆哮を上げた。音と共に衝撃波が二度走り、その周囲にいた馬達は軒並み恐慌状態に陥ってしまう。
 そして棒立ちになってしまった馬に乗る戦士に巨大な石の塊が投げつけられた。
「しまっ――」
 その戦士は言葉を最後まで発する間も無く、馬ごと石に押し潰される。
 他の戦士達も同じように石斧の餌食になったり、馬が言うことを聞かず振り落とされて落馬し怪我をするものも出始めた。
「おのれ、能力持ちかっ」
 この場の指揮をしていた戦士が顔色を変えて呟く。
 恐慌に陥ってしまった馬達は半数。まだ立て直せるか? 指揮官の戦士は戦闘の続行か、撤退かを悩む。
 と、その時正面にある岩場からもう一体、巨人が現れた。その巨人は黒い襤褸切れを羽織っており、その手には棍棒……いや、それにしては細く長い杖のようなものを手にしていた。
 その巨人は指揮官の戦士を見ると、その杖を向け、言葉を口にした。
『ノロワレロ』
 それは確かに人の言葉であり、そして呪いの言葉だった。
 それを受けた途端、指揮官の戦士の体が石になったかのように固まり身動きが取れなくなる。
 手綱を手にしていた手も動かなくなり、馬からずり落ちるようにして地面に落ちた。
「おい、どうした? おいっ!」
「ぐっ、あ……何が、あった?」
 指揮官の戦士は痛みのおかげか動くようになった体で何とか立ち上がる。
 その足取りはおぼつかなく、近くで立ち止まっていた愛馬に掴まって立ってるのがやっとだった。
「これ以上は不味い。一旦退こう!」
 既に形勢は逆転。戦士達は巨人に追われ何とか攻撃を避けているだけで、放たれる矢は一本も無い。
 指揮官の戦士はその様子を確認し、歯を食いしばりながら何とか声を戦場に響かせる。
「撤退だ! 全員退けぇ!」

●とあるテントにて
 開拓地『ホープ』に立てられた仮設のプレハブ小屋にハンター達が集められた。
 そこで待っていたのはハンターオフィスの職員が一人。資料らしい紙束を手にハンター達に一礼する。
「緊急の依頼です」
 オフィス職員は簡潔に現在の状況を説明する。
 事は歪虚発見の報を受け、撃退に向かった部族の戦士達が壊走したことから始まる。
 当初は怠惰眷属の群からはぐれた歪虚であると思われたが、それが特殊個体であることが判明。
 周囲に居る存在を恐慌させる咆哮や、さらには何らかの方法によって意識を低迷させる能力を持っており、非覚醒者では歯が立たなかったのだ。
「特に黒い襤褸切れを纏ったこの個体は謎が多く、その外にも何らかの能力を持っている可能性があります」
 ハンター達に手渡された紙には、遠目に写したらしい襤褸切れを纏った巨人が写っていた。
 聖地奪還作戦の為、これ以上の被害は見過ごせない。また同時にこれ以上の時間も、戦力も割くことができない。
 これに失敗すれば周辺の町や村、もしかすればホープへの攻撃を許すことになりかねないのだ。
「説明は以上です。どうかご武運を」
 オフィス職員に見送られ、ハンター達はすぐさま出撃の準備に取り掛かった。

解説

【依頼内容】
 怠惰の歪虚の討伐

【敵情報】
 ・咆哮する巨人(仮称:ゲブリュル) 三体
  見た目は他の怠惰の歪虚達と同じ巨人型の歪虚。
  石斧で武装し、下半身には簡素ながら防具を纏っている。
  最初の襲撃である程度負傷している模様。
  <咆哮>
   少しの溜めの後に大声で咆哮をあげ、自身を中心とする範囲3スクエアにいる対象を恐慌状態(行動阻害:強度1)にする。
   標的となった対象は抵抗を行う事が可能。抵抗に失敗した場合、恐慌状態に陥り全ての行動に対してペナルティを受ける。

 ・呪う巨人(仮称:フルーホ)
  襤褸切れを纏った怠惰眷族の歪虚。やや小型だが三メートルを超える巨人に変わりは無い。
  杖らしきものを手にしている以外の装備は不明。
  <戯言>
   何らかの言葉と共に指定した地点とその隣接するスクエアにいる対象を金縛り状態(行動不能:強度2)にする。
   標的となった対象は抵抗を行う事が可能。抵抗に失敗した場合、金縛り状態に陥り自発的な行動を行えなくなる。
  <???>
   その他、何らかの特殊能力を持っている可能性がある。

【戦域情報】
 開拓地『ホープ』の東部に位置する荒野。
 障害物のない広大な荒野と、あちこちに転々と大岩の転がる怠惰の歪虚でも隠れられるような岩場が存在する。

【備考】
 歪虚達は段々と西進しており、何れ周囲の町や村を襲う可能性が高い。
 移動手段として馬が貸し出されるが、軍馬は不可。
 その他作戦や攻撃の時間帯はハンターに任せられるが、あまり多くの時間をかける事は出来ない。

マスターより

皆さんこんにちわ。蒼かなたです。
本依頼は聖地奪還作戦には直接影響はありませんが、放っておいては後顧の憂いになりかねません。
厄介な敵ではありますが、手負いであり倒せない敵ではありません。
皆様のご参加をお待ちしております。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/04/07 06:24

参加者一覧


  • ヴァイス・エリダヌス(ka0364
    人間(紅)|31才|男性|闘狩人

  • 上泉 澪(ka0518
    人間(紅)|19才|女性|霊闘士
  • 飽くなき探求者
    久延毘 大二郎(ka1771
    人間(蒼)|22才|男性|魔術師
  • 強者
    メリエ・フリョーシカ(ka1991
    人間(紅)|17才|女性|闘狩人
  • 鍛鉄の盾
    イーディス・ノースハイド(ka2106
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人
  • 弓師
    八原 篝(ka3104
    人間(蒼)|19才|女性|猟撃士

  • アーヴィン(ka3383
    人間(紅)|21才|男性|猟撃士

  • 伊勢・明日奈(ka4060
    人間(蒼)|16才|女性|聖導士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
八原 篝(ka3104
人間(リアルブルー)|19才|女性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2015/04/01 19:07:41
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/03/30 09:37:17