ゲスト
(ka0000)
特命・肖像画を奪還せよ
マスター:青木川舟

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/03/28 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/04/06 19:00
オープニング
●特命ハンター非公式依頼
「やあ、どうも。すみません、このようなところで」
あるハンターは、馴染みのソサエティ職員に呼び出され、大衆向けの居酒屋にやってきた。先に席についていた職員に迎えられ、ハンターはその向かいに腰を下ろす。飲み物を頼み、2、3の世間話を挟んだところで、職員は本題を口にした。
「今回お呼びしたのはですね、ちょっと相談……というか、聞いてもらいたい話があったのですよ。先日ソサエティに来た、とある依頼についてなのですがね――」
普通、依頼の話ならオフィスですればいい。2人はちょくちょくオフィスで顔を合わせているのだから。だというのにわざわざ外に呼び出して話をするということは――表立って話が出来ない。ソサエティに露見すると都合が悪いということか。
ハンターがそう尋ねると、職員は頷いた。
「結論から言いましょう。今回の依頼は『盗み』です」
盗み――つまりは窃盗だ。当然犯罪行為に当たる。
ハンターが怪訝な顔になったのを見て、職員は口調を早める。
「もちろん、ただの犯罪行為の片棒担ぎの依頼なら断って通報しますよ。ソサエティは何でも屋ではないのだから。しかし今回の件については、おそらくあなたなら興味を持つのではないかと思ってそうしなかったのです」
ハンターは少し考えて、とりあえず話を急かした。職員は待ってましたとばかりに饒舌になる。
「依頼主はクラウス・フォン・アーデルハイツという若い貴族です。貴族と言っても、いわゆる没落貴族というやつで、暮らしぶりは質素なもののようですがね。昨年、両親のアーデルハイツ卿と御夫人を相次いで病で失い、一人息子だった依頼主はそれを機に、屋敷や保有する調度品、美術品などを売り払い、街に出てきたそうなのです。しかしその際、1つだけ彼が手放すことを躊躇い、手元に残していた物があったのです」
職員は一旦酒をあおり、間を置いた。
「ジョルジオ・アンジェローニ――芸術に興味が無くても聞いたことあるでしょう。4世紀も前に活躍した大芸術家。彼の描いたアーデルハイツ家の祖先、セバスティアン・フォン・アーデルハイツの肖像画が、代々家宝として受け継がれてきていたのです。それだけは、依頼主は手放すことが出来なかった。ところが、現在その肖像画は彼の手元には存在しない。盗まれてしまったのです」
盗まれた? ハンターがそう訊き返すと、職員は頷いて続けた。
「移住のごたごたの最中に、数名の強盗に襲われたそうです。強盗は初めから狙っていたかのように、他の金品には一切手を付けず、アンジェローニの肖像画だけを奪っていきました。依頼主はご自分の人脈を駆使して辛抱強く調査を続け、強奪の主犯が豪商のステファン・ノーレッジ氏であると結論付けたそうです。ここまでの話は、全て裏付け調査も済んでいます。事実だと考えていいでしょう」
ハンターはなるほど、と頷いた。話が見えてきた。つまり依頼の『盗み』とは、そのアンジェローニの肖像画を、豪商ノーレッジから奪い返せということだろう。しかしそんなことはしなくても、そこまで調べが付いているのなら、あとは警察に任せればいいではないか、と考えるのは当然の思考だろう。そう職員に尋ねると、職員は首を横に振った。
「その手は既に失敗しています。ノーレッジという男は毛皮の取引で一代で財を築き上げた成金商人なのですが、かなり後ろ暗いこともやっているという噂は尽きないのです。それでものうのうと商売を続けられているのは、警察の上層部と賄賂で繋がっているからなのですよ。ですからいくら依頼主がノーレッジの悪行を訴えても、もみ消されてしまう。没落貴族の依頼主では、そこまでが精一杯だった。そこで最後の手として、ハンターズソサエティに頼ったのです」
しかしこの依頼、相手が悪であろうと『窃盗』には変わりない。ソサエティが表立って公式にこの依頼を受諾するのは、今後ソサエティ自身の首を絞める可能性がある。だからこの依頼を受けた職員は、ソサエティを通さず、個人的にこの話を馴染みのハンターに持って来たのであった。
「この件はなるべく表ざたにはしたくありません。ハンターズソサエティの関与が疑われるのも避けたいですし、依頼人の立場も危うくなります。行動中は可能な限り相手を傷つけず、痕跡も残さないのが理想です。モノが帰って来た場合、依頼人は美術館に肖像画を売却し、そこから正規の報酬と同額を支払うとおっしゃっています。いかがです? 内容はグレーですが、興味をそそられるのではないですか、あなたなら」
職員に見つめられ、ハンターは小さく息を吐き、一口飲み物をあおった。
「やあ、どうも。すみません、このようなところで」
あるハンターは、馴染みのソサエティ職員に呼び出され、大衆向けの居酒屋にやってきた。先に席についていた職員に迎えられ、ハンターはその向かいに腰を下ろす。飲み物を頼み、2、3の世間話を挟んだところで、職員は本題を口にした。
「今回お呼びしたのはですね、ちょっと相談……というか、聞いてもらいたい話があったのですよ。先日ソサエティに来た、とある依頼についてなのですがね――」
普通、依頼の話ならオフィスですればいい。2人はちょくちょくオフィスで顔を合わせているのだから。だというのにわざわざ外に呼び出して話をするということは――表立って話が出来ない。ソサエティに露見すると都合が悪いということか。
ハンターがそう尋ねると、職員は頷いた。
「結論から言いましょう。今回の依頼は『盗み』です」
盗み――つまりは窃盗だ。当然犯罪行為に当たる。
ハンターが怪訝な顔になったのを見て、職員は口調を早める。
「もちろん、ただの犯罪行為の片棒担ぎの依頼なら断って通報しますよ。ソサエティは何でも屋ではないのだから。しかし今回の件については、おそらくあなたなら興味を持つのではないかと思ってそうしなかったのです」
ハンターは少し考えて、とりあえず話を急かした。職員は待ってましたとばかりに饒舌になる。
「依頼主はクラウス・フォン・アーデルハイツという若い貴族です。貴族と言っても、いわゆる没落貴族というやつで、暮らしぶりは質素なもののようですがね。昨年、両親のアーデルハイツ卿と御夫人を相次いで病で失い、一人息子だった依頼主はそれを機に、屋敷や保有する調度品、美術品などを売り払い、街に出てきたそうなのです。しかしその際、1つだけ彼が手放すことを躊躇い、手元に残していた物があったのです」
職員は一旦酒をあおり、間を置いた。
「ジョルジオ・アンジェローニ――芸術に興味が無くても聞いたことあるでしょう。4世紀も前に活躍した大芸術家。彼の描いたアーデルハイツ家の祖先、セバスティアン・フォン・アーデルハイツの肖像画が、代々家宝として受け継がれてきていたのです。それだけは、依頼主は手放すことが出来なかった。ところが、現在その肖像画は彼の手元には存在しない。盗まれてしまったのです」
盗まれた? ハンターがそう訊き返すと、職員は頷いて続けた。
「移住のごたごたの最中に、数名の強盗に襲われたそうです。強盗は初めから狙っていたかのように、他の金品には一切手を付けず、アンジェローニの肖像画だけを奪っていきました。依頼主はご自分の人脈を駆使して辛抱強く調査を続け、強奪の主犯が豪商のステファン・ノーレッジ氏であると結論付けたそうです。ここまでの話は、全て裏付け調査も済んでいます。事実だと考えていいでしょう」
ハンターはなるほど、と頷いた。話が見えてきた。つまり依頼の『盗み』とは、そのアンジェローニの肖像画を、豪商ノーレッジから奪い返せということだろう。しかしそんなことはしなくても、そこまで調べが付いているのなら、あとは警察に任せればいいではないか、と考えるのは当然の思考だろう。そう職員に尋ねると、職員は首を横に振った。
「その手は既に失敗しています。ノーレッジという男は毛皮の取引で一代で財を築き上げた成金商人なのですが、かなり後ろ暗いこともやっているという噂は尽きないのです。それでものうのうと商売を続けられているのは、警察の上層部と賄賂で繋がっているからなのですよ。ですからいくら依頼主がノーレッジの悪行を訴えても、もみ消されてしまう。没落貴族の依頼主では、そこまでが精一杯だった。そこで最後の手として、ハンターズソサエティに頼ったのです」
しかしこの依頼、相手が悪であろうと『窃盗』には変わりない。ソサエティが表立って公式にこの依頼を受諾するのは、今後ソサエティ自身の首を絞める可能性がある。だからこの依頼を受けた職員は、ソサエティを通さず、個人的にこの話を馴染みのハンターに持って来たのであった。
「この件はなるべく表ざたにはしたくありません。ハンターズソサエティの関与が疑われるのも避けたいですし、依頼人の立場も危うくなります。行動中は可能な限り相手を傷つけず、痕跡も残さないのが理想です。モノが帰って来た場合、依頼人は美術館に肖像画を売却し、そこから正規の報酬と同額を支払うとおっしゃっています。いかがです? 内容はグレーですが、興味をそそられるのではないですか、あなたなら」
職員に見つめられ、ハンターは小さく息を吐き、一口飲み物をあおった。
解説
●概要
依頼人の家宝である肖像画を、盗み出した相手の屋敷から盗み出せれば成功です。オープニングで職員が語った内容には嘘やニセ情報はありません。またソサエティを通していないからといって、任務遂行のプロセスには通常と違いはありません。転移門を使って現場近くまで移動して行動となります。報酬も通常通り支払われます。
●肖像画について
ジョルジオ・アンジェローニ作のセバスティアン・フォン・アーデルハイツの肖像画。アンジェローニのまだ世に出ていない作品ということで、美術的価値は大きい。大きさは本体だけで縦2.3メートル、横1.1メートルと大きく、1人で運ぶのは難しい。これが額に入った状態で、豪商ステファン・ノーレッジの屋敷内のどこかにある。
●ステファン・ノーレッジ
46歳、男性。独身。毛皮の豪商。物腰は柔らかだが、黒い噂が尽きない。あまり他人を信用しない為、大切な物は自分の目の届く範囲に置きたがる。美術品の収集が趣味で、古今東西様々な物品が屋敷に集められている。特に気に入った美術品にはいくらでも金を積み、それでも手に入らない場合は強硬手段に打って出ることもある。屋敷は3階建て。家主であるノーレッジの寝室、書斎、居間、食堂、客間、使用人たちの部屋など、大小合わせて20あまりの部屋がある。昼間はノーレッジや使用人が常に活動していて、夜間は使用人が2時間置きに屋敷内の見回りを行っている。肖像画がどこにあるかは不明。
●クラウス・フォン・アーデルハイツ
21歳、男性。独身。由緒ある家系だが、現在は没落し、屋敷を手放して街で酒場を経営して暮らしている。肖像画は、没落しても尚、一族の家宝として思い入れがあったが、現在の自らにはこれを管理していく財力が無いと考え、もし返ってきても、美術館への売却を決めている。
依頼人の家宝である肖像画を、盗み出した相手の屋敷から盗み出せれば成功です。オープニングで職員が語った内容には嘘やニセ情報はありません。またソサエティを通していないからといって、任務遂行のプロセスには通常と違いはありません。転移門を使って現場近くまで移動して行動となります。報酬も通常通り支払われます。
●肖像画について
ジョルジオ・アンジェローニ作のセバスティアン・フォン・アーデルハイツの肖像画。アンジェローニのまだ世に出ていない作品ということで、美術的価値は大きい。大きさは本体だけで縦2.3メートル、横1.1メートルと大きく、1人で運ぶのは難しい。これが額に入った状態で、豪商ステファン・ノーレッジの屋敷内のどこかにある。
●ステファン・ノーレッジ
46歳、男性。独身。毛皮の豪商。物腰は柔らかだが、黒い噂が尽きない。あまり他人を信用しない為、大切な物は自分の目の届く範囲に置きたがる。美術品の収集が趣味で、古今東西様々な物品が屋敷に集められている。特に気に入った美術品にはいくらでも金を積み、それでも手に入らない場合は強硬手段に打って出ることもある。屋敷は3階建て。家主であるノーレッジの寝室、書斎、居間、食堂、客間、使用人たちの部屋など、大小合わせて20あまりの部屋がある。昼間はノーレッジや使用人が常に活動していて、夜間は使用人が2時間置きに屋敷内の見回りを行っている。肖像画がどこにあるかは不明。
●クラウス・フォン・アーデルハイツ
21歳、男性。独身。由緒ある家系だが、現在は没落し、屋敷を手放して街で酒場を経営して暮らしている。肖像画は、没落しても尚、一族の家宝として思い入れがあったが、現在の自らにはこれを管理していく財力が無いと考え、もし返ってきても、美術館への売却を決めている。
マスターより
どうも青木です。依頼が『窃盗』ということで、ちょっとグレーな任務ですね。裁けぬ悪を裁く、的な感じで、よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/04/05 14:18
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/03/24 11:05:23 |
|
![]() |
作戦相談卓 高円寺 義経(ka4362) 人間(リアルブルー)|16才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/03/28 17:23:57 |